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2015-03-26 第189回国会 参議院 文教科学委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年三月二十六日(木曜日)    午後一時十五分開会     ─────────────    委員異動  三月二十三日     辞任         補欠選任      森本 真治君     小見山幸治君  三月二十四日     辞任         補欠選任      小見山幸治君     森本 真治君  三月二十五日     辞任         補欠選任      吉田 博美君     塚田 一郎君      森本 真治君     西村まさみ君  三月二十六日     辞任         補欠選任      衛藤 晟一君     酒井 庸行君      塚田 一郎君     吉田 博美君      西村まさみ君     森本 真治君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         水落 敏栄君     理 事                 石井 浩郎君                 二之湯武史君                 神本美恵子君                 斎藤 嘉隆君     委 員                 赤池 誠章君                 酒井 庸行君                 橋本 聖子君                 藤井 基之君                 堀内 恒夫君                 丸山 和也君                 吉田 博美君                 榛葉賀津也君                 那谷屋正義君                 森本 真治君                 秋野 公造君                 新妻 秀規君                 柴田  巧君                 田村 智子君                 松沢 成文君    国務大臣        文部科学大臣   下村 博文君    副大臣        文部科学大臣  丹羽 秀樹君        文部科学大臣  藤井 基之君    大臣政務官        文部科学大臣政        務官       赤池 誠章君        文部科学大臣政        務官      山本ともひろ君    事務局側        常任委員会専門        員        美濃部寿彦君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○教育文化スポーツ学術及び科学技術に関  する調査  (文教科学行政基本施策に関する件)  (平成二十七年度文部科学省関係予算に関する  件)  (派遣委員報告)     ─────────────
  2. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告をいたします。  本日、衛藤晟一君が委員辞任され、その補欠として酒井庸行君が選任されました。     ─────────────
  3. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 教育文化スポーツ学術及び科学技術に関する調査を議題といたします。  まず、文教科学行政基本施策について、下村文部科学大臣から所信を聴取いたします。下村文部科学大臣
  4. 下村博文

    国務大臣下村博文君) この度、引き続き文部科学大臣並びに教育再生及び東京オリンピックパラリンピック担当大臣を拝命いたしました下村博文でございます。  今後とも、委員長を始め委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。  第百八十九回国会において各般の課題を御審議いただくに当たり、私の所信を申し上げます。  アベノミクスの三本の矢の経済政策は、確実に成果を上げつつあります。今後これを加速し、日本を真の成長軌道に乗せて、経済社会を発展させるためには、国民一人一人の生産性の向上、労働力人口の増加を果たすとともに、絶えることなく新たなイノベーションを創出していくことが必要です。