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2016-02-09 第190回国会 衆議院 本会議 第10号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十八年二月九日(火曜日)
—————————————
平成
二十八年二月九日 午後一時 本
会議
—————————————
○本日の
会議
に付した案件
北朝鮮
による
ミサイル発射
に抗議する
決議案
(
河村建夫
君外十五名
提出
)
東日本大震災
からの
復興
のための
施策
を実施するために必要な
財源
の
確保
に関する
特別措置法
及び
財政運営
に必要な
財源
の
確保
を図るための
公債
の
発行
の
特例
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
)の
趣旨説明
及び
質疑
午後一時二分
開議
大島理森
1
○
議長
(
大島理森
君) これより
会議
を開きます。
————◇—————
伊藤忠彦
2
○
伊藤忠彦
君
議案上程
に関する
緊急動議
を
提出
いたします。
河村建夫
君外十五名
提出
、
北朝鮮
による
ミサイル発射
に抗議する
決議案
は、
提出者
の要求のとおり、
委員会
の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
大島理森
3
○
議長
(
大島理森
君)
伊藤忠彦
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
大島理森
4
○
議長
(
大島理森
君) 御
異議
なしと認めます。
—————————————
北朝鮮
による
ミサイル発射
に抗議する
決議案
(
河村建夫
君外十五名
提出
)
大島理森
5
○
議長
(
大島理森
君)
北朝鮮
による
ミサイル発射
に抗議する
決議案
を
議題
といたします。
提出者
の
趣旨弁明
を許します。
河村建夫
君。
—————————————
北朝鮮
による
ミサイル発射
に抗議する
決議案
〔
本号末尾
に掲載〕
—————————————
〔
河村建夫
君
登壇
〕
河村建夫
6
○
河村建夫
君 私は、
提出者
を代表いたしまして、ただいま
議題
となりました
北朝鮮
による
ミサイル発射
に抗議する
決議案
につきまして、提案の
趣旨
を御
説明
申し上げます。
北朝鮮
が、先月の四回目の
核実験
に続き、今回、
人工衛星
と称する
弾道ミサイル発射
を強行したことは、極めて遺憾であり、断じて容認することはできません。 以下、案文の朗読をもちまして
趣旨
の
説明
にかえさせていただきます。
北朝鮮
による
ミサイル発射
に抗議する
決議案
二月七日、
北朝鮮
は
我が国
をはじめ
国際社会
からの強い自制の申入れにもかかわらず、「
人工衛星
」と称する
弾道ミサイル発射
を強行した。これは、
我が国
を含む
地域
及び
国際社会
の平和と安全を著しく損なう重大な挑戦である。また、今回の
発射
は、
一連
の
国連安保理決議
及び
日朝平壌宣言
に違反するとともに、六
者会合共同声明
の
趣旨
に反するものである。
我が国
として断じて容認できず、
北朝鮮
に対し、厳重に抗議し、強く非難する。 本院は
日本国民
を代表して、今般の
弾道ミサイル発射
に対し重ねて厳重に抗議し、
北朝鮮
には、
弾道ミサイル
の開発を直ちに断念するよう強く求める。 さらに、
一連
の
国連安保理決議
を踏まえ、
国際社会
が結束した
外交努力
を展開し、平和的な
解決
に
全力
を挙げるべきである。
政府
は、
拉致
問題を含む
人権侵害
を明記した、新たな
制裁措置
を含む
安保理決議
が早急に採択されるよう、
関係国
と連携し早急な折衝を加速させるべきである。また、
我が国
においても、
政府
が独自の対
北朝鮮制裁措置
をとることを通じて、
北朝鮮
による核・
ミサイル
・
拉致
問題の早急かつ包括的な
解決
を図るために、総力を挙げた
努力
を傾注することを求める。 右
決議
する。 以上であります。 何とぞ
議員各位
の御賛同をお願い申し上げます。(
拍手
)
—————————————
大島理森
7
○
議長
(
大島理森
君) 採決いたします。
本案
を可決するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
大島理森
8
○
議長
(
大島理森
君) 御
異議
なしと認めます。よって、
本案
は可決いたしました。(
拍手
) この際、
内閣総理大臣
から発言を求められております。これを許します。
内閣総理大臣安倍晋
三君。 〔
内閣総理大臣安倍晋
三君
登壇
〕
安倍晋三
9
○
内閣総理大臣
(
安倍晋
三君) ただいまの御
決議
への所信を申し述べます。 今般、
北朝鮮
が
弾道ミサイル
の
発射
を強行しました。断じて容認できません。明白な
安保理決議違反
であり、
我が国
の安全に対する直接的かつ重大な
脅威
です。
日朝平壌宣言
に違反し、六
者会合
の
共同声明
にも反するものです。強く非難します。
政府
としては、
北朝鮮
に対して、直ちに厳重に抗議するとともに、
国連安保理
に対し、
米国
、
韓国
とともに
緊急会合
の開催を要請し、
北朝鮮
を強く非難する
声明
が採択されました。
安保理決議
に関しては、
安保理
の非
常任理事国
として、
拉致
問題を初めとする
北朝鮮
の人権問題に関する
国際社会
の懸念を反映し、
北朝鮮
が再び挑発的な行動を繰り返すことのないような強い
安保理決議
が一日も早く採択されるよう、
米国
、
韓国
を初め、中国、ロシアなど
関係国
とも一層緊密に連携してまいります。
拉致
問題は、
安倍政権
の最
重要課題
です。一日も早い全ての
拉致被害者
の帰国を求めてきましたが、いまだ
解決
に至っていません。 このような
状況
を踏まえ、
政府
としては、
拉致
、核、
ミサイル
といった諸
懸案
の包括的な
解決
のため、
我が国
独自の
措置
を課す
方針
を固めました。
具体的内容
の検討を速やかに進め、
北朝鮮
に対して、毅然かつ断固たる
措置
をとってまいります。 ただいまの御
決議
の
趣旨
を体し、
北朝鮮
に対して、
安保理決議
を完全に履行し、
拉致
、核、
ミサイル
といった諸
懸案
を包括的に
解決
するよう強く求めてまいります。同時に、
国際社会
に対しても、
安保理決議
に基づく
制裁措置
を完全に履行するよう強く求めてまいります。
政府
としては、引き続き、
全力
を挙げて、
我が国
の平和と
国民
の安全の
確保
に万全を期してまいります。(
拍手
)
————◇—————
東日本大震災
からの
復興
のための
施策
を実施するために必要な
財源
の
確保
に関する
特別措置法
及び
財政運営
に必要な
財源
の
確保
を図るための
公債
の
発行
の
特例
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
)の
趣旨説明
大島理森
10
○
議長
(
大島理森
君) この際、
内閣提出
、
東日本大震災
からの
復興
のための
施策
を実施するために必要な
財源
の
確保
に関する
特別措置法
及び
財政運営
に必要な
財源
の
確保
を図るための
公債
の
発行
の
特例
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
について、
趣旨
の
説明
を求めます。
財務大臣麻生太郎
君。 〔
国務大臣麻生太郎
君
登壇
〕
麻生太郎
11
○
国務大臣
(
麻生太郎
君) ただいま
議題
となりました
東日本大震災
からの
復興
のための
施策
を実施するために必要な
財源
の
確保
に関する
特別措置法
及び
財政運営
に必要な
財源
の
確保
を図るための
公債
の
発行
の
特例
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
の
趣旨
を御
説明
申し上げさせていただきます。
政府
は、
東日本大震災
からの
復興
のために実施する
施策
に必要な
財源
を
確保
するため、
復興債
の
発行期間
を
平成
三十二
年度
まで延長する等の
措置
を講ずることとするとともに、最近における国の
財政収支
が著しく不均衡な
状況
にあることに鑑み、
平成
二十八
年度
から
平成
三十二
年度
までの間の
財政運営
に必要な
財源
の
確保
を図るため、これらの
年度
における
公債発行
の
特例措置
を講ずることとし、本
法律案
を
提出
した次第であります。 以下、この
法律案
の
内容
につきまして御
説明
申し上げます。 第一に、
復興債
の
発行期間
を
平成
三十二
年度
までの五年間延長するとともに、
財政投融資特別会計投資勘定
から
国債整理基金特別会計
への繰入金及び
日本郵政株式会社
の
株式処分収入
を
復興債
の
償還費用
に充てる等の
規定
を整備することといたしております。 第二に、二〇二〇
年度
の
プライマリーバランス黒字化目標
や
経済
・
財政再生計画
を踏まえ、
