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参考人(
原田謙介君) NPO
法人YouthCreate代表の
原田謙介といいます。よろしく
お願いします。
皆さんのお
手元に一枚
資料を配らせていただいていますので、そちらを御覧になりながら聞いていただければなと思っています。
実は、今日僕はここで話をできてすごくうれしくて、元々僕がこういう
政治に関する活動をやるようになった
きっかけは、今日も議場にいらっしゃいますが、江田五月
議員のところで、大学に入った後に、とある
きっかけからインターンをさせていただいて、江田
議員の下、あるいはこの良識の府である
参議院の中で
政治ということをいろいろ学ばせていただきました。その中で、僕の問題意識としては、もう今日
議論になっていますが、
若者がなぜ
投票に行かないのか、あるいは
若者がもっと
政治に関わってくれるにはどうすることができるのか、それを僕が
若者の立場として何かできないかという活動を学生の頃から、そして今はNPO法人という立場でやっております。どうぞよろしく
お願いします。
今日、皆さんにお配りしているレジュメのタイトルとして、「下から目線で
若者の力を
社会に活かすための
選挙権年齢引き下げに」ということを書かせていただきました。
十八歳
選挙権の実現というのは、十八歳、十九歳が初めて
投票できるようになる、十代の人が
投票に行くことになるということで、もちろん
一つかなり大きな変化なのですが、それだけにとどめるのは余りにももったいないと思っています。この十八歳、十九歳が
投票に行けるという
きっかけ、そこを転機に、
日本は、
若者の力をもっと
社会に生かしているんだ、あるいは
若者がしっかり大人として育っていくためにどんどんどんどんいろんなことをやっていくんだと、そのような国に変わっていかなければならないのかなと思っています。
もう皆さんも御存じのとおり、あるいはいろんなところで
議論をされていますように、人口減少、少子高齢化というのは
日本では
世界の中でもトップクラスで、ある意味心配をされている、どうするのかということを求められている国です。そこに対応するいろんなやり方はあると思いますが、その中の
一つとして、今後
日本を背負っていく、今後
日本をつくっていく若い人をどう早いうちに
政治あるいは町のことに巻き込むかということをいろいろ考えなければならないのかなと考えています。
もちろん、
選挙というものは
一つの民主主義の大事なタイミングでありますので、そこに対して
投票に行く、そこに対して
投票に行くだけではなくて
投票したことを責任持ってその後の
政治を追っていくということはもちろん必要ですが、
選挙だけが民主主義の場で、
有権者が、あるいは
市民が参画をできる場所ではありません。
そういう意味では、もちろん
選挙のときに何か、
選挙にどうやったら行ってもらうのか考えるのもそうですけれども、同時に、
選挙以外の場でも、どうやったら若い人がもっともっと
政治に関わる、あるいは
政治の方から若い人にどういう
意見を伝える、そういうことのやり方もどんどんどんどん考えなければいけないとは思っています。例えばいろんな政府関係の
委員会、あるいは各自治体の
委員会のようなところにもっともっと若い人の声を、若い人の
政策に関わるものであれば、直接もう、じゃ実際の二十代を呼んでもいい、あるいは実際の二十代ではなくても、今日の
参考人にもいらっしゃるように、例えば
高校生と触れている人を
高校生に関する
議論の中には常に絶対に入れると、そのようなもっともっと仕組みをつくらなければならないと思っています。
というのは、今の若い人が
投票に行かない理由の
一つとしてかなり大きいものは、どうせ僕らが
投票に行ったって数が少ないから上の世代には勝てないだろう、若い人の
意見は発したところで通らないんじゃないかと、そう思っていて、結局
投票に行かない若い人というのはかなりいます。なので、もちろん
投票権を引き下げると同時に、それ以外の場所でも、それ以外のやり方でも、もっともっと若い人に