また、東京オリンピックパラリンピック大会開催決定が国民に感動や希望を与えたように、人々の心を豊かにし、活力ある社会を構築していくためには、スポーツ文化芸術が持つ、人々を引き付け、感動させる力が欠かせません。  私は常々、文部科学省は未来を切り開く未来省であると考えています。私は、その先頭に立って、日本再生のための教育再生先端研究開発による革新的なイノベーションの創出、東京オリンピックパラリンピック大会レガシーの創出の三つを日本の未来戦略として掲げ、これら第四の矢で日本の成長を牽引してまいります。  来月には福島県双葉郡に文部科学省が設置を支援し続けてきた、ふたば未来学園高校が開校します。この学校は、ふるさとを愛する子供たちが地域が抱える課題と向き合い、復興のために何ができるのか、仲間と共に探求する場となります。困難な状況を乗り越えて、夢や希望に満ちた未来を創造していくことのできる人材を育成することで復興は加速されます。学校の復旧、就学支援児童生徒の心のケア、学習支援等を始め、復興を支える人材育成や大学、研究所による地域再生への貢献など、被災者の心に寄り添った復興に全力を尽くします。東北地方における医学部新設については、準備が円滑に行われるよう支援します。  原子力災害からの復興のため、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉を円滑に進めます。昨年、私のイニシアチブで廃止措置等研究開発加速プランを取りまとめました。国内外の英知を結集するため、来月には廃炉国際共同研究センターを設置し、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に関する研究開発人材育成を一層加速させてまいります。原子力損害賠償については、引き続き、被災者の方々に寄り添い、迅速、公平かつ適正な賠償に万全を期します。  ニューヨーク市立大学大学院のデビッドソン氏は、二〇一一年に米国の小学校に入学した子供たちの六五%は、大学卒業後、今は存在していない職業に就くと指摘しています。また、オックスフォード大学のオズボーン氏は、今後十年から二十年程度で米国の約四七%の仕事が自動化される可能性が高いと予測しています。さらに、経済学者のケインズ氏は、二〇三〇年までには週十五時間程度働けば済むようになるだろうと予測しました。  先を見通すことの難しい時代をたくましく生き抜いていくのは、生涯を通じて不断に学び、考え、予想外の事態を乗り越えながら、自らの人生を切り開き、他者と協力し合ってより良い社会づくりに貢献していくことのできる人間です。子供たちに社会で自立していくために必要な真の学ぶ力を身に付けさせなければなりません。教育改革における最大の課題である高大接続改革に取り組み、若者の多様な夢や目標を支える高等学校教育大学教育大学入学者選抜へと刷新します。  高等学校までの教育については、知識、技能の習得のみならず、新しい時代を生きる上で必要な資質、能力を育むことができるよう、課題の発見と解決に向けた主体的、協働的な学び、アクティブラーニングの飛躍的充実を図ります。小学校英語の早期化、選挙権年齢の引下げの検討状況なども踏まえ、高等学校において、公共の精神や民主主義社会における参加意識を育み、主体的に社会生活を営むために必要な力を身に付けることを狙いとした新たな科目等の創設、日本史の扱いを含めた地理歴史科の見直しなど、次期学習指導要領改訂に向けた検討を進めます。全国学力学習状況調査の活用、高等学校教育の質の確保向上言語活動理数教育の充実、教育におけるICT活用の促進、食育、健康教育の充実に取り組みます。  障害のある子供たちのため、インクルーシブ教育システムの構築に向け特別支援教育を推進します。教職員の専門性向上、通級による指導の充実、拡大教科書等普及充実特別支援学校教室不足の解消、学校施設バリアフリー化等の必要な教育条件を整備します。  川崎市の中学生、上村遼太さんの痛ましい事件がありました。このような事件が二度と起こらないよう、学校の早期対応、学校と警察を始めとした外部機関との連携など、子供のSOSを受け止め、適切に対応する取組を充実します。  いじめは絶対に許されません。いじめ防止対策推進法を基に総合的な対策の実施を進めます。心と体の調和の取れた人間を育成するため、道徳の時間を特別の教科として位置付け、道徳教育改善充実を図るとともに、道徳教育用教材「私たちの道徳」の活用を促します。体罰についても、禁止の徹底を図ります。  