○岸本
委員 今お話がありましたように、全体でHACCPの取得も大変低いわけでありますし、中小企業は三割ということでありますから、これは本当に急いでいかなければなりません。
これは、一つ輸出の話になるんですけれ
ども、東京オリンピックが二〇二〇年に行われます。オリンピックですから、東京オリンピックで、できるだけ日本の、例えば、選手村のお料理はすばらしい日本の料理を食べていただきたいじゃないですか。ところが、これはロンドン・オリンピックもそうですし、リオ・オリンピックもそうなんですけれ
ども、こういうオリンピックで使う食材は、原則として国際認証というのが必要になってくるんですね。決め方としていろいろ例外はあるんですけれ
ども、
考え方としては、国際認証を取れないものは提供できないという
考え方で原則行われております。
今のような、日本の農産物のグローバルGAPを取っている件数が二百件では、実は東京オリンピックで日本の農産物を提供できないんですよ。これは本当に致命的な問題でありまして、こんな悔しいことはないですよね。
今、二〇一六年でありますから、これはもう党派は
関係ないので、我が
農林水産委員会としては本当に心を一つにして、いい機会だと思うんですね、何としてでも東京オリンピックで日本の食材を海外から来た選手に食べてもらおうじゃないですかということで、
政府を挙げて、国際認証は大事ですよと、みんなで取りましょうと、今、
農林水産省さんもいろいろな施策をされているわけですから、それを進めたいという思いできょうは
質問をさせていただいているんです。
その上で、もう一つ身近なことを言うと、木材もそうですね。木材につきましてもいろいろな認証がありますけれ
ども、一番大きいのがFSC、フォレスト・スチュワードシップ・カウンシルの森林認証があります。ロンドン・オリンピックでは、FSCの認証のない木材は使用できないというような形で運用がなされています。
新国立競技場は木材が大変多く使われるようでありますけれ
ども、これは多分、FSCの認証のない木材は使えない、当然使っちゃいけないですよね、新国立競技場なんですから、オリンピックの競技場なんですから。
ただ、これは
皆さん御安心ください。あの国立競技場の木材分ぐらいは日本に認証を取っている木材はあるようでありますので、新国立はできる。新国立はできるんですけれ
ども、しかし、いろいろな木材を使いますので、これを機会に、やはりFSC認証も取っていただかなきゃいけない。
そこで、またもう一つ、これは
大臣にも聞きたいんですが、私
ども日本人のあれとして、やはり独自のものをつくりたい、こういうものもあるんですね。私もわかります。やはり日本独自のものをつくりたい。
だけれ
ども、例えば森林認証のことでいいますと、日本の全国木材組合連合会が母体となった組織が一応合法証明を出していますが、これは残念ながら国際的には認められておりません。要するに、内輪の、自分たちだけでやっている認証なんですね。第三者認証とは認めてもらっていないわけです。だとすると、何の意味もないとは言いませんけれ
ども、これから国際的に活動する、それは打って出る場合もそうですし、国内で使う場合ですら、身内だけの認証では何の意味もないんですね。やはり、グローバルスタンダードの認証を取っていかないといけない。
となると、実は日本でも、さっき言いました農産物のグローバルGAPの向こうを張って、一般財団法人食品安全マネジメント協会というのがつくられました。ここで、いろいろな業界の方が総力を結集して、日本型のグローバルGAPをつくろうじゃないかという動きをされています。事務
局長には
農林水産省のOBが、まあ、天下りとは言いませんけれ
ども、天下っておられるわけでありますが、天下りなんですね。大体、役所は天下り
団体をつくりたがるんですよ。今でもせっせとつくっておられます。そろそろおやめになったらどうかと思いますけれ
ども、それはおいておいて。
ロジカルに申し上げますと、日本で仮に何か認証
制度をつくったとしても、これは、さっき言いましたように、GFSIの認証を取らないと国際的なものとは認められないわけです。国際的なものと認められるための要件は大変厳しいものです。それは、例えばグローバルGAPのような要件を整えないと、日本でつくろうとしたって、同じような要件でないと絶対国際認証は取れないんですね。
だとするならば、日本独自の新しいそういう
団体をつくるのではなくて、早いところ、このデファクト、全世界百三十カ国でやっているグローバルGAPを一日も早く日本で認証数をふやしていく、あるいはグローバルGAPに対して働きかけをしていく。日本独自のものがありますから、日本独自のものについてはこちらから働きかけていって国際的なスタンダードに逆に認めさせるということをやった方が、時間が早いんじゃないかと私は
考えるわけでありますけれ
ども、これについて農水
大臣の御見解をお伺いしたいと思います。