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2016-02-16 第190回国会 衆議院 本会議 第11号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十八年二月十六日(火曜日)
—————————————
平成
二十八年二月十六日 午後一時 本
会議
—————————————
○本日の
会議
に付した案件
議員辞職
の件
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)の
趣旨説明
及び
質疑
午後一時二分
開議
大島理森
1
○
議長
(
大島理森
君) これより
会議
を開きます。
————◇—————
議員辞職
の件
大島理森
2
○
議長
(
大島理森
君) 去る十二日、
議員宮崎謙介
君から、今般、
一身上
の
都合
により
衆議院議員
を
辞職
いたしたく御許可願いたい旨の辞表が
提出
されております。
—————————————
辞職願
今般
一身上
の
都合
により
衆議院議員
を
辞職
いたしたく御許可願います。
平成
二十八年二月十二日
衆議院議員
宮崎
謙介
衆議院議長
大島
理森
殿
—————————————
大島理森
3
○
議長
(
大島理森
君) これにつきお諮りいたしたいと思います。
宮崎謙介
君の
辞職
を許可するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
大島理森
4
○
議長
(
大島理森
君) 御
異議
なしと認めます。よって、
辞職
を許可することに決まりました。
————◇—————
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)の
趣旨説明
大島理森
5
○
議長
(
大島理森
君) この際、
内閣提出
、
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
について、
趣旨
の
説明
を求めます。
財務大臣麻生太郎
君。 〔
国務大臣麻生太郎
君
登壇
〕
麻生太郎
6
○
国務大臣
(
麻生太郎
君) ただいま
議題
となりました
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
の
趣旨
を御
説明
申し上げさせていただきます。 本
法律案
は、
経済
の好
循環
の確立、
消費税率引き上げ
に伴う低
所得者
への
配慮
、
少子化対策
・
教育再生
、
地方創生
の
推進
、
国際課税
の
枠組み
の再構築、
震災
からの
復興支援等
の
観点
から、
国税
に関し、所要の
改正
を
一体
として行うものであります。 以下、その大要を御
説明
申し上げます。 第一に、
経済
の好
循環
を確実なものとするため、
法人税
について
税率
の
引き下げ
及び
欠損金繰越控除制度
の
見直し等
を行うことといたしております。 第二に、
消費税率引き上げ
に伴う低
所得者
への
配慮
のため、
消費税
の
軽減税率制度
の
創設等
を行うことといたしております。 第三に、
少子化対策
及び
教育再生
のため、三
世代同居
に
対応
した
住宅
のリフォームを
支援
するための
住宅ローン控除
の
特例
の
創設
、
公益社団法人等
に
寄附
をした場合の
所得税額
の
特別控除制度
の
見直し等
を行うことといたしております。 第四に、
地方創生
の
推進
のため、
認定地方公共団体
の
寄附活用事業
に関連する
寄附
をした場合の
法人税額
の
特別控除制度
の
創設
、
外国人旅行者向け消費税免税制度
の
拡充等
を行うことといたしております。 第五に、
国際課税
の
枠組み
を再構築するため、多
国籍企業情報
の
報告制度
の
創設等
を行うこととしております。 第六に、
震災
からの
復興
を
支援
するため、
被災関連市町村
から
特定
の交換により土地を取得した場合の
登録免許税
の
特例
の
創設等
を行うこととしております。 このほか、クレジットカードによる
国税
の
納付制度
の
創設等
を行うとともに、
特定認定長期優良住宅
の
所有権
の
保存登記等
に対する
登録免許税
の
特例等
について、その
適用期限
の延長や
整理合理化等
を行うことといたしております。 以上、
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
趣旨
を御
説明
申し上げた次第であります。(
拍手
)
————◇—————
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)の
趣旨説明
に対する
質疑
大島理森
7
○
議長
(
大島理森
君) ただいまの
趣旨
の
説明
に対して
質疑
の通告があります。順次これを許します。
うえの賢一郎
君。 〔
うえの賢一郎
君
登壇
〕
うえの賢一郎
8
○
うえの賢一郎
君
自由民主党
の
うえの賢一郎
でございます。 私は、
自由民主党
を代表いたしまして、ただいま
議題
となりました
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、
安倍総理
並びに
関係
の
大臣
に
質問
をさせていただきたいと思います。(
拍手
)
我が国
が直面をする最重要の
課題
は、
デフレ脱却
と
経済
の
再生
です。
安倍政権
においては、
総理
の強い
リーダーシップ
の
もと
、三本の矢から成る
経済政策
を
一体
的に
推進
し、常に
経済
最優先で取り組んでまいりました。こうした
経済政策
が功を奏し、
雇用
は百十万人以上もふえ、正社員も
増加
に転じました。さらに、
有効求人倍率
は二十四年
ぶり
の高さとなり、昨年には十七年
ぶり
の高い
賃上げ
も
実現
をいたしました。 一方、
原油安
や新
興国経済
の先行きに対する
不安感等
から、
世界
的な
リスク回避
の
動き
が強まり、マーケットに不安定な
動き
も見られます。
実体経済
を見れば、
日本経済
の
ファンダメンタルズ
は極めてしっかりしていると
考え
ますが、現下の
経済状況
も踏まえ、本
法案
も含めた今後の
経済財政運営
の基本的な
方針
について、
総理
にお
伺い
をいたします。 次に、
法人税改革
についてです。
安倍政権
においては、
賃金引き上げ
を強く後押しする
所得拡大促進税制
や
企業
の
設備投資
を強力に
推進
する
生産性向上設備投資促進税制
など、大胆な
政策税制
を
実現
してまいりました。
企業収益
の
拡大
が
雇用
の
増加
や
賃金上昇
につながり、それが
消費
や
投資
の
拡大
に結びつくという
経済
の好
循環
が生まれ始めています。これは、こうした
税制面
での
取り組み
が有効に機能していることの証左だと
考え
ます。 また、
アベノミクス
の三本の矢により、
企業収益
が過去
最高
となる中で、
経済
の好
循環
をより確実なものとしていくためには、
企業
がさらなる
投資拡大
や
賃金引き上げ
に積極的に取り組むことが何より重要です。今般の
法人税改革
は、このような
観点
から
法人課税
の
あり方
を見直すものであり、極めて重要な意義を持つものと
考え
ます。 そこで、
総理
に、これまで講じてきた
政策税制
への
評価
、今般の
法人税改革
の狙いや期待される
効果
についてお
伺い
をしたいと思います。 一方、
経済再生
と両立して
財政健全化
を進めることも極めて重要であります。
国民
に安心できる未来を約束できなければ、安定した
経済成長
もあり得ません。安定した
社会保障制度
を次世代に引き渡すとともに、
財政健全化
を進めるためにも、
社会保障
と税の
一体改革
を
実現
しなければなりません。
消費税率
一〇%への
引き上げ
は、
平成
二十九年四月に確実に
実施
をする必要があります。 この
消費税率
の
引き上げ
に当たっては、
与党
における真摯かつ徹底した議論の結果、
軽減税率制度
の
導入
が本
法案
に盛り込まれました。
国民
が毎日購入している飲食料品などを
軽減税率
の
対象
とすることで、
消費税
の
逆進性
を緩和しながら、痛
税感
の緩和につながるものと
考え
ます。
他方
で、
中小事業者
や
税務関係者
など具体的に
実務
に携わる方々を
中心
に、
区分経理
や
システム整備
が大変だとの声も聞かれます。
軽減税率制度
の成否は、
消費税制度そのもの
への
信頼感
に直結するものでもあります。この
制度
の
導入
は多くの
事業者
の
実務
や
経営
に
影響
を与えるものであることを踏まえ、万全の
準備
を進めていくべきだと
考え
ますが、
制度導入
に向けた
政府
の
取り組み
について、
麻生財務大臣
にお
伺い
をいたします。
安倍政権発足
以降、
有効求人倍率
は全ての
都道府県
で上昇し、
地方
における一人
当たり賃金
、
就業者数
は前年比でプラスとなるなど、
経済
の好
循環
に向けた
動き
は確実に
地方
へ波及しつつあります。
他方
、
消費
の
動向
を見ると、いまだ
地域
間でばらつきが見られ、また、
地方
を
中心
に
人手不足
も
顕在化
をしております。
経済
の好
循環
を
地方
にくまなく届けることが待ったなしの
課題
となっています。
地方
が元気でなければ、
日本再生
はあり得ません。
地方経済
の
活力
を高めることによって
人口減少
に歯どめをかけ、
地方経済
の縮小、
停滞感
を打ち破ることが必要です。 特に、
我が国
の
事業者数
の九九・七%、
従業員数
では約七割を占める
中小企業
、
小規模事業者
は
日本経済
の根幹であり、
地域
の
景気
と
雇用
を支える
中小企業
、
小規模事業者
の
活性化
を一層進めることが重要であります。 本
法案
においては、
地方法人課税
の
拡充
、
消費税免税制度
の
拡充
といった、
地方創生
の
実現
に向けた
措置
が講じられております。こうした
措置
については高く
評価
をいたしますが、その上で、
地域
の
中小企業
、
小規模事業者
を力強く後押しするために、
税制
も含めて総合的に取り組む必要があります。このような
観点
から、
地方経済
の
再生
にどのように取り組まれるのか、
林経済産業大臣
にお
伺い
をしたいと思います。
安倍政権発足
以降、
我が国
の
経済財政運営
は、
経済
の
再生
、
財政健全化
の両立に向け、
総理
の力強い
リーダーシップ
の
もと
、的確に進められてきたものと
考え
ます。今後とも、そのような
方針
を堅持し、急速な
少子高齢化
など、
我が国
を取り巻くさまざまな壁を乗り越えて
いか
なければなりません。あのとき
政治
が頑張ったのですばらしい
日本
になった、そう後世の方からも
評価
されるように、今、私
ども
は、困難な
課題
にも敢然と挑戦していくことが必要だと
考え
ております。 私
ども与党
としても、
活力
に満ちた力強い
日本
を取り戻すために全力を尽くすことをお誓い申し上げ、私の
質問
を終わらせていただきます。 ありがとうございます。(
拍手
) 〔
内閣総理大臣安倍晋
三君
登壇
〕
安倍晋三
9
○
内閣総理大臣
(
安倍晋
三君)
うえの賢一郎議員
にお答えをいたします。
経済財政運営
の基本的な
方針
についての
お尋ね
がありました。
世界
的に
リスク回避
の
動き
が
金融市場
で広がる中、
我が国
の
市場
でも変動が見られていますが、これは、中国の
景気減速
への懸念や
原油価格
の低下、米国の利上げの
動向等
の
海外要因
が背景と見られています。 しかしながら、
我が国
の
実体経済
を見れば、もはや
デフレ
ではないという
状況