学校現場で教育の再生を担うのは、教育への使命感と高い指導力を有する教員です。教職員等指導体制の整備を進め、教職員の質と数を一体的に強化します。教員の養成、採用、研修の在り方を見直し、再構築します。教員と多様な専門性を持ったスタッフが連携してそれぞれの専門性を発揮し、学校がチームとして力を発揮できるよう、教員と事務職員、様々な人材との役割分担や連携の在り方を検討するとともに、コミュニティ・スクール等の学校と地域との連携、協働を強化します。  大学力は国力そのものです。世界トップレベルの大学力の実現や世界を牽引するリーダーの養成を目指し、スーパーグローバル大学への重点支援など大学の徹底した国際化を推進するとともに、国立大学改革プランに基づき国立大学の改革を実行します。  大学の教育研究活動を支えるには、財政基盤を確立した上で、めり張りある配分を行うことが重要です。国立大学法人運営費交付金施設整備費補助金私学助成の更なる充実を図るとともに、積極的に改革に取り組む大学を重点的に支援します。法科大学院については、昨年十一月に公表した総合的な改革方策に沿って、法科大学院の強化と法曹養成の安定化に向けた取組を進めます。独立行政法人改革に関する閣議決定に基づき、先般、大学関係の二つの独立行政法人を統合するための法案を提出いたしましたので、速やかな御審議をお願い申し上げます。  学制改革については、先般、小中一貫教育制度化を始め、高等学校等の専攻科から大学への編入学を可能とする制度を創設するための法案を提出いたしましたので、速やかな御審議をお願い申し上げます。多様な価値に対応した公教育が可能となるよう、国家戦略特別区域での公立学校運営民間開放に向けた準備を進めます。実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関制度化夜間中学校設置促進にも取り組みます。  教育は、全ての子供たちが、自分がかけがえのない存在であると感じることができるよう、手助けをするものであるべきです。様々な悩みや課題を抱えて不登校となっている子供たちは全国の小中学校等で約十二万人にも上り、不登校の子供たちに対する取組の抜本的な見直しを行う必要があります。学校という環境のみでは十分に能力を発揮できていない子供たちについては、その多様な実態に応じて、それぞれの才能や能力を引き出していくことが重要です。フリースクール等で学ぶ子供たちへの支援策の検討を進めるとともに、不登校施策に関する検討を行い、全ての子供たちチャンスを提供し、一人一人の可能性を伸ばせる環境を整えてまいります。  子供たちの未来が、いわゆる貧困の連鎖によって閉ざされることがあってはなりません。子供の貧困対策に関する大綱を踏まえ、幼児教育の段階的な無償化、スクールソーシャルワーカーの配置拡充、地域による学習支援家庭教育支援の充実に取り組みます。高校生等奨学給付金の拡充や、経済的に修学困難な専門学校生への支援などによる教育費負担軽減を目指します。大学等奨学金事業の有利子から無利子への流れを加速するとともに、平成二十九年度進学者からの適用を目指して、所得連動返還型奨学金制度の導入に向けた取組を進めます。  これからの子供たちが活躍する舞台は世界中にあります。外国語教育の強化、スーパーグローバルハイスクールの整備、国際バカロレア認定校の大幅増に向けた取組、ESD、持続可能な開発のための教育に関する取組などを推進します。  留学生交流は倍増を目指します。官民が協力した「トビタテ留学JAPAN日本代表プログラムを始め、日本人の海外留学支援の充実を図ります。あわせて、海外拠点の構築や学生宿舎等の整備、就職支援充実等、一貫した取組により、優秀な外国人留学生の戦略的な受入れを強化します。  社会や経済のグローバル化が進展する中、教育、科学技術、文化、スポーツの各分野における積極的な国際貢献が重要です。ASEANやインドを始めとするアジア諸国等からは、日本の教育制度や内容を取り入れたいとの強いニーズがあります。これを踏まえ、官民一体となって取り組んでいるインフラシステム輸出とも連携して、日本の強みや特質を生かした教育を海外に展開する取組を強化するなど、諸外国との協力を一層推進します。  人口減少などの我が国が直面する課題を解決するには、個性あふれる地方の創生が重要です。学校を中核として地域のあらゆる力を結集します。とりわけ、地域や企業の協力を得て、放課後子ども総合プランを更に加速させるとともに、土曜日の教育活動全国各地で展開されるよう取り組みます。  