○江口克彦君 確かに人手が必要な大規模産業というか、いわゆる統一規格のそういう製品を大量に生産する、人手が要るという時代はこれは終わったと思うんですね。しかし、それは、幸いなことに人口が減ってきているわけですから、ちょうど私としてはタイミングがいいだろうと。それに、
大臣が今おっしゃったロボットとか、これがもう異常に発達するというふうに私は、
日本では、思っているわけですけれども、そういう観点からしても、一次産業、三次産業じゃなくて、そういう新しい技術というようなことも
大臣としては御自分として
考えておられるということでしたけれども。
しかし、
大臣がいつも口にされるいわゆる地方からの手挙げ方式というのは、そういう高度な技術ということになってくると思い付かないという面が私はあるというふうに思うんですね。なかなか、例えば九州に行って講演をしたりすると、BNCTなんて全然知らないということですよ。それから、北海道に行って、私のプライベートスクールがありますけれども、そこへ行ってMRJと言ったって何言ってるのという感じですからね。
ですから、そういうようなことを
考えると、やっぱり地方の方からあれやこれやということで、私はこの地方創生については短期と長期を
考えなきゃいけないと思うんですよ。短期はすぐに
効果が現れるもの、そういう意味においては必要なことだと思うんですね。だから、例えばプレミアム商品券だとか、結婚を取り持った仲人に五万円の報奨金とか、四十歳以下の移住者にポイントカードを配布するとか、ふるさと納税を促進するとかというようなことも、短期的に見ればこれはこれでカンフル剤として
効果があると思うんです。
だけど、これが永続化するかどうかということは、過去もう二十年、三十年私見てきた限りにおいては、ほとんど長続きしていないんですね。
一つのアイデアとしては面白い、面白いけれども、しかしそれはそれで一過性のものになって、結局は今の
日本になってしまう。そういう意味では、長期的なものも地方創生の中に組み入れていただくということも
考えていかなければならないのではないか。そのためには、短期的なものは、地方が自ら
考え自ら行うことが大事と先ほど言われましたけど、それはできると思うんですよ。だけど、長期的な、
日本全体を元気にするということになってくると、やっぱりこういうものがありますよと。
BNCTなんということは九州辺りの人は知らないわけですね。MRJといったって北海道の人は知らないわけですよ、当然のことながらね。それはそれで、その
地域の、その場所場所の人は知っていますよ。取り組んでいるところは知っていますよね。それから、痛くない針なんかも、あれなんかもありますでしょう。だから、そういうようなところは、だけど、その一か所だけじゃなくて、
全国各
地域地域にそういうものを分散させて、大量に世界に輸出する、供出していくというようなそういうことを
考えていかないと、いわゆる地方創生というものが私はまたぞろ一過性に終わってしまうんじゃないか。ふるさと納税なんというのは、これどうなんですかねというふうに思うわけですよ。それから、また箱物で公文書館を造るとかというようなことをやっておられるところもあるわけですけれども。
そういう意味では、
大臣の方から、例えば長期的なアイデアとしてはこういうものがあるよ、こういうふうなものをおたくの地方には
考えてもいいよねという提案は、例えば鳥取にBNCT造るだけで、これはアジアからのメディカルツーリズムが起こるわけですよね。それを一基置く、あるいはまた二基置くというだけで、一基三十億ですから、だからそれを三基置くというだけで、百億以内で鳥取はBNCTの。だけど、BNCT三基だけでは
日本全体、世界に間に合わないわけですから、そうすると
全国に五十基置くとか、それだけじゃなくて海外にも輸出するとかというような、そういうようなことを
大臣が、言ってみれば、昔、井戸がかたかたかたかた出なくなると、誘い水というのがあったんですね。それで、水をバケツに入れて、それで井戸の水がうまく揚がってくるというような、そういう仕掛けでそういうようなことをやっていたわけですけれども、これは地方創生でも同じことだと思うんですよ。
