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島田委員 ありがとうございます。
ぜひ、この
川内村そして
葛尾村、しっかりと広域的な視点で、
村民の方の
要望に寄り添いながら、一刻も早い
完全帰村に向けて
復興庁の方で取り組んでいただきたいというふうに思っております。
視察に関する
質問はこれぐらいにさせていただいて、ちょっと別の
質問をさせていただきたいと思います。
震災から五年がたちまして、ことしの
追悼式において、天皇陛下からこのようなお
言葉がありました。「この度の
大震災の」
東日本大震災ですね、「大きな
犠牲の下で学んだ
教訓をいかし、国民皆が
防災の心を培うとともに、それを次の
世代に引き継ぎ、より安全な
国土が築かれていくことを衷心より希望しています。」というお
言葉でありました。
まさに、
東日本大震災の大きな
犠牲、ここから我々はたくさんのことを学びました。この
教訓をしっかり今回、この
熊本地震で生かされたのか、これから検証していくことになるだろうというふうに思っておりますけれども、その中で、一つの事例を
紹介させていただきたいと思います。
私の両親は
福島県相馬郡
新地町に今も住んでおりまして、
海岸から数百メートルのところでしたので、被災いたしました。三月十一日、金曜日でありましたけれども、
地震発生直後から
電話がつながりませんでしたので、なかなか
安否がわからない中で、土曜日になっても日曜日になっても生きているのか死んでいるのかもわからない、非常にやきもきしながら、いろいろなところに
電話をかけたり、また
テレビの画面にかじりついて、何か
情報がないかというふうにしていたんですけれども、全くわからない
状況でありました。
結果的に、親の
安否がわかったのは、
グーグル社が提供していた
パーソンファインダーという
安否情報サイトでありました。
発災直後は私もこの
サイトの存在を知らなかったんですけれども、たまたま海外にいた友達から
グーグルがこんなサービスを開始したよというふうに
紹介を受けまして、うちの親も七十歳でしたから
デジタルデバイド世代ですので、もしあったとしても
書き込みはないだろうなと半信半疑で書き込んだんですけれども、「長男の
佳和です。親の
克雄と
和子を捜しています。」と入れたら、ちょうど月曜日の朝方になって、いとこから、「
佳和、二人は生きているから大丈夫だよ、安心して。」という
書き込みがやっとあって、三日間ほとんど寝ずに
テレビにかじりついていたんですけれども、三日目にしてやっと安心して眠れたという記憶をしております。
災害時の
デジタル活用というところでいいますと、例えば
安否情報でいえば、
電話で
災害伝言ダイヤルなんかもありますけれども、基本的に
被災地の
電話はなかなかつながらない
状況になりますから、こちらからはアクセスできても向こうからアクセスできなかったり、例えば
テレビにしても、どのチャンネルでいつ
新地町の
情報をやるかもわからないし、ピンポイントで例えば
島田克雄、
島田和子の
情報が出てくるとも限らないし、ですので、
被災地の
避難場所の
映像が映ると、後ろに映っていないかなとか言いながら見ていたわけですけれども、全くそういった
情報としては役に立たなかったわけでございます。
そういった中、この
グーグルパーソンファインダー、
東日本大震災のときは約六十七万件の登録があったそうであります。最初は
グーグル一社でやっていたんですけれども、その後、警察庁であったりとか
電話会社であったり
新聞社であったり
テレビ局であったり、連携しながらいろいろな
情報をこの
パーソンファインダーに登録していっていろいろな方が
安否情報を確認できる、いわゆる
ビッグデータのデータベースをつくり上げたということでありました。
今回、
熊本地震に際しまして、さぞかしこの
パーソンファインダーも
活用されているんだろうなというふうに思って、先日
グーグルの
広報の方に聞いたら、
東日本のときは六十七万件あったんですけれども、今回は千三百件、五百分の一に減っていますということでありました。
これは、よくよく考えると、これが
活用されなかったというのではなくて、
災害に応じて必要な
情報というものが違ってくる、
情報のニーズが違ってくるということの
あらわれでありまして、
東日本のときは、二時四十六分、午後の
発災でしたから、例えば
家族でいえば、
親御さんは仕事場で
避難したり、子供さんは
学校で
避難したり、まず
避難する
場所が
ばらばらだった、また、
津波に流されて
家族が
ばらばらになった
ケースが非常に多かったということであります。
しかし、今回は夜の
発災でありましたから、比較的
家族がまとまっている中で
避難をして、
ばらばらになっているという
ケースが非常に少なかった
あらわれではないかというふうに
グーグルの
広報の方は分析されておりました。逆に、例えば
避難所がどこにあるのかとか、どこの
道路がつながっているよとか、どこどこのお店はあいているよといったロジスティクス的な
情報のやりとりが今回は非常に多かったということでございます。
六十七万件、千三百件、数字が多いからいいとか少ないからいいとか、そういうことではなくて、やはり発生した
災害に応じて
被災者の方が求めている
情報というものが違うんだということを踏まえながら、どういう
情報を提供できるか、そういったプラットホームをつくっていくのかというのが
災害に際して非常に必要だと思っておりまして、この
グーグルが世界的な
枠組みも超えて、
企業の
枠組みも超えて取り組んでいらっしゃいます。
そういった中、例えば
個人情報の取り扱いであったりとか、
テレビに出ていた
映像をほかの
サイトで流用するような
著作権の問題であったりとか、非常に微妙な、センシティブな問題もあるわけですけれども、そういった中、各民間
企業がすれすれの決断をしながら、
東日本大震災のときは非常に役に立っていただいたということでございます。
今回、官邸の方でも、ツイッターであったりフェイスブックであったり、積極的に
情報発信をされているというふうに伺っておりますが、これらの二つの
災害を比較したときのデジタル
情報の取り扱い方、これからどういうふうに有効
活用していくのか、また、
情報のハブになってほしい、そういったコミットメントも含めて、総務省のコメントをいただければというふうに思っております。