○田中茂君 ネット上でも、この改ざんについては単なるいたずらだと、暇潰し、深い
意味がないとも書いておりますが、まあ多分そうでしょう。ただ、そのような考えを併せても、誰がそのようなことをしたかは分かりませんが、皇居の場所にオウム真理教皇居支部道場という表現は極めて悪質だと、そのように思っております。今後の抑止のためにもできる限り調べていただきたいと、そう思っております。
〔
委員長退席、理事熊谷大君着席〕
次に、このオウムと皇居の件はこれで終わりにしますが、グーグルに関しての
質問に戻らさせていただきます。
今回の改ざん事案について、四月二十二日、グーグル側の
調査結果として、ユーザーによるスパム攻撃によるものであると、スパム攻撃、嫌がらせですね、嫌がらせであるとの発表をしました。また、ユーザーから提供された地図上の表記内容に間違いやポリシー違反があった場合、対象を削除する等の
対応を行っているとの表明もありました。
企業として、当然、自己責任、自己規制を徹底していくことは、政府が民間企業に安易に口を出せないわけで大いに結構ではありますが、その後、グーグル社は、今回悪用された機能である、すなわち地図に載っていない店舗やランドマークをユーザーが登録申請できる機能については、今後も制限などは設けないとしております。さらに、グーグルマップにはユーザーから新店舗の開業や既存店舗の移転などに関する場所情報が寄せられていますが、その大多数は有益なものです、グーグルでは不正確な場所情報の
検出、防止、
対応を強化してまいりますと、どちらかというと、むしろグーグルはその有益性を主張したわけであります。
民間企業とはいえ、グーグル社の公共性の高さ、世間への影響力の大きさを勘案すれば、グーグル側の
対応とは別に、政府として、このような事態が発生しないような、まずは官公庁などの公の重要施設に対しての書き込み、書換えができなくするなどの仕組みを考えるべきではないかと。さらには、このような悪用されやすいアプリに有益性を主張しているグーグル社に対しても何も手を打てないということを憂慮するわけであります。
〔理事熊谷大君退席、
委員長着席〕
実は、この事業に関する
質問を考える際に各役所に話を聞いてみましたが、新しい分野に関わるという事案ゆえに、どこの担当がするかも分からないという状態でありました。担当が分からないこと自体がおかしいのではないかと思うわけでありますが、現在のIT企業の繁栄を見れば、確かに自由競争というのは進歩と発展を生み出したのは事実でありますが、その中で内なる道徳観というか、自己責任を持って行うのが最善であるとは当然私も思っております。
しかし、自由競争の中で
法律、規制に違反した場合には、最終的なとりでとしての司法があることも
疑いがありません。別にグーグル社が
法律に違反したというわけではありませんが、グーグル社の公益性とか世間への影響力を考えた場合に、何らかの形での未然の予防というか、このような今までにない案件に対しては未然の予防ということを考えるべきではないでしょうか。
先月には、このグーグルマップ上の情報の改ざんと同時に、先ほども言いましたように、首相官邸屋上に小型ラジコンヘリのドローンが発見されました。約二週間にわたってそれが放置されたという
事件も発生したわけであります。どちらも実質的な被害が発生したわけではありませんが、アメリカのホワイトハウスでもドローンの不時着
事件が発生するなど、各国で似たような
事件が発生したことを考えると、
日本国内でも同じようなことが発生する
可能性は容易に想定できたわけであり、そういった
事件に対する未然の防止などを含めた危機管理の
体制がなっているのか、疑問を持たざるを得ません。
その
意味でも、この二つの
事件には非常に似た側面があると思いますし、国の威信にも関わるこのような
事件に、その
可能性に対してももっと問題意識を高める必要があるのではないかと、私はそのように憂慮しております。
そこで、今回のような新しい分野での新しい事案が発生したときに、速やかに
対応できない、政府
対応が追い付いていないのではと、これでは危機管理として大変問題があるのではないかと、そう思いますが、
大臣の所感をお聞かせいただけませんか。