○藤野
委員 事前に聞いても出てこなかったんですが、あったのならちょっと分析したいというふうに思います。
いずれにしろ、こうした
調査というのは本当に重要だ、しかも、短期ではなく、
大臣がおっしゃったように中長期、
原発だって建ち始めてから半世紀というところもあるわけで、しっかり分析する必要があると思っております。
配付資料の二でいえば、
経済神話といいますか、安全神話と並んで地元に影響がある、その中でも、とりわけ建設中は何だかんだ言っても効果があるだろうというのはあると思うんですが、この建設中について、例えば新潟日報は、これはシリーズの二回目ですけれども、「建設期も伸び目立たず」というのが大見出しなんですね。
四十年間調べているんですけれども、とりわけ建設中の一九七八年から九七年でも柏崎市というのは目立った伸びがなかった。柏崎と大体人口が同じ新潟県の新発田市や三条市と比べたグラフも下の方に載っておりますが、もし建設期に何か伸びているのであれば柏崎がばんと伸びていてもいいんですが、ほぼ三市同じということで、これについては、柏崎市長もなさった西川正純氏も驚いた、一瞬絶句したということも
紹介をされております。
建設期も目立った効果が余りないというのはほかの研究もありまして、配付資料の三になるんですが、同じく私の地元である福井県、まさに若狭湾というのは
原発銀座と言われるところで、一九六七年に敦賀一号機が着工してからわずか六年の間に九つの
原発がつくられる、この九つの
原発、原子炉の建設費というのは総額六千八百億円に上っているわけで、大変な額なんですが、しかし全てが地元に落ちたわけではない、そういう資料なんですね。これは福井県立大学が調べた資料であります。
敦賀
原発一号機を建設したときの総工費に占める各パーツの
予算、そして右側は、美浜一、二号機の総工費に占める各項目の
予算であります。注目したいのは、寄与度という欄が、マル、三角、バツ、あると思うんです。マルというのは、地元
企業に大いに
関係がある。三角というのは、少しはある。バツというのは、ほとんど
関係がない。ちなみに、資料ではほとんど
関係があるになっているんですが、本文の文脈からしても誤植でして、
関係ないということなんです。
このバツのところを見ていただきますと、例えば敦賀一号機では、バツが四つあるんですが、足しますと六二・九%。美浜
原発一、二号機では、バツが七二・五%に達するんですね。
確かに、
原発をつくる際に、土地の買収だとか、建物とか、いろいろなものをつくるとか、こういうのは地元にも一定及んでいくわけですけれども、そういうのはメーンではなくて、やはり原子炉建屋とか、電気制御部品とか、そういったものがかなりのウエートを占めてくるし、これはやはり地元では担えない高度な中身になってくるので、結局は大手資本が持っていってしまう、こういうことだ。これはやはり原子力
産業の
一つの特徴、内在的に存在する特徴だと思っております。
もう
一つだけ
紹介しますと、配付資料の四枚目は、福井県の建設業連合会の歴史、連合会の方が書かれた連合会史というもので、そこの若狭地区建設業の
部分であります。ここには「
原発工事の影響」という項がありまして、読ませていただきますと、
若狭
地方に初めて
原子力発電所が建設されたのは昭和四五年、関西電力美浜発電所が第一号である。以後、わずか五〇キロの若狭湾一帯に九基六一九万キロワットの
原子力発電所が出現し、
世界でも例をみない
原発密集地帯となるのである。
しかしこの大型プロジェクトは、地元業者に何らの恩恵ももたらさなかった。原電の道路工事といってもほとんど大手の仕事で、大手の下請けに入ろうとしても条件が厳しくて難しく、地元ではかえって労働力は払底し、賃金は上がるで、
経営は圧迫され倒産する者さえあらわれるという状況であった。
こういうことが
紹介されております。
大臣にお聞きしたいんですけれども、要するに、新潟日報も、福井県立大学も、福井県建設業連合会も、いずれも、建設時も、期待したほどといいますか、ほとんど目立った効果はなかったという点は共通しているんですね。こういった実態をどのように思われますか。