活力ある地方の創生のため、大学、高等専門学校専修学校の力をもっと活用することが重要です。理工系人材戦略的育成の取組を集中的に進めるなど、地域の知の拠点である大学等が特色、強みを生かし、地域に必要な人材の育成、定着を促進する取組を推進します。総務省と連携して、地方で就職する学生に奨学金の返済が免除される新たな仕組みをつくります。社会に出た後も学び続ける全員参加型社会を目指し、大学、専修学校社会教育施設等における女性や高齢者を含む社会人の学び直しの環境を充実します。  学校施設は、子供たちの命を守るとともに、地域の防災拠点としての機能も果たします。早期の耐震化完了を目指すなど、安全、安心な教育環境の整備を推進します。  教育への投資は未来への先行投資です。その充実のためには財源の確保が不可欠です。教育行財政の在り方について、これからの時代に求められる創造的な能力などを高めるための教育の革新の在り方と併せて、教育再生実行会議で検討を進めます。  昨年は、赤崎勇氏、天野浩氏、中村修二氏の日本人三名がノーベル物理学賞を受賞されました。ノーベル賞を選考したスウェーデン王立科学アカデミーの、二十世紀はエジソンの白熱電球に照らされたが、二十一世紀はLEDに照らされる世紀であるという言葉のとおり、日本で生まれ育った技術が世界を大きく変えようとしています。  我が国が成長を続けるための鍵は、未来をつくるイノベーションと、それを生み出す人材です。最先端の知識や技術を結集して、世界で最もイノベーションに適した国を目指します。その中核を担う文部科学省として、第五期科学技術基本計画の策定に向けた検討を進めます。  我が国は、世界トップレベル基礎研究力を有しています。青色発光ダイオードのように、基礎研究の成果を世界に先駆けて革新的なイノベーションに育て上げるためには、明確なターゲットを設定し、研究者が組織を超えて協働することが必要です。産学官の力を結集した中核拠点の構築、卓越した若手研究者の積極的な登用等を集中的に進めることにより、日本発のイノベーションを創出し、アベノミクスを牽引していきます。  山中伸弥京都大学教授を中心としたiPS細胞研究に対しては、十年で一千百億円という集中的な支援を行い、昨年、世界初のiPS細胞由来の網膜の移植を実現しました。今後とも、来月設立される日本医療研究開発機構を通じて、パーキンソン病などへの臨床研究を順次開始してまいります。  これからの成長の切り札として、省エネルギーイノベーションの実現を目指します。名古屋大学等中核拠点として、オールジャパン体制研究開発、その後の製品化、社会への普及を加速します。  多様な学術研究基礎研究に加え、国主導で取り組むべき基幹的な技術開発を推進します。大学発ベンチャーの創出や、国立研究開発法人をハブとした産学官の人材の循環、最先端施設の共用などによって、成果の実用化を着実に進めます。  地方の成長を実現するためには、世界で勝てる産業の育成が重要です。地方の大学等が持つ優れた研究成果を活用した地方発イノベーションの創出を産学官の力を結集して進めます。  宇宙・航空分野は、多くの中小企業の高い技術力に支えられています。二〇二〇年に地球に帰還する「はやぶさ2」は福島生まれの技術を携え、長い旅を続けています。世界初の技術の創出や産業競争力強化等を目指し、新型基幹ロケット国際宇宙ステーション計画次世代航空機技術等研究開発に取り組みます。  原子力については、日本原子力研究開発機構が安全を最優先とし、国民に信頼される組織となるよう指導してまいります。特に「もんじゅ」については、安全に運転管理する体制を整え、放射性廃棄物の減容化や高速増殖炉研究成果の取りまとめに向けて取り組みます。高温ガス炉や高レベル放射性廃棄物処理処分研究開発も着実に進めます。  昨年の大規模な土砂災害や御嶽山の噴火等を踏まえ、自然災害の観測・予測・対策技術の開発を強化します。新たなスーパーコンピューター、ポスト「京」や材料分野等の基盤的な研究開発を推進します。海洋資源調査研究北極研究次世代蓄電池ITER計画等環境エネルギー分野研究開発を進めます。量子科学技術に関する研究開発を強化するため、先般、放射線医学総合研究所と日本原子力研究開発機構の業務の整理統合を行うための法案を提出いたしましたので、速やかな御審議をお願い申し上げます。  科学技術イノベーションを生み出すのは人材です。特にグローバルに活躍できる人材の確保が重要です。