政治に参画してくれ、若い人の声を
政治も求めているんだということをいろんな形で発信をする必要があるのかなと思っています。
先ほどの
松山市選管の事例では、
投票所を大学内に置いたという場所の利便性、あるいは
選挙コンシェルジュによっていろんな仕掛けをしたという利便性もあると同時に、行政の人が
日本で初めて大学に期日前
投票所を置くぐらい僕ら大学生のことを気にしてくれているんだと、そう思った大学生も少なからずいるはずなので、そうやってそれだけ向いてくれるのであれば、
若者のことを
関心を持ってくれるのであれば、じゃ、
若者としても
政治あるいは
選挙というところに
関心を持つかというような流れになると思っています。
また、
若者の声ということは、
一つ若者という層として、民主主義の中の多様な
意見の
一つの
若者だということの認識も必要かなと思っています。民主主義がやっぱり活性化をしていって民主主義の
社会が成り立っている理由の
一つとしては、数の多さ少なさ、あるいはその他いろんな条件にかかわらずいろんな層の声を
政治が捉えるんだと、いろんな多種多様な層が
政治に参画する、あるいは
政治に声を上げることによって
社会全体として成り立っていく、そのようなことが民主主義の
一つの鍵かなと思っています。なので、決して例えば
若者の数が少ないから今回
投票権を
若者にあげたんだというところにとどまらず、別に、結果として今は少ないんですが、多い少ない関係なく、
日本は
若者の声を、多様な層の
一つとしての
若者の声をもっと聞くんだというような発信が必要かなと僕は考えています。
僕は、学生時代を含めて、今のNPOを含めて何年か、若い人と
政治をつなぐために何ができるかということをいろいろ考えて実践をしてきました。今日は、その実践、経験の中で考えている三つの対応ということを
お話をさせてください。
一つ目は、
学校の
現場での対応だと思っています。もうこれは今までの三名の
参考人の方がいろいろおっしゃっている部分があるので、僕はそれ以外の
視点から
学校での
参加ということを考えてみたいと思います。
もちろん、
高校三年生が
投票に行けるようになるので、
高校での
政治教育などをどう進めていくかも重要なんですが、同時に、改めて
教育制度というものを考えなきゃいけないときに、義務
教育という必ず
国民が受ける
教育というのは中学三年生までです。もちろん、
高校に行く人もいれば行かない人だっています。あるいは
高校だって、
工業高校、商業
高校、あるいはいろんな専門
学校によってカリキュラムが若干変わったりもします。なので、改めて考えなければいけないのは、
高校での
政治教育ももちろんなんですが、義務
教育である中学三年生までの間に、この中学三年生の間に何ができるのかということも改めて考えなければならないのかなと思っています。
いろんな報道あるいはいろんな
意見を見ても、
高校での
教育という話はよく見るのですが、今はやはり中学三年生のいわゆる例えば公民という科目の中で何をするのかというような話がまだ余り見られないのかなと思っていますので、そちらに関しても、
是非、引き続き
議論が進めばいいかなと思っています。
もう
一つは、大学生です。これはもう
竹村参考人と近いものがあるんですが、全大学生が
投票に行けるようになります、十八歳以上なので。じゃ、大学の中で何をやるのか、あるいは大学のカリキュラムとして何かできないか、そういうことをどんどんどんどん考えていく必要があるのかなと思っています。
その辺りのことも含めて、
教育は
高校生だけではないということをまず
一つお伝えをできればなと思っています。
教育の中での二つ目です。
今、話の中では、やっぱりいわゆる
政治をどう学んでいくのか、あるいは
有権者としてのどういう考えを持っていくのかということが中心に
議論をされていますが、実は、
政治というのは
学校の中にだってあるわけです。例えば、
生徒会長を決める
選挙があると。今かなりのところで形骸化をしているような状況もあるんですが、そこをやり直して、本当に
生徒会長に立