をつくり出す中で、
名目GDP
は二十七兆円
増加
し、
企業収益
は過去
最高
となり、
就業者数
は百十万人以上
増加
するなど、
日本経済
の
ファンダメンタルズ
は確かなものと
認識
しています。
デフレ脱却
に向けて、今はまさに正念場であり、今後は、これまでの
経済政策
を一層強化し、
企業
の
収益
を、
賃上げ
を通じた
消費
の
拡大
や
民間投資
の
拡大
につなげていきます。また、
成長戦略
をさらに進化させ、
イノベーション
を通じた
生産性向上
を促します。
経済
の好
循環
を確実なものとするため、
成長志向
の
法人税改革
や
固定資産税
の
設備投資減税
を
実施
する
平成
二十八年度
税制改正
を含め、
政策
を総動員してまいります。 あわせて、
経済再生
なくして
財政健全化
なしとの
方針
の
もと
、今後とも、
経済
・
財政一体改革
を不退転の決意で断行し、二〇二〇年度の
財政健全化目標
を
実現
してまいります。
法人税改革
について
お尋ね
がありました。
安倍内閣
においては、
平成
二十五年度及び二十六年度の
税制改正
において、
企業
の
賃上げ
や
投資拡大
を
支援
するため、
所得拡大促進税制
などの
政策税制
を充実いたしました。
政労使会議
の開催といった
取り組み
のほか、こうした
政策税制
も
一つ
のきっかけとして、二年連続の大幅な
賃上げ
が
実現
するなど、
経済
の好
循環
が確実に生まれてきたものと
考え
ております。 また、今般の
法人税改革
も、
企業
が
収益力
を高め、
賃上げ
や
投資拡大
に一層積極的に取り組むよう促すための
改革
であり、来年度の
税制改正
では、
改革
二年目にして
法人実効税率
二〇%台を
実現
することとしております。 これにより、
企業
のマインドが変わり、
賃上げ等
の
取り組み
につながっていくことを期待しております。 残余の
質問
につきましては、
関係大臣
から答弁させます。(
拍手
) 〔
国務大臣麻生太郎
君
登壇
〕
麻生太郎
10
○
国務大臣
(
麻生太郎
君)
軽減税率制度
の
導入
に向けた
政府
の
取り組み
についての
お尋ね
があっております。
平成
二十九年四月の
軽減税率制度
の
導入
に向け、
事業者
が円滑に
準備
が進められるよう
配慮
することは大変重要なことであると
考え
ております。 このため、今般国会に
提出
をいたしました
税制改正法案
にも明記をいたしておりますように、
軽減税率制度
の
導入
に
当たり
混乱が生じないように万全な
準備
を進めていくため、
政府
に必要な体制を整備するとともに、
事業者
の
準備状況等
を検証しつつ、
軽減税率制度
の円滑な
導入
及び運用に向けた必要な
対応
を行うことといたしております。 その一環として、
制度
の
周知徹底
、
相談
への
対応
を丁寧に行うとともに、
中小
の
事業者
が
複数税率
に
対応
するために必要なレジの
導入
や
システム
の改修などに対して
資金
的に
支援
することといたしております。
予備費
や
補正予算
で手当てするなど、
政府
として万全の
準備
を進めているところであります。(
拍手
) 〔
国務大臣林幹雄
君
登壇
〕
林幹雄
11
○
国務大臣
(
林幹雄
君)
地方経済再生
のための総合的な
中小企業
、
小規模事業者支援策
について
お尋ね
がありました。
日本経済
を持続的な
成長軌道
に乗せていくためには、全国津々浦々の
中小企業
、
小規模事業者
を力強く後押しするべく、さまざまな
支援
を行っていくことが必要です。 そのため、まず、
生産性向上
を
支援
すべく、
税制面
では、
生産設備
の
固定資産税
について大胆な
減税
を行う
考え
です。
予算面
では、
ものづくり
・商業・サービス新
展開支援補助金
により、新商品の開発などを
支援
してまいります。 さらに、よろず
支援拠点
を
拡充
し、各
都道府県
において、
中小企業
、
小規模事業者
の
経営課題
に関する
相談
に一層きめ細かく応じてまいります。 また、これら
税制面
や
予算面
での
支援
だけでなく、
下請取引
を
適正化
し、
中小企業
の
収益拡大
を図ることも不可欠と
考え
ています。このため、現在、三次
下請
、四次
下請
など、
取引
上の
立場
の弱い
中小企業
を含めて、
産業界
に対する大規模な
調査
を
実施
中であり、年度末までに結果を取りまとめます。この
調査
の結果を踏まえ、
下請取引
の
適正化
のために必要な
対策
を講じてまいります。
経済
の好
循環
を
実現
していくため、
税制
を含めたあらゆる施策を総動員することにより、
地域
の
中小企業
、
小規模事業者
をしっかりと
支援
してまいります。(
拍手
)
—————————————
大島理森
12
○
議長
(
大島理森
君)
木内孝胤
君。 〔
木内孝胤
君
登壇
〕
木内孝胤
13
○
木内孝胤
君
維新
の党、
木内孝胤
です。
民主
・
維新
・
無所属クラブ
を代表し、ただいま
議題
となりました
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
について
質問
いたします。(
拍手
) 税は
国家
なりという言葉があります。
税制
は、その
あり方一つ
で、国の形、
社会
の形、
国民
の
生活
、
経済
、
産業
に大きな
影響
を与えるからです。
日本
は、かつては一人
当たりGDP
が
世界
第三位でありましたが、現在は二十七位まで落ち込み、数字以外にも多くの
課題
や
危機
に直面しています。しかしながら、今回の
税制
や
予算
で見えてきたのは、その
危機
を克服しようという
政府
の強い意思ではなく、目先の
参議院選挙
に向けた
年金生活者向け
の三万円のばらまき、
政府税調
や
自民党
内でも大半の
議員
が
反対
と言っている
軽減税率
を、
選挙対策
上仕方がな
いか
らという
理由
で賛成しているという
安倍政権
のていたらくです。これでは、税は
国家
ではなく、税は
選挙対策資金
と言いたくなってしまいます。 まず、注目の
軽減税率
について
安倍総理
に
伺い
ます。 一昨年四月に、
消費税
が五%から八%に
引き上げ
られました。その際、
逆進性対策
がとられなかった結果、
消費
の低迷が続いています。今回の
軽減税率
の目的を改めて
説明
してください。
逆進性対策
を
考え
た場合、
軽減税率
は高
所得者
ほど
恩恵
が多いために
有効打
にならないことが、
予算委員会
、
財務金融委員会
などでも論理的に
説明
されています。
所得
の再
分配
が重要なテーマとなっている中で、なぜ
効果
の薄い
軽減税率
を
導入
するのでしょうか。 加えて、
中小企業
、
小規模事業者
から
事務負荷
が大きいと
反対意見
が表明され、
インボイス方式
が
導入
されるまでの
移行措置
も評判の悪い問題をどのように解決なさるお
考え
でしょうか。
軽減税率
の一兆円の
財源
について
伺い
ます。
社会保障
の
自己負担
を減らす
総合合算制度
を見送りにして、四千億円の
財源
が捻出されました。そもそも、
社会保障
を充実させるために
消費税
を
増税
したことに矛盾していないでしょうか。残りの
財源
六千億円を捻出するめどは立っていません。
子育て費用
や
社会保障
を
削減
しないと明言できないのは、
削減
する
可能性
があるということでしょうか。
軽減税率
の
適用品目
の
決定プロセス
については、利権の温床になってしまう
可能性
があります。そのいい例が
新聞
です。本来であれば公正に
軽減税率
の
問題点
を報道するべきメディアの幹部が、
安倍総理
と
会食
を重ね、
自分たち
だけは
軽減税率
の
対象
にしてもらうという
安全地帯
に身を置いています。
会食
の場所で
新聞
の
軽減税率
の陳情を受けたことはありますか。
新聞業界
の受ける
恩恵
は幾らと試算していますか。
会食
の
費用
は誰が負担しているのでしょうか。
政官業
の
癒着構造
について厳しい目が向けられる中で、避けるべき行為だという
認識
はないのでしょうか。
民主
・
維新
・
無所属クラブ
は、
格差
の
是正
、公正な再
分配
として、
給付つき税額控除
という
法案
を
提出予定
であります。公平、
中立
、簡素で、
格差
の
是正
にもなり、
事業者負担
も軽いというメリットがあります。
安倍総理
は、この
給付つき税額控除
と
軽減税率
を比較して、どのような長所や短所があるとお
考え
でしょうか。
日本
のみならず、公正な再
分配
は
世界
的な
課題
となっています。スイスやフィンランドでは、月額三十万円や十一万円の
ベーシックインカム導入
の是非を問う
国民投票
が
実施
される
予定
です。 一気に十一万円とはいきませんが、
給付つき税額控除
は
日本版ベーシックインカム
ともいうべき安心を生み出す新たな
セーフティーネット
の
制度
です。
安倍総理
は、公正な再
分配
としての
ベーシックインカム
及び
給付つき税額控除
をどのようにお
考え
ですか。トリクルダウンが機能しないという理解が
世界
的にも進む中で、
所得
が低い方ほど
消費性向
が高く、
成長戦略
としても有効との
認識
はおありでしょうか。 二〇一七年四月の
消費税
の
増税
について
安倍総理
に
伺い
ます。
維新
の党は、税と
社会保障
の
一体改革
の三
党合意
には参加していません。
増税
をする前にやるべきことがある、
議員定数
の
削減
、身を切る
改革
、
デフレ脱却
や
経済再生
を先に
実現
するべきという
立場
であったからです。
増税
を先行したところ、実際に
議員定数
の
削減
はほごにされ、
歳出削減
は置き去りにされてしまいました。三
党合意
を進めた
民主
党の
議員
からは、
自民党
は三
党合意
をほごにしているという声が多く聞かれます。
自民党
は十名の
議員定数
の
削減
すら
先送り
にしている、
社会保障
の将来像を示さない、
金持ち優遇
の
軽減税率
の
財源
に
社会保障
をカット、
景気条項
を廃止しているなどです。
安倍総理
は、三
党合意
はきちんと守られているとお
考え
でしょうか。
合意
をほごにするのであれば、
軽減税率
を前提とした一〇%への
増税
は
受け入れ
られないと
考え
るのが自然ではな
いか
と
考え
ますが、
いか
がでしょうか。
景気条項
もそうです。不
確実性
を増している
世界経済
、昨日発表された十月—十二月期の
実質GDP
も予想以上の
減速
で、
年率マイナス
一・四%であったことをしても、
総理
には足元の
経済状況
に謙虚に向き合っていただき、再
分配政策
が
個人消費
の喚起につながると前向きに取り組んでいただきたいと
考え
ます。
アベノミクス
の
成長戦略
である三本目の矢が見えないということに、
金融資本市場
から失望の声が多く聞かれます。 元大蔵省の
経済学者野口悠紀雄
氏が、
日本経済
の
仕組み
は
戦争直前
の一九四〇年にできた
戦時統制経済
だと定義づけておられます。
復興期
や
高度経済成長期
には適した
制度
であったと言われますが、成熟した国においては、
統制
型の
経済
は
産業
の
新陳代謝
や
活力
をもたらさないものであります。
日本
を公正で自由な
経済
の
仕組み
に変えることが、長年言われてきた
構造改革
の要諦ではな
いか
と
考え
ます。
安倍政権
になってから
潜在成長力
はむしろ下がっている中で、三本目の矢の何が不足しているとお
考え
ですか。 多くの識者の間で、
潜在成長率
を
引き上げ
る
政策
として、
外国人労働者
の
受け入れ
との
意見
があります。年間二十万人から三十万人程度の
受け入れ
について、
安倍総理
は
いか
がお
考え
