○木下
委員 済みません、突然だったので。
そうしたら、そのまま私がどんどん話をさせていただきます。そうなると、もう
質問がなくて終わってしまうかもしれませんけれども。
要は、労働市場で、流動性の高いところと流動性の低い
労働力が混在するとどういうことが起こるかというと、当然のことながら、流動性の高い
労働力というのは、より高い賃金を求めて違うところの
職種に移動していくわけです。硬直化した流動性の低い
労働力は、そのままそこにとどまらざるを得ない。そうなると、雇用者側の方に主導権を握られてしまいがちになります。となると、どういうことが起こるかというと、当然のことながら、賃金は上がる可能性が低くなっていく。そういうことになるということなんですね。
そうなると、当然のことながら、流動性の高い
労働力はそのままどんどんどんどんいろいろなところにかわっていくから、そういう
労働力が入った
職種、市場はより
発展していくということになる。
ただ、硬直性が高い
労働力がとどまるところに関しては、どういうことが起こるかというと、一つは賃金が安くなります。先ほど言ったように、雇用主が力を持ちがちになる。そうなると、労働
環境はどんどんどんどん劣悪化していく可能性が高い。そういう形になっていくということなんですね。
そうなると、これは、一遍そういうことが起こってしまうと、加速度を増す可能性がある。なぜかというと、新たに違うところから、そういった硬直性の高い
労働力がとどまっている市場にほかの
労働力が移動してこないことになるわけですね。そうすると、どんどん、賃金も極限に安くなっていく可能性は高いし、それがまた、政策的にどこかで歯どめをかけるとしても、ほかの
職種と比べてみると違いが大きくなっていく、こういうことが起こるわけだと思っているんです。
そうなると、これは今、労働市場全体で見たときにそういうことがあるということは、特定の
職種においても同じようなことは起こり得るということなんですね。
翻って今回のこの
制度を見てみたときに、もともとの趣旨は、要は
技能を
実習させるというふうなことなんですけれども、相当慎重にやらないと、今の
影響力を大きく受ける、もしくはもう既に受けているんじゃないかなというふうに思うんですね。それが結局、きょう、いろいろな方がお話をされていました、そういった問題を引き起こしているということになるんだと思うんです。
だから、例えば、
技能実習をさせるんだ、それは趣旨としてはいいと思います。それをそのまま一般の労働市場の中でうまく展開できないと、結局、硬直性も出てきて、劣悪な
環境も出てくる。こういうことが起こっているために、さっき言われていた人権の問題であるとか、そういう問題も出てくる。
出てきたらどうしなければいけないかというと、またこの
法律を改正して、何とか締めつけをしようと。ただ、
法律をうまく施行していかなければどういうことが起こるかというと、より硬直的な市場を招きかねないというふうな、こういう
状態になっていると思うんです。
これは意識の問題だけではないと思うんですね。これはもう、きょう何度も言われていると思うんですけれども、
日本に来る人は、どんな研修をして、契約書の中に
技能実習するとかどうたらこうたらと書いたところで、
日本にもうけに来ているんですよ。はっきり言ってそうですよ。そうじゃない人もいるから、そういうふうになると申しわけないですけれども、ほとんどの人がそういうふうな
考え方でしょう、恐らく。違う人には大変申しわけないです。ただ、そういうことは多い。
使っている側もどうかというと、使うところはもう既に硬直化している労働市場になっているわけですから、だったら、より安い、より使いやすい、しかも流動的ではないものを使わざるを得ない
状況になっているということなんですね。これをどうやって変えていくんですか、このままでは変えられないんじゃないかなと、きょうお話を聞いていて、私は思い出してしまったんです。
大臣に御
意見を聞いても、多分、そうだなとは言えないと思うんですけれども、どうすればいいのかなという、本当に素朴な疑問として思っていまして、何も聞かないというのはあれなので、
意見だけ言うのもあれなんですけれども、もしよろしければ、
大臣、本当にどう思っていらっしゃるか、ちょっとでもヒントになるようなこと、これをどう変えていけばいいのかというところのヒントになればと思うので、そのエッセンス、ちょっとでも結構ですので、言っていただければと思います。