平成
二十八
年度
から
平成
三十二
年度
までの五年間、各
年度
の
予算
をもって
国会
の
議決
を経た
金額
の
範囲
内で、
特例公債
を
発行
できるようにする等の
規定
を整備することといたしております。 以上、
東日本大震災
からの
復興
のための
施策
を実施するために必要な
財源
の
確保
に関する
特別措置法
及び
財政運営
に必要な
財源
の
確保
を図るための
公債
の
発行
の
特例
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
につきまして、その
趣旨
を御
説明
申し上げた次第であります。(
拍手
)
————◇—————
東日本大震災
からの
復興
のための
施策
を実施するために必要な
財源
の
確保
に関する
特別措置法
及び
財政運営
に必要な
財源
の
確保
を図るための
公債
の
発行
の
特例
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
)の
趣旨説明
に対する
質疑
大島理森
12
○
議長
(
大島理森
君) ただいまの
趣旨
の
説明
に対して
質疑
の通告があります。順次これを許します。
松本洋平
君。 〔
松本洋平
君
登壇
〕
松本洋平
13
○
松本洋平
君
自由民主党
の
松本洋平
です。 私は、
自由民主党
を代表して、ただいま
議題
となりました
復興財源確保法
及び
特例公債法
の一部を改正する
法律案
について、
安倍総理
及び
関係大臣
に
質問
をいたします。(
拍手
)
質問
に先立ち、一昨日発生した
北朝鮮
による
弾道ミサイル発射
について申し上げます。
我が国
を初め
国際社会
は、
北朝鮮
に対して、関連の
国連安保理決議
などを遵守し、
核実験
や
弾道ミサイル発射
などの
挑発行為
を行わないよう繰り返し要求してきました。しかしながら、先日の
核実験
の実施に続いて、一昨日
弾道ミサイル
の
発射
を強行したことは、
我が国
の
安全保障
に深刻な
脅威
を及ぼすとともに、東アジアを初め世界の平和と安全を著しく損なうものであり、断じて容認することはできません。 我が党は、一昨日の
ミサイル発射
の後、速やかに
谷垣幹事長
を
本部長
とする
北朝鮮核実験
・
ミサイル問題対策本部
を開催し、
情報
の
収集
、現状の把握をするとともに、
緊急党声明
を発表し、
政府
への申し入れを行いました。
政府
としては、ただいまの
国会決議
を踏まえ、
国際社会
との連携を図り、
拉致
、核、
ミサイル
に対する断固たる
対応
を実施するよう要望いたします。 また、
台湾
の
南部
において、二月六日の未明にマグニチュード六・四の
地震
が発生しました。多くの方が犠牲となり、負傷をされました。今なお、多くの
行方不明者
が存在し、懸命な
救助活動
が実施されています。こうした困難に直面している
台湾
の
皆様
に、心からお悔やみとお
見舞い
を申し上げます。 言うまでもなく、
台湾
の
皆様
から、
我が国
が
東日本大震災
という未
曽有
の
災害
に直面した際、大きく温かい
支援
をいただきました。今回の
台湾南部
で発生した
地震
において、
東日本大震災
の
被災地
においても恩返しの
募金活動
や、各自治体による
支援等
の輪が広がっているところです。
安倍総理
は、二月六日午前、
馬英
九総統にお
見舞い
のメッセージを送り、外務省及び
関係省庁
から直ちに
情報収集
のための
出張者
を現地に派遣するなどの
対応
を行ってまいりました。また、昨日、
菅官房長官
が、
災害救助
及び
復旧復興
のため、
台湾赤十字社
などに百万ドル規模の
支援
を実施する旨、表明をいたしました。 引き続き、
台湾
に対する適切かつ迅速な
支援
を強く要望いたします。 それでは、
質問
に入ります。
政権交代
以降、
安倍内閣
は、
財政健全化
と
経済再生
の
両立
を推進してきました。
アベノミクス
により、
実質GDP
は十二兆円、
名目GDP
は二十八兆円増加し、
企業収益
は過去最高、
倒産件数
も二年
連続
で一万件を下回っています。また、
賃上げ率
は二年
連続
で前年を上回り、足元では
有効求人倍率
が一・二七倍と二十四年ぶりの高水準となるなど、雇用・
所得環境
も改善しています。 こうした
経済成長
により、国の
税収
が十五兆円増加する一方で、
社会保障改革
を初め
歳出
の伸びの
抑制
にも努め、二〇一五
年度
の
プライマリーバランス赤字半減目標
を達成する見込みです。
平成
二十八
年度
予算
では、
平成
二十四
年度
当初
予算
と比べ、
特例公債
の
発行額
も十兆円減額しています。
財政健全化
は着実に進んでいると言えます。 その一方で、
我が国
の
財政
は依然深刻であり、ここで手綱を緩めるわけにはまいりません。今後は、二〇二〇
年度
の
プライマリーバランス黒字化目標
に向けて、
経済
・
財政一体改革
をさらに推進していく必要があります。その際、
社会保障関係費
が年々増加していく中にあって、一層の
歳出改革
に取り組むことが鍵になると思います。 この
黒字化目標
の達成に向けて、今後どのように取り組んでいく
方針
か、
総理
に
見解
をお伺いいたします。 さて、今申し上げたとおり、二〇二〇
年度
の
プライマリーバランス黒字化目標
に向けて
財政再建
を進めることは極めて重要ですが、二〇二〇
年度
の
目標
を達成したとしても、
歳出
と
税収
などのギャップは依然として大きく、残念ながら、当面は
特例公債
を
発行
せざるを得ない
状況
にあります。このため、引き続き
特例公債発行
の
根拠法
が必要です。
特例公債法
は、かつては毎
年度立法
を行っていましたが、
現行法
については、自公民三党での議論の結果、
議員修正
により、二〇一二
年度
から二〇一五
年度
までの四年間の
特例公債
の
発行
を認めております。 今回の
改正法案
により、二〇二〇
年度
までの間、
特例公債
を
発行
できるようにするということですが、このように五年間の
特例公債発行
の
根拠規定
を盛り込む理由につきまして、
麻生財務大臣
に
見解
をお伺いいたします。 当初
予算
で
特例公債
の
発行
が始まったのは、今からちょうど四十年前の昭和五十一
年度
予算
です。以来、
バブル
の一時期を除き、
特例公債
を
発行
し続けてきましたが、
特例公債
の
発行
で得た
お金
は、将来
世代
に
資産
を残すことに充てられるのではなく、現在の
世代
が費消してしまっているものです。
政府
には、それを忘れることなく、引き続き
特例公債
の
発行
の縮減に取り組んでいただくことが重要であると考えますが、
麻生財務大臣
の
決意
をお伺いいたします。 さて、今回の
法案
は、今後五年間の
復興債
の
発行
など、
復興財源
の
確保
に必要な法制上の
措置
を講ずるものでもあります。
法案
に盛り込まれた
措置
も含め、必要な
復興財源
をしっかり
確保
し、
復興
を
加速化
させていかなければなりません。 来月には
東日本大震災
の発生から丸五年となりますが、
政府
は、今後五年間を新たに
復興
・
創生期間
と位置づけています。新たなステージを迎えて、今後どのように
被災地
の
復興
に取り組んでいく
方針
か、
総理
に
見解
をお伺いします。
被災地
では、
インフラ復旧
などの
ハード面
での
復興
は着実に進んでいますが、
産業
の
復興
、
創出
、
なりわい
の
再生
など、
被災地
の
自立
につながる
支援
にも今後一層力を入れていく必要があると考えております。
東北
は、
農林水産業
や
商工業
、
観光産業
など、高いポテンシャルを持った
地域
であることは間違いがありません。
復興
・
創生期間
において、
被災地
の
自立
を進めるという
観点
で、どのような
課題
を重点的に
支援
していく
方針
か、
総理
の
見解
をお伺いいたします。
安倍内閣
では、
総理
のリーダーシップの
もと
、これまで、
経済再生
、
財政健全化
、
被災地
の
復興
という三つの難しい
課題
に同時に取り組み、いずれも大きな成果を上げてきました。 今後、二〇二〇
年度
にかけて、それらを前進させていくことにより、
我が国
の将来が明るく、持続可能なものであることを示し、
国民皆様
の心に安心と希望の明かりをさらに力強くともすことが重要です。 そのため、我々
与党
としても、
経済再生
、
財政健全化
、
復興
の
加速化
に
全力
で取り組んでいく
決意
を申し上げ、
質問
を終わります。 ありがとうございました。(
拍手
) 〔
内閣総理大臣安倍晋
三君
登壇
〕
安倍晋三
14
○
内閣総理大臣
(
安倍晋
三君)
松本洋平議員
にお答えをいたします。
財政健全化
についての
お尋ね
がありました。
安倍内閣
では、
経済再生
と
財政健全化
の
両立
を図ってきた結果、
政権交代
前と比較して、
新規国債発行額
を十兆円減額するとともに、二〇一五
年度
の
予算
を
基礎的財政収支
の
赤字半減目標
を達成する
予算
とすることができました。 二〇二〇
年度
の
基礎的財政収支
の
黒字化
に向けては、
成長戦略
