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小西洋之君
安倍総理は、私の
質問に対してレッテルというふうにおっしゃいましたけど、今私が
展開させていただいている憲法論は、元
内閣法制局長官の
方々あるいは
日本を代表する法律の専門家の
方々、皆さんが賛同している
考え方です。ここにいらっしゃる同僚
委員の皆さんも当然納得いただけると
思います。当たり前じゃないですか。
全
世界の
国民が、
日本人だけではなくてイランの
国民の皆さんも、軍人も含みますよ、当然、戦争によって殺されることのない平和的生存権を確認している国においては、正当防衛の武力行使しかできないわけです。七月一日以前の憲法解釈が正しいわけでございます。
そして、今、
安倍総理はとんでもないことをおっしゃいました。ホルムズ海峡の機雷掃海をしに行くのは
自衛隊の武力行使である集団的自衛権の行使、つまり戦争行為そのものなんですけれども、イランの軍人を殺りくすることはないということをおっしゃいました。まあ一々これをもう
質問しませんけれども、人を殺すことがない、相手の軍隊の人を殺すことがない戦争なるものがこの世にあると言うこと自体が恐ろしいことだというふうに指摘をさせていただきます。
では、
安倍総理が、少なくとも、今義務教育で憲法の
平和主義を習っている子供たち、なぜ全
世界の
国民に平和的生存権を確認しているのに、石油が足りなくなったからといって向こうの人たちを殺して石油を
確保することが私たち
日本人に許されるのでしょうかという疑問については全く説明になってなかったと
思います。教室の中で、下村
大臣もいらっしゃると
思いますけれども、疑問に思う子供たちが学校の先生に尋ねたときに、学校の先生も説明ができないと
思います。
では、ちょっと次のフリップをお願いいたします。今申し上げた、
安倍総理が憲法の
平和主義を切り捨てて解釈改憲を強行した、まごうことのない客観的な証拠をお示しさせていただきます。テレビの画面を御覧になっている
国民の皆さんから見ていただきまして、左にありますものが七月一日の閣議決定の下敷きにしました一九七二年、昭和四十七年の憲法九条の解釈でございます。そして、右側が七月一日の閣議決定の文書でございます。
一九七二年、昭和四十七年の憲法解釈を下敷きにしましたので、七月一日の閣議決定と隣の一九七二年の見解は一言一句ほとんど同じでございます。
しかし、七月一日の閣議決定において切り捨てられている
部分がございます。それが灰色の
部分でございます。灰色の下の方を御覧いただけますでしょうか。このように書いてございます。「しかしながら、だからといって、
平和主義をその基本原則とする憲法が、右にいう自衛のための措置を無制限に認めているとは解されないのであって、」ということが書いてあります。右に行くと、まるっきり切り捨てられております。
これはどういう
意味かと申し上げますと、この灰色の
部分の上の
部分ですね。憲法九条というのは戦争の放棄や戦力の不保持を定めていますので、一見すると
日本は非武装のように見えると。しかし、
日本国民の命が危機にあるときに、それを救うための自衛の措置、分かりやすく言うと戦いだけはできるはずだと。しかし、この
平和主義の、灰色の
部分です、戦いが許されるからといっても、
我が国は
平和主義、憲法前文の三つの
平和主義の解釈の拘束を受ける、指針としての拘束を受ける憲法九条なんだから、その
平和主義の制限に服さなければいけない。その結果として、
日本に許されるのは、先ほど申し上げました正当防衛の武力行使、
日本に攻めてくる軍隊が現れたときに
自衛隊が
日本の
国民が犠牲になる前にそれを排撃する、やっつける、これだけだというわけでございます。
お分かりいただきましたように、七月一日の閣議決定は、
日本国民の皆さんの宝であり、そして私たち
日本国民が
平和主義の国であると言えるその根拠、憲法前文の
平和主義しかございません。それを切り捨てて閣議決定を強行し、結果として、
平和主義のとりでの中に絶対入ってくることができなかった集団的自衛権を入れ込ませて、かつ、それが無限定かつ歯止めのないものにしているわけでございます。
では、さらに、
平和主義は三つございますので、ほかの
平和主義の
観点を検討させていただきたいと
思います。
憲法前文の冒頭の
平和主義の
言葉でございます。
日本国民は、
政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることがないようにすることを決意し、ここに主権が
国民に存することを宣言し、この憲法を確定するとあります。
この
平和主義の
考え方については
政府の確立した解釈がございますけれども、私がかみ砕いて御説明をさせていただきますと、かつての満州事変に始まり太平洋戦争の敗戦に至るまで、原子爆弾の悲劇、沖縄の地上戦の悲劇、特攻隊の悲劇、あるいは南の島の玉砕の悲劇、あるいは東京大空襲の悲劇、そうした本当に
