○上田
委員 ありがとうございます。
次に、
TPP協定の効果やメリットについて
質問させていただきます。
政府試算によりますと、今
総理からも御
答弁ありましたけれども、
TPPの
経済効果は、
GDPを十三・六兆円上げ、また雇用を七十九・五万人創出をすると言われております。
政府の資料あるいは協定の方から、
分野ごとに期待できる効果というのをちょっと資料の方にまとめさせていただきました。
まず、中堅・中小企業についてであります。
TPPは、国際的に活動しているような大企業だけではなくて、中堅・中小企業にとっても新たな
ビジネスチャンスを提供するものであります。
工業製品の九九・九%の
関税が
撤廃をされる。その中には、非常に裾野の広い自動車部品、あるいは中小企業の関心の高い繊維や陶磁器といったものも含まれております。輸出拡大の大きなチャンスだと
考えています。
また、通関手続が簡素化、迅速化されるということも重要であります。海外の納入先への納入期間が短縮をされる。あるいは、遅延リスクも軽減をされます。さらには、オンラインの通信
販売事業などを手がけている事業者にとってもメリットは大きいというふうに
考えています。
これまでなかなか参入チャンスがなかった各国の国有企業について、
日本の企業も含めてでありますけれども、
TPP締約国の企業というのは無差別の待遇が得られるということでありますから、これは取引の窓口が開かれるということになります。
さらに、今後、特にこのアジアの地域では
需要が増加していくことが期待されているインフラ
整備の
分野へも
我が国企業の参画の機会が広がる。そして、
政府調達へのアクセスも改善をするということが期待されます。特に、
世界貿易機関、WTOの
政府調達協定に今
参加をしていないのが、ベトナムとかマレーシアがありますけれども、今後、こうした地域というのはインフラ
需要が非常に期待をされるところでもありまして、同じ
ルールが適用されるということは非常に重要なことだというふうに思っております。
また、先ほどもちょっと言及がありましたけれども、コンビニなどの小売業、それから娯楽サービス、音響サービス、そうした
分野において、一部の国では今外資規制がありますけれども、それらも大幅に緩和をされるということになり、進出が容易になります。コンビニなどを通じて、
我が国の
国産のさまざまな商品、それの
販売のチャンネルが広がる、これも期待をされます。
また、進出企業に対する
技術移転要求が禁止されますので、せっかくのこの技術が盗まれてしまうんじゃないか、そうしたことも心配せずに進出することができるようになる、そうしたことも今回規定をされているわけであります。
また、次に
農林水産分野。ここは負の
影響のことがよく議論されておりますけれども、それだけじゃなくて、米、牛肉、青果物、お茶、林産物、水産物などの
関税が
撤廃されることによりまして、
我が国は非常に品質の高い
農林水産物を持っているわけでありますから、その輸出環境が改善をしていきます。
また、先ほど
総理からも
お話がございましたけれども、地理的表示の
保護のための
ルールが定められますので、地域ブランドの食品、農産物の輸出、こういったことも促進をされると期待をしています。
次に、知的財産の
分野。ここでも、
我が国企業がいつも大きな被害を受けている模倣品とか海賊版、そうした取り締まりが強化されます。特許権や商標権取得の範囲も広がるし、手続も容易になるので、
日本企業がそういう意味では安心して海外に進出できる、そういう環境が整う。
情報通信の
分野でも、電気通信インフラの
整備やサービス
市場へのアクセスも改善をされていきます。
さらには、労働
分野では、労働者の基本的な権利を規律する法律が、これが各国で採用されるということでありますから、全ての国において公正公平な労働条件が担保される。それは結果的に、既にそういう条件のもとで行っています
我が国にとっては相対的な
競争力が上がるということにもつながります。
また、進出企業がたびたび経験をする労働トラブル、これを未然に防ぐためのさまざまな貢献もあるというふうに期待をしています。
また、金融
分野でも、一部の国、マレーシアとかベトナムでは、支店の開設やATMの設置などにも規制がある。さらには、外資出資規制がありますけれども、それらも緩和をされるわけであります。これは、単に
日本の金融機関だけではなくて、進出している
日本企業の資金調達にも資するものだというふうに
考えています。
また、環境
分野でも、この
TPPの締約国の中の環境に対する関心が高まり、規制が強化されれば、
我が国は環境技術という面では非常にすぐれたものを持っているわけでありますから、廃棄物の処理とか、低炭素技術、また水処理、そういった面で
我が国としても大きな
ビジネスチャンスの機会があるというふうに認識をしています。
このように、この
TPPというのは非常に幅広い
分野でメリットが期待をされる。また、今概括的に述べさせていただきましたけれども、さらに
総理は、先ほどからも
お話がありますとおり、
TPPというのは私たちの
生活を豊かにしてくれますとも述べております。こうしたさまざまな効果、メリットがあって、これは
日本経済の成長にも役立つし、また
国民生活にとっても非常に大きなメリットがあるんだというふうに認識をしているところであります。
そこで、今非常に概括的にいろいろなことを申し上げさせていただいたんですけれども、
総理に、特に
国民にとってのメリット、そこで
総理が強調したい点、御見解を伺えればというふうに思います。