○松沢成文君 今
大臣から幾つか条件というか考え方を伺いました。アジェンダ二〇二〇ですか、私もこれ読ませていただきましたが、まず第一に、アスリートが最高の状況でプレーできるような、パフォーマンスできるような施設が必要だろう、これは当たり前な話ですね。それから、
東京オリンピックについてはコンパクトに行こうと。選手村から八キロ圏内ぐらいにできるだけ競技施設を集めて、そこでいろんな競技が行われて盛り上がりをつくれるだろうということですね。それから、それと関連しますが、できるだけそこの中にある既存施設も使って
コストを掛けないでやっていこうということ、これも重要だと思います。最後にレガシーですよね。その施設が、今後みんながその施設に憧れて競技ができて、その
スポーツが発展していくような、そういう遺産となるようなものにしていこう。この四つぐらいがポイントなんじゃないかなというふうに私も考えているんです。
さあ、そこで、最近のニュースで、自転車とかトライアスロン、セーリングなど十競技の
会場は様々
変更が
検討されていて決定していないんですね。
そのアジェンダ二〇二〇で既存施設の活用がうたわれたこともあって、
コスト削減を主眼に既存施設への
変更が
検討されるケースが増えてきました。例えばバスケットボールは
仮設の施設でやろうと思ったのを、さいたまアリーナがあるじゃないか、ちょっと遠いけれどもここ使えるじゃないかということになりまして、あるいはカヌーも、葛西臨海公園でまたちょっと施設を造るのに
お金が掛かるだろうから隣接地へ変えました。それから、馬術も、江東区の方に
仮設で公園を使って馬術やろうと思ったんですが、前の
オリンピックで使った馬事公苑があるじゃないか、あそこでやりましょうということで、どんどんどんどん
変更になっていったんです。
これ、既存施設を使えば新たに施設を造る必要はない、
仮設であってもね。だから、
お金掛からないからこういうふうに変えていきましょうと、
IOCはここを結構言うんですね。やっぱり
オリンピック誘致するのに
コストが高くなっちゃうと、どこも手挙げなくなっちゃうと。だから、できるだけ
コストは掛けない
オリンピックを実例としてつくりたいから、こんな方向でやってほしいということもあったんでしょう。
ただ、この
コスト削減というのは大切ですけれども、
会場を既存の
会場に変えるだけ、ちょっと遠くてもいいから、既存の
会場があるから、さいたまアリーナ使おうということになりました。でも、それが本当の
コスト削減になるのかなと。
例えば、その
会場に行くために、遠ければ、そこに選手村を分村して、そちらで宿泊施設も造らなきゃいけなかったり、あるいはそのアクセスが悪ければアクセスを
準備しなきゃいけなくなったり、様々そういう面で選手村から離れることによる
コストというのも出てくるわけですよね。それから、先ほど言ったように、やっぱり八キロ以内でいろんな競技が見れるから、選手も行きやすいし、観客も回りやすいという意味で盛り上がりがあるという一体感もあるでしょう。
こういったことで、
コストだけを考えて
競技会場をどんどんどんどん
変更していくというのは、やっぱり私は、
東京五輪成功に向けての様々なポリシーがあるわけです、コンパクト五輪とかレガシーの創出とか、そういうものがどんどんどんどん失われて、
コスト至上主義になって
会場が決まっていくというのは私はちょっと解せない、おかしいと思うんですが、
大臣はいかがお考えでしょうか。