○田中茂君 そこで、未成年の万引きなんですが、
平成六年に比べると、
平成二十五年には四割以上も
減少しています。これはひとえに官民合同の万引き防止活動の成果であると、そう思っております。それが奏功したと
考えておりますが、
平成二十二年に、警察庁は万引き防止に向けた総合的な対策の強化についても発表され、業界団体に対し警察への届出の徹底要請を行って、自治体及び学校などの教育機関、PTA、それらを含めた関係機関、団体が密に連携した結果だと、そう思っております。私自身はこれを評価しており、一つの指針になると
考えております。
ただ、未成年者と異なり、
高齢者の主な万引き理由は、先ほど来からおっしゃっていましたが、私も話しましたが、孤独などの精神的な面が多いわけであります。それゆえに、認知症による支払忘れ、身寄りのない孤独感や寂しさ、将来への不安、
高齢者ゆえの疾病、収入の
減少等々、
高齢化社会がもたらす様々な問題であります。普通の再犯防止ではもう役に立たない
状況が生まれていると、私はそう思っております。まさしく、
高齢者による万引き等は、
高齢化、今現に我々が経験している
高齢化社会の縮図ではないかと、そう思っております。
そこで、刑務所を介護
施設のように
考えて入りたい、また孤独に向き合うことができないからという理由で万引きするような高齢受刑者もいるようですが、そのような
人たちに対して罰則だけでは抜本的な対策にならず、効果も期待できないと思います。コミュニティーの力が失われている現在、
高齢者による万引き等の問題を単なる犯罪問題とせず、
高齢化社会のひずみと捉えて、福祉政策や
医療、就職、地域社会、共同体の連携等々の総合的問題として捉えるべきだと、そう
考えております。
だからこそ、
大臣、前回の
委員会で、適当な帰り先がない高齢受刑者等で自立した生活ができない者に対し、
厚生労働省の事業として、都道府県にある地域生活定着支援センターと連携し、出所後速やかに社会福祉
施設への入所、生活保護の受給、福祉サービスを受けられる特別調整に取り組んでいると。また、高齢出所者は、積極的に雇用していただく雇用主の
方々にも協力していただき、
矯正施設とハローワークが密接に連携し、働く場所、求人のマッチングも促進し、就労の確保に努めると述べられておられます。
そこで、
大臣が述べられたその地域生活定着支援センターと刑務所、保護観察所との連携がいかに機能しているのか、今までに高齢受刑者で何人出所し、何人がセンターのお世話になっていられるのか、現在の
状況。さらに、
矯正施設とハローワークが密接に連携しているとおっしゃっていますが、どのようになっているのか、高齢出所者の雇用
状況がいかになって就労ができているのか、そもそもこれがうまく機能しているのか。それらについて具体的にお聞かせいただきたいと思います。