候補した人同士がきちんとマニフェストを打ち立てて、そこに対して
議論をやって、じゃ、その
選挙の下に受かった、
生徒会長になった
生徒会長は
学校側とちゃんと
生徒としての
意見をぶつける場があるというような、
高校生なり中学生なりの身近な
自分たちの
社会が
投票あるいは
自分たちのリーダーによって変わるという体験も少し考える必要があるのかなと思っています。
そして同時に、
学校の
授業以外の場所ですね。
学校にいる時間は、学生の皆さんは
授業だけを受けているわけではありません。昼休みという時間があったり、あるいは休み時間という時間とかもあります。やっぱりそういうタイミングではざっくばらんにいろんな話をできるので、
授業の中で
政治の話をとどめずに、
授業が終わった後、友達同士でも
政治の話を引き続きする、あるいは今日あった
授業のことを振り返れるような仕掛けづくりというものも必要かなと考えています。
二つ目、家庭での話について話をさせていただきます。
今、もちろん二十代を中心に若い人の
投票率が低いという話も出ていますが、皆さんも御存じのとおり、全世代の
投票率が下がっているのが近年の傾向です。例えば、去年の衆議院
選挙において、四十歳代前半の人までは
投票率が五〇%を切っています。何が言いたいかというと、実は、
高校生あるいは中学生ぐらいの親も余り
投票に行っていないんじゃないかと。
そこで、その四十代あるいは三十代の人に直接アプローチをするのが無理だとしても、うまく
学校教育の中を通じて子供から親に
政治の話が波及するような、子供が
きっかけで家庭の中で
政治の話が生まれる、そういうような仕組みも必要かなと思っています。これはすごくやりやすくて、実際やってはいるんですが、僕
たちもこういう
政治に関する
授業とかをやったときの最後に、皆さんのお父さん、お母さんは
選挙に行っています、絶対行っています、なので、その話を
是非してくださいと。行っているかどうかは分からないんですが、正直、ただ、子供から、お父さん、
選挙行っているのと言われれば、それは行っていると言わなければいけないと思いますし、行かざるを得ない、そういう状況をつくればいいかなと思っています。
また、もちろん
学校の中での
教育というのは絶対に中立というのは必ず必要です。ただ、何かの
議論をするとき、何かのテーマについて扱うときに、中立から
議論が起こることというのは僕は少ないと思っています。
議論の発端としては、私はAなんだと。それに対してほかの人が、いや、俺はBだ、いや、Cだという
議論が行われると思っています。なので、家庭というのはまた
学校の中立での
教育とは違って、何か例えば、お父さんの意思をもっと、お父さんはAだけれども、息子よ、Bか、どうだみたいな、そういう
議論が起こってもいいかなと考えています。
三つ目ですね、地域の話に最後をさせてください。
今日、国会の
参議院の場所なので国政の
関心が高いかと思いますが、先日の四月にあった統一地方
選挙の
投票率を見てもお分かりのように、地方の
政治、地域の
政治に対する
関心あるいは
理解というのがすごく低くなっているような気がします。
これは今年の四月にある大学生から実際に言われた言葉なんですが、
原田さん、東京には地方
議員っていないんですよねと言われました。何が言いたいか。地方を地域ではなくて、東京と地方だと何となく彼女は思っていたと。何か東京でも
選挙あるって言っているけど、地方じゃないから東京は地方
議員選挙ないけど、何かやっている、あれは何だと。これは
一つ極端な例かもしれませんが、それぐらい
自分の本当は身近なはずの町の
政治あるいは町の
議員、町の行政というところに
関心がないのが少し問題かなと思っています。
ただ、町の
政治について
関心を持ってもらえば、これは実は国会で
議論をされている話よりも、
高校生あるいは大学生ぐらいだとどんどんどんどん
関心を持っていきます。なぜなら、それは
自分事として考えられるから。例えば、今国会で
議論をされている安保の話あるいはTPPの話その他もろもろについては、少し遠い話だと。大事