○高井
委員 許可を出したのは
会長ではなく部下の方で、
会長は知らなかったんですよね、許可した時点では。
ですので、
会長にこれ以上問いませんが、以降、今後こういったことが起こると、現場では今どういう
気持ちというか
意見かというと、こういうことが許されるのなら、では、自分たちも今まで取材をやってきて得たことを別のメディアで言ってもいいんだな、そういう
職員が出てくる、そういう
気持ちが起こってもしようがないという声を耳にします。
こういうことを考えると、やはり今後の
対応として、私は、こういうケース、もうちょっときめ細かく、どういう基準だったらこういったものに出てもいいのか、勤務時間外とはいえそこはしっかり
会長の責任で決めていただいた方が
公共放送を守るということになると
思いますので、ぜひ御検討いただきたいと
思います。
ちょっと時間がありませんので、次の
質問に移りますが、今度は
子会社の問題です。
子会社、先ほど
武正委員からもいろいろと
質問がありました。私も
NHKの
子会社の出資比率とかいろいろ聞いたところ、
職員数でいうと、
子会社、全部で五千三百人のうち、OBが約千人いる、出向者が六百五十人いる、約三割が
NHKの
職員である。それから、
NHKとの取引額、これは全体で、
子会社合計で二千四百九十九億円のうち千五百七十四億、六三%が
NHKとの取引で成り立っている。あるいは出資比率、これは各社いろいろあるんですが、例えば、
NHK営業サービスは八三%、それから
NHKエンタープライズは八二%。
こういう非常に
NHKとのかかわりが強い中で、私は一つちょっと提起したいんですが、これは私の知っている民間の映像
制作会社のプロデューサーからの私に対する投稿というか、こんなメールをいただきました。
これは
NHKエンタープライズの話でありますが、エンタープライズというのは民間の
放送制作会社と競合しているわけです。しかし、このエンタープライズは、世界じゅうの
NHKのネットワークを使って、現地スタッフとか機材も安く使えるので、海外ロケは非常に安い値段で入札をしていく、つまり競合他社をどんどんそれで追い負かしていく。
それから、
NHKの素材の二次利用の問題です。
これは、
NHKが取材したり
制作した映像素材を
NHKエンタープライズが
管理しています。しかし、これは本来、
受信料でつくった映像ですから、無償で貸し出してもいいはずで、個人には実は一昨年から無償になっているそうですが、企業向けには有償であり、しかも、他社と比べたら非常に高額だ、それから、中には貸し出してくれない素材もあるそうです。
それから、
NHKが持っている素材を借りようと思うと、エンタープライズは非常に簡易な
手続で、費用も安くできるけれ
ども、民間企業、競合他社が借りるときは最低でも一週間かかる、
NHKの関連
会社だと一日、二日でできるということだそうです。
あるいは、
NHKが持っている機材、4K、8K、3Dカメラ、こうしたものの開発というのは、
NHKが
受信料を使って、かなり大きな金額を使って開発をして最先端のものをつくっているわけですが、しかし、今度それを使って利益を上げていくのは
NHKの
子会社である。こういったことからすると、まさに
受信料を使ったもので
子会社が利益を出している、そういう構図になっているというふうにこの方は
指摘をしているわけです。
なかなかこういう細かい話まで
会長の耳に入っていないと
思いますが、私はこれが実態なんだろうと
思います。
そういう
意味でも、
子会社改革というのは、先ほどOBの方の数を減らすとか、民間から入れるということも、もちろん、さはさることながら、こういった問題もぜひ、やはりこれは外から来た
会長だからこそできることではないかなと
思いますので、こういった面も含めた
子会社改革について、
会長のお考えをお聞かせください。
〔
坂本(哲)
委員長代理退席、
委員長着席〕