○岸本
委員 民主党の岸本
周平です。
きょうは、
質問の機会をいただきまして、
委員長初め
理事の皆さん、ありがとうございます。
そして、何より、
加藤大臣、きょうは本当にうれしいです。大蔵省の一年先輩で、公私ともに大変御指導いただきました。深夜遅くまでの御指導もいただきましたし、本当に、こういう立場で
加藤大臣に
質問できるのは感無量であります。
その上で、きょうは、
子ども・
子育ての所管
大臣として、本質的な御
議論をさせていただきたいと思いますし、所管がいろいろありますので、本来
加藤大臣の所管ではない案件もありますので、その辺は所見なり御感想なりでも結構だと思いますけれ
ども、むしろそこは、リーダーシップを振るわれる一億総活躍の担当
大臣としてそれぞれの所管の
大臣に、こういう
議論があったからやってくれよというような形でぜひリーダーシップを発揮していただきたいという意味も含めまして、きょうは
加藤大臣と
議論をさせていただきたいと思っております。
まず、きょう
議論になっております事業所内
保育を含みます地域型の
保育事業は、小規模
保育それから
家庭的
保育さらには居宅訪問の
保育、これは本当に画期的な制度であると私は思います。例えば、小規模
保育でいいますと、実施初年度に、それだけで何と千六百五十五カ所も設立をされる。いかにそういう需要があったのかということだと思います。大変大きなポテンシャルを持っております。ですから、こういう制度ができた。
しかし、一方で、運用の問題、それから、まだ制度が不備でありますので、実際に
現場でやっていらっしゃる
方々からすると、もっともっと
改善してほしい、こういう意見もあるわけであります。
例えば、居宅訪問型の
保育一つとりましても、現状は、障害児でありますとか一人親あるいは離島、非常に対象が限定されております。また、定員も一対一ということであります。居宅訪問で、近所であれば一対二でもひょっとしたらできるかもしれない。一対一ですから、その辺が大変
使い勝手が悪い。
さらに、
保育事業全体が、これは
日本政府の行政の問題でもあるんですけれ
ども、どうしても施設整備が中心になります。箱物中心の発想が抜け切らないんですね。施設をつくればいいと。
しかし、今問題になっていますように、
幾ら保育所をつくっても、働く
保育士さんがいなければ話にならないわけでありますけれ
ども、例えば、居宅訪問する病児
保育には援助がないんですね。非常に問題があると思います。
それから、これは
保育関係の規制ではありませんけれ
ども、例えば建築基準法の規制があります。百平米の壁というのがあるんですね。皆さん御存じでしょう。百平米を超えると、そこで事業をやりますと、住居じゃなくて施設になるんですね。そうすると、その部屋だけじゃなくて、建物全体にスプリンクラーの設置が必要になるんです。大変なことなんです。
小規模ですから、お金のない事業者がやるとなると、借りるわけですね。大家さんに、済みません、今度小規模
保育をやるので、百平米を超えているお部屋を使うので、建物全体にスプリンクラーをお願いしますなんて言えません。ですから、小規模
保育を都市部でやる方は、百平米以下の物件しか対象にできないんですよ。物すごく事業機会が減っている。
これはもちろん建築基準法の問題ですけれ
ども、そこまで目くばせをしていただいて、そういう規制も
大臣のリーダーシップで変えていただくような、きめ細かな運用というのが大事になってくると思います。
まず、運用の問題の中で第一番目にお聞きしたいのは、いわゆる地域型
保育の中で、これは
厚生労働省では通達上
家庭的
保育事業等と呼んでいるもので同じなんですけれ
ども、連携施設を確保する必要があります。つまり、預かるのはゼロ歳から二歳までですから、三歳以降は当然受け皿がないと困りますとか、例えば給食なんかでも、連携する施設があればいいよねという意味の連携施設であります。
全国小規模
保育協議会の調査によりますと、この連携施設がない小規模認可
保育所は三二%、三分の一もあるんです。実際に、連携施設がないと加算が認められません。この加算というのもまたくせ者でして、介護関係もそうですけれ
ども、これも先生方は御地元でお聞きになっているとおり、いろいろな加算がありますから大丈夫ですよ、介護報酬もふえましたよと。うそですよ。加算なんかとれないんですよ、要件が厳し過ぎて。この連携施設加算も、加算があってもようやく普通の経営ができるぐらいの
金額なんですけれ
ども、連携施設がないと加算がないから、事業経営は物すごく厳しいんです。三分の一も連携施設がないんですね。だから、加算をもらっていないんです。
しかし、一方で、
厚生労働省の通達によれば、連携施設のあっせん、調整を市町村がやりなさいと書いてあるんですね。やりなさいとは書いていないんです。これまた
日本の役人の、ねえ、
加藤先輩、よくないところなんですよ、そうするのが望ましいと通達に書いているんですね。あっせんするのは市町村がやるのが望ましいですねと書いてあって、完全に
自分の庭先だけ掃いているわけですよ。多分、いや、地方自治ですからと言うんですね。まさに腰が引けているわけですよ。それはぜひ、また
大臣のリーダーシップで変えていただきたい。
しかし、実際上は、
厚労省は市町村に、まさに公的施設、
自分の持っている施設だったら連携施設になってあげなさいよ、そういうことでもいいわけですね。あるいは、なかったらあっせんしなさいと書いてあるんですけれ
ども、実際に聞くと、この三割のもらっていない、連携施設のないところは、市町村が全く非協力的です。しかも、
厚生労働省の省令によれば、義務規定なんですね。連携施設を持たなきゃいけないんですね。なんだけれ
ども、市町村が協力してくれない。
これが今の状況なので、これについての御見識、どうなっているのか、どうしたいのか、ぜひお聞かせください。