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松沢成文君 次世代の党の
松沢成文でございます。
まずもって、
提案者の
皆さん、お疲れさまでございます。
皆さんが党を代表してすばらしい
法案をまとめていただきました。私
たちも
プロジェクトチームから参加をさせていただいているので、この十八歳に
選挙権年齢を下げるという公選法の改正案、もう当然ながら賛成の立場で
議論をさせていただきたいと思います。
これまで、同僚
先輩議員から、この新しい
制度の在り方や運営についてかなり具体的な
質問も出ておりました。私は、何人かの先生方も
議題にしていましたけれども、
選挙権年齢を下げることによって、その成果を上げるためには、やはり若い
人たちの
政治への参加が促されたと、
投票率もそんなにひどいものじゃなかったという形をつくらないといけないというふうに思っているんです。
そのためには、
皆さん御
指摘していましたように、
政治参加
教育が極めて重要であるということで、今日は私、知事時代の経験もありますので、この
政治参加
教育の在り方についてのちょっと新しい提言をさせていただきたいと思いますので、ずっと提言で私しゃべりますから、最後にちょっと
質問しますけれども、よろしくお願いいたします。
実は、先週のこの
委員会にも神奈川県の
教育委員会の
教育長が招かれて、神奈川県ではこういうやり方で、特に県立
高校における
模擬投票を実践していますという報告があったというふうに思います。桐谷
教育長は今の
教育長ですから、この
制度を導入するときの様々な混乱とか難しさというのは経験がないわけなんですが、実はこれ、神奈川県の
教育委員会が進めた政策というよりも、極めてそのときの知事であった私がかなり積極的にというか、見方を変えればかなり強引につくり上げた
制度なんですね。ですから、この
制度をつくり上げたときの様々な
議論や混乱についてちょっと紹介させていただきたいというふうに思うんです。
私は、知事になって、いろんな
選挙が行われるたびに、この
投票率の低さというのはどうしたものかと嘆いておりました。特に二十代、三十代、若い
皆さんの
投票率が低い、もうこのままだと
日本の民主
政治というのはどんどんどんどんおかしくなってしまうんじゃないかという危機感を持っていました。そこで、
学校の中で
政治参加
教育を座学で教えても、これほとんどいい影響ないだ
ろうと、むしろ実践的な
教育をしなきゃいけないということで、二つの取組をしたんですね、
政治参加
教育で。
一つは、ハイスクール
議会というのをやりました。
日本青年会議所と連携して、神奈川県内のこれは公立も私立もです、各
高校から一人ずつ
高校生県
議会議員を選んでもらうんですね。その各
学校から選ばれた
高校生県会議員が夏休み二日間、県庁に来て、全ての議場を使って、本会議場から
委員会室を使って、
高校生が
考える神奈川県の課題についてまずテーマを決めて、テーマが決まったら各
委員会で具体的に
議論をしてきて、最後、本会議をやって、その本会議の代表
質問は私が全て
答弁するという、こういうルールで
高校生たちに
政治参加というか、特に県
議会とか県政に関心を持ってもらうための実践的な仕組みをつくったんです。
もう一つが、県立
高校における
模擬投票を実施すると。この
模擬投票も、いろんな
選挙があるわけですね、例えばクラス
委員を選ぶのも
選挙でやっている、こういう体験もいいじゃないかというのもあったんですが、これはあくまでも本物の
選挙で、公職
選挙で、実践的な環境の中で教えていかないと臨場感が湧かないと思って、いろいろありましたけれども、三年に一回必ず
選挙が行われる
参議院の
選挙を選んで、そして、全ての
高校生が三年間は
高校にいますから、必ず一年か二年か三年のどこかで
参議院の
選挙を題材に
政治制度を勉強して、政党のマニフェストや
選挙公報も勉強して、そしてそれを、
議論を闘わせて自分の
考えをまとめて
投票すると。その
投票箱も
選挙管理
委員会に借りて、本物の
投票箱、本物に似た
投票用紙で、全て本物に近い形で
選挙に参加するその重要性を学んでもらおうということでやったんですね。
今になってみると、神奈川県も全国から視察が来ているみたいです。すごい先進的な
制度で、この十八歳
選挙権もできたので、これに向けてどんどんうちの自治体でもやりたいから、どんなふうにやっているのか視察したいということなんでしょうね。
ただ、これを導入するときには大変な混乱がありました。まず、これ
教育委員会にリードしてもらわなきゃいけないので、私は
教育委員長を始め全ての
教育委員と何度か懇談をして、私の
考えを伝えました。
教育委員の
皆さんがようやく
理解いただいて、なるほど、知事の
考えも分かる、
教育委員会でできるかどうか
検討してみましょう、推進してみましょうということになったんですね。でも、私はかなりお願いというか条件付けていましたので、本物の
選挙ですよと、本物にちゃんと準じた形でやらないと、
生徒会の
選挙の練習じゃ駄目ですよと、こういうことでやってもらったんです。
そうしますと、今度、
選挙管理
委員会が騒ぎ始めるんですね。そんなことをやったら
公職選挙法の違反になるんじゃないかと、
公職選挙法には人気
投票の禁止というのがあって、それに抵触するようなことになったらどうするんだということで、
選挙管理
委員会は最初は反対一色でした。特に、
選挙管理
委員会は、
議会の議員さん
たちのOBが何人か入っておられますので、そういう政党の
考え方も受けて、そんなことできるわけないだ
ろうという
議論が強かったんですね。
さあ、今度は
学校現場です。
学校現場だと、まず校長会、校長先生
たちにまず御
理解いただけるか。校長先生
たちは、下の先生方からいろんな
意見が上がってきます。そして、上には