でしょうか。
麻生財務大臣
に
伺い
ます。
法人税率
の
引き下げ
は
税収中立
です。
外形標準課税
の
付加価値割
は
雇用
に
マイナス影響
のある愚策だと
考え
ますが、
雇用
への
影響
は
いか
がお
考え
でしょうか。透けて見えるのは、
税率
を下げたという
選挙向け
のアピールで、実態は
企業
の
内部留保
をふやすだけの
税制
です。 我々野党が
甘利
前
大臣
や
遠藤大臣
の
政治
と金の問題を追及するのは、
政官業
の
癒着構造
によって
行政
の公正な
仕組み
がゆがめられているからなのです。きょうも
甘利
前
大臣
はこの本
会議
に出てきていません。
説明責任
に頬かむりをして、逃げ回っているではありませんか。 昨日の、
甘利
前
大臣
の
秘書
による、二十億円と提示してくれという発言の
録音テープ
で明らかになった事実をもって、
秘書
は
補償交渉
にかかわっていないという
甘利
前
大臣
の
記者会見
の
説明
は、一挙にその
信頼性
が失われました。明らかな
虚偽説明
をした以上、
甘利
前
大臣
の
証人喚問
を求めるほかなく、これを拒否するのは
疑惑隠し
と断じざるを得ません。
疑惑隠し内閣
のそしりを受けたくないのであれば、私
たち
の求めに対し、
安倍総理
は
証人喚問要求
に対する誠実な答えを返してください。 また、先ほど
新聞
と
軽減税率
の
質問
をしたのも、
国民
の
生活
ではなく、
特定
の
団体
や
業界
を向いた
税制
になってしまっているからです。だからこそ、
企業
・
団体献金
の廃止を我々は訴え、それを自主的に実行しているのです。
あっせん利得疑惑
に関して
説明責任
を果たそうとしない中で、
ワイドショーネタ
の事案は
議員辞職
をさせる、歯舞が読めない
北方領土担当大臣
、
復興地域
から
信頼
を失った
環境大臣
、
復興大臣
、全ては
選挙
を強く意識し過ぎてゆがめられてしまった
大臣
の人選と
政策
です。
総理
として、
機能不全
の
大臣たち
を更迭する
予定
はありませんか。 我々は、
活力
ある
経済
を取り戻すために、
行政改革
、
産業
の
新陳代謝
を訴え続けてきました。まず、
政府機関
の
民営化
について
伺い
ます。 二〇〇六年、小泉元
総理
の
もと
で
安倍総理
が
官房長官
でいらしたときに、
政策投資銀行
、商工中金の
民営化
を決めました。
震災
のため一旦
民営化
を延期し、昨年再度延期されました。
甘利
前
大臣
問題で注目されている
UR
、
都市再生機構
を含めて、この三つの組織を
民営化
するお
考え
はないでしょうか。
UR
は十三兆円の
資産
を持っています。
民営化
し、売却すれば、
政府
の負債は大きく減ります。
政投銀
の
官民ファンド
もやめるお
考え
はありませんか。
改革
は
先送り
の一方で、
安倍総理
は
民間
の会社に対して、
設備投資
をしろ、
賃金
を上げろ、あげくの果てには
携帯電話料金
を下げろとおっしゃいます。
日本
は
統制経済
ではないはずです。そんな暇があれば、
NHK
の
受信料下げ
の約束を実行させるお
考え
はありませんか。
NHK
は五千億円を超える
資金
をため込んでいますから
財源
は十分です。
麻生財務大臣
に
財政再建
についてお
伺い
いたします。 千四十四兆円の借金、一人
当たり
八百二十四万円です。二〇二〇年の
プライマリーバランス黒字化目標
は大切ですし、
財政再建
は重要な
課題
です。一方で、
政府資産
も六百五十兆円あります。例えば、
日本たばこ
の
株式
二・九兆円、NTTの
株式
三・四兆円をなぜ売却しないのでしょうか。
葉たばこ農家
の保護も
全量買い取り制度
も否定しません。
長期契約
をすれば解決します。
外国為替特別会計
、
労働保険特別会計
も
財源
として活用するお
考え
はありませんか。 第三の矢に関連する
生産性
の
向上
、
産業
の
新陳代謝
、
イノベーション
について
伺い
ます。 昨今、
日本
を代表するような有能な
実業家
が
海外
に
拠点
を移したり、国外で起業する例が後を絶ちません。その
理由
の
一つ
は、時代おくれとなった
日本
の
税制
にあります。有能な
日本
人の流出を防ぐだけでなく、むしろそういう人材を
世界
から集めなければ、
日本
の将来はありません。そのためには、まず
税制
を戦略的に見直すことが肝要です。
金融市場
の
活性化
に背を向けた、
ピント外れ
の
税制改正
が目立ちます。
代表例
が、先月から
上場株式
と非
上場株式
に係る
譲渡所得
がそれぞれ別個の分離課税
対象
となり、両者間の損益通算を認めなくしたことです。この
措置
により、新規事業育成や事業
再生
への個人
資金
の
導入
が極めて困難になりました。時代おくれの
税制
を象徴する改悪であり、このままでは実際に
日本
を金融後進国にしてしまうおそれが強いと
考え
ますが、
いか
がでしょうか。 しがらみだらけの
統制
型の
経済
を壊し、自由で公正な
経済
の
仕組み
への転換、創造的な
イノベーション
を通じての
活力
、公正な
分配
による、
国民
の
生活
を豊かにするための
改革
を進めていく。我々こそが、
改革
勢力を結集し、その先頭に立つことを宣言して、私の
質問
を終わります。(
拍手
) 〔
内閣総理大臣安倍晋
三君
登壇
〕
安倍晋三
14
○
内閣総理大臣
(
安倍晋
三君)
軽減税率制度
の目的等や
事業者
の方々への
配慮
について
お尋ね
がありました。
政府
としては、これまで
税制
抜本
改革
法に基づき、
消費税率引き上げ
に伴う低
所得者
への
配慮
の
観点
から、
軽減税率制度
、
給付つき税額控除
、
総合合算制度
について検討を行うとともに、
消費税率
八%への
引き上げ
時から、簡素な給付
措置
を
実施
してきたところであります。
軽減税率制度
は、
給付つき税額控除
といった給付
措置
とは異なり、日々の
生活
において幅広い
消費
者が
消費
、利活用している商品の
消費税
の負担を直接軽減することにより、買い物の都度、痛
税感
の緩和を実感できるとの利点があり、この点が特に重要であるとの判断により、
導入
を決定いたしました。 また、年収の低い方の飲食料品等の
消費
支出に占める割合は高収入の方よりも高くなっており、
消費税
が有している、いわゆる
逆進性
の緩和の
観点
からも有効であると
考え
ております。 さらに、日々の
生活
の中で痛
税感
の緩和を実感していただくことで、
消費
者の
消費
行動にもプラスの
影響
があるものと期待できるのではな
いか
と
考え
ています。 いわゆるインボイス
制度
については、
事業者
の
準備
負担に
配慮
し、
平成
三十三年四月に
導入
することとし、それまでの間、簡素な方法によることとしております。 また、
軽減税率制度
の
導入
に向け、
制度
の
周知徹底
、
相談
への
対応
を丁寧に行うとともに、
中小
の小売
事業者
等が
複数税率
に
対応
するために必要なレジの
導入
や
システム
の改修等に対して
資金
的に
支援
することとしており、
予備費
や
補正予算
で手当てを行っているところであります。 いずれにせよ、
事業者
の皆様の御理解を得ながら、
軽減税率制度
が円滑に
導入
できるよう、
事業者
の
準備
状況
の検証をしつつ、
政府
として万全の
準備
を進めてまいります。
軽減税率
と
社会保障
の
あり方
についての
お尋ね
がありました。
社会保障
と税の
一体改革
における
社会保障
の充実については、
消費税
財源
による二・八兆円に加えて、
社会保障
改革
プログラム法に基づく重点化、効率化による
財源
を合わせて
実施
することとしており、
総合合算制度
を
実施
する場合にはその中で
対応
することとしておりました。 したがって、
総合合算制度
は、低
所得者
対策
の候補の
一つ
となっていましたが、
社会保障
の充実二・八兆円には含まれておらず、既に決まっていた
社会保障
を
削減
するものではありません。
総合合算制度
の見送りにより生ずる
財源
〇・四兆円程度以外の
軽減税率
導入
の
財源
〇・六兆円程度については、現時点で具体的な
措置
内容が念頭にあるわけではありませんが、今後、歳入歳出両面にわたって、聖域なくしっかりと検討してまいります。
他方
、
社会保障
についても、聖域化させることなく、効率化や無駄の排除を行っていく必要があります。 いずれにせよ、
軽減税率
導入
の
財源
確保を目的として、
子育て費用
を含め、必要な
社会保障
費を切ることは
考え
ていません。
新聞
について、
軽減税率制度
を適用することへの
お尋ね
がありました。
新聞
については、日常
生活
における情報媒体として、全国あまねく均質に情報を提供し、幅広い層に日々読まれていること、この結果、
新聞
の購読料に係る
消費税
負担は逆進的になっていること等の事情を総合的に勘案し、
軽減税率
の適用
対象
とすることとしたところであり、
新聞業界
との癒着であるとの御指摘は全く
当たり
ません。
新聞
を
軽減税率
の
対象
とすることは、購買者の負担の軽減につながるものと
考え
ており、これによる減収額は年二百億円と推計しているところであります。 なお、私は、
政治
家個人の活動として、各界の方々とさまざまな機会に
意見
交換を行っているところでありますが、その詳細について申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
消費税率引き上げ
に伴う低
所得者
対策
についての
お尋ね
がありました。
軽減税率制度
は、
給付つき税額控除
、
総合合算制度
と並び、
消費税率引き上げ
に伴う低
所得者
への
配慮
の
観点
から、検討
課題
の
一つ
でした。
給付つき税額控除
は、
所得
の低い方に焦点を絞った
支援
ができるとの利点はあるものの、
消費税
そのものの負担が直接軽減されるものではなく、
消費
者にとって痛
税感
の緩和の実感につながらないという問題、
所得
や
資産
の把握が難しいといった問題等があるものと承知しています。 また、国が全ての個人に対して最低限の
所得
保障を無条件に与えるという、いわゆる
ベーシックインカム
制度
については、
日本
の
社会保障制度
における自助自立を第一に、共助と公助を組み合わせるという基本的な
考え
方との
関係
など、さまざまな論点があるものと承知しています。
他方
、
軽減税率制度
は、
給付つき税額控除
とは異なり、日々の
生活
において幅広い
消費
者が
消費
、利活用している商品の
消費税
の負担を直接軽減することにより、買い物の都度、痛
税感
の緩和を実感できるとの利点があり、この点が特に重要であるとの判断により、
導入
を決定いたしました。また、痛
税感
を緩和することにより、
消費
者の
消費
行動にもプラスの
影響
があるものと期待できるのではな
いか
と
考え
ています。 なお、
安倍内閣
の
経済政策
は、いわゆるトリクルダウンではなく、
経済
全体のパイを大きくし、好調な
企業
の
収益
を
賃上げ等
につなげ、
雇用
や
所得
の
拡大
を通じた
経済
の好
循環
を回すことを目指すものであります。今後も、
アベノミクス
の成果を
国民
の皆様に一層実感いただけるよう、各種
政策
にしっかりと取り組んでまいります。
社会保障
と税の
一体改革
に関する三
党合意
について
お尋ね
がありました。 国会
議員
の定数については、
自民党
においても現在議論が進められているところでありますが、衆議院
選挙
制度
に関する
調査
会から出された答申を各党各会派が尊重し、小さな政党にも
配慮
しながら真摯に議論を行い、早期に結論を得ることによって
国民
の負託にしっかりと応えていくべきであると