初等中等教育段階からの人材育成、多様なキャリアパスの整備、世界トップレベル研究者交流、出産、育児等に係る女性研究者などへの支援を強化します。研究不正の防止についても着実に取り組みます。理化学研究所については、ガバナンスの強化を始めとする抜本的な改革が進捗しているところであり、引き続き、その力を十全に発揮できるよう指導してまいります。  一九六四年の東京オリンピックパラリンピック競技大会発展途上型であり、これを機に新幹線などのインフラ整備が飛躍的に伸び、高度成長の波に乗ることができました。今回、政府は、二〇二〇年の東京大会を絶好の機会として捉え、世界に誇る魅力あふれる観光立国の実現を目指し、二〇二〇年には訪日外国人旅行者を一昨年の二倍の二千万人にすることを目標に掲げています。  こうした取組を牽引する中核的な役割を担うのは、スポーツや文化、芸術です。我が国には世界の人々を引き付ける優れた文化や様々な魅力があります。このまたとないチャンスに、ホストシティタウン構想等を通じて、東京のみならず、全国津々浦々に大会の開催効果を波及させ、大会後も地域が力強く発展していくための幅広いレガシーを生み出すことができるよう全力で取り組みます。  大会を日本全体のスポーツと文化の祭典と位置付け、二〇二〇年に向け、史上最大規模で、魅力あるプログラムを全国で展開していきます。文化財の活用による地域活性化観光振興を進めるため、地域に点在する有形無形の文化財をパッケージとして日本遺産に認定する仕組みを創設します。実演芸術メディア芸術等の幅広い芸術の振興を図り、日本文化の魅力を国内外に積極的に発信します。こうした取組を戦略的に進めるため、第四次の文化芸術の振興に関する基本的な方針を策定いたします。  二〇一六年リオデジャネイロ大会直後の来年十月には、オリンピックパラリンピックムーブメントを国際的に高めるためのキックオフイベントとして、スポーツ・文化・ワールド・フォーラムを京都と東京で開催し、二〇一九年ラグビーワールドカップ、二〇二〇年東京大会に向け、スポーツや文化を通じた国際貢献・協力、スポーツや文化が生み出す有形無形レガシー等について、観光とも連動させつつ、世界へ発信していきます。また、二〇二〇年東京大会においては、東日本大震災の被災地が見事に復興を成し遂げた姿を世界に向けて発信できるよう、被災地を走る聖火リレーを行うなど、復興の後押しとなる復興五輪としてまいります。  東京大会の前年には、アジア地域で初めてのラグビーワールドカップ我が国で開催されます。両大会の一体的な準備に配慮しつつ、国立霞ケ丘競技場の改築などのインフラ整備競技者育成強化などに取り組みます。先般、両大会の円滑な準備と運営に資するよう所要の法整備を行うための法案を提出いたしましたので、速やかな御審議をお願い申し上げます。政府全体として、セキュリティー、復興・地域活性化外国人旅行者の受入れ、バリアフリー、環境などに関する取組にも万全を期します。  オリンピックパラリンピック教育の推進やスポーツ・フォー・トゥモローによる国際貢献を通じて、オリンピックパラリンピックムーブメントを国内外に推進します。大会後も見据え、学校体育の充実、地域スポーツ障害者スポーツの推進を通じ、国民が生涯にわたってスポーツに親しむ機会の充実を図ります。スポーツを通じた健康増進地域活性化など、スポーツの役割を一層高めていくための体制を構築するため、先般、スポーツ庁の設置に係る法案を提出いたしました。十月にスポーツ庁を設置できるよう、速やかな御審議をお願い申し上げます。  意志あるところ必ず道あり。  一人一人の子供、若者に、自分の可能性を信じ、夢に向かって一生懸命努力し、挑戦してもらいたい。その子供たち若者たちの挑戦を温かく応援する社会をつくろうではありませんか。  大人になってからでも学び続けることで、何度でも新たな挑戦ができる社会にしたい。国民一人一人が自らの夢や希望に向かって、持てる潜在力を最大限に発揮していくこと、それこそが我が国の将来を明るく活力あるものに変えていく原動力です。  いかに困難な道のりであろうとも、私は、日本と子供たちの未来を見据えながら、更に大胆に、更にスピード感を持って、文部科学行政全般にわたり戦後以来の大改革を成し遂げる決意です。  オールジャパンで日本の再生を実現することができるよう、全力で取り組んでまいります。引き続き、関係各位の御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