を着実に実施することで
名目
三%以上の
経済成長
を目指すとともに、
歳出改革
を着実に推進してまいります。 その際、
社会保障
についても聖域化させることなく、
効率化
や無駄の排除を行っていきます。 また、
計画
の
中間時点
である二〇一八
年度
において
改革
の
進捗状況
を評価することとしており、必要な場合は、
デフレ脱却
・
経済再生
を堅持する中で、
歳出歳入
の
追加措置等
を検討することとしています。 今後とも、
経済再生
なくして
財政健全化
なしとの
方針
の
もと
、
経済
・
財政一体改革
を不退転の
決意
で断行し、二〇二〇
年度
の
財政健全化目標
を実現してまいります。
東日本大震災
からの
復興
について
お尋ね
がありました。
東日本大震災
からの
復興
は、
安倍内閣
の最
重要課題
であります。住まいの
再建
や
なりわい
の
復興
が本格化する中、本年四月からは、いよいよ後期五カ年の
復興
・
創生期間
が始まります。
被災地
の
自立
につながるよう、引き続き、
産業
の
創出
や
なりわい
の
再生
などに向けた
支援
を行うとともに、本年を
東北観光復興元年
として、
観光復興
に向けた取り組みの強化を図ってまいります。 福島の
原子力災害被災地域
では、来年春までに、
帰還困難区域
を除く
避難指示
を解除し、一人でも多くの方に
ふるさと
に戻っていただくことを目指します。 このため、
廃炉
・
汚染水対策
、
除染
、
中間貯蔵施設
の
建設
、
生活インフラ
の
復旧
、
なりわい
の
復興
、
イノベーション・コースト構想
の推進に
全力
で取り組んでまいります。 これらの実現のため、今回の
法案
では、
復旧復興事業
について、五年間で六・五兆円の
財源
をまとめて
確保
することとしているところです。
東北
の
復興
なくして
日本
の
再生
なし。
復興
・
創生期間
においても、
被災者
の方の体の健康や不安な気持ちの解消にこれまで以上に心を砕きながら、
被災地
の皆さんの
ふるさと
への思い、
復興
への熱意をこれからも
全力
で応援してまいります。 残余の
質問
につきましては、
関係大臣
から答弁させます。(
拍手
) 〔
国務大臣麻生太郎
君
登壇
〕
麻生太郎
15
○
国務大臣
(
麻生太郎
君)
特例公債
の
発行期間
を五年間とする考え方についての
お尋ね
があっております。
現行
の
特例公債法
は、
平成
二十四年十一月の
民主党
、
自民党
、
公明党
の三
党確認書
に基づく
議員修正
により、二〇一五
年度
プライマリーバランス赤字半減目標
を踏まえ、
発行期間
を二〇一二
年度
から二〇一五
年度
までの四年間にしたと承知をいたしております。 今回の
特例公債法
の
改正案
は、このような三党でお決めいただいた
現行
の
枠組み
を引き継ぎ、二〇二〇
年度
の
プライマリーバランス黒字化目標
に向けて
財政健全化
に取り組んでいくことを踏まえて、安定的な
財政運営
を
確保
する
観点
から、
特例公債
の
発行
を二〇二〇
年度
までの五年間とすることとしたものであります。
特例公債
の
発行抑制
についての
お尋ね
がありました。
松本議員
の御指摘のとおり、
特例公債
の
発行収入
は、将来
世代
に
資産
を残すためではなく、負担を先送りしているものであり、その
抑制
に努めることは当然であります。
特例公債法
においてその
発行抑制
に努めることが
規定
されており、今後も、
経済
・
財政再生計画
の
もと
、
財政健全化
を進め、
特例公債
の
発行抑制
に取り組んでまいりたいと考えております。(
拍手
)
—————————————
大島理森
16
○
議長
(
大島理森
君)
鷲尾英一郎
君。 〔
鷲尾英一郎
君
登壇
〕
鷲尾英一郎
17
○
鷲尾英一郎
君
民主党
の
鷲尾英一郎
です。 私は、民主・維新・
無所属クラブ
を代表して、
東日本大震災
からの
復興
のための
施策
を実施するために必要な
財源
の
確保
に関する
特別措置法
及び
財政運営
に必要な
財源
の
確保
を図るための
公債
の
発行
の
特例
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
につきまして
質問
をいたします。(
拍手
)
財政法
四条では、
国債
を
発行
することを禁じています。ただし書きで、
公共事業費等
は
国会
の
議決
を経た
金額
の
範囲
内で
国債発行
が可能としています。いわゆる
建設国債
です。 国の
資産
を形成するものであり、後の
世代
も利用し、
便益
を受けるから
発行
してもいいという理屈に基づくものですが、
借金
は
借金
であります。節度は持たなくてはなりません。
費用
と
便益
を比較考量し、限られた資源を有効に活用せねばなりません。 しかし、
自民党政権
は、
バブル崩壊
後、目先の
景気対策
に終始し、中長期的な
経済成長
から
国民
の目を背け、
国債残高
はうずたかく積み上がりました。
建設国債
に加えて、
赤字国債
も同様です。
赤字補填目的
で
国債
を
発行
することは原則として禁じられています。しかし、
自民党政権
は、
少子高齢化
で
財政状況
が苦しくなることはわかっていながら、
国民
に不人気な
歳出削減
、
増税
を先送りし、この禁じ手をみずからの
政権維持
のために使い続けてきました。その結果、もはや
赤字国債
の
発行
なくして
経済財政運営
が不可能な
状況
に陥っています。 我が党は、
政権与党
となり、将来
世代
への責任を深く
認識
し、未
曽有
の
大震災
や
ねじれ国会
などの事態に苦悩しながら、あえて、
国民
に不人気な
歳出削減
、
増税
にも取り組んでまいりました。国論を二分する
課題
は、党派を超えた安定的な
枠組み
の
もと
で協議しなければならないとの
認識
の
もと
、当時野党だった
自民党
、
公明党
に呼びかけを行いました。当時の
谷垣自民党総裁
も同じ
問題意識
の
もと
協力していただき、三
党協議
を重ね、
合意
に到達しました。 しかし、二〇一二年末に
政権
の座に返り咲いた
安倍総理
は、数を頼みに、我が党には事前の相談もなく、一昨年末、
消費税
一〇%先送りを表明し、今回また、
軽減税率
の導入を決定しました。
軽減税率
は、
与党
内にも批判する声があると聞きます。三
党合意
の
枠組み
を再度生かして、もう一度議論し直すことこそ将来
世代
のためになると考えますが、三
党合意
の
枠組み
をどう評価されているのでしょうか。もう一度、与野党の垣根を越え、
社会保障
と税の
一体改革
について議論すべきと考えます。
枠組み
は今も生きていると考えているのでしょうか。
安倍総理
の
認識
を伺います。
総理
は、
財政健全化
について
質問
をすると、
新規国債発行額
が
税収
を上回るという異常な
状態
を解消することができたと自画自賛し、さも
財政健全化
が進んでいるように吹聴されます。しかし、
国民
の前で過度な
楽観論
を展開するのはいいかげんにおやめいただきたい。 リーマン・ショックから徐々に回復していけば、
税収
が
新規国債発行額
を上回る
状態
になることは、
もと
もと
予想されていたことです。
民主党政権下
、
平成
二十四年八月の
内閣
府の
中長期試算
では、今で言う
ベースラインケース
においても、二十六
年度
には
歳出
と
税収等
との差額を
税収
が完全に上回る姿が示されていました。 問題は、その先の話です。
ベースラインケース
では、
国債等残高
対
GDP比
は発散していきます。これは、
民主党政権
における
試算
でも、
安倍政権
になってからの
試算
でも、変わりない姿です。 そして、これまでの
安倍政権
の
経済運営
の実績は、ほぼ
ベースラインケースどおり
です。
日本再興戦略
で、十年間の
実質成長率
を
平均
二%程度にすると掲げていました。
現実
は、二〇一二年十—十二月期から二〇一五年七—九月
期平均
で〇・八%しか成長していません。
消費税引き上げ
から二年弱たった今、もう
消費税
を言いわけにすることはできません。今後の
経済財政運営
に当たっては、
アベノミクス
の総括が必要です。 まず、第一の矢、異次元の
金融緩和
により、
総理
は、
デフレマインド
が
インフレマインド
に変えられるとおっしゃっていました。持っていると
お金
の価値が下がるので、
企業
は
投資
をする、
消費者
は
消費
をする、そのことで
企業収益
は上がり、
賃金
は上昇し、それが
国民各層
に恩恵をもたらすと
説明
されていました。
現実
はというと、
実質賃金
は、二〇一三年五月から二〇一五年四月まで、実に二年間も
マイナス
を記録しました。二〇一五年七月に一旦プラスになったものの、十一月はまた
マイナス
を記録しました。指数で見ると、二〇一〇年を一〇〇としたとき、二〇一五年十一月は八二・九です。実に二割近く実質的に
賃金
が減っているのです。この原因をどう
説明
されますか。
塩崎大臣
の答弁を求めます。
総理
は、
予算委員会
で、パートで働く人がふえたら
実質賃金
は下がる、私が五十万円、妻が二十五万円であったとしたら、七十五万円にふえるが、二で割って