考え
ております。
消費税率
一〇%への
引き上げ
については、三
党合意
を経て成立した
税制
抜本
改革
法の
景気
判断条項に基づくとともに、三
党合意
の、時の政権が判断するとの文言も踏まえ、一昨年秋に延期を決定するとともに、リーマン・ショックや大
震災
のような重大な事態が発生しない限り、二〇一七年四月に確実に
実施
することとしました。
軽減税率制度
は、三
党合意
を経て成立した
税制
抜本
改革
法に基づき、
消費税率引き上げ
に伴う低
所得者
への
配慮
の
観点
から検討し、
政府
・
与党
として、
導入
するとの結論を得たところであります。
社会保障制度
改革
については、三
党合意
を経て成立した各般の法律の
枠組み
に沿って、
消費税
増収分を活用した
制度
の充実、安定化と同時に、重点化、効率化を着実に進めています。
軽減税率制度
の
導入
に
当たり
、安定的な恒久
財源
を確保することにより、
社会保障
と税の
一体改革
における二・八兆円程度の充実に必要な
財源
は確保する
考え
であります。 このように、
社会保障
と税の
一体改革
については、三
党合意
に沿った
取り組み
を進めており、三
党合意
をほごにするものとの御指摘は全く
当たり
ません。
我が国
の
実体経済
を見れば、もはや
デフレ
ではないという
状況
をつくり出す中で、
名目GDP
は二十七兆円ふえ、
企業
の
収益
は過去
最高
となり、
就業者数
は百十万人以上
増加
するなど、
日本経済
の
ファンダメンタルズ
は確かなものと
認識
しています。こうしたファクトをまずはしっかりと見ていただきたいと思います。 今後とも、より力強い
賃金上昇
の
実現
を促すとともに、
消費
の底上げ
効果
が発現するように、最低
賃金
の
引き上げ
を含め、各種
政策
にしっかりと取り組んでまいります。
成長戦略
と
外国人労働者
受け入れ
のための施策について
お尋ね
がありました。
成長戦略
については、これまで、農業、医療、エネルギーなどの分野で、岩盤と言われてきた規制
改革
を
実現
し、訪日外国人旅行者数が過去
最高
、農林水産物・食品輸出が過去
最高
、
海外
インフラ受注額が
増加
するなどの成果が出ています。 これらの
改革
により、農業、エネルギー分野等で、商品、サービスが多様化し、
消費
者の利便性の
向上
につながる
動き
が出てきています。 今後は、
企業
の
収益
を、
賃上げ
を通じた
消費
の
拡大
や
民間投資
の
拡大
につなげていくことに加え、
成長戦略
をさらに進化させます。具体的には、人工知能、ロボット、IoTといった挑戦的な研究を
支援
するとともに、規制
改革
をさらに進め、
投資
の
拡大
を促します。
外国人労働者
の
受け入れ
については、これまで、高度外国人材の
受け入れ
促進に加え、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会に向け、建設分野等における外国人材の
受け入れ
を進めています。 中長期的な外国人材
受け入れ
の
あり方
については、真に必要な分野に着目しつつ、今後、内容の具体化を検討してまいります。 なお、
安倍政権
は、いわゆる移民
政策
をとることは全く
考え
ておりません。 こうしたあらゆる
政策
を総動員していくことで、
潜在成長率
を押し上げ、実質二%程度、名目三%程度を上回る
経済成長
を
実現
し、GDP六百兆円を
実現
してまいります。
甘利
前
大臣
の国会への喚問について
お尋ね
がありました。 国会の運営については国会がお決めになることと
考え
ております。その上で、
政治
活動については、内閣、
与党
、野党にかかわらず、一人一人の
政治
家が、
国民
の
信頼
が得られるよう、みずから襟を正し、
説明責任
を果たすべきものであります。
甘利
前
大臣
自身も、先般の
記者会見
において、引き続き
調査
を進め公表すると語っており、今後ともしっかりと
説明責任
を果たして
いか
れるものと
考え
ております。
安倍内閣
における閣僚の人選について
お尋ね
がありました。 まず、
政治
活動については、内閣、
与党
、野党にかかわらず、一人一人の
政治
家が、
国民
の
信頼
が得られるよう、みずから襟を正し、
説明責任
を果たすべきものであります。 その上で申し上げれば、
政治
は結果であり、
安倍内閣
の
評価
は、その結果が出せたか否かで、最終的に
国民
の皆様が判断するものと
考え
ます。その
考え
の
もと
に、老壮青のバランスの
もと
、適材適所を第一に、国政を力強く前進させ、結果を出していける体制を整えたところであります。内外の
課題
が山積する中、今後、さらに緊張感を持って、内閣一丸となって政権運営に当たることにより、
国民
への責任を果たしていく決意であります。
日本
政策投資銀行
などの
民営化
と
NHK
の受信料についての
お尋ね
がありました。 昨年の法
改正
により、
日本
政策投資銀行
及び商工中金には、当分の間、
危機
対応
業務が義務づけられ、また、
日本
政策投資銀行
は、ファンドを通じ時限的かつ集中的な成長
資金
の供給を行うこととされています。現時点では、両機関には、こうした
民間
だけでは十分に果たし切れない
資金
供給を補完すべき役割があると
考え
ます。 いずれにせよ、両機関の完全
民営化
の
方針
は堅持しており、今後、各業務の運用
状況
や
社会
情勢の変化を踏まえ、適時適切に完全
民営化
に向けた検討を行ってまいります。
UR
については、これまで
民営化
の御議論もありましたが、多額の有利子負債を抱えるなどの財務上の問題もあり、独立
行政
法人として、子育てや高齢者世帯などが安心して住み続けられる賃貸
住宅
、都市
再生
事業、被災地の
復興
事業などに役割を重点化しています。引き続き、民業補完を徹底してまいります。
NHK
においては、公共放送としての役割を踏まえ、合理化、効率化に努めるとともに、
国民
・視聴者への
説明責任
をしっかりと果たしていくべきと
考え
ております。その上で、放送を取り巻く環境変化も踏まえ、受信料を含め、
国民
・視聴者への還元についても継続的に検討していただきたいと
考え
ております。 金融
所得
課税について
お尋ね
がありました。 御指摘の
上場株式
と非
上場株式
の
譲渡所得
の損益通算については、非
上場株式
を利用した租税回避を行うことも可能となっていること等を踏まえ、その譲渡損益については、
平成
二十五年度
税制改正
において、損益通算の
対象
から除外し、
平成
二十八年から適用することとされました。
他方
、ベンチャー
企業
を
支援
する
観点
から、一定のベンチャー
企業
の非
上場株式
の譲渡損失については、引き続き、
上場株式
の譲渡益との損益通算を可能とするエンジェル
税制
が設けられているところであり、時代おくれの
税制
を象徴する改悪であるとの御指摘は当たらないと
考え
ております。 さらに、
法人実効税率
を来年度から一気に二〇%台へと
引き下げ
、国際的に遜色のない水準へと
法人税改革
を断行するなど、時代の流れを踏まえた
税制
の戦略的な見直しに取り組んでいるところであります。 残余の
質問
につきましては、
関係大臣
から答弁させます。(
拍手
) 〔
国務大臣麻生太郎
君
登壇
〕
麻生太郎
15
○
国務大臣
(
麻生太郎
君)
法人税改革
と
外形標準課税
についての
お尋ね
があっております。 今般の
法人税改革
は、法人事業税の
外形標準課税
の
拡大
などにより、
財源
をしっかりと確保しながら
法人実効税率
を
引き下げ
るものであります。また、
企業
が
収益力
を高め、
賃金引き上げ
や
雇用
の
拡大
などに積極的に取り組むよう促すための
改革
でもあります。 法人事業税は総務
大臣
が所管をしておられますが、
外形標準課税
の
付加価値割
につきましては、人件費の割合が高い
企業
は一定割合以上の給与等を課税ベースから控除する
制度
がありますほか、さらに、二十七年度
税制改正
で、給与等の
増加
分を課税ベースから控除する
制度
の
導入
も行っておるところであり、
雇用
にマイナスであるとの御指摘は当たらないものと承知をいたしております。
財政健全化
に向けた
政府資産
の活用についての
お尋ね
があっております。 JT、
日本たばこ
産業
株式
会社の
株式
の
政府
保有は、国産葉たばこの全量買い取りを実質的に担保するなどの意義を有しておると存じます。その意義も踏まえ、二十七年の六月の財政
制度
審議会の中間報告では、現時点でのJT
株式
のさらなる売却を適当と判断すべきではないとする一方、専売
制度
改革
当時からの、全株売却して完全
民営化
を目指すとの基本的な方向性を引き続き堅持すべきとされたところであります。 NTTにつきましては、電話サービスを全国あまねく適切、公平、安定的に提供する責務を有するなど、公共的な役割を担っております。こうした公共的役割を踏まえ、引き続き、NTT
株式
の
政府
保有を維持する必要があると承知をいたしております。 外為特会、外国為替
資金
特別会計の保有する、いわゆる外貨
資産
の活用につきましては、外貨から円貨への転換が必要となりますので、実質、ドル売り・円買い介入として、金融・為替
市場
に不測の
影響
を及ぼすおそれがあること、また、見合いの負債として
政府
短期証券を抱えていることなどから、慎重な検討が必要と
考え
ております。 なお、毎年度の剰余金につきましては、その相当程度を一般会計に繰り入れておるところであります。
労働保険特別会計
につきましては、その積立金は労働者や
雇用
者が負担する保険料が原資となっておりますのは御存じのとおりです。保険給付以外の
財源
として活用することは適切ではないのではな
いか
、そう承知をいたしております。 いずれにせよ、
財政健全化
につきましては、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化に向けまして、昨年に策定をされました
経済
・財政
再生
計画に基づき、歳出歳入両面での
取り組み
を着実に
実施
してまいりたいと
考え
ております。(
拍手
)
—————————————
大島理森
16
○
議長
(
大島理森
君) 伊藤渉君。 〔伊藤渉君
登壇
〕
伊藤渉
17
○伊藤渉君 公明党の伊藤渉です。 私は、公明党を代表して、ただいま
議題
となりました
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
について、
総理
並びに
関係大臣
に
質問
いたします。(
拍手
) 足元の
金融市場
に混乱が見られるものの、二〇一二年十二月の第二次
安倍内閣
発足後、この三年間で
名目GDP
は二〇〇八年四—六月期以来の五百兆円超え、
実質GDP
は二〇一三年一—三月期に三四半期連続のマイナス成長から反転し、約十二兆円の増となっています。
雇用
及び
賃金
の
状況
については、
就業者数
が百二十万人近く
増加
、
有効求人倍率
は一・二七、失業者数は約五十万人減少し、不本意非正規
雇用
者は二十一万人減少しています。
財政健全化
も着実に進捗をしており、基礎的財政収支の対GDP比は、二〇一五年度の半減目標を達成し、二〇一六年度
予算
案ではマイナス二・九%へと縮小する見込みです。成長なくして
財政再建
なし、このフレーズのとおり、着実に
経済財政運営
は進みつつあると言えます。
デフレ
からの脱却は今が正念場であり、
消費
、
投資
、生産、
雇用
、こういうものが喚起をされ、成長と
分配
の好
循環
を生み出して
いか
なければなりません。 どうやって
消費
や
投資
につなげていくのか。
人口減少
下において、毎年一%ずつ労働力が減少していく一方で、