  5. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 御苦労さまでした。  次に、平成二十七年度文部科学省関係予算について、藤井文部科学大臣から説明を聴取いたします。藤井文部科学大臣
  6. 藤井基之

    ○副大臣藤井基之君) この度、引き続きまして文部科学大臣を拝命いたしました藤井基之でございます。  副大臣として、大臣をよく補佐し、東日本大震災からの復旧復興のほか、特に日本経済再生原動力となる科学技術イノベーション推進文化芸術立国実現のための文化振興全力を尽くしてまいります。  今後とも、水落委員長を始め委員皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。  平成二十七年度文部科学省関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  文部科学省関係予算は、一般会計五兆三千三百七十八億円、東日本大震災復興特別会計二千百九十六億円などとなっております。  第一に、社会を生き抜く力の養成として、授業革新などによる教育の質の向上実現するため、教職員指導体制充実など、教員の質と数の一体的強化を図ることとしております。  また、全国的な学力調査を実施するほか、道徳教育特別支援教育いじめ対策子供体験活動キャリア教育職業教育学校における情報通信技術活用、土曜日の教育活動推進します。さらに、地域コミュニティー活性化を図る学校を核とした地域力強化プラン女性活躍推進等のための環境整備する放課後子ども総合プランなどを実施することとしております。  同時に、フリースクール等で学ぶ子供への支援検討など、多様な教育機会確保に取り組んでいくこととしております。  第二に、未来への飛躍を実現する人材養成として、グローバル人材育成のため、スーパーグローバルハイスクールや大学等海外留学支援制度拡充することとしております。  また、各国立大学強み、特色を生かした機能強化への取組重点支援することで国立大学改革促進するとともに、建学の精神に基づき多様な人材育成する私学の振興を図ることとしております。  第三に、安心して教育を受けることができる学びのセーフティーネットの構築として、幼児教育の段階的無償化に向けた取組について、平成二十六年度に引き続き低所得世帯の保護者負担の軽減等を図るほか、高校生等奨学給付金拡充します。  また、大学等奨学金事業について無利子奨学金拡充するほか、大学等の授業料減免等の充実を図ることとしております。さらに、スクールソーシャルワーカーの配置を拡充するほか、地域の人たち協力により中学生を対象に無償の学習支援を行うなど、学校をプラットフォームとした子供貧困対策推進します。  同時に、国公私立学校施設の耐震化、老朽化対策等のほか、防災教育や通学路の安全対策推進することとしております。  第四に、きずなづくりと活力あるコミュニティーの形成として、学校支援地域本部、コミュニティ・スクールなどにより、地域活性化社会全体で子供を育む環境づくりを推進することとしております。  第五に、スポーツ立国の実現を目指し、スポーツ庁を創設するとともに、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた選手強化費の充実や、二〇二〇年東京大会レガシーとして継承するためのスポーツ・フォー・トゥモローによる国際貢献スポーツによる地域活性化などを推進することとしております。  第六に、世界に誇るべき文化芸術立国実現を目指し、二〇二〇年東京大会文化プログラムを見据えた文化芸術活動を推進するとともに、日本遺産の創設など文化遺産を活用した地域活性化方策への重点支援を行うこととしております。  また、我が国の多彩な文化芸術の発信や国際文化交流、国立文化施設の機能強化などを推進することとしております。  第七に、科学技術イノベーション・システムを構築するため、研究開発法人を中核としたイノベーション共創の場の形成や、研究開発力を駆動力とした地方創生に取り組むとともに、基礎研究力強化を図るため、独創的で多様な学術研究などを継続的に推進します。また、科学技術を担う人材育成するため、若手研究者女性研究者の活躍促進を図ります。さらに、ポスト「京」の開発など国際水準の研究環境及び基盤の充実強化や、科学技術の国際活動の戦略的推進を図ることとしております。  第八に、ライフサイエンスによるイノベーション創出のため、平成二十七年度に設立する日本医療研究開発機構において、関係府省と連携し、革新的な医療技術実用化を加速するとともに、クリーンで経済的なエネルギーシステムの実現を目指し、ITER計画などを推進します。