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金子原二郎君 それぞれ、
総理から御答弁いただいたので大変期待しております。
私が
長崎県でこういった話をしているのは、各県大体共通だと思うんですよ、
半島とか
離島は。したがって、分かりやすい説明をするためにはこういった例を出していった方が国民の
皆さん方もお分かりになるんじゃないかということで、特に
長崎県を例に挙げて
質問させていただいておりますが、次は
離島です。
離島は、
大変長崎県は
離島が多いと。大きな島として
対馬、
上五島、
下五島、
壱岐がありまして、かつての
基幹産業は
農林水産業と
公共事業と公務員でありました。
公共事業は、県の
発注事業を見てみますと、
平成十年では四島の合計で六百六十億円でありましたが、現在は二百十億円と大幅に
減少しております。
平成の
市町村合併によりまして、
対馬では六町が一市に、
上五島は五町が一町に、
下五島は一市五町が一市に、
壱岐では四町が一市になりまして、
行政機関の職員の数はもとより、議員や三役は
大幅減になって
雇用が減ってしまいました。
水産業も
燃油高騰で大変厳しい
状況なんです。
こういう中でそれぞれの四つの島を見てみますと、いつも
総理がおっしゃっているように、大変自然がすばらしいんですよ。大体訪れた人は絶賛して帰ります。四島の島にはそれぞれ特徴がありまして、上と
下五島にもいろいろ今回御協力いただきましたが、
教会群が
世界遺産候補となっております。
対馬は昔から
韓国との
交流が非常に盛んで、釜山に
対馬藩の出先の
倭館があったといったそういう関係もありまして、また
対馬との間は五十キロと近い。毎年十九万人の方が
韓国から訪れておると。それで、今度は、
壱岐は、原の辻という遺跡がありまして、これは古代文化が感じられて非常に文化的な島であり、
壱岐牛は特に今大変な好評でございます。
長崎県の各島々でもこういった特徴を生かして、
交流人口拡大しかこれから島が生き残る道はないということで大変努力しているんですよ、いろいろと。
ところが、一番ネックになるのは航空運賃なんですよ。航空運賃を見てみますと、
長崎と福江間で片道一万一千六百円、
長崎—
壱岐間で一万百円、
長崎—
対馬で一万五千八百五十円、福岡—
対馬で一万五千九百円、福岡と福江のANAで二万五百円ですから。島民には三割割引きがあるんです。私はかねてから島民並みにしたらどうかと言うけど、なかなか国がやっぱりやってくれない。
しかし、
交流人口を増やすためにはこの航空運賃がネックになっていることは、もうこの数字から見ても分かるんですよ。今、東京へ一万円でみんな行くんですから。
離島に渡るのにこれだけの金を使っておったら、なかなか来ませんよ。釜山から今お客は十九万人来るというのは、釜山と
対馬の間は大体八千円ぐらいで来れるんですよ、往復。だから、そういったことを考えていると、
日本人がなかなか行くチャンスがない。
実は、元々この
離島にはANAの子会社のANKが飛行機を飛ばしていたんです。ところが、
平成十年の規制緩和によって不採算部門はどんどんどんどん撤退していったんですよ。じゃ、もうやむを得ないということで、
長崎県が民間
企業にお願いしてORCという
企業をつくって、できるだけ県とか国の力を借りないでやろうということで立ち上げてやったんですよ。それは大きい人は五千万ぐらい出資していただいた。やってみたけど、結局難しかった。最後は、やっぱり累積赤字が増えていきまして、そして、国と県と市の
予算を入れて、県が七割入れていますけど、約三億円ぐらい入れているんですよ。全体的な経費が二十二億円掛かりますから、思い切って十億円ぐらいの金を入れるようになればこれは半額にできるわけなんですから、そういった本当にいろいろな環境というものを考えて政策というのをやっていただかないと、なかなか努力しよう努力しようとしても難しいんですよ。
そこで、今日は麻生副
総理にはお礼を言わなきゃいけないんだけど、麻生
総理が
平成二十年にこの五島に来ていただいた。
総理大臣が五島に来たのは百二十年
ぶりだったんですよ。そして、この
離島の
現状をよく見ていただいて、一番何か欲しいものはあるかと言うから、船を、もう古くなってなかなか船の料金も高いから造り替えてもらいたいと、民間のそういった船の建造に金を出してもらえないかと言ったら、なかなかもう事務当局は難しかったけど、最終的にはもう
総理の英断で、時の
総理の、そして今六隻の船を造っているんですよ、国費で。そして二割引き、安くなって、後期高齢者、七十五歳以上は五割引き、病院にしょっちゅう通っている人も五割引きということで大変島の方は有り難がっている、これはお礼を申し上げたいと思います。
そういう思い切った決断によってこういうことができるわけですから、私は、やっぱりそういったことをやっていかないと
地方はなかなか良くならない。これは是非お願いしたいと思います。この点について
総理の御
意見をお聞かせください。