賃金
が三%程度上がってくれば、
企業
は三%程度、生産価値あるいは
生産性
を上げていくことができます。このサイクルをつくり出すことが極めて重要です。 そのためにも、特に省人化、省力化あるいは省エネ化というところへの
投資
が必要となってきます。ベアとボーナスで
賃金
を三%程度上げられる環境をつくって
いか
なければなりません。 また、
日本
は高齢
社会
であり、ビッグデータやAIを使った予防医療やロボットの活用など、
投資
機会はたくさんあります。公共サービスへの
民間
事業者
による積極
投資
の機会を広げていくことも重要です。 さらに、農林水
産業
は
世界
ではどんどんハイテク
産業
化しています。農林水
産業
分野のハイテク
産業
化への貢献と新しい時代の幕あけがTPPであります。 足元の
世界経済
を見れば、
金融市場
を
中心
に混乱が見られ、不透明感が漂っておりますが、現在の
経済
情勢に対する
認識
並びに
安倍内閣
の
考え
る
経済
財政
政策
の方向性について、
安倍総理
の答弁を求めます。 こうした局面において、メッセージ性を持つ
税制改正
は極めて重要です。
税制改正
の内容等について、何点かお
伺い
します。
我が国
の租税体系は、
所得
課税を
税制
の
中心
に据えつつ、
消費
課税にウエートをやや移しています。相続税等の
資産
課税についても
適正化
を図りつつあります。
経済
社会
のストック化、国際化により、
資産
を課税ベースとして重視すべきか否か、議論が高まっています。 富の集中防止、再配分や
格差
の
是正
の
観点
から、
資産
にも課税すべきといった
考え
方がある一方で、
資産
課税は資本蓄積を低下させ、長期的な成長率を低下させるのではな
いか
等の懸念も提起されています。
政府
の
考え
るこれからの
資産
課税の
あり方
、それに基づく今般の
資産
課税
改正
の方向性について、財務
大臣
の答弁を求めます。 課税ベースを
拡大
しつつ
税率
を
引き下げ
るという
考え
方の
もと
進められている
法人税改革
。思い切った
政策
減税
が期待される一方で、
企業
の
内部留保
は三百五十兆円を超えています。
財源
手当てがないままで
法人税
減税
を前倒しで
実施
しても、
経済
界のマインドが変わらなければ意味がありません。
法人税改革
は、成長と
分配
の好
循環
とGDP六百兆円
経済
の
実現
に向けて、いまだ十分でない
設備投資
の
拡大
と
賃金
の
引き上げ
、
雇用
の安定と労働参加を
推進
すること、これが最大のポイントとなると
考え
ます。 そこで、
投資
促進、
生産性
革命の一環として、
法人実効税率
の早期二〇%台
引き下げ
への道筋をつけ、
平成
二十八年度には二九・九七%、さらに
平成
三十年度には二九・七四%となります。 その上で、
賃金
、最低
賃金引き上げ
を通じた
消費
の喚起のため、名目成長率三%程度の
賃上げ
や最低
賃金
の
引き上げ
の
実現
が期待されます。 特に、この
賃上げ
の流れが、約七割の
雇用
を生み出している
中小
・
小規模事業者
へも波及をするよう、
取引
価格の
適正化
など、できる限り多くの
企業
において
賃上げ
が可能となる環境づくりに、さらに
政府
は力を入れていただきたいと思います。 ちなみに、
賃金
の上昇に向けた
所得拡大促進税制
の適用額は、
平成
二十六年度租税特別
措置
適用実態
調査
によると、二千四百七十八億円となっています。こうした
政策
減税
で得られた
資金
がその目的に沿って活用されるよう、
経済
界の協力が不可欠です。 労働への対価をコストと見る視点から、さらなる成長への
投資
と見る視点へと、発想の転換を強力に後押しし、
賃金上昇
による
消費
と
投資
を喚起するための施策を力強く
推進
することが求められています。
総理
の御決意をお
伺い
いたします。
所得
税の
あり方
について、
平成
二十九年度
税制改正
に向けた検討
課題
となっています。いわゆる百三万円、百三十万円の壁の除去が注目されがちですが、
人口減少
、少子高齢
社会
の中で、広く家族の
あり方
、働き方の変化など、さまざまな
社会
的な構造変化を踏まえつつ、
所得
税
改革
を進めていくことが重要です。 個人単位課税の原則は変えないこと、家族の働き方にかかわらずできる限り
中立
であること、可能な限り世帯単位での負担が公平になること、特に、若い世代の世帯
所得
をどう底上げしていくのかという視点が重要だと
考え
ます。 今後の
所得
税
改革
の方向性について、財務
大臣
の見解をお
伺い
いたします。
消費税
の
軽減税率
と三
党合意
の
関係
について
伺い
ます。
平成
二十四年六月十五日、
民主
、自民、公明三党は、
社会保障
と税の
一体改革
に関する三
党合意
を取り交わしました。その三
党合意
に基づき修正された
税制
抜本
改革
法第七条一項において、
総合合算制度
、
給付つき税額控除
、そして
複数税率
、
軽減税率
の三つを総合的に検討した上で低
所得者
対策
を講じるとしており、今般の
政府
・
与党
の
対応
は、この三
党合意
に基づき責任を持って
対応
していることは明らかです。 三
党合意
の当事者である
民主
党の一部
議員
が、その選択肢の
一つ
である
軽減税率
を天下の愚策とまで言っていることは、極めて遺憾であります。初めから
軽減税率
は
実現
するつもりがなかったのだとしたら、なぜ三
党合意
を行ったのか、残念ながら理解できません。 三
党合意
に基づいて
軽減税率
を選択した
理由
、
軽減税率
の必要性、
効果
について、改めて
総理
にお
伺い
いたします。
軽減税率制度
に関しては、その
区分経理
、納税事務を担う
事業者
、特に
中小
・
小規模事業者
の方が不安を持っています。
軽減税率制度
は、インボイス
制度
の
導入
までの間、これまでの帳簿方式を基準にした簡易な
制度
であることを十分に理解いただきながら、レジの
導入
、更新、
相談
窓口の設置など、
政府
一体
となって取り組むことが重要です。もちろん、インボイス
制度
の
導入
に向けてのさまざまな
準備
もしっかり進めて
いか
なければなりません。
軽減税率制度
の
導入
に向けて、レジの
導入
、更新、
システム
改修、
関係
者への周知や
対応
サポート体制の整備等の
支援
が全ての
中小
小売
事業者
等に
対応
できるよう、
予算
措置
を含めて万全を期していただきたい。
総理
の答弁を求めます。
世界経済
の先行き不透明感も重なり、本年の年明けからの
経済
動向
は不安定な要素も見受けられます。こうした
経済
情勢であるからこそ、立法府の責任として、来年度
予算
及び
税制改正法案
を年度内に成立させることが極めて重要であると申し上げ、私の
質問
を終わります。 御清聴ありがとうございました。(
拍手
) 〔
内閣総理大臣安倍晋
三君
登壇
〕
安倍晋三
18
○
内閣総理大臣
(
安倍晋
三君) 伊藤渉
議員
にお答えをいたします。
経済
情勢と
経済
財政
政策
の方向性について
お尋ね
がありました。
世界
的に
リスク回避
の
動き
が
金融市場
で広がる中、
我が国
の
市場
でも変動が見られていますが、これは、中国の
景気減速
への懸念や
原油価格
の低下、米国の利上げの
動向等
の
海外要因
が背景と見られています。 しかしながら、
我が国
の
実体経済
を見れば、もはや
デフレ
ではないという
状況
をつくり出す中で、政権発足以降、
名目GDP
は二十七兆円
増加
、
企業
の
収益
は過去
最高
、
就業者数
は百十万人以上の
増加
、
日本経済
の
ファンダメンタルズ
は確かなものと
認識
しています。 今後は、これまでの
経済政策
を一層強化し、
企業
の
収益
を、
賃上げ
を通じた
消費
の
拡大
や
民間投資
の
拡大
につなげていくことに加え、
成長戦略
をさらに進化させます。 IoT、ビッグデータ、人工知能といった新技術への積極果敢な
投資
を促すことにより、
生産性
革命を
実現
するとともに、徹底した省エネルギーを
推進
し、
人口減少
下における供給制約を克服します。 また、中堅・
中小企業
や農業者が、TPPで開かれる新しいチャンスをつかんで飛躍できるよう、
政策
を総動員して応援していきます。 あわせて、PPPやPFIの
取り組み
を強化し、公的サービス、
資産
の
民間
開放を進めてまいります。 さらに、
アベノミクス
による成長の果実を活用し、希望出生率一・八や介護離職ゼロという新たな第二、第三の矢に向けた施策によって
社会保障
の基盤を強化することにより、さらなる成長につなげ、成長と
分配
の好
循環
をつくり出してまいります。
消費
と
投資
の喚起について
お尋ね
がありました。
日本経済
を持続的な
成長軌道
に乗せていくためには、過去
最高
の
企業収益
を、
設備投資
や
賃金引き上げ
による
消費
の
拡大
、
中小企業
の業況の改善につなげ、
経済
の好
循環
を確実なものにして
いか
なければなりません。このため、未来
投資
に向けた官民対話などの場で、
企業
の積極的な
取り組み
を要請してきました。
産業界
からは、昨年、
政府
による
政策
対応
を前提に、二〇一八年度に
設備投資
は八十兆円まで
拡大
との意欲的な見通しが示されたほか、今春の
賃上げ
について、名目三%成長への道筋も視野に、
収益
が
拡大
した
企業
に対し、二〇一五年を上回る
賃上げ
を期待し、前向きな検討を呼びかけるとの
方針
が示されており、その
実現
を期待しています。 最低
賃金
については、
安倍政権
において三年連続で大幅に
引き上げ
ており、合わせて五十円の大幅な
引き上げ
となりました。今後、年率三%程度を目途に
引き上げ
、全国加重平均が千円となることを目指してまいります。
政府
としては、こうした
取り組み
を後押しすべく、
成長志向
の
法人税改革
、新たなビジネスを可能とするための規制
改革
、
中小企業
、
小規模事業者
の
生産性向上
等のための
支援
や
下請
等の
中小企業
の
取引
条件の改善等に取り組んでいます。
経済
の好
循環
の
実現
に向けて、こうした施策にしっかりと取り組んでまいります。
軽減税率制度
についての
お尋ね
がありました。 委員御指摘のとおり、三
党合意
を経て成立した
税制
抜本
改革
法において、
軽減税率制度
は、
給付つき税額控除
、
総合合算制度
と並び、
消費税率引き上げ
に伴う低
所得者
への
配慮
の
観点
から、検討
課題
の
一つ
でありました。 そうした中で、
軽減税率制度
は、
給付つき税額控除
といった給付
措置
とは異なり、日々の
生活
において幅広い
消費
者が
消費
、利活用している商品の
消費税
の負担を直接軽減することにより、買い物の都度、痛
税感
の緩和を実感できるとの利点があり、この点が特に重要であるとの判断により、
導入
を決定しました。 また、年収の低い方の飲食料品等の
消費
支出に占める割合は高収入の方よりも高くなっており、
消費税
が有している、いわゆる
逆進性
の緩和の
観点
からも有効であると
考え
ています。 さらに、日々の
生活
の中で痛
税感
の緩和を実感していただくことで、
消費
者の
消費
行動にもプラスの
影響
があるものと期待できるのではな
いか
と
考え
ております。
軽減税率制度
の
導入
に向けた
政府
の
取り組み
について
お尋ね
がありました。
平成
二十九年四月の
軽減税率制度
の
導入
に向け、混乱が生じないよう、
政府
に必要な体制を整備するとともに、
事業者
の
準備状況等
を検証しつつ、
軽減税率制度
の円滑な
導入
及び運用に資するための必要な
対応
を行うこととしております。 その一環として、
制度