また、次世代インフラの整備に向け、地震、津波や火山、豪雨等の自然災害による被害軽減に資する研究開発などを実施することとしております。  第九に、人類のフロンティアの開拓及び国家安全保障・基幹技術強化を図るため、宇宙航空分野研究開発、海洋資源の調査研究を推進するとともに、東京電力福島第一原子力発電所廃止措置等研究開発加速プランに基づいた国内外の英知を結集した廃炉研究や人材育成の実施、「もんじゅ」の安全対策、維持管理に必要な取組、固有の安全性を有する高温ガス炉等の研究開発推進することとしております。  以上、平成二十七年度文部科学省関係予算の概要につきまして御説明申し上げました。  なお、これらの具体の内容につきましては、お手元に資料をお配りいたしておりますので、説明を省略させていただきます。  以上です。
  7. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 以上で所信及び予算説明の聴取は終わりました。  本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。  この際、丹羽文部科学大臣赤池文部科学大臣政務官及び山本文部科学大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。丹羽文部科学大臣
  8. 丹羽秀樹

    ○副大臣(丹羽秀樹君) この度、引き続き文部科学大臣を拝命いたしました丹羽秀樹でございます。  副大臣として、大臣をよく補佐し、東日本大震災からの復旧復興のほか、特に我が国の根幹を形作る教育再生、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを始めとするスポーツ振興全力を尽くしてまいります。  今後とも、水落委員長を始め委員皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
  9. 水落敏栄

  10. 赤池誠章

    大臣政務官赤池誠章君) この度、引き続き文部科学大臣政務官を拝命いたしました赤池誠章でございます。  大臣政務官として、大臣、副大臣とともに、東日本大震災からの復旧復興のほか、教育再生及び文化振興に全身全霊を尽くしてまいります。  今後とも、委員長を始め委員皆様方の御指導、御鞭撻を心よりお願いを申し上げます。
  11. 水落敏栄

  12. 山本ともひろ

    大臣政務官(山本ともひろ君) この度、引き続き文部科学大臣政務官復興大臣政務官を拝命いたしました衆議院議員の山本ともひろです。  私は、大臣政務官として、各副大臣、政務官下村大臣をお支えをし、東日本大震災からの復興復旧のほかに、科学技術学術スポーツ分野を担当させていただきます。  水落委員長を始め理事、委員の皆様におかれましては、引き続き御指導、御鞭撻のほど賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
  13. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) よろしくお願いします。  次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員報告を聴取いたします。神本美恵子さん。
  14. 神本美恵子

    神本美恵子君 去る二月二十三日及び二十四日の二日間、新潟県において、地方における初等中等教育及び高等教育等に関する実情を調査してまいりましたので、その概要を御報告申し上げます。  派遣委員は、水落委員長、石井理事、二之湯理事、斎藤理事、森本委員、新妻委員、柴田委員、田村委員、そして私、神本の九名でございます。  一日目は、まず、国立大学法人長岡技術科学大学を訪問いたしました。  長岡技術科学大学は、昭和五十一年の開学以来、技術科学、すなわち「技学」の創出とそれを担う実践的、創造的な技術者の養成を行い、これらを通して産学官連携に積極的に取り組むとともに、活発な国際交流を行っており、就職率でも好成績を保っています。  