教育委員会がいて、中間管理職で上から下から様々なことを言われて、どうしても事なかれ主義になっちゃうんですね。自分のリーダーシップで何かやってみて、それが失敗したら上からも下からも突き上げ食らったり叱られたりしちゃう。だから、校長会も最初は相当慎重でした、何度も私、交渉しましたけれども。それから、教職員組合も様々な
議論がありました。
さらに、神奈川全体でボトムアップするとしたら私立の
学校にもお願いしなきゃいけないということで、私、私学の
皆さんとも
話合いをしました。私学は建学の精神も尊重しなきゃいけないので、その
教育内容について県知事が、幾ら私学助成をしているからといっても、ああだこうだと言うのはちょっと行き過ぎだという
意見もあって、様々苦労いたしました。
事ほどさように、例えば実践的な
政治参加
教育をや
ろうといっても、
地方の様々な主体が様々な
考えで、こんなことできるわけないだ
ろう、これは
法律に触れるんじゃないか、あるいはうちの団体ではこれだけ反対があるからそんなこと勝手にやっちゃ困るよ、こういう
意見が噴出するんですね。この調整で、説得するのに私、二年間ぐらい掛かったと思います。でも、どうにか
皆さんをまとめて、実践的な公職
選挙における
模擬投票制度というのをつくり上げたんですね。
湘南台
高校という
高校があって、この
高校がかなり先行的に実験的にやっていましたので、この
高校がやって、そんなに問題は起きていないよということで、全
高校でやれないかということでやったんです。
さあ、何を言いたいかというと、今後、
政治参加
教育を国も、
文科省、
総務省、やる
ガイドラインを作っていきましょうよ。あるいは
文科省の方では
学習指導要領にもそういうものをきちっと今後組み込んでいきましょうよ。そして、できれば
地方自治体の
教育委員会に主導でやってほしいという思いもあるんでしょう、やっぱり
教育の実践は
地方分権でありますから。あるいは民間の団体、NPO団体だとか私学も含めてこれはやってほしいとなる。でも、そう簡単ではないと思うんですね。
そこで、私は、今日
皆さんに
提案したいのは、この
政治参加
教育の推進のための推進法という
法律を作っていった方がいいというふうに、私は自分の経験からお訴えをしたいと思うんです。
あくまでも主体は、これは
地方自治体なり、あるいは
地方自治体と民間が組んでそれぞれの
地方の特色に合わせたものを進めていくべきだと思いますが、今私が申し上げたように、
地方自治体にも様々な
意見がある。これは首長さんや
教育委員長の
考え方にもよりますし、あるいはいろんな校長会の
意見、教職員組合の
意見、様々出てきますので、積極的にやるところとやらないところ、うまくいっているところといっていないところ、これ様々これから出てくると思いますよ。
そうなる
可能性も強いので、私は、やはり
教育は
地方分権であるべきだと思いますが、国が方針を示した方がいいと思うんです。十八歳
選挙権もやる、しっかりと
政治参加
教育を国挙げてやっていかなきゃいけない、それにはこういう
方向がいいだ
ろう、方針を出すべきだと思うんですね。ですから推進法なんです。
ここに私、ちょっと要綱のような形で私の案を作ってきたので今日
皆さんにお配りしていますが、目的はこういうものですよ、あるいは基本理念はこういうものですよ、国や
地方自治体の役割はこうしましょう、あるいは国民、民間団体の責務はこういうふうにしましょう、財政的にもできるところは応援しましょう。それから基本方針として、国も基本方針を文科相、
総務大臣の下で定めていきましょう、それから
地方自治体も同時に基本方針を作っていきましょう。
次のページで、基本的施策には、
学校においてはこういうことができますね、
大学においてもこういうことをできたらやってもらいましょう、
政治参加
教育の機会の提供、あるいは民間の団体に対する支援、情報の収集、こういうことをしっかりと方針として打ち出す。
最後は、その推進母体として
政治参加
教育推進会議、
文科省の下に置いて、専門家の
皆さんあるいは
関係者の
皆さんが集まって、大臣は諮問をして答申をしていただけるような組織をつく
ろう、
地方にもそれぞれ、これは都道府県単位がいいと思うんですけれども、
政治参加
教育の推進の地域協
議会というのもつくってもらおうと。
こういう推進法をしっかり作って、それを基にやっていかないと、私は、先ほど言ったように、
地方でそれぞれの
考え方で、やれるところはかなり進むでしょうし、やれないところは様々な困難も招くと思うんですね。
そこで、済みません、もうあと四分しかないので、こういう
政治参加
教育を推進するに当たって、やはり国が推進法を作って、その下で
地方や民間団体が連携して
地方で進めていただける、その方が
地方も安心するんですね、国がや
ろうという方針を出してもらったということで。これがないと神奈川県のようになります。かなりいろんな
意見で混乱して、賛成、反対、異論、反論、オブジェクションで、結局、
教育委員会が断念をしてしまうということもあり得るんですね。
そういうこの
政治参加
教育推進法を
是非とも私はこの
法案に併せて作っていくべきだというふうに
考えているんですが、もし、済みません、今日時間があれなんで、四大政党の
皆さんに、自民、民主、公明、維新の
皆さんに、こういう
法案をここでみんなで合意ができたら、これ議員立法で作っていけるわけですね。私は
地方も安心すると思います。そういうことで、この
政治参加推進法のような
法案を作っていくことに対してそれぞれの
提案者の
皆さんの御
意見をいただきたいし、もし可能であれば共同で取り組んでいただいてこの
委員会で審議していただければ、もう牧山
委員長は推進派ですから、神奈川県も随分応援してくれましたので、
委員長の御助力もいただけると思っていますので、済みません、あと二分ですが、よろしくお願いします。