国民の皆様にとって大きな大きな悲惨が降りかかりました。戦前ですから、
国民の皆さんは民主主義の力を持っていなかった、天皇主権の下で
国民の皆さんに問うことなく国家権力が戦争を起こして、結果、
国民の皆さんに惨禍を起こした。もうこうしたことを二度と許さない、
安倍総理のような
内閣総理大臣という国家権力者が二度と戦争を起こして
国民の皆さんに戦争の惨禍をもたらさない、そのための
国民主権だというふうに言っているわけでございます。
つまり、
日本国民の皆さんの
国民主権はただの
国民主権でないわけでございます。
政府というのは我々国会も含みます。
内閣や国会といった国家権力が戦争を起こして、いつの戦争も犠牲になるのは
国民、市民の皆さんです。そうしたことを二度と許さない
国民主権なわけでございます。
では、これと集団的自衛権の関係をどのように
考えられるわけでございましょうか。
集団的自衛権の行使は、これまで
日本国憲法の上に存在しなかった戦争です。集団的自衛権の行使を発動すれば、
安倍総理は安全な機雷掃海などと言っておりますけれども、集団的自衛権の行使を発動すれば、
自衛隊員は必ず戦死します。これをごまかしてはいけない。
自衛隊員の体が砕け散って、真っ黒に焼けただれて死んでいくことになります。
そして、集団的自衛権の行使は、アメリカと戦っているイランや北朝鮮の国に
日本が先制攻撃を仕掛ける、これが集団的自衛権でございます。イランや北朝鮮は
日本に攻撃をしてこない、攻撃の着手の前に
日本が先制的に攻撃する、これが集団的自衛権の行使でございます。相手を攻撃すれば、必ず反撃を受けます。ミサイルが飛んでくるかもしれない。あるいは、イランの人々から見れば、必死になって
国民を守ろうとした機雷を
自衛隊が取ってしまえば、それはもう孫子の代まで、その後アメリカ軍が侵入してくれば、イランの人々は
日本国民を恨むでしょう。
今テレビで御覧になっている皆さんの近くで、これはイランが
テロをするというわけではございませんよ。けれども、
テロが起きるかもしれない。私は、ブッシュ
大統領のイラク戦争の当時、ニューヨークに住んでおりましたけれども、そうした
テロにおびえる社会に一瞬の間になってしまいました。
つまり、
自衛隊員の戦死や、反撃を受けて
日本国民の戦死、これはまさに戦争の惨禍そのものなんです。こういうことを許さないための
国民主権なんです。こういうことを許すためには、
国民主権の承認を取らないといけないんです。
じゃ、
国民主権の承認とは何でしょうか。
国民の皆さんが主権者である、
安倍総理が最高の権力者ではない、
国民の皆さんが主権者である究極の理由はたった
一つです。それは、
国民の皆さんだけが国の形を決める憲法改正の
国民投票権を持っていることです。
つまり、
国民主権の承認、憲法改正の
国民投票をやらずに、そして我々の国会の憲法改正の発議もやらずに、
日本国憲法の上に集団的自衛権という新しい戦争を起こして、
自衛隊員や
国民の皆さんを戦死させることは絶対に許されないんです。もうこの瞬間に、先ほどの平和的生存権と同じく、
安倍総理の解釈改憲は違憲無効でございます。
そして、一言だけ申し上げると、それを具体的に更に証明させていただきます。下の文字を御覧いただけますか。
日本国憲法は、過去の悲惨な戦争の経験から、何があっても国家権力の起こす戦争から
国民を守り抜く、そうした
平和主義の憲法なんです。下の括弧の文章を御覧ください。これは、今申し上げた平和を守るための
国民主権は人類普遍の原理であり、これに反する一切の憲法、昨年七月一日の
安倍総理の解釈変更によって生み出したあの憲法の九条の解釈は排除される、無効なんですよ。誰もこれを否定できないと
思います。これを否定するんでしたら、もう我々は法治国家をやめなければいけません。
では、
安倍総理にこの問題について追及させていただきます。先ほどと同じように、全国の子供たちにも分かるように教科書で御
質問をさせていただきます。
こちらは全国で二番目に採択されている教科書です。同じ
言葉が書いております。
政府の手によって再び戦争の災いが起こることがないように決意し、この憲法を、
国民主権を宣言し、定めると言っております。
安倍総理には、特に、特別の子供たちのことも胸に抱きながら答弁をいただきたいと
思います。
この教科書で全国の
自衛隊員の子供たちが学校で
平和主義を習っています。
自分たちのお父さんやお母さんである
自衛隊員がなぜ
安倍総理の閣議決定だけで、なぜ国会のこのゴールデンウイーク明けに予定しているという安保法制だけで新しい戦争、禁じられているはずの戦争に出動させられ、その下で戦死をしなければならないのか、また、反撃を受けてなぜ
日本国民が死ぬことが許されるのか、明確に答弁をください。