まず初めに、大学側から、学生の八割が高等専門学校の卒業生であり、学部、大学院修士課程にわたる一貫教育を行っていること、スーパーグローバル大学として教育産学官連携世界的ネットワークの展開に取り組んでいることなどについて説明を聴取するとともに、高等専門学校との連携の利点及び連携強化のための取組、地元企業への就職を促進するための方策、女性研究者に対するワーク・ライフ・バランスに配慮した研究環境整備等について意見交換を行いました。  その後、産学官連携拠点である技術開発センターに移動し、水素を燃料とする燃料電池に係る共同研究の状況を視察いたしました。派遣委員からは、共同研究を行う企業の選定方法、大学企業等との費用負担の在り方研究成果実用化の見通し、知的財産権に関する課題等について質疑が行われました。  続いて、学生、留学生の方々との懇談におきまして、進学先として長岡技術科学大学を選んだ理由、卒業後の夢や希望する進路、学費や生活面で留学生が求める支援策等について率直な意見を伺い、将来を見据え研究に励んでいる学生、留学生の実情について理解を深めることができました。  次に、十日町市立下条小・中学校を訪問いたしました。  新潟県におきましては、政令指定都市である新潟市を除く全二十九市町村のうち、六市町村で小中一貫教育が実施されています。こうした中、十日町市は、中一ギャップや不登校児童生徒の解消、学力向上地域の小中学校関係者の連携を狙いとし、市を挙げて小中一貫教育に取り組んでいます。とりわけ、下条小・中学校におきましては、モデル中学校区として、平成二十三年度以降、地域ぐるみで先駆的な取組が行われており、本格実施に移行した本年度からは、従来の全学年を対象とした縦割りグループによる交流活動を、交流する学年を限定した上で一人一人に役割を持たせる活動とするなど、小中一貫教育の特徴を最大限に生かすよう、不断の努力が重ねられています。  まず、同校では、全国の民謡のルーツと言われる新保広大寺節が中学一年生により披露されました。中学校では地元保存会の方々の指導により伝承活動がなされており、中学生は伝統芸能を継承していくことの大切さを実感し、小学生は進学後にこれを舞うことを楽しみにしているとのことでした。次に、小学一年生から中学三年生までの全児童生徒による小中一貫教育の歌「ヒカリ」が披露されました。「光り輝く未来に向かって、手を取り合って進んで行こう」という歌詞は同校の児童生徒職員一同で作詞されたものであり、全員が一体となった、素直で伸びやかな歌声に感動いたしました。  引き続き、新潟県教育委員会から湯沢町及び三条市における小中一貫教育状況等について、また、十日町市教育委員会及び下条小・中学校から小中一貫教育取組について、それぞれ概況説明を聴取した後、小中一貫教育による学力向上の効果、小中一貫教育推進に伴う教員の業務量の変化、多忙化の中で教員子供の情報を把握するために必要なこと、貧困対策として学校をプラットフォームとする場合の福祉部局との連携在り方など、広範多岐にわたり活発な意見交換を行いました。  二日目は、十日町市博物館を訪問いたしました。  十日町市博物館は、「雪と織物と信濃川」をテーマに、積雪期の民具や越後縮の紡織用具、国宝の火焔型土器などを展示しています。  信濃川流域で出土する火焔型土器につきましては、立体的な装飾や燃え上がる炎に似た形に特徴があり、日本文化の源流である縄文文化を象徴するものであるとして、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの聖火台のデザインとして採用されるよう、新潟県及び十日町市から要望書をいただきました。  なお、十日町市は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを契機に、地域活性化に資するため、同博物館を縄文文化等の発信拠点として新しく整備し、二〇一九年の開館を目指すとのことでございます。  以上が調査の概要でありますが、新潟県及び十日町市からの要望書につきましては、それぞれ本日の会議録の末尾に掲載していただきますよう委員長のお取り計らいをお願い申し上げます。  最後に、今回の調査に当たり、お世話になった関係者の方々に厚く御礼を申し上げまして、報告を終わります。  以上です。
  15. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) ありがとうございました。  以上で派遣委員報告は終わりました。  なお、ただいまの報告の中で要請のございました新潟県及び十日町市からの要望書につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十七分散会