平均
は下がると答弁されました。例えが日常の
生活感覚
からかけ離れているということは論をまたないわけですが、
安倍総理
は、
世帯収入
がまるで上がっているように御答弁されています。しかし、
総務省
の家計調査によると、二人以上の
勤労者世
帯の一カ月の実収入は、二〇一四年
平均
で約五十二万円、うち、配偶者の収入は六万円程度です。ちなみに、二〇〇〇年は約五十六万円でしたので、実にこの十四年で四万円も下がっています。 パートで働く人がふえても
世帯収入
はふえていない。もちろん、実質的にも収入は下がっています。二〇一五年十二月の
勤労者世
帯の一世帯当たりの実収入は、
名目
マイナス
二・七%、実質で
マイナス
二・九%です。 総
賃金
が上がったとどんなにうそぶいても、これでは実感が伴わないのは当然です。それで、
国民
がどんどん物を買おうなんて思うでしょうか。いわゆるトリクルダウンは起きないのは明白であります。 もはや、異次元緩和という矢が当初の期待を大きく外れてしまっていることをお認めになるべきではないですか。
総理
の
見解
を伺います。 第二の矢、大規模
財政
出動について伺います。 異次元緩和で
デフレ脱却
しても、地方まで
日本
が元気に活力を持って成長していくということにはなかなかならないので大規模
財政
出動が必要と
総理
は
説明
してきました。 そこで、
総理
に伺いますが、第二の矢で地方は元気になりましたか。 地方が元気になった証拠として、
総理
は
有効求人倍率
の上昇を挙げられます。
有効求人倍率
の上昇が一番顕著な都道府県はどこでしょうか。東京でも愛知でもありません。意外なことに、高知県です。高知県では、
バブル
期でも〇・七六倍が最高でしたが、昨年十一月には一・〇五倍という数字を記録しています。 これを聞いて、喜ばしいと思うか、実感とずれていておかしいと思うか。地方の現場感覚からいえば、後者でしょう。
有効求人倍率
は、分子の求人数が変わらなくても、分母の求職者数、つまり働き手が減れば上がるものなのです。 そのことは、人口増減率にも顕著にあらわれています。
平成
二十六年の全国
平均
の人口減少率は
マイナス
〇・一%なのに対し、高知県では
マイナス
〇・九六%です。やはり
有効求人倍率
は
少子高齢化
、人口減少の影響が大きいと考えますが、
塩崎大臣
の御
見解
を伺います。 第三の矢、
成長戦略
について伺います。
中長期試算
での
経済再生
ケースでは、全要素生産性が
バブル
期並み、現状の四倍以上に上がるという無理な想定を置いています。無理な想定ではなく、
安倍政権
の
成長戦略
で実現できるというのであれば、生産性向上に関する具体的
試算
を行っているのかも含め、その具体的な根拠をお示しください。 また、
成長戦略
は方向性も正しく、進んでいるというのであれば、潜在成長率は上がるはずです。しかし、二〇一二年の〇・五%から、二〇一四年には〇・四%まで下がっています。その原因は何と
説明
されますか。石原大臣に伺います。 今指摘したように、
アベノミクス
三本の矢が期待を大きく裏切るものであることをはっきり認め、そして、軌道修正すべきところはしっかり修正していくべきことが、
政権
を預かる者の責任ではないですか。
総理
の
見解
を伺います。 結局、
安倍政権
の実績と
ベースラインケース
と大きく異なるのは、物価上昇率と
名目
長期金利ぐらいです。そのおかげで
試算
よりも
歳出
が伸びずに助かっているというのが
現実
です。
日本
銀行による金融抑圧にも限界があります。
経済成長
は慎重に見るべきです。今後は
ベースラインケース
を基本に
経済財政運営
を行っていく考えはありませんか。
総理
の
見解
を求めます。 二〇二〇
年度
プライマリーバランス黒字化目標
は、
軽減税率
導入のために、さらに遠くなりました。
経済再生
ケースにおいても、さらに六・五兆円の
財源
が必要と、今回の
中長期試算
で示されています。
経済
にも暗雲が漂う中で、
目標
が達成可能だとお考えですか。達成可能と言うのであれば、
歳出削減
、歳入増の具体案についてお示しください。石原大臣及び麻生大臣に伺います。 さらに、
軽減税率
の
財源
のほかに、TPP対策費、子ども・子育て
支援
の量的拡充、これからまとめるという新三本の矢関連の
施策
の
財源
が必要になるはずです。それらも含めると、
プライマリーバランス黒字化目標
達成までの不足額は幾らまでふえるのでしょうか。麻生大臣に伺います。
財政健全化
の道のりは極めて険しいものとなっています。民主・維新・
無所属クラブ
は、今のうちに
歳出歳入
面での
改革
の
枠組み
をはめるべきと考え、
財政健全化
推進
法案
を
国会
に
提出
いたします。
総理
は、
政権
担当時代の我が党をなじり、対案がないなど、誹謗中傷、レッテル張りを執拗に繰り返されていますが、
財政健全化
推進
法案
を初め、民主・維新・
無所属クラブ
は具体策を出します。 我々は、
政権
当時、一生懸命
政権
運営に取り組み、その結果、世間の期待を裏切ってしまったことも事実です。しかし、
自民党政権
のように、目先の選挙目当てに、どうパフォーマンスするかに終始し、
現実
から逃げていたわけではありません。
総理
も、
国民
にどう見せるか、パフォーマンスするかより、その政策が
国民
生活に何をもたらすかについて直視し、不都合な
現実
も踏まえて迅速に軌道修正されんことをお願いし、私の
質問
を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(
拍手
) 〔
内閣総理大臣安倍晋
三君
登壇
〕
安倍晋三
18
○
内閣総理大臣
(
安倍晋
三君) 鷲尾議員にお答えいたします。
社会保障
と税の
一体改革
に関する三
党合意
について
お尋ね
がありました。
社会保障
と税の
一体改革
に関する三
党合意
は、
社会保障
と税
財政
の問題について、自公民の三党間での真摯な議論を経て策定されたものであり、国の長期的
課題
に対する、与野党の枠を超えた
枠組み
は重要な意義を有すると考えています。
消費税
率一〇%への引き上げについては、三
党合意
を経て成立した税制抜本
改革
法の景気判断条項に基づくとともに、三
党合意
の、時の
政権
が判断するとの文言も踏まえ、
平成
二十六年四月の八%への引き上げが
消費
に大きな影響を与えたこと等から延期を決定しました。 また、
軽減税率
制度は、三
党合意
を経て成立した税制抜本
改革
法に基づき、
消費税
率引き上げに伴う低所得者への配慮の
観点
から検討し、
政府
・
与党
として、導入するとの結論を得たところです。 さらに、三
党合意
を経て成立した各般の
法律
の
枠組み
に沿って、
消費税
増収分を活用した
社会保障
の充実、安定化と同時に、重点化、
効率化
を着実に進めているところです。 このように三
党合意
の
趣旨
に沿った取り組みを進めているところであり、
社会保障
と税の
一体改革
について改めて議論し直す必要があるとは考えておりません。
アベノミクス
第一の矢について
お尋ね
がありました。
安倍内閣
が目指しているのは、いわゆるトリクルダウンではなく、
経済
の好循環の実現であり、
経済
の底上げであることをまず申し上げておきたいと思います。
アベノミクス
三本の矢の政策を進める中、第一の矢の大胆な
金融緩和
は、固定化した
デフレマインド
の払拭につながったものと考えております。 政労使
会議
の開催や成長志向の法人税
改革
とも相まって、好調な
企業
の収益を雇用・
所得環境
の改善につなげて、
経済
の好循環を生み出すことができました。
国民
みんなの稼ぎである総雇用者所得は、
名目
で見ても実質で見ても増加傾向となっております。 今後とも、より力強い
賃金
上昇の実現を促すとともに、
消費
の底上げ効果が発現するよう、最低
賃金
の引き上げを含め、各種政策にしっかりと取り組んでまいります。 地方
経済
の現状について
お尋ね
がありました。
安倍内閣
では、大胆な金融政策、機動的な
財政
政策、民間
投資
を喚起する
成長戦略
から成る三本の矢の政策を一体のものとして、
経済
最優先で
政権
運営に当たってまいりました。 この結果、全都道府県において
税収
が増加するとともに、
有効求人倍率
も上昇し、中小
企業
の業況DIも改善し、
倒産件数
は約三割減少するなど、全国各地で前向きな動きが見られます。全国の皆さんに景気回復を実感していただけるよう、引き続き
経済
最優先で取り組み、
経済
の好循環をしっかりと回してまいります。
アベノミクス
について
お尋ね
がありました。
アベノミクス
三本の矢の政策により、もはやデフレではないという
状況
をつくり出す中、
名目GDP
は二十八兆円ふえ、国、地方を合わせた
税収
は二十一兆円増加し、就業者数は百十万人以上ふえ、賃上げは、昨年、過去十七年間で最高の伸びとなるなど、
経済
の好循環が着実に生まれています。
日本
経済
をさらなる上昇気流に乗せるため、これまでの
経済
政策を一層強化し、戦後最大のGDP六百兆円を目指します。さらに、
経済成長
の果実を活用し、希望出生率一・八や介護離職ゼロといった新たな
目標
に向けた
施策
