○赤嶺政賢君 私は、
日本共産党を代表し、
在日米軍駐留経費負担特別協定について
質問をいたします。(
拍手)
初めに、
米軍普天間基地問題です。
辺野古への新基地建設をめぐり、
政府と
沖縄県との和解が成立し、埋立工事は中止されました。
安倍首相は
沖縄県の翁長知事と会談し、今後は、誠意を持って
沖縄県と
協議を続け、円満解決に向けて話し合いたいと述べました。
ところが、
政府は、そのわずか三日後、
協議は始まってもいないのに、直ちに
沖縄県に是正の指示を出したのであります。これでどうして円満解決に向けた
協議ができるのですか。
和解の成立に先立ち、裁判所が提示した和解勧告文があります。
そこでは、現在の
政府と
沖縄県の対立について、国と地方公共団体が、独立の行政
主体として
役割を
分担し、対等、
協力の
関係になることが期待された九九年地方自治法改正の精神に反すると
指摘しています。
この
指摘は、選挙で示された民意を無視し、私人の権利救済を
目的とした行政不服審査制度を濫用し、県の権限を剥奪する代執行訴訟に訴えてまで新基地建設を強行してきた安倍内閣の
民主主義、地方自治無視の姿勢に向けられたものではないのですか。
政府は、和解勧告の
趣旨を重く受けとめ、国の結論を一方的に押しつける姿勢を改め、
沖縄県と誠意を持って
協議を行うべきです。答弁を求めます。
来月十二日で、橋本・モンデール会談から二十年になります。
普天間基地の返還が実現しなかったのはなぜか。
政府はその根本に目を向けるべきです。
この二十年、
政府の計画は、SACO合意当時の海上へリポート案、軍民共用空港案、
米軍再編合意に基づくL字案、そして現在のV字案へと、何度も変更を余儀なくされました。
そのやり方も、
自衛隊の掃海母艦「ぶんご」を投入した環境調査の強行、
沖縄防衛局による県庁守衛室への未明の環境アセス評価書の提出、仲井真前知事による県外移設の公約と、環境保全は不可能との立場を覆した埋立
承認、そして安倍内閣による代執行訴訟など、前代未聞の暴挙の連続でした。
それでも、基地はできなかったのであります。
政府は、このことを重く受けとめるべきです。
戦後七十年以上にわたり基地の重圧に苦しめられてきた
沖縄で、新たな基地を受け入れられるはずがありません。
基地のたらい回しは許さない、これが県民の揺るがぬ民意であります。
これ以上、
普天間基地の危険性を放置することは許されません。
米軍占領下で、国際法にも違反して住民の土地を強奪してつくった基地は、無条件で撤去するのが当然ではありませんか。
政府は、建白書に込められた県民の願いに応え、
辺野古への新基地建設を断念し、
普天間基地を直ちに閉鎖、撤去することを決断すべきであります。答弁を求めます。
次に、
特別協定です。
新
協定の
交渉を開始した昨年四月、
日米両
政府は、新たな軍事
協力の指針、
ガイドラインに合意をいたしました。
日米共同声明は、
ガイドラインの
もとで、
日米が長期にわたり、地域とグローバルな
安全保障上の課題に共同して対処するとし、
日本における安定的で長期的な
米軍の
プレゼンスがその基礎だと述べています。
これは、
日米安保条約を文字どおり地球
規模の軍事同盟に転換し、
在日米軍の
駐留と
日本政府による
経費負担をその不可欠の
要素に位置づけたものではありませんか。
政府が思いやりと称して
米軍駐留経費の
負担を開始してから四十年、最初の
特別協定の
締結から三十年になろうとしています。
一九七八年、アメリカの要求に応え、基地従業員の福利費などの
負担に踏み切り、隊舎や家族住宅などの
施設整備、給与本体、光熱水料、
訓練移転へと拡大され、七八年以降の
負担総額は七兆円に達しようとしています。
そもそも、
日米地位協定二十四条は、
米軍の維持
経費は、
日本国に
負担をかけないで合衆国が
負担すると規定しています。
米軍のさまざまな特権を定めた
地位協定からいっても、
日本には
負担義務はないのであります。
にもかかわらず、四十年にわたり、
世界に例のない
負担を継続してきたことを
国民にどう
説明するのですか。
これをさらに続けることは、事実上の恒久化に等しいものと言わなければなりません。明確な答弁を求めます。
政府は、
特別協定締結当時、アメリカの財政赤字を最大の
理由とし、暫定的、限定的、特例的な
措置だと
説明しました。
我が国自身が巨額の財政赤字を抱え、
国民生活の
予算を次々と削り、消費税をさらに引き上げようとしている
もとで、どうしてこのような
負担を継続するのですか。
政府の
財政制度審議会でさえ、聖域視せず見直しを行い、縮減する必要があると
指摘していたのではありませんか。にもかかわらず、
日本が
負担する基地従業員数を過去
最高に引き上げ、五年間の
負担総額を百三十三億円の
増額としたのはなぜですか。
国会と
国民に、その明確な積算
根拠を示すべきです。
思いやり予算だけではありません。
辺野古の新基地建設や米領
グアムの
米軍基地増強を初めとする
米軍再編経費は過去
最高額です。さらに、
米軍のF35戦闘機やオスプレイの地域
整備拠点まで
日本の財政
負担で
整備しようとしています。
日本の財政は、アメリカの国防
予算を肩がわりするためにあるのではありません。
政府の対米従属姿勢を根本から改めるべきではありませんか。
以上、新
ガイドライン実行のための戦争法とともに、
思いやり予算と
特別協定を廃止することを求め、
質問を終わります。(
拍手)
〔
国務大臣菅義偉君
登壇〕