○松沢成文君 私は、どう
考えても、国民の皆さんも恐らく同じだと
思いますが、公益性、公共性が最も低い、つまり
政府の保有株を売却して完全民営化すべきはやっぱりJTだろうと。誰が
考えても
思いますよ。
この図を見てください。なぜJTを民営化すべきか、理由を挙げました。
まず一点目、たばこ規制枠組条約の条約違反です。五条三項に、
政府とたばこ
会社は利益相反、相反するから関与を持ってはいけないと書いてあるんですね。
日本は、株を抱えて監督権限を持って一蓮託生になっています。
二点目、復興財源
確保法で、今後、復興財源あるいはたばこの
事業の
環境を
考えた上で、全株式処分も検討していきましょうと、こう書いてあるんです。これ、完全民営化も検討すべきだということですね。法律で言っています。
三つ目、JT
自身が、当事者であるJT
自身が
是非とも早く民営化してくれと言っているんです。なかなかないですよ。実は、四年前の財政審議会に、JTはこういう「ご説明資料」というので要望書を出しているんですね、要望書。この中で、こう書いてあります。全株放出、更なる民営化を含め、たばこ
事業諸制度の見直しについて早期に検討を開始していただきたい。四年前からJTは、もう一刻も早く民営化してくれと、半国営でやるのはかなわないと、我々は全
世界で商売したいんだと訴えているんですね。
四点目です。先ほど
総理も葉たばこ農家の問題を引かれました。葉たばこ農家の問題の解決というのはあり得ません。といいますのは、今、葉たばこの内外価格差は、昔三倍だったのが今四倍、五倍です。開く一方です。そして、葉たばこ農家を守らなきゃいけないと言いますが、JTができた一九八五年、葉たばこ農家は七万戸ありました。今どれぐらいだか御存じですか。六千ですよ。十分の一以下になっちゃっているんです。もう葉たばこ農家はやっていけないんです、残念ながら。でも、そのサポートはしていくべきだと
思いますよ。
そして、次であります。五番目、訴訟リスク。これは、皆さん気付いていないんですが、今、国際的なたばこ産業はばんばん訴訟をやられています。要するに、健康に悪いものを作り続けたたばこ
会社の責任を問われて、個人、集団の訴訟、乱発ですよ。アメリカでは三百件以上です。これで、
日本でJTを
政府が抱え続けていたら、ひょっとしたら国が被告になっちゃうんですよ。JTがたばこの規制をきちっとやってこなかった。その背後には国がいて、たばこ
事業法で、JT法で丸抱えしていたでしょうと、国の責任があるんじゃないですかと、こうなっちゃうんです。大変な訴訟リスクを抱えているんです。もしそうやって訴訟乱発で賠償金をたくさんJTが払わなきゃいけなくなったら、JTの営業成績が傾いて株価にも影響を与えちゃうんですよ。この訴訟リスクもあるということなんです。
そして最後に、株の売却益の有効活用。先ほど言いましたように、二・五兆円以上のこれは株の収益になります。それを復興財源に使えたら被災地の人はどれだけ喜ぶでしょうか。あるいは、先ほど申し上げたように、たばこ農家が転作とか転業をしなければいけないときのサポートにこのお金を有効に使えるじゃないですか。どう見ても、もうJTは国が株を抱えて特殊
会社として、半国営企業として運営するのは限界があるんですね。
総理は改革、改革と演説でもおっしゃいました。改革すべきはJAだけじゃないんですよ。JTこそ改革すべきですよ。構造改革です。こうやって半国営でたばこ
会社を抱えているのは
世界で中国以外
日本だけです。完全に
日本は
世界の中から取り残されています。
JT民営化に向けて、
総理大臣としての決意を聞きたいと
思います。