を強力に推し進め、安心できる社会基盤を築くことにより、さらなる成長につなげ、成長と分配の好循環をつくり出していきます。 こうしたあらゆる政策を総動員していくことで、潜在成長率を押し上げ、実質二%程度、
名目
三%程度を上回る
経済成長
を実現し、GDP六百兆円を実現してまいります。 一昨年の総選挙において、私たちは、
経済
政策も含め、この道しかないと訴えてまいりました。そして、再び連立
与党
で三分の二を上回る議席をいただけたことは、引き続きこの道を真っすぐ進んでいけと
国民
の
皆様
から力強く背中を押していただけたものと考えております。
国民
の負託に応えるため、
全力
を尽くしてまいる所存でございます。 今後の
経済財政運営
について
お尋ね
がありました。
アベノミクス
三本の矢により、もはやデフレではないという
状況
をつくり出した今、
日本
は再び成長できるという自信を持って
経済再生
に取り組むべきであります。 あらゆる政策を総動員していくことで、潜在成長率を押し上げ、実質二%程度、
名目
三%程度を上回る
経済成長
を実現し、GDP六百兆円を実現してまいります。 これはまさに、
内閣
府の
中長期試算
における
経済再生
ケースでお示ししている姿であります。また、二〇二〇
年度
の
基礎的財政収支
の
黒字化
に向けても、
経済再生
ケースで示された成長の姿を実現するとともに、
歳出改革
、歳入
改革
にしっかり取り組み、
目標
を達成してまいります。 さらに、その後も黒字幅を確実に
確保
していくことが重要であり、これにより、債務残高対
GDP比
を中長期的に着実に引き下げてまいります。
財政健全化
のための
歳出歳入
面での
改革
の
枠組み
について
お尋ね
がありました。 まず、御党が御提案の
財政健全化
推進
法案
の取り扱いについては、
国会
の会派間で決められるものと考えております。 その上で、
財政健全化
に向けた取り組みの実効性の
確保
については、法制化という手段そのものよりも、今
年度
の
予算
を
基礎的財政収支
の
赤字半減目標
を達成する
予算
としたように、
政府
として定めた
目標
を堅持し、責任を持ってこれを実現していくことこそが重要であると考えております。 今後とも、
経済再生
を進めながら、二〇二〇
年度
の
財政健全化目標
に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。 残余の
質問
につきましては、
関係大臣
から答弁させます。(
拍手
) 〔
国務大臣麻生太郎
君
登壇
〕
麻生太郎
19
○
国務大臣
(
麻生太郎
君)
プライマリーバランス黒字化目標
の達成可能性についての
お尋ね
があっております。
内閣
府の
中長期試算
におきましては、今後の
歳出改革
の効果などを織り込まずに、二〇二〇
年度
において六・五兆円のプライマリーバランス赤字を見込んでおりますのは御承知のとおりです。
政府
といたしましては、まずは
成長戦略
を着実に実行することで
経済再生
ケースを実現するとともに、残りの赤字につきましては、
経済
・
財政再生計画
に示された目安に沿って、
改革
工程表に基づく
歳出改革
を実行し、二〇一八年時点での
進捗状況
を評価し、必要な場合には
歳出歳入
の追加
施策
を検討いたします。 こうした具体的方案の
もと
で、不退転の
決意
でプライマリーバランスの
黒字化目標
を達成してまいりたいと考えております。 プライマリーバランスの
黒字化目標
の達成に必要な不足額についての
お尋ね
があっておりました。 先ほど申し上げました
内閣
府の
中長期試算
は、
軽減税率
制度の歳入を前提として
試算
されたものであります。 一方、御指摘のTPP関連
施策
や子ども・子育て
支援
の質の向上、新三本の矢関連
施策
は、実施時期が明示されていないものや、
具体的内容
、規模について今後検討していくこととされているものであることから、
お尋ね
について現時点でお答えできるものではありません。 いずれにせよ、これらの新たな
施策
に必要な
財源
確保
につきましては、二〇二〇
年度
のプライマリーバランスの
黒字化目標
と整合的なものとなるよう取り組んでまいります。(
拍手
) 〔
国務大臣
塩崎恭久君
登壇
〕
塩崎恭久
20
○
国務大臣
(塩崎恭久君)
鷲尾英一郎
議員にお答えを申し上げます。
実質賃金
について
お尋ね
がございました。 まず、御指摘の二〇一五年十一月の
実質賃金
指数八二・九は、
賃金
の季節的な変動が考慮されていない原数値であり、この単月の原数値を
もと
に、二〇一〇年
平均
の数値と比較をして、二割近く実質的に
賃金
が下がっているとの御指摘は不適当でございます。 年
平均
の数値を用いてお答えすると、毎月勤労統計調査によりますと、二〇一五年速報の
実質賃金
指数は九四・六となっております。
実質賃金
が減少した原因については、
デフレ脱却
に向かう過程で物価が上昇したこと、景気が回復をし、雇用が増加する過程において、パートで働く方がふえたことによるものと考えております。 一人当たり
平均
賃金
については、
名目
賃金
は、政労使
合意
を踏まえた取り組みなどにより、
平成
二十六年春以降増加傾向、
実質賃金
も、変動の大きい賞与の影響を除けば、昨年七月以降増加傾向となっております。 基本給を示す所定内給与は十カ月
連続
のプラス、パートで働く方を除いた一般労働者で見ると、二十カ月
連続
のプラスです。また、パートで働く人々の時給は、ここ二十三年間で最高の水準でございます。さらに、
国民
みんなの稼ぎである総雇用者所得は、
名目
で見ても実質で見ても増加傾向となっております。 今後とも、最低
賃金
の引き上げなど、
アベノミクス
を一層強化し、雇用の改善や
賃金
の上昇が
消費
や
投資
の拡大に結びつく
経済
の好循環を継続してまいります。
有効求人倍率
についての
お尋ね
がございました。
有効求人倍率
の上昇には、分子である有効求人数の増加と、分母である有効求職者の減少が寄与をいたします。
有効求人倍率
は、全国計で、
平成
二十四年十二月の〇・八三倍から、
平成
二十七年十二月には一・二七倍に上昇をしており、その内訳を見ると、有効求人数は二四・七%増、有効求職者数は一八・五%減と、求人数の増加の寄与の方が大きくなっております。 また、有効求職者数の減少は、人口減少に加えて、求職者が就職に結びつくことも要因となりますが、実際に、
平成
二十四年と二十七年の第三・四半期で比較をいたしますと、全国計につきましては、十五歳以上人口が〇・二%減と減少した一方で、就業者数は一・八%増となっております。 このように、この三年間の
有効求人倍率
の上昇は、実際に仕事がふえ、人口減少にもかかわらず就業者数がふえていること等によるものであり、
少子高齢化
、人口減少による求職者の減少が大きな要因であるとの御指摘は当たらないものと考えております。 また、御指摘の高知県については、
有効求人倍率
は、
平成
二十四年十二月の〇・六四倍から、直近の
平成
二十七年十二月には一・〇三倍にまで上昇しており、この間の有効求人数は二六・一%増、有効求職者数は二一・四%減と、求人数の増加の寄与の方が大きくなっております。 さらに、
平成
二十四年と二十七年の第三・四半期で比較をすると、十五歳以上人口が二・四%減と減少しているのに対し、就業者数は横ばいとなっております。全国計と同様、
少子高齢化
、人口減少による求職者の減少が大きな原因との御指摘は当たらないものと考えております。 以上でございます。(
拍手
) 〔
国務大臣
石原伸晃君
登壇
〕
石原伸晃
21
○
国務大臣
(石原伸晃君) 鷲尾議員にお答えいたします。
中長期試算
の想定及び潜在成長率について
お尋ね
がございました。
中長期試算
の
経済再生
ケースにおける全要素生産性の上昇率の前提については、過去の実績を踏まえたものでございます。 潜在成長率は、前提となりますデータや推測方法によって結果が大きく異なるため、数値については幅を持って見る必要がありますが、
少子高齢化
による労働力人口減少等の影響により長期的に下押し圧力がかかっており、二〇一二年以降、四半期ベースで見ますと、おおむねゼロ%台で推移をしております。 ただし、
政府
経済
見通しでは、二〇一六
年度
の
実質GDP
成長率を一・七%、
名目GDP
成長率を三・一%と見込んでいます。これは、実質二%程度、
名目
三%程度を上回る
経済成長
の実現を目指すという
目標
に近づいていく姿となっております。
アベノミクス
により、もはやデフレではないという
状況
が実現し、
経済
の好循環が回り始めております。このときを捉えて、
成長戦略
を着実に実施し、
デフレ脱却
・
経済再生
を進め、希望を生み出す強い
経済
を推進してまいります。
財政健全化目標
について
お尋ね
がございました。
安倍内閣
においては、
経済再生
なくして
財政再建
なしの基本
方針
の
もと
、
経済再生
と
財政健全化
の
両立
を目指しております。 これまで、
デフレ脱却
を目指し、三本の矢の政策を進めることにより、
税収
を増加させるとともに、
社会保障
の
改革
を含め、徹底的な重点化、
効率化
など
歳出削減
