○荒井
委員 もうこの
委員会が立ち上がって三年、議運で申し合わせをして三年たっていますので、ぜひ結論を出すべき時期に来ているのではないかというふうに思います。
ところで、先ほど
田中委員長からもお話がございましたけれども、そろそろ
福島の被災をした
原発の処理について、緊急対処から
計画対処に移行しつつあるというお話がありました。しかし、なかなか地域の人たちの理解が得られないというお話がございましたけれども、私は、地域の人たちとの信頼
関係がまだまだちゃんとでき上がっていないのではないかというふうに思います。その最も先端にいる、理解がなかなか、信頼がなかなかできないという人たちが自主避難者ではないかというふうに思います。
原発の避難者は、国際法的には国内難民です。今、ヨーロッパで難民の話が非常に大きな政治的な
課題になっていますけれども、
原発の避難者というのは、国際法上、国内難民という定義になっています。私は、この
日本という国の中で、これだけ近代化した、さまざまな法制度がそろっている
日本という国で難民が現実に存在している、しかも、その数が十万とも言うし十四万とも言うし、よく実態がわからないというのが本当のところだと思うんですね。
そこで、そういう避難実態といいますか、特に避難者を中心とする避難実態というものをきっちり
調査する、そういう時期に来たのではないかというふうに思います。
政府がなかなかその
調査をしないものですから、しびれを切らしたんでしょう、SAFLANという若手弁護士が中心になって、
原発避難白書というものを関西学院大学と一緒になってつくりました。非常によくできているものです。これも一度お読みになっていただきたいと思うんです。
原発避難の弁護活動を続けているうちにこういうものが必要だということを認識したSAFLANという人たちなんですけれども、この人たちは、
原発について何らかの市民グループのような、あるいは
原発反対運動のような、そういうことと全く
関係のない、単に子育て世代で、避難者の弁護活動を引き受けた世代が寄り集まってつくったグループであります。二〇一一年の七月に結成されたものであります。
彼らは、被災者あるいは避難者、そういう人たちと
議論をしているうちに、いろいろな相談を受けていくうちに、いろいろなことを知りました。そして、一番基本は信頼
関係がないということなんだということに気がつくわけです。こういう言い方をしています。「放射線被ばくの健康被害をめぐる
議論は、その多くが乱暴な言葉の用い方や感情的な対立でデッドロックに陥り、ますます当事者間の亀裂を深める方向に作用しがちである。」私もこれはそのとおりだと思います。ぜひ
原発避難白書というのもお読みいただきたいと思います、
復興庁や経産省は。
そこで、必ずなるのが被曝線量の話なんですけれども、その前に、
政府としてこの種のものをちゃんとつくる意欲があるのかどうか、その時期ではないですかということを申し上げたいんですけれども、
政府の見解はいかがでしょうか。