○松沢成文君 今
大臣に経緯お話しいただきましたけれども、実は、二〇〇九年に
ラグビーのワールドカップを日本でやりたい、これは日本国でやりたいということですね。何も東京じゃなくていいんですよ、
オリンピックは東京という都市で立候補していますが、
ラグビーはあくまでも国でありますから。それで、申請したときにはまだ旧
国立競技場が会場の一つだったんです、横浜スタジアムとか。ですから、立候補したときには
ラグビーは新国立でやるというのは一切なかったんですね。そのときは旧国立でした。
私は実はそのとき知事を務めていまして、横浜市長と神奈川県知事、
ラグビー協会に呼ばれました。それで、できれば横浜の
競技場の方が旧国立より大きいからそこで準決勝、決勝もやりたいので、是非とも横浜市、神奈川県、協力してほしい、スタジアムの改修が必要ですからね、こういうことも言われているんです。ですから、
ラグビーのワールドカップに立候補したときは新国立なんという構想がまずなかったんです。むしろ、やるとしたら横浜でもいい、あるいは埼玉でもいいわけだったんですね。
それから、今
ラグビーワールドカップリミテッドのお話がありました。これは、ワールド
ラグビーという国際組織があります。その下につくっている子会社みたいなもので、ここが
ラグビーのワールドカップを運営するんですね。ここの
理事会で会場を決めるんです。そのときに、今年の三月に
理事会に出したのが新
国立競技場なんですね。それで、横浜とか釜石とか、いろいろ十か所ぐらい入っていたんですね。
でも、これは
理事会で決めることなので、変更は決して不可能ではありません。だって、今、
オリンピックの会場、IOCの
理事会でどんどん変更しているじゃないですか。こうやって変更できるんですよ。これ、国際公約変えられないというんじゃなくて、日本が変えたがらないだけなんです。
オリンピックは八万人です、条件は、スタジアムね。
ラグビーは六万人以上ですから、七万二千人入る横浜でも、あるいは今回会場には入っていませんが、本当はサッカー専門の埼玉スタジアムの方がこれ見やすいんですね、ピッチと近いですから、陸上
競技場がないから。ここだって六万人以上入るんですね。でも、埼玉スタジアムがまたやると言い始めると、今度、同じ埼玉で立候補している熊谷が怒っちゃうので、そこら辺ちょっと難しいところあるんですけど。
そうやって、
ラグビーのワールドカップは新国立を使わなくても十分対応可能だし、国際組織も、日本から言えば絶対に、そんなの絶対困るとは言いません。契約があるから違約金とかそういう問題は出てくるかもしれませんけれども、でも、これは
スポーツの祭典を成功させるために、日本の事情がこうだから是非とも横浜でとか埼玉でというのは十分可能です。その上、横浜も埼玉もFIFAサッカーワールドカップの準決勝、決勝、経験していますからね。もう地域でもそういう大きなマッチをやるときの
準備もできているわけですよ。
ですから、私は、
大臣が国際公約だとか
ラグビーワールドカップは絶対変えられないと言うのは、私はおかしいと思います。それは日本の政治の決断なんです。それを逃げているんです。
じゃ、
皆さん、もし
ラグビーのワールドカップをほかの会場でやるとする。そうしたら、約十か月
期間が延びるわけですよ。その十か月を使えば、槇さんが言うような、新しく設計からし直して新しいものを造り直す、コンパクト五輪を実現するということも可能だし、あるいはどうしても今のザハ案にこだわってキール方式でやりたいとなっても、でもその
工期が約十か月延びますから、
屋根も芝生の育成装置も、あるいは
可動式のスタジアムもフルスペックで造り上げて
オリンピックを迎えることもできるんです。
ですから、私はそれを選択と集中と言っているんですよ。なぜ、そういう決断を政治がしないのか、これについてはいかがでしょうか。