にも取り組んでまいりました。 今後、
経済
・
財政再生計画
に基づいて、二〇二〇
年度
の
財政健全化目標
達成に向けた取り組みをさらに進めてまいります。 その際、
計画
の中間地点である二〇一八
年度
において
改革
の
進捗状況
を評価することとしており、必要な場合は、
デフレ脱却
・
経済再生
を堅持する中で、
歳出歳入
の
追加措置等
を検討し、二〇二〇
年度
の
財政健全化目標
を実現することとしております。 昨年末に策定した
経済
・
財政
再生
アクション・プログラムに基づき、主要ごとに、
改革
工程表とともに、その成果の達成度合いを示す指標を策定し、
改革
の進捗管理や測定を行うこととしました。これに基づき、毎
年度
、
改革
の進捗管理、点検、評価を行ってまいります。(
拍手
)
—————————————
大島理森
22
○
議長
(
大島理森
君) 宮本徹君。 〔宮本徹君
登壇
〕
宮本徹
23
○宮本徹君 私は、
日本
共産党を代表して、
特例公債法
案について
質問
します。(
拍手
) 本
法案
は、
東日本大震災
の
復興債
という、目的も償還
財源
もはっきりした
法案
と、
財政法
が禁じた
赤字国債
の
発行
を
特例
的に行う
法案
を一本にしたものであります。性格の異なる二つの
法案
は、それぞれ分けて
国会
に
提出
すべきだということを、まず厳しく厳しく指摘します。 本
法案
は、二〇一六
年度
から五年間、
赤字国債
の
発行
を
政府
の手に委ねるものとなっています。これは、憲法と
財政法
の
規定
を幾重にも踏みにじるものです。
我が国
の憲法は、第八十三条で、「国の
財政
を処理する権限は、
国会
の
議決
に基いて、これを行使しなければならない。」と定め、八十六条では、「
内閣
は、毎会計
年度
の
予算
を作成し、
国会
に
提出
して、その審議を受け
議決
を経なければならない。」と定めています。どこから財力を調達するかも含め、
国会
の
議決
に基づくものとし、
予算
の単
年度
主義を
規定
しています。 その上で、
財政法
四条は、「国の
歳出
は、
公債
又は借入金以外の歳入を以て、その
財源
としなければならない。」としています。 公共事業などを除けば、
公債
や借入金は認めていません。こうした明確な
規定
を、最近における国の
財政収支
が著しく不均衡な
状況
などという理由で踏み破っていいというのでしょうか。憲法、
財政法
違反は明らかではありませんか。 なぜ、
赤字国債
の
発行
を
財政法
は禁じているのか。
財政法
制定当時の主計局法規課長平井平治氏の著した「
財政法
逐条解説」は、次のように明確に述べています。 第四条は、健全
財政
を堅持していくと同時に、
財政
を通じて戦争危険の防止を狙いとしている
規定
である、戦争と
公債
がいかに密接不離の関係にあるかは、各国の歴史をひ
もと
くまでもなく、
我が国
の歴史を見ても、
公債
なくして戦争の
計画
遂行の不可能であったことを考察すれば明らかである、
公債
のないところに戦争はないと断言し得るのである、したがって、本条はまた憲法の戦争放棄の
規定
を裏書保証せんとするものであるとも言い得るであります。
総理
は、
赤字国債
の
発行
を禁じた
財政法
四条は、膨大な戦時
国債
で戦争を進め、国家
財政
と
国民
生活を破綻させた反省を踏まえたものだという
認識
をお持ちでしょうか。
財政法
四条の背景にある痛苦の歴史の教訓を直視すれば、五年間にもわたり、
国会
のチェックなしに
赤字国債
を
発行
する
法案
など出せないではありませんか。 そもそも
特例公債法
は、二〇一二年までは、
赤字国債
の
発行
が必要な年に、
国会
の
議決
が必要な
法案
として
国会
に
提出
され、審議してきました。単
年度
に限定したのは、
財政
規律を保つための最低限の
措置
だったのです。ところが、二〇一二年に、
消費税
増税
を前提に、
民主党
、
自民党
、
公明党
の三
党合意
で、四年間の
赤字国債
の
発行
自由化まで決めたのです。
国会
のチェックを外した四年間、国と地方の
借金
はどうなったでしょうか。二〇一一
年度
末は八百九十五兆円、二〇一五
年度
末の見込みは一千四十一兆円、ウナギ登りにふえております。本
法案
でさらに五年、
赤字国債
の
発行
を
政府
に委ねるならば、国と地方の
借金
が一層累積していくことは、
内閣
府の
試算
でも明らかではありませんか。 莫大な
赤字国債
の
発行
は、超低金利が前提となっています。仮に金利が一%増加すれば、利払い費は何兆円増加するのでしょうか。
借金
は雪だるま式に膨れ上がるのではありませんか。
特例公債
の
発行
限度額を
予算
総則に書くとしますが、二〇一七
年度
から二〇二〇
年度
までは、どのような
予算
がどのような規模で組まれるのか、時の
政権
にしかわかりません。衆議院議員の任期の四年を超えて五年間も、
赤字国債
の
発行
を
政府
の裁量に委ねよというのは、
政府
が
国会
の
予算
の審議権を奪うに等しいものではありませんか。
法案
では、
特例公債
の
発行額
の
抑制
のために、
経済
・
財政一体改革
を総合的かつ
計画
的に推進するとありますが、その
計画
の中身は極めて重大です。
経済
・
財政再生計画
改革
工程表は、後期高齢者の窓口負担の一割から二割への引き上げ、介護保険利用料の一割から二割への引き上げ、年金の支給額をさらに目減りさせるマクロ
経済
スライドの見直し、高額療養費制度の見直しなどを検討項目に掲げています。
財政
再生
を口実にした
社会保障
の給付減、負担増のオンパレードではありませんか。 深刻な貧困と格差が広がる中、
消費税
増税
と
社会保障
削減を進めていくことは、憲法二十五条が保障する、健康で文化的な生活を送る権利を侵害するものです。生存権裁判と呼ばれた朝日訴訟の東京地裁判決は、最低限度の水準は、決して
予算
の有無によって決定されるものではなく、むしろこれを指導支配すべきものである、こう断じました。生存権の保障、
社会保障
を最優先に
確保
するのが
予算
のあり方なのではありませんか。 重大なことは、これほどの
借金
をつくり、何に支出しているかです。
安倍内閣
は、
社会保障
について毎年の自然増分を大きく抑え込む一方で、大
企業
に対しては、研究開発減税の拡充、設備
投資
減税の創設、先行減税の形での法人税率の引き下げなど、減税の大盤振る舞いです。
復興
法人税の一年前倒し廃止を含めれば、三兆円もの大減税が行われました。財界要望を受けた大
企業
優遇減税が歳入減少の要因の一つになっていることをお認めになりますか。法人税率のさらなる引き下げは、法人
税収
が減るだけでなく、黒字大
企業
の内部留保を積み上げるだけであり、やめるべきです。 また、新規大型開発事業への集中
投資
が行われています。 通行料金では採算がとれないため、
建設
費の七五%、一兆円の税金を投入してつくる外環道練馬—世田谷間など三大都市圏環状道路、国際コンテナ港湾など不要不急の新規大型開発はやめるべきではありませんか。 とりわけ、軍事費を増大させていることは重大です。
安倍政権
の
もと
で、防衛費は四年
連続
で増額となり、来
年度
は当初
予算
で初めて五兆円を超えました。中期防衛力整備
計画
をも上回る勢いです。 その中身は、空中給油機や無人偵察機などアメリカの軍事戦略を補完する装備調達、そして沖縄県民の民意を無視した米軍基地
建設
の強行です。さらに、来
年度
からの米軍への思いやり
予算
も増額で
合意
しました。
総理
、防衛費は
歳出削減
の聖域だということなんでしょうか。 防衛費の後
年度
負担額はこの四年で約一・五倍、急速に拡大しております。しかも、
政府
は、昨年、防衛費の後
年度
負担の拡大に道を開く防衛調達特措法を成立させました。これまで五年だった国庫債務負担行為による支出の年限を、武器の購入に限って十年に延ばしました。十年先までの
予算
の使い道を決めるというのは、
国会
の
予算
審議権を侵害し、
財政
民主主義に真っ向から反するものではありませんか。
政府
が昨年強行成立させた安保法制、すなわち戦争法と防衛費は一体のものです。アメリカの戦争
支援
のために
赤字国債
をふやすなど、絶対に許されません。日米ガイドライン、戦争法の具体化を中止し、東アジアの平和的環境をつくる
外交努力
を強め、防衛費の削減に踏み出すべきであります。 以上、
総理
の明確な答弁を求め、
質問
を終わります。(
拍手
) 〔
内閣総理大臣安倍晋
三君
登壇
〕
安倍晋三
24
○
内閣総理大臣
(
安倍晋
三君) 宮本徹議員にお答えをいたします。
特例公債法
と憲法及び
財政法
との関係についての
お尋ね
がありました。
財政法
第四条では、
公共事業費等
に限って
建設
公債
の
発行
等を認めておりますが、少なくとも二〇二〇
年度
までの間は、引き続き
特例公債
を
発行
せざるを得ないと見込まれます。 このため、
現行法
の
枠組み
を引き継ぎ、二〇二〇
年度
の
基礎的財政収支
の
黒字化目標
に向けて
財政健全化
に取り組んでいくことを踏まえ、
財政法
の
特例
として、二〇二〇
年度
までの
特例公債
の
発行
の
根拠規定