の
周知徹底
、
相談
への
対応
を丁寧に行うとともに、
中小
の小売
事業者
等が
複数税率
に
対応
するために必要なレジの
導入
や
システム
の改修等に対して
資金
的に
支援
することとしており、
予備費
や
補正予算
で手当てを行っているところであります。 また、いわゆるインボイス
制度
については、
事業者
の
準備
負担に
配慮
し、
平成
三十三年四月に
導入
することとし、それまでの間、簡素な方法によることとしております。 いずれにせよ、
軽減税率制度
の
導入
に
当たり
、
政府
として万全の
準備
を進めてまいります。 残余の
質問
につきましては、
関係大臣
から答弁させます。(
拍手
) 〔
国務大臣麻生太郎
君
登壇
〕
麻生太郎
19
○
国務大臣
(
麻生太郎
君)
資産
課税の
あり方
についての
お尋ね
があっております。 相続税につきましては、
平成
二十七年より、再
分配
機能の回復等の
観点
から、基礎控除を
引き下げ
、
最高
税率
も
引き上げ
るといった
改正
を
実施
いたしております。まずは、こうした見直しの
影響
を注視していく必要があるものと
考え
ております。 また、
資産
課税全般の
あり方
につきましては、昨年の骨太の
方針
において、税体系全般にわたりますオーバーホールを進める中で、
格差
の固定化を防止する
観点
等から見直しを行うこととされておりまして、
経済
社会
の構造変化も踏まえながら、引き続きよく
考え
てまいらねばならないと
考え
ております。
所得
税
改革
の方向性についての
お尋ね
があっております。 個人
所得
課税につきましては、昨年六月の骨太の
方針
におきまして、総合的かつ
一体
的に税負担構造の見直しを行うとされておりまして、昨年十一月に、
政府
税制
調査
会におきまして中間的な論点整理が取りまとめられております。 この論点整理等におきましては、個人単位の課税を基本としつつ、低
所得
の若年層や子育て世代の
活力
維持と
格差
の固定化防止、働き方に対する
中立
性、公平性の確保など、見直しに当たっての基本的な
考え
方が示されているところであります。 今後、
政府
税制
調査
会におきましてさらに検討が進められるものと承知しておりますが、まずは、その議論を見守ってまいりたいと
考え
ておるところであります。(
拍手
)
—————————————
大島理森
20
○
議長
(
大島理森
君) 宮本岳志君。 〔宮本岳志君
登壇
〕
宮本岳志
21
○宮本岳志君 私は、
日本
共産党を代表して、
所得税法等
改正
案について
総理
に
質問
いたします。(
拍手
)
総理
は、施政
方針
演説で、三年間の
アベノミクス
は大きな果実を生み出したと自画自賛してみせました。しかし、一月の読売の世論
調査
でも、
国民
の七割が、
安倍内閣
の
もと
で
景気
の回復を実感していないと答えています。 大体、本当にそれほど
経済
がうまくいっているのなら、これほど
国民
の間から、暮らしや営業、
雇用
や老後をめぐって不安と怨嗟の声が上がるはずがないではありませんか。 確かに、大
企業
は、
アベノミクス
の
もと
、二年連続で史上
最高
の利益を更新し、
内部留保
は今や三百兆円を突破しました。 しかし、
国民
の暮らしはどうか。厚生労働省が二月八日に発表した二〇一五年の毎月勤労統計によると、実質
賃金
指数は前年を〇・九%も下回り、四年連続でマイナスです。 今起こっていることは、
経済
の好
循環
どころか、一層の貧困と
格差
の広がりではありませんか。
総理
の答弁を求めます。
アベノミクス
の三本の矢は完全に破綻しました。異次元の金融緩和のかけ声の
もと
、日銀が年間八十兆円もの
日本
国債を買い入れ、
市場
に通貨を放出し、円安と株高を演出する
政策
も、もはや破綻は明瞭です。日銀は、マイナス金利などという禁じ手に手を出したあげく、
経済
と金融の安定性さえみずからの手で破壊し、円高と株価の乱高下を招いています。 内閣府が昨日発表した昨年十—十二月のGDP速報値は、前期比年率でマイナス一・四%と、GDP六百兆円どころか、逆に
日本経済
は縮小しています。その最大の要因が、GDPの六割を占める
個人消費
の減にあることは明らかです。
総理
、この現実を直視するなら、
アベノミクス
の破綻はもはや明瞭ではありませんか。 ところが、
政府
は、
アベノミクス
の第二ステージなどと言って、最初の三本の矢の総括も反省もないままに、性懲りもなく新三本の矢なるものを持ち出してきました。
総理
は、最初から設計図があるような簡単な
課題
ではないなどと言いますが、その設計図は、紛れもなく財界、経団連が描いたものであります。 昨年一月一日に経団連が発表した「「豊かで
活力
ある
日本
」の
再生
」と題した提言では、既に、GDP六百兆円の
実現
や人口一億人の維持などが打ち出されています。何よりも、経団連の榊原会長自身が、経団連ビジョンで掲げた目標とほぼ内容的には軌を一にしていると大いに
評価
しているではありませんか。答弁を求めます。 経団連は、この提言で、実効
税率
二五%までの
法人税
引き下げ
を求めていますが、財界の言うまま、さらなる
法人税
減税
を進めるのですか。あわせて答弁を求めます。 本
法案
の内容である
税制改正
大綱は、この財界の意を受けたものであり、
国民
には
消費税
の
増税
など一層の負担を押しつけつつ、大
企業
には
法人税
減税
の大盤振る舞いを続けようとするものです。
法案
では、大
企業
に、
法人税
のさらなる
引き下げ
で、一兆円もの
減税
をばらまいてやろうとしています。 財界は、
日本
の
法人税率
は高いと言いますが、事実に反します。法定実効
税率
は、既に、二〇一一年度の三九・五%からことし三月期の三三・一%に
引き下げ
られ、フランスの三三・三%、ドイツの二九・五%に比べても大差はありません。大体、あなた方がお手本のように言うアメリカのニューヨーク州の法定実効
税率
は、四五%を超えています。
麻生財務大臣
は、先日の
財務金融委員会
で、今回の
改革
で国際的に遜色のない水準へ移行できたと述べられました。
総理
も財務
大臣
と同じ
考え
かどうか、答弁を求めます。 大
企業
優遇の
減税
策は枚挙にいとまがありません。 報道によれば、研究開発
減税
を初めとする租税特別
措置
による
政策
減税
は
安倍政権
下で倍増、二〇一四年度には少なくとも約一兆二千億円に上ると言われます。しかも、
減税
額のうち約六割を資本金百億円超の大
企業
が受けており、まさに大
企業
優遇
措置
ではありませんか。例えば、二〇一四年度の研究開発
減税
は六千七百四十六億円と過去
最高
に達し、その九割以上は資本金十億円超の大
企業
に対するものです。
総理
、
日本
の大
企業
の
法人税
は、実質税負担率で見れば、高過ぎるどころか低過ぎるのです。これ以上
引き下げ
る必要がどこにあるのか、答弁を求めます。
総理
、
消費税
は、低
所得者
ほど負担が重い、
逆進性
を持つ
税制
です。この
税率
を
引き上げ
れば、その
逆進性
も一層高まります。 たとえ食料品等の
消費税率
を現行の八%に据え置いたとしても、低
所得者
層ほど
消費税
負担の
増加
率が高まる、すなわち
逆進性
も高まるということをお認めになりますか。 一〇%への
増税
が、
景気
悪化の引き金を引き、
日本経済
に追い打ちをかけることは明瞭です。来年四月からの
増税
はきっぱり中止すべきではありませんか。答弁を求めます。 あなた方は、
軽減税率
があたかも低
所得
層に
配慮
したもののように言いますが、とんでもありません。 私は、先日の
財務金融委員会
で、来年四月の
消費税
一〇%への
引き上げ
時に簡素な給付
措置
が打ち切られること、これは、
消費税
八%への
引き上げ
時に、住民税非課税の約二千二百万人に対して、
消費税
引き上げ
に伴う食料品支出額の
増加
分、三%分を補填するという建前の給付金であったことを明らかにしました。 簡素な給付
措置
が食料品の
消費税
三%分に値したかどうかはともかく、来年四月、それを打ち切れば、たとえ
軽減税率
によって食料品等の
税率
を八%に据え置いたとしても、低
所得
世帯には二重の負担増になるのではありませんか。答弁を求めます。 私の問いに
麻生財務大臣
は、簡素な給付
措置
打ち切りによる三%分の負担増を認めざるを得なくなり、
消費税
の
引き上げ
の増収分は、全額
社会保障
費等々の充実、安定化に充てるなどと、その使途の問題にすりかえることしかできませんでした。 しかし、
消費税
は既に八%に
増税
されたが、
社会保障
の充実などどこにもありません。年金も介護も医療も、負担増と給付減のオンパレードであります。その上、
安倍内閣
は、毎年一兆円とも言われる
社会保障
の自然増を五千億円程度に圧縮することを決め、小泉内閣以上の血も涙もない
社会保障
費
削減
に踏み出しています。
総理
、これでは、
社会保障
と税の
一体改革
の看板に偽りありと言われても仕方がないではありませんか。答弁を求めます。 また、いわゆる
インボイス方式
を前提にした
軽減税率
は、業者の実態を無視するもので、
麻生財務大臣
でさえ面倒だと言うのは当然です。インボイスが発行できない
事業者
は
取引
から排除され、実質的には免税点の形骸化につながることになります。免税業者は潰れても構わないということなのか、答弁を求めます。
国民
には一人
当たり
二万七千円、世帯
当たり
六万二千円もの
消費税
増税
を押しつけながら、大
企業
には
法人税
減税
や研究開発
減税
などの大盤振る舞い、このような
経済政策
、
税制
は全く逆立ちしています。 今こそ、我が党が提案している、貧困と
格差
を正し、暮らし最優先で
日本経済
再生
を図るまともな道に
経済
、
税制
のかじを切りかえることを強く求めて、私の
質問
を終わります。(
拍手
) 〔
内閣総理大臣安倍晋
三君
登壇
〕
安倍晋三
22
○
内閣総理大臣
(
安倍晋
三君) 宮本岳志
議員
にお答えをいたします。
アベノミクス
と
格差
の
拡大
について
お尋ね
がありました。
アベノミクス
三本の矢の
政策
によって、もはや
デフレ
ではないという
状況
をつくり出す中で、政権発足以降、
名目GDP
は二十七兆円
増加
し、
企業収益
は過去
最高
となりました。そして、好調な
企業収益
を
雇用
・
所得
環境の改善につなげることにより、
就業者数
は百十万人以上
増加
し、
賃上げ
率は二年連続で大きな伸びとなるなど、
経済
の好
循環
を生み出しました。 御指摘の実質
賃金
については、
景気
が回復し、
雇用
が
増加
する過程において、パートで働く方がふえたことなどから、二〇一五年は前年比でマイナスとなりましたが、変動の大きい賞与の
影響
を除けば、昨年七月以降
増加
傾向となっています。基本給を示す所定内給与は十カ月連続のプラスとなっており、パートで働く方を除いた一般労働者で見ると、二十カ月連続のプラスとなっています。さらに、
国民
みんなの稼ぎである総
雇用
者
所得
は、名目で見ても実質で見ても
増加
傾向となっています。 こうした中で、
格差
が固定しないよう、最低
賃金
を三年連続で大幅に
引き上げ
、パートタイム労働者と正社員との均衡待遇を
推進
するなど、さまざまな
取り組み
を行ってきた結果、パートで働く方々の時給は、ここ二十三年間で過去
最高
の水準となりました。また、不本意ながら非正規の職についている方の比率は低下しているなど、若者を含め、非正規
雇用
を取り巻く環境は着実に改善しております。 今後とも、最低
賃金
の
引き上げ
など、
アベノミクス
を一層強化し、
雇用
の改善や
賃金
の上昇が
消費
や
投資
の
拡大
に結びつく
経済
の好
循環