だから、手を挙げろ手を挙げろといったって、
大臣、これ、こういう大きなアイデアというものを地方に手を挙げろ挙げろといっても、アイデアすらも浮かばない。と同時に、今、急に地方が
考えて、地方が手を挙げて、地方が提案しなさい、地方でやりなさい。これはちょっと、中央集権という国柄で、いつもいつも国が、あれをやりなさい、これをやりなさい、これをやりなさい、あれをやりなさい、こうした方がいいですよ、ああした方がいいですよといってずっと今までやってきた。やってきた中で急に、要するに、国がピッチャー、いわゆるマウンドに立ってボールを投げていたわけですよ。地方はキャッチャーで、座ってボールを受けていたばっかりですよ、ほとんどね。そういうような
状況であったところに、急にキャッチャーだったおまえがピッチャーでマウンドに立ってボールを投げろといったって、それはちょっとかわいそうだという気がするわけですよ。
だから、そういう意味においては、やっぱり
大臣からの、
日本の一次産業も三次産業もだけれども、二次産業というか、これからの新しい事業というのは、技術というのはいっぱい
日本は抱えているわけですから、だから、そういうようなものを地方に、例えば例えば例えばということで、
大臣、もしおまえ回ってこいというんだったら私回ってきますよ。
是非そういう、一次産業、三次産業という発想だけじゃなく、そして、新しいこれからの
日本がいっぱい持っている
日本独特の技術というようなもの、それに基づいて起こされる事業によって
日本を長期的に活性化させることができるんだというような、そういうお
考えを
是非持っていただきたいなということで、これはもう御提案ということでお話をさせていただきます。
それから、そういう意味で、長期的に
日本を発展させるということですけれども、地方を百年元気にする地方創生案、百年地方を元気にする地方創生案というような、そういうキャッチフレーズというようなもので、もっと地方が元気になるような、そういう具体的な案を次々に立てていく必要が私はあるんじゃないか。
そういう意味で、前々から申し上げていますけど、
大臣は私の本をお読みいただいているということですからお分かりになると思いますけれども、ポリセントリック構想というのはあるわけですよ。要するに、多極の、多数の拠点を地方につくっていくという構想。そういう意味で、やっぱり一か所だけを繁栄、発展させるということ、そのブロックの一か所だけじゃなくてブロック全体を特色を持った拠点づくりをしていくというような、そういうポリセントリック構想というようなものもやっぱりこの地方創生の中に取り入れていかないと、本当に地方は大変ですよね。
この間も私、秋田の大館市に行きました。もうほとんどシャッターで閉まっていますよね。私は三十年前に、鳥取市の、前のあそこに大きな書店さんがありましたよね。物すごく鳥取の駅前というのは大変なにぎわいだったわけですよ。たくさんの人たちが歩いて、いかにもこの町は発展しているな、鳥取あるいはまた米子も発展しているなというような思いでしたけれども、だけれども、それは今、地方は泣いていますよ。
先生方は、みんな地方から出てきているわけですよ。地方の
方々から選ばれて、やっぱり選挙区は地方なんですよ。ということは、
日本の国というものが、地方の力によって、総合力によって
日本が成り立っていくんだということをもっともっと真剣に
考えていただいて、
大臣だけじゃなくて
国会議員全員の
方々が、一人一人がもっと地方の活性化ということに力を入れるというか、そういう思いというものを持っていただきたいというふうに私は強く思っています。
それともう
一つ、最後ですけど、
本社機能を移転すると
減税措置があるというようなことになりましたけれども、これは私の経験から、
本社機能って、本社を移したり
本社機能を移したりするというのは非常に難しいんですよ、なかなか経営的に難しい。そういう意味で、工場とか支社とか、あるいはまた支店を新設するということに対して減免
措置を取った方が会社は分散しやすいんですね。そういう意味で、ブランチ移転
推進策みたいなものをお
考えいただけないかということを御質問して、終わらせていただきます。