を盛り込んだものです。 また、今回の
法案
では、
現行法
と同様、各
年度
の
特例公債
の
発行
限度額について、毎
年度
の
予算
により
国会
の
議決
を経ることとしており、憲法第八十三条や第八十六条との関係で問題が生じるものとは考えておりません。
財政法
第四条の背景等について
お尋ね
がありました。
財政法
第四条は、あくまで健全
財政
のための
財政
処理の原則を
規定
したものであり、戦争危険の防止そのものが同条の立法
趣旨
であるとは考えておりません。 また、先ほど申し上げたとおり、今回の
法案
では、
現行法
と同様、各
年度
の
特例公債
の
発行
限度額について、毎
年度
の
予算
により
国会
の
議決
を経ることとしており、
国会
のチェック機能は
確保
されるものと考えております。
特例公債法
案と
公債
残高の増加などについて
お尋ね
がありました。
安倍内閣
においては、
特例公債
の
発行
を複数
年度
化した
現行
の
特例公債法
の
もと
、
新規国債発行額
を十兆円減らすなど、
財政健全化
を着実に進めてきております。今後、
特例公債
の
発行期間
を五年間としたからといって、
財政
規律が緩んだり、
財政健全化
の取り組みが進まないということはありません。
我が国
財政
は大変厳しい
状況
にあり、当面の間は
公債
残高の増加が続くと見込まれますが、
政府
としては、まずは二〇二〇
年度
の
基礎的財政収支
の
黒字化
を
目標
として取り組むこととしており、さらに、その後も黒字幅を確実に
確保
していくことが重要であり、これにより債務残高対
GDP比
を中長期的に着実に引き下げてまいります。 なお、利払い費については、財務省の後
年度
影響
試算
においては、金利が一%増加すれば、国の一般会計の利払い費等は、一年目には一・〇兆円、二年目には二・二兆円、三年目には三・七兆円増加することが示されております。 金利上昇に伴う利払い費の増加リスクへの
対応
という
観点
からも、
経済
・
財政一体改革
を不退転の
決意
で断行し、国に対する市場の信認を
確保
してまいります。
国会
の
予算
審議権について
お尋ね
がありました。 今回の
法案
は、少なくとも二〇二〇
年度
までの間は、引き続き
特例公債
を
発行
せざるを得ないと見込まれる
財政状況
の中にあって、この期間における
特例公債
の
発行
の
根拠規定
を盛り込むものです。 先ほど申し上げたとおり、
現行法
と同様、各
年度
の
特例公債
の
発行
限度額について、毎
年度
の
予算
により
国会
の
議決
を経ることとしており、
国会
の審議権は
確保
されることから、御指摘は当たらないと考えております。
経済
・
財政一体改革
と
予算
のあり方についての
お尋ね
がありました。 昨年末に取りまとめた
経済
・
財政再生計画
の
改革
工程表は、持続可能な
社会保障
制度の構築と
財政健全化
を同時に達成していくため、
社会保障
の各分野の
改革
項目を提示しています。 来
年度
予算
においては、後発医薬品の使用促進のためのインセンティブ
措置
の強化や、大型門前薬局に対する調剤報酬の引き下げといった
改革
を含む診療報酬の適正化等を行いました。 世界に冠たる
国民
皆保険、皆年金を初めとする制度をしっかりと次
世代
に引き渡してまいります。
財政
再生
を口実にした
社会保障
の給付減、負担増との御指摘は当たりません。 また、
消費税
率の引き上げによる増収分は、全額、年金、医療、介護、子育て
支援
の充実、安定化に充てられます。 来
年度
予算
においても、
消費税
の増収分を活用した
社会保障
の充実を着実に実施することとしています。所得の低い方々に対する
国民
健康保険料や介護保険料の軽減の拡充を実施するなど、負担能力に応じた負担となるように配慮しています。 このように、所得の低い方々に対してきめ細かく配慮を行い、憲法二十五条に基づき、国が
社会保障
の向上、増進に努める責務をしっかりと果たしてまいります。生存権を侵害するとの御指摘は当たりません。 法人税の
一連
の
改革
が歳入に与える影響などについて
お尋ね
がありました。
アベノミクス
三本の矢の政策により生まれた
経済
の好循環を受け、来
年度
予算
の
税収
は
政権交代
前に比べて約十五兆円ふえ、そのうち法人
税収
は三・四兆円増加しております。 御指摘の
復興
特別法人税の前倒し廃止や各種の政策税制は、それだけを捉えれば一時的には減収要因となる面もありますが、
企業
が賃上げや
投資
拡大に動き出すきっかけとなったものと考えております。 さらに、今般の法人税
改革
も、御指摘のような大
企業
を優遇するというようなことではなく、
企業
が収益力を高め、賃上げや
投資
拡大に一層積極的に取り組むよう促すための
改革
であります。 新規大型開発事業について
お尋ね
がありました。 社会資本の整備は、未来への
投資
により、次の
世代
に引き渡すしっかりとした
資産
を形成するものであり、これまでも
我が国
の
経済成長
を支えてきたものと
認識
しております。 今後のインフラ整備は、中長期的な見通しの
もと
、
効率化
を図りながら
計画
的に推進していくことが必要です。既存施設やソフト
施策
の最大限の活用を図りつつ、国際競争力の強化、国土強靱化、防災・減災対策、コンパクト・プラス・ネットワーク、老朽化対策などの分野について、選択と集中の
もと
、効果が最大限発揮されるよう重点化した取り組みを進めていきます。
平成
二十八
年度
の防衛関係費について
お尋ね
がありました。 防衛関係費については、中期防衛力整備
計画
や
経済
・
財政再生計画
等に基づいて、着実かつ効率的な
予算
編成を行っており、
平成
二十八
年度
の
予算
案に計上した装備品や米軍再編経費、またホスト・ネーション・サポートは、いずれも
我が国
の安全の
確保
に必要不可欠なものです。 また、中期防衛力整備
計画
の
もと
、二十六
年度
から二十八
年度
までの間に、合計三千七百億円程度の経費の節減を図っているところです。 したがって、防衛関係費が中期防を上回る勢いであるとの御指摘は当たらず、
もと
より、
歳出削減
の聖域などではありません。 防衛調達に関する長期契約法についての
お尋ね
がありました。 長期契約法は、同一装備品の一括調達による経費削減などを目的とするものであり、全ての長期契約は、各
年度
の
予算
に国庫債務負担行為として計上され、
国会
の
議決
を経た上でお認めいただくものであります。 また、実際の支出に当たっては、改めて各
年度
の
予算
に
歳出
化経費として計上し、
国会
の
議決
をいただくことになります。 したがって、
国会
の
予算
審議権を侵害するとか
財政
民主主義に反するとの御指摘は当たりません。 防衛関係費と日米ガイドライン、平和安全法制について
お尋ね
がありました。 平和安全法制と日米ガイドラインは、いずれも、日米同盟を強化し、
国民
の命と平和な暮らしを守るため、必要不可欠なものであります。 今後とも、
国際社会
の平和と繁栄のため、積極的な平和外交を展開するとともに、日米ガイドラインの
もと
での取り組みを強化し、あわせて、平和安全法制の施行に向けた準備を進めてまいります。 また、防衛関係費については、引き続き、中期防衛力整備
計画
等に基づいて、着実かつ効率的な
予算
編成を行ってまいります。 なお、
平成
二十八
年度
の防衛関係費には、平和安全法制の施行を前提とした経費は計上されておりません。(
拍手
)
—————————————
大島理森
25
○
議長
(
大島理森
君) 椎木保君。 〔椎木保君
登壇
〕
椎木保
26
○椎木保君 おおさか維新の会の椎木保です。 私は、おおさか維新の会を代表して、ただいま
議題
となりました
特例公債法
改正案
と
復興財源確保法
の
改正案
につき、
質問
させていただきます。(
拍手
)
質問
の前に、二月六日の
台湾
地震
について、被災された方々にお悔やみとお
見舞い
を申し上げます。今度は、私たち
日本
人が
東日本大震災
の恩返しをする番であると思います。 また、二月七日の
北朝鮮
の事実上の
弾道ミサイル発射
については、おおさか維新の会として、断じて容認できない旨を改めて表明いたします。 それでは、
質問
に入ります。 我々おおさか維新の会は、次
世代
への負担の先送りをやめるため、
財政再建
を重視しております。
財政再建
の手法としては、身を切る
改革
と
歳出削減
を先行させるべきと考えています。
増税
は、最後の手段として、
経済
状況
を見ながら慎重に行うべきとの立場です。
国債発行
を含む
財政運営
については、プライマリーバランスを
計画
的に均衡させるべきと考えています。また、統治機構
改革
の一環として、
国会
に
米国
型の強力な会計検査機関を設置することも検討すべきと考えています。 こうした立場から、まず
特例公債法
の
改正案
について
質問
させていただきます。 この
改正案
が成立すれば、
政府
は、過去三年間に引き続きさらに五年間、毎年
法案
を通さなくとも
赤字国債
を
発行
できるようになります。 この点につき、一月二十八日の参議院本
会議
で、我が党の片山虎之助共同代表から、