を継続してまいります。
アベノミクス
について
お尋ね
がありました。 今般のQEでは、実質成長は、記録的な暖冬の
影響
を背景に前期比マイナス〇・四%となりましたが、名目
雇用
者報酬は前年同期と比べ一・八%ふえ、
設備投資
も小幅ながら二期連続プラスとなっています。二〇一五年暦年で見れば、実質、名目ともにプラス成長となっており、
名目GDP
は政権交代前から二十七兆円ふえました。 このように、
経済成長
する中、国、
地方
を合わせた税収は二十一兆円
増加
し、
就業者数
は百十万人以上ふえ、
賃上げ
は、昨年、過去十七年間で
最高
の伸びとなるなど、
経済
の好
循環
が着実に生まれています。
アベノミクス
が破綻しているとの御指摘は全く
当たり
ません。
雇用
・
所得
環境の改善が続く中、
消費
者マインドも持ち直し、
個人消費
も持ち直していくことが期待されます。より力強い
賃金上昇
の
実現
を促すとともに、
消費
の底上げ
効果
が発現するよう、最低
賃金
の
引き上げ
を含め、各種
政策
にしっかりと取り組んでまいります。 経団連ビジョンについて
お尋ね
がありました。
日本経済
は、
デフレ脱却
まであと一息のところまで来ていますが、
個人消費
の改善テンポがおくれ、
企業収益
に比して
設備投資
が弱い
状況
にあります。また、
景気
回復による
有効求人倍率
の上昇と生産年齢人口の減少の中で、
人手不足
も
顕在化
しています。 このため、
アベノミクス
の三本の矢を束ね、一層強化し、新たな第一の矢である希望を生み出す強い
経済
を、
名目GDP
六百兆円の
実現
に向け、放つこととしました。そして、
賃上げ
を通じた
消費
の
拡大
、
生産性
革命による
民間投資
の
拡大
等を図るとともに、第二の矢である夢を紡ぐ子育て
支援
、第三の矢である安心につながる
社会保障
を、希望出生率一・八、介護離職ゼロという明確な目標に向けて放ち、成長と
分配
の好
循環
を図ることとしました。これにより、
経済成長
の隘路の根本にあり、一億総活躍の最も根源的な
課題
である
少子高齢化
という構造的な問題、長年の懸案であったこの
少子高齢化
という問題に真っ正面から取り組んでまいります。 御指摘の経団連ビジョンは、従来の三本の矢を背景とした提案であり、新三本の矢と軌を一にするところがあるものと理解しています。官民が方向性を共有していることはよいことであり、
産業界
には、新三本の矢の実行について、
賃上げ
や
民間投資
の
拡大
を通じて貢献をいただきたいと
考え
ております。
法人実効税率
の水準やさらなる
引き下げ
についての
お尋ね
がありました。 今般の
法人税改革
は、
企業
が
収益力
を高め、より積極的に
賃上げ
や
設備投資
に取り組むよう促す
観点
から、課税ベースの
拡大
等により、必要な
財源
をしっかりと確保した上で、目標としていた
法人実効税率
二〇%台を
改革
二年目にして
実現
するものであり、国際的に遜色のない水準へと
改革
を行うものと
考え
ております。 今後については、まずは
経済
界の
投資拡大
や
賃上げ
への
取り組み
状況
を見きわめつつ、検討してまいります。
政策税制
と
法人税改革
について
お尋ね
がありました。
アベノミクス
三本の矢の
政策
により生まれた
経済
の好
循環
を受け、来年度
予算
の税収は政権交代前に比べて約十五兆円ふえ、そのうち
法人税
収は三・四兆円
増加
しております。
法人税
において、二十六年度の
政策税制
の利用額がふえていることについては、二十五年度及び二十六年度の
税制改正
において、
企業
の
賃上げ
や
投資拡大
を
支援
するため
政策税制
を充実した結果であると受けとめており、
政労使会議
の開催といった
取り組み
のほか、こうした
政策税制
も
一つ
のきっかけとして二年連続の大幅な
賃上げ
が
実現
するなど、
経済
の好
循環
が確実に生まれてきたものと
考え
ております。 また、今般の
法人税改革
は、
企業
が
収益力
を高め、
賃上げ
や
設備投資
に一層積極的に取り組むよう促すための
改革
であり、これにより、
企業
のマインドが変わり、
賃上げ等
の
取り組み
につながっていくことを期待しております。
消費税率引き上げ
による低
所得者
の負担について
お尋ね
がありました。 まず、
消費税率引き上げ
による税収分は、全額
社会保障
の充実、安定化に充てることで、
所得
の低い方々にしっかり
配慮
するとともに
所得
再配分につながるものであることを申し上げます。 その上で、御指摘のように、
消費税
には、
所得
の低い方ほど収入に占める
消費税
負担の割合が高いといういわゆる
逆進性
があり、一〇%への
引き上げ
に当たっては、その分逆進的になることから、それを緩和する
観点
から、ほぼ全ての人が毎日購入している、酒類及び外食を除く飲食料品等を
対象
に
軽減税率制度
の
導入
を決定したところであります。
消費税率
の
引き上げ
について
お尋ね
がありました。
世界
的に
リスク回避
の
動き
が
金融市場
で広がる中、
我が国
の
市場
でも変動が見られていますが、これは、中国の
景気減速
への懸念や
原油価格
の低下、米国の利上げの
動向等
の
海外要因
が背景と見られています。 しかしながら、
我が国
の
実体経済
を見れば、もはや
デフレ
ではないという
状況
をつくり出す中で、
名目GDP
は二十七兆円ふえ、
企業
の
収益
は過去
最高
となり、
就業者数
は百十万人以上
増加
するなど、
日本経済
の
ファンダメンタルズ
は確かなものと
認識
しています。こうしたファクトをまずはしっかりと見ていただきたいと思います。 来年四月の
消費税率
一〇%への
引き上げ
は、
世界
に冠たる
社会保障制度
を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、
市場
や国際
社会
から国の信認を確保するためのものです。リーマン・ショックや大
震災
のような重大な事態が発生しない限り、確実に
実施
します。
経済
の好
循環
を力強く回していくことにより、そのための
経済状況
をつくり出してまいります。 簡素な給付
措置
について
お尋ね
がありました。 簡素な給付
措置
は、
消費税率引き上げ
の
影響
を緩和する
観点
から、
税制
抜本
改革
法に基づき、
軽減税率制度
、
総合合算制度
または
給付つき税額控除
のいずれかが
導入
されるまでの間の暫定的、臨時的な
措置
として
実施
してきているものであります。 一方、
社会保障
・税
一体改革
は、
消費税率引き上げ
による増収分を活用して
社会保障
の充実、安定を図り、
世界
に誇る
我が国
の
社会保障制度
を持続可能なものとして次世代に責任を持って引き渡すために取り組んできているものであります。 その際には、
所得
の低い方々にしっかりと
配慮
する
観点
から、酒類、外食を除く飲食料品等を
対象
とした
軽減税率制度
を
導入
するとともに、
社会保障
の充実の一環として、
国民
健康保険料や介護保険料の軽減の
拡充
、年金
生活
者
支援
給付金などの
措置
を講じることとしており、こうした施策とあわせて
評価
していただく必要があると
考え
ています。
消費税
増税
と
社会保障
についての
お尋ね
がありました。
消費税
増税
の
引き上げ
は、
社会保障制度
をしっかりと次世代に引き渡すとともに、国の信認を維持していくためのものであり、増収分は、全額
社会保障
の充実、安定化に充てられます。
消費税率
の八%への
引き上げ
に際しては、基礎年金国庫負担割合の二分の一への
引き上げ
や、
所得
の低い方々に対する
国民
健康保険料等の軽減の
拡充
、高額療養費
制度
の
自己負担
限度額の
引き下げ
、そして難病
対策
の充実などを
実施
しました。 このことからも、
消費税
の使途に
社会保障
の充実などどこにもないとの指摘は全く
当たり
ません。 同時に、
社会保障
の効率化や
制度
改革
に不断に取り組んでいくことが重要です。 これまでの三年間は、
経済
雇用
情勢の
改革
の改善により、
生活
保護や
雇用
関係
の
費用
の伸びが抑制されるとともに、薬価改定などの
制度
改革
により、
社会保障
関係
費は年平均五千億円程度の伸びにおさまってきました。その基調を二〇一八年度まで継続していくこととし、これからも、負担の公平性の確保や公的保険給付の
適正化
に
取り組み
ます。 これは、
社会保障
費の伸びに機械的にキャップをかけて抑制する手法ではなく、必要な給付やサービスの質を維持しながら効率化を図っていくものであります。 このように、
社会保障
の充実、安定化と、効率化や
制度
改革
の
取り組み
は、持続可能な
社会保障制度
を次世代に引き渡す責任を果たしていくために、ともに欠くことのできないものであり、
社会保障
と税の
一体改革
の看板に偽りありとの指摘は全く
当たり
ません。 インボイス
制度
について
お尋ね
がありました。
軽減税率制度
の
導入
に当たって、適正な課税を確保する
観点
から、いわゆるインボイス
制度
を
導入
することとしています。
他方
、その
導入
時期については、
事業者
の
準備
に
配慮
し、
平成
三十三年四月としたところであります。 また、インボイス
制度
の
もと
では、課税
事業者
からの仕入れでなければ仕入れ税額控除ができないため、免税
事業者
が納入先
企業
等から短期間のうちに課税
事業者
への転換を求められたりすることのないよう、インボイス
制度導入
から六年間の経過
措置
として、免税
事業者
からの仕入れについて一定割合の仕入れ税額控除を認めることとしました。
税制改正法案
においては、
政府
は、インボイス
制度
の
導入
に係る
事業者
の
準備状況等
を検討しつつ、必要な
対応
を行う旨を明記しており、しっかりと
事業者
への
対応
を行ってまいります。 なお、免税
事業者
が実際に課税
事業者
に転換するか否かは
事業者
間
取引
を行っているかいな
いか
等によるため、インボイス
制度
の
導入
は必ずしも免税点
制度
の形骸化につながるものではなく、現にインボイス
制度
を
導入
している諸外国でも免税点
制度
が存在しているものと承知しております。(
拍手
)
—————————————
大島理森
23
○
議長
(
大島理森
君) 丸山穂高君。 〔丸山穂高君
登壇
〕
丸山穂高
24
○丸山穂高君 おおさか
維新
の会の丸山穂高です。 私は、おおさか
維新
の会を代表して、
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
について
質問
いたします。(
拍手
) 我々おおさか
維新
の会は、
地域
や個人が国に依存することなく、自立できる
社会
を目指しており、国による財政的な
支援
は、既得権に対してではなく、子供
たち
、将来世代と、本当に助けの必要な人々に手厚く、徹底して行うべきと
考え
ております。
税制
においても、こうした
観点
から
分配
上の公平が図れるような
制度
が望ましいとの
考え
に基づいて、以下、
質問
させていただきます。 まず、
所得
税についてです。
少子高齢化
が進む中、税による
所得
再
分配
は、年齢ではなく
所得
や
資産
によって行うことが、
経済
社会
に
活力
をもたらすと同時に、公平な再
分配
へもつながるはずです。また、女性の働き方やライフスタイルの選択に
税制
が悪
影響
を及ぼさない
制度
も求められています。 したがって、若い世代に比べて高齢者が優遇され過ぎているとも言われる公的年金控除、女性の労働供給や働き方に
影響
を及ぼす配偶者控除について見直しを行うべきです。 昨年出された骨太の
方針
二〇一五や
