○山本
太郎君 ありがとうございます。
国交省から出たのは、何というんですか、公営の住宅を用意しているよというお話ですけれども、所得の少ない若者がそこに入るというのは結構ハードルの高いことになっているんじゃないですかね。結構、ある程度の年齢を満たしていたりとかということをクリアする基準というのが若者向けには作られていないという現状があると思います。一方、
厚生労働省から出たお話なんですけれども、例えば、生活保護基準、だから住宅扶助ですよね、生活保護の、という
部分だけれども、これは手当てされる人たちは、対象は保護された人々ですから、だから、それには当たらないのかなと思うんですね。
もう一つ出た生活困窮者自立支援法の住居
確保給付金、この前身というのは住宅支援給付金ですよね、内容はそのままスライドしている
状況だと、内容はほぼ同じなんだよと。このタイプの給付金の今までの支給決定件数は、延長決定分を含んでも、二〇〇九年十月から二〇一四年三月までの間で十五万四千四百九十三件ほどなんですね。第二のセーフティーネットと呼ぶにはちょっと規模が小さいのかなとも思います。しかも、対象者は離職者のみ。ワーキングプア、就労経験のない無業者、長期の離職者を対象とはしていないと。家賃補助を受けられる期間は原則三か月。敷金、礼金、用意できるわけないですもんね。敷金、礼金、
社会福祉協議会からの貸付金、つまりは借金になると。
社会福祉協議会の
審査に落ちてしまうという人もいると。事実上機能している住宅手当に該当するものは、先ほど言われていました生活保護の住宅扶助のみとなってしまうと。でも、その人たちは、保護基準、保護対象者に対する施策ですから、言ってみればそのような住宅手当というものがほぼ存在していないというのが現実なのかなと思います。
皆さんのお手元にお配りしました一枚紙、この資料の表一というところを見ていただけますとよく分かると思います。大分大学の准教授川田菜穂子先生の著書からいただいたものですけれども、海外の若者世帯、二十五歳から三十四歳の公的住宅手当の受給率について、イギリス、フランス、スウェーデン、フィンランドは住宅手当の受給率が高くなっている。特に、フランスとフィンランドでは若者世帯の受給率が全世帯の受給率を上回っており、若者を積極的に支援している様子がうかがえるんです。
続いての表二を御覧ください。同じく大分大学の川田菜穂子先生の著書からの資料です。若者の世帯形成の
状況と出生率を表したものです。先ほど表一でお示しした住宅手当の受給率が高くなっている国は、同じ若者世帯、二十五歳から三十四歳でも独立した世帯を形成、つまり親元から独立できた人の割合は高く、合計出生率も高くなっていると。例えば、イタリア、スペインなど住宅手当の受給率の低い国や、日本などの若者の住宅手当などほぼ存在しない国は独立した世帯を形成できた人の割合は低いと。つまり、親元から独立できない人が多く、合計出生率も低くなっている。若者に対する住宅手当での支援は、若者の世帯形成を促進し、出生率にも大きく影響を与えていることが読み取れると思います。
少子化を
改善する方法として、イギリス、フランス、フィンランド、スウェーデンなど出生率が上がっている国は、住宅手当や住宅政策を充実させ、若年層に子づくりしやすい、家族を形成する気になる
効果的な政策を国が先頭に立って打ち出し、結果を出していると言えるんじゃないでしょうか。
少子化対策というのなら、やはり掛け声だけではなく、まずやらなければならないことの一つが若者への住宅手当や住宅政策であることは、世界を見ても明らかではないでしょうか。
二〇一〇年、我が国の国勢
調査報告では、日本の公営住宅は四・二%、公社、URが一・八%。これ、
社会住宅に相当する割合、足してたったの六%だと。しかも、公社、URの物件は、低所得者向けとしての前提では造られていませんもんね。実質、低所得者向けは公営住宅のみだよと。その公営住宅でも若者世帯を受け入れる体制があるとは言えません。
海外で言われる
社会住宅に当たるものの数、我が国では現状で十分なんでしょうか、不十分なんでしょうか。