財政
規律と
財政
の民主的コントロールの二つの点で大きな問題ではないかと
質問
させていただきました。 この
質問
に対し、
安倍総理
は、まず
財政
規律の点につき、
安倍内閣
は
現行
の
特例公債法
の
もと
であっても
財政健全化
を着実に進めており、今後ともその
方針
なので御指摘は当たらないと答弁されました。 しかし、
財政健全化
は本当に進んでいるのでしょうか。毎年の
新規国債発行額
は減少していますが、これは日銀の
国債
購入にもよるものです。
政府
債務自体の減少や
政府
債務の対
GDP比
の低下が起きるまで、
政府
は緊張感を持った
財政運営
を行うべきではないでしょうか。 例えば、欧州では、二〇一三年の新
財政
協定で、各国の国内法で均衡
財政
を定めるよう義務づけることを原則としています。こうした姿勢に比べ、
我が国
の
財政
規律は緩過ぎるのではないでしょうか。
総理
の御所見を伺います。 さらに、
安倍総理
は、
財政
の民主的コントロールの点について、今回の
改正案
では、
現行法
と同様、各
年度
の
特例公債発行
についても、毎
年度
の
予算
により
国会
の
議決
を経るので問題ないとの答弁をされました。 我々おおさか維新の会も、マクロ
経済
の
状況
が厳しいときに機動的な
国債発行
と
財政
出動が必要な場合があることは否定しません。しかし、
赤字国債
発行
に
予算
案審議でしか
国会
が関与できないのは行き過ぎではないでしょうか。機動的な
財政運営
と
国会
による
財政
監視のバランスをとるために、
財政健全化
に関する新たな法制度を検討すべきではないでしょうか。
総理
の御
見解
をお伺いします。 仮に
予算
案の審議のみで
赤字国債
を許すならば、
国会
のチェックは従来よりも強化すべきであります。このため、米
国会
計検査院同様の強力な会計検査機関を
国会
に設置することも検討すべきではないでしょうか。
総理
の御所見をお伺いします。
安倍内閣
が
財政健全化
に向けて、プライマリーバランスを指標として、工程表に基づいた
財政運営
を行っていることには賛成できます。しかし、我々おおさか維新の会から見れば、現在の
政府
・
与党
の政策では、身を切る
改革
も
歳出削減
も全く不十分です。
財政健全化
のためには、
増税
よりも
歳出削減
を先行させるべきではないでしょうか。また、世界
経済
の不安定な動きに鑑み、
消費税
増税
は延期すべきではないでしょうか。
総理
の御
見解
をお伺いします。 次に、
復興財源確保法
の
改正案
についてお伺いします。 今回の
改正案
は、来
年度
以降五年間の
復旧復興事業
の
財源
を定めた、昨年六月三十日の閣
議決
定に沿ったものです。 その閣
議決
定では、
復興財源
として、国の保有する
資産
の有効活用等による税外収入の
確保
を行うとしながら、
財政
投融資特別会計等からの税外収入はおよそ八千億円しか充てられておりません。
平成
二十六
年度
決算での特別会計の決算剰余金は、全体で十六兆五千億円を超えています。さらなる有効活用の余地が本当に全くないのか、財務大臣にお伺いします。 我々おおさか維新の会は、国の
財政運営
の制度についても、提案型責任政党としての立場を一貫して貫いてまいります。
政府
・
与党
の
財政運営
の問題点は徹底的に批判いたしますが、従来型の野党のように、反対のための反対はいたしません。
政府
・
与党
に厳しい
質問
をぶつけ、
建設
的な対案を提示することで国の
財政
を着実に改善させていくことを目指してまいります。 最後に、大阪ダブル選挙で圧倒的な民意を得た我々おおさか維新の会のキャッチフレーズである、「過去に戻すか、前に進めるか。」、これは本当にいいフレーズです。
安倍総理
におかれましても、この力強いフレーズを共有していただき、
日本
の
経済
も
日本
の
復興
もと
もに前に進めていきたいと思っております。 以上で、私の代表
質問
とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(
拍手
) 〔
内閣総理大臣安倍晋
三君
登壇
〕
安倍晋三
27
○
内閣総理大臣
(
安倍晋
三君) 椎木保議員にお答えをいたします。
財政健全化
の取り組みについて
お尋ね
がありました。 先般の本
会議
でお答えしたように、
平成
二十八
年度
予算
では、
政権交代
前と比較して、
新規国債発行額
を十兆円減額するなど、
安倍内閣
の
もと
で着実に
財政健全化
が進んでおりますが、これは、
経済成長
による
税収
増や
社会保障
などの
歳出改革
の成果であります。 また、今
年度
について、
基礎的財政収支
の
赤字半減目標
を達成する
予算
を組むなど、
財政
規律をしっかり踏まえた
財政運営
を行っていますが、巨額の
公債
残高が累積する中、国の信認を
確保
するため、今後とも
財政健全化
は避けて通れません。 その際、均衡
財政
を原則としている欧州各国と比較して大幅な
財政
赤字を抱えている
我が国
においては、まずは
基礎的財政収支
の
黒字化
を目指し、その後、債務残高対
GDP比
を中長期的に着実に引き下げることを
目標
としております。 今後とも、
経済
・
財政再生計画
において策定された一般
歳出
の水準等の目安を十分踏まえた上で、聖域なき徹底した
歳出
の
効率化
を図るなど、不退転の
決意
で
目標
達成に向けて取り組んでまいります。
財政健全化
に関する新たな法制度と会計検査機関について
お尋ね
がありました。
財政健全化
に向けた取り組みの実効性の
確保
については、法制化といった手段そのものよりも、今
年度
の
予算
を
基礎的財政収支
の
赤字半減目標
を達成する
予算
としたように、
政府
として定めた
目標
を堅持し、責任を持ってこれを実現していくことこそが重要であると考えています。 引き続き、
予算
審議の機会だけでなく、
国会
において、
政府
の
財政健全化
に向けた取り組みをしっかりと
説明
してまいりたいと考えております。
国会
に会計検査機関を設置するか否かという点については、憲法上の独立機関である会計検査院の地位ともかかわり、高度な立法政策にかかわることであるため、慎重な
対応
が必要と思われますが、
政府
としては、引き続き、会計検査院による検査を踏まえて、毎
年度
の
予算
編成に取り組んでまいります。
歳出削減
と
消費税
増税
について
お尋ね
がありました。
安倍内閣
においては、
経済再生
なくして
財政健全化
なしとの基本
方針
の
もと
、
成長戦略
を着実に実施することで、
名目
三%以上の
経済成長
を目指すとともに、
経済
・
財政再生計画
の一般
歳出
の水準等の目安を十分に踏まえた上で、
社会保障
を初めとする
歳出改革
を継続するなど、
歳出歳入
両面から
財政健全化
に取り組むこととしております。 あわせて、行政
改革
にも不断に取り組んでおり、国家公務員の給与について、給与制度の総合的見直しの実施や定員合理化等を行うことなどにより、人件費の
抑制
を図ってまいります。 また、
国会
議員の定数について、今回、衆議院選挙制度に関する調査会から出された答申を各党各会派が尊重し、小さな政党にも配慮しながら真摯に議論を行い、早期に結論を得ることによって、
国民
の負託にしっかりと応えていくべきと考えています。 来年四月の
消費税
率一〇%への引き上げは、世界に冠たる
社会保障
制度を次
世代
に引き渡す責任を果たすとともに、市場や
国際社会
からの国の信認を
確保
するためのものであり、リーマン・ショックや
大震災
のような重大な事態が発生しない限り、確実に実施します。
経済
の好循環を力強く回していくことにより、そのための
経済
状況
をつくり出してまいります。 残余の
質問
につきましては、
関係大臣
から答弁させます。(
拍手
) 〔
国務大臣麻生太郎
君
登壇
〕
麻生太郎
28
○
国務大臣
(
麻生太郎
君) 特別会計の決算剰余金の
復興
事業への活用についての
お尋ね
があっております。 特別会計の決算剰余金につきましては、その一部を一般会計の
財源
として活用しておりますが、これ以上、一般会計の
財源
や
復興財源
として活用できないのは、
復興
会計のように次
年度
の繰越事業に充てることが決まっているものや、年金特会のように保険料などが原資となっているものなど、他の使途に充てることが適当でないものが大部分だからであります。 いずれにいたしましても、
復興財源
につきましては、御指摘のように、閣
議決
定におきまして、しっかり
確保
する
方針
を既にお示しいたしているところであり、これに基づき適切に
対応
してまいります。(
拍手
)
大島理森
29
○
議長
(
大島理森
君) これにて
質疑
は終了いたしました。
————◇—————
大島理森
30
○
議長
(
大島理森
君) 本日は、これにて散会いたします。 午後二時三十一分散会
————◇—————
出席
国務大臣
内閣総理大臣
安倍 晋三君 財務大臣 麻生 太郎君 厚生労働大臣 塩崎 恭久君
国務大臣
石原 伸晃君 出席
内閣
官房副長官及び副大臣
内閣
官房副長官 萩生田光一君 財務副大臣 坂井 学君