政府税調
でもこうした
方針
に沿った検討を行っていたはずですが、今回の
法案
では、これらの
改革
がまたしても見送りになっています。 配偶者控除の見直しにつき、官邸からの
選挙
前にやらないでほしいとの一言で
先送り
になったとの報道さえありますが、
政府
が検討してきた公的年金控除や配偶者控除の見直しは、この
法案
にはなぜ盛り込まれなかったのでしょうか。
安倍総理
にお
伺い
します。 次に、
法人税
についてお
伺い
します。 今回の
法案
で、
法人実効税率
が二〇%台まで
引き下げ
られることについて、我が党は
評価
いたします。ただし、課税ベース
拡大
のために法人事業税の
外形標準課税
のさらなる
拡大
が行われたことについては、
中小企業
の多い
地域
経済
への悪
影響
も指摘されているところです。 そこで、課税ベースの
拡大
について他の方法も検討すべきと
考え
ます。例えば、学校法人や
社会
福祉法人などの公益法人の
税制
上の優遇を一部見直すべきではないでしょうか。 保育、教育、介護等、公共的とされるサービスの提供主体は多様化してきており、法人の形式のみで公益事業を定義することは適当ではありません。
政府税調
も二〇一四年に提言している公益
法人課税
の抜本見直しの
改革
も
先送り
されたままです。
株式
会社の一層の参入を促し、保育や介護でのミスマッチを解消するためにも、
民間
と競合する非課税事業について、その取り扱いを見直すべきではないでしょうか。財務
大臣
の御所見を
伺い
ます。 最後に、
消費税
についてお
伺い
します。 我が党は、
消費税
増税
前に、
政府
も国会もまずやるべきことがあると
考え
ております。
安倍総理
は、二月四日の
予算委員会
で、衆議院の
議員定数
削減
を求めた
制度
調査
会答申の尊重は当然で、最終的に
総理
御自身が決めると答弁されました。また、さきの総
選挙
の公約にも定数
削減
を掲げられています。 ところが、
自民党
は、定数
削減
をまたも二〇二一年以降に
先送り
するとのこと。
国民
負担を求める
増税
の前に、お約束した
議員
自身の身を切る
改革
、定数
削減
がどうして
先送り
されるのか。
自民党
総裁でもある
安倍総理
にお
伺い
します。 さらに、日銀がマイナス金利
導入
を決定した後も、
世界経済
への
影響
から、大きく株価や為替レートが乱高下しています。
世界経済
が悪化する流れは、
アベノミクス
の成果である大
企業
の利益さえ吹き飛ばしかねません。来年四月からの
消費税率
一〇%への
引き上げ
は、マクロ
経済
への
配慮
や
議員
自身の身を切る
改革
がおくれている現状から、延期すべきではないでしょうか。
総理
の御所見を
伺い
ます。
消費税率引き上げ
に伴って
導入
される
軽減税率
は、痛
税感
の緩和や低
所得者
対策
といった点でも
効果
が薄く、
業界
との新たな癒着や利権も生み出します。
軽減税率
は
導入
せず、その分の
消費税
の標準
税率
をなるべく低く抑えるか、
給付つき税額控除
を
導入
する方が、おっしゃる痛
税感
の緩和や低
所得者
対策
となるのではないでしょうか。
総理
にお
伺い
したい。 特に、
生活
に必要不可欠な電気やガスなどに先駆けて
新聞
が含まれるというのは、おかしな話です。 さきの
財務金融委員会
においてこの問題を指摘したところ、電気、ガスは
地方
自治体の管轄であるので、また、
新聞
は全国あまねく情報を届けているので
軽減税率
が必要との
麻生財務大臣
の答弁でしたが、到底理解ができません。 さらに、
新聞
協会は、EUでも軽減
対象
だとか活字文化の維持、普及のためと主張しているそうですが、EUでは水道も電気もガスも軽減
対象
です。 ニュースや論考が全国あまねくインターネットで見られる時代に、こうした通信料金や
生活
上必要不可欠な電気、ガス、水道に先駆けて、
新聞
に
軽減税率
が適用される
理由
をお答えください。 これによって二百億円もの
減税
効果
が
新聞業界
にもたらされるとの話でしたが、これこそ
新聞業界
との癒着ではありませんか。
総理
にお
伺い
します。 我々おおさか
維新
の会は、提案型責任政党の
立場
から、かつて
政府
自身が示したはずの必要な
改革
が
先送り
されている現状を指摘し、その
実現
を強く主張します。重ねて、定数
削減
もなしに
消費税
増税
を強行するなら、徹底して戦います。その際、もちろん、対案なしの批判はいたしません。それぞれの対案となる
法案
を
提出
していきながら、
税制
においても、
国民
のために必要な
改革
の
実現
を目指すことをお約束しまして、
質問
を終わります。 御清聴ありがとうございました。(
拍手
) 〔
内閣総理大臣安倍晋
三君
登壇
〕
安倍晋三
25
○
内閣総理大臣
(
安倍晋
三君) 丸山穂高
議員
にお答えをいたします。 公的年金等控除や配偶者控除の見直しについて
お尋ね
がありました。 公的年金等控除を含めた年金課税の見直しについては、
税制
抜本
改革
法や
社会保障制度
改革
プログラム法において、今後の年金
制度
改革
の方向性も踏まえつつ、検討を行うこととされております。この
趣旨
に沿って、今後の年金
制度
改革
の議論も踏まえつつ、検討してまいります。 配偶者控除については、配偶者の就労を抑制する
効果
があるとの指摘や、家庭における配偶者の貢献を
評価
すべきとの指摘を総合的に勘案しつつ、家族の
あり方
や働き方について
国民
的議論を行いながら、十分に検討していくべき問題であると
考え
ています。 引き続き、
政府
税制
調査
会や
与党
税制
調査
会において検討されるものと
考え
ています。 定数
削減
について
お尋ね
がありました。 先日、衆議院
選挙
制度
に関する
調査
会の答申が取りまとめられ、
大島
衆議院議長
から、各党の御理解を得てこの国会において結論を得るべく最大限努力するとの意向が示されたところです。 各党各会派がこの答申を尊重し、定数
削減
を含む
選挙
制度
改革
の
実現
に向けて真摯に議論を行い、早期に結論を得ることによって、
国民
の負託にしっかり応えていくべきと
考え
ています。
自民党
においても議論が進められているところですが、私としては、この答申を尊重すると申し上げており、その上に立って議論が行われ、しかるべく結論が出るもの、そう
考え
ているところであります。
消費税率
の
引き上げ
について
お尋ね
がありました。
世界
的に
リスク回避
の
動き
が
金融市場
で広がる中、
我が国
の
市場
でも変動が見られていますが、これは、中国の
景気減速
への懸念や
原油価格
の低下、米国の利上げの
動向等
の
海外要因
が背景と見られています。 しかしながら、
我が国
の
実体経済
を見れば、もはや
デフレ
ではないという
状況
をつくり出す中で、
名目GDP
は二十七兆円ふえ、
企業
の
収益
は過去
最高
となり、
就業者数
は百十万人以上
増加
するなど、
日本経済
の
ファンダメンタルズ
は確かなものと
認識
しています。こうしたファクトをまずはしっかりと見ていただきたいと思います。 来年四月の
消費税率
一〇%への
引き上げ
は、
世界
に冠たる
社会保障制度
を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、
市場
や国際
社会
からの国の信認を確保するためのものです。リーマン・ショックや大
震災
のような重大な事態が発生しない限り、確実に
実施
します。
経済
の好
循環
を力強く回していくことにより、そのための
経済状況
をつくり出してまいります。
消費税
と低
所得者
対策
について
お尋ね
がありました。
お尋ね
の
軽減税率制度
は、
給付つき税額控除
、
総合合算制度
と並び、
消費税率引き上げ
に伴う低
所得者
への
配慮
の
観点
から、検討
課題
の
一つ
でした。 そうした中で、
軽減税率制度
は、
給付つき税額控除
といった給付
措置
とは異なり、日々の
生活
において幅広い
消費
者が
消費
、利活用している商品の
消費税
の負担を直接軽減することにより、
消費
者の方々が買い物の都度、痛
税感
の緩和を実感していただけるといった意義があるものと
考え
ており、この点が特に重要であるとの判断により、
導入
を決定しました。 さらに、年収の低い方の飲食料品等の
消費
支出に占める割合は高収入の方よりも高くなっており、
消費税
が有している、いわゆる
逆進性
の緩和の
観点
からも有効であると
考え
ています。
軽減税率制度
の
導入
に伴い、他の二つの施策は、
消費税率引き上げ
に伴う低
所得者
対策
としては
実施
することはないと
考え
ています。
お尋ね
の、
軽減税率
を
導入
せずに
消費税
の標準
税率
を抑えるといった
措置
も
実施
することはありません。 なお、今般の
軽減税率
の適用
対象
品目の設定に当たって、
消費税率
一〇%への
引き上げ
に伴う低
所得者
への
配慮
との
趣旨
を踏まえ、日々の
生活
の中での
消費
、利活用の
状況
、
消費税
の
逆進性
の緩和、合理的かつ明確な線引き、
社会保障
財源
である
消費税
収入への
影響
等の諸点を総合勘案し、
対象
を決定したところであります。
新聞
への
軽減税率制度
の適用についての
お尋ね
がありました。
新聞
については、日常
生活
における情報媒体として、全国あまねく均質に情報を提供し、幅広い層に日々読まれていること、この結果、
新聞
の購読料に係る
消費税
負担は逆進的になっていること等の事情を総合的に勘案し、
軽減税率
の適用
対象
とすることとしたところであり、
新聞業界
との癒着であるとの御指摘は全く
当たり
ません。 なお、御指摘の通信料や電気、ガス、水道を含め、仮にさらに
対象
を
拡大
することについては、
特定
の物品やサービスのみを
対象
とすると、代替品との間でゆがみが生じ得ること、こうしたゆがみを回避しようとすれば、際限なく
対象
が広がり、
社会保障
財源
となっている
消費税
収を減少させるおそれがあること等の問題があり、慎重であるべきものと
考え
ております。 いずれにせよ、
税制
は
国民
生活
に直結するものであり、多様な御
意見
に耳を傾けながら検討する必要があるものの、
税制
をゆがめることはあってはならないと
考え
ています。 残余の
質問
につきましては、
関係大臣
から答弁させます。(
拍手
) 〔
国務大臣麻生太郎
君
登壇
〕
麻生太郎
26
○
国務大臣
(
麻生太郎
君) 公益法人等の非課税事業の取り扱いについての
お尋ね
があっております。
法人税
法上の公益法人等が行う事業のうち、例えば
社会
福祉法人が行う介護事業は、現行では非課税扱いということになっております。 しかしながら、こうした事業に対しては、
株式
会社などの
民間
事業者
と競合しており、見直しが必要ではな
いか
といった御
意見
があることもよく承知をいたしております。 この点につきましては、
与党
の
税制改正
大綱にもありますように、厚生労働省における関連
制度
の見直しの
動き
が実効的な
対応
となるかどうか、その
動向
をよく注視いたすとともに、実態を丁寧に検証させていただいて、引き続き検討を行ってまいりたいと
考え
ております。(
拍手
)
大島理森
27
○
議長
(
大島理森
君) これにて
質疑
は終了いたしました。
————◇—————
大島理森
28
○
議長
(
大島理森
君) 本日は、これにて散会いたします。 午後二時五十五分散会
————◇—————
出席
国務大臣
内閣総理大臣
安倍 晋三君 財務
大臣
麻生 太郎君
経済
産業
大臣
林 幹雄君 出席内閣官房副長官及び副
大臣
内閣官房副長官 萩生田光一君 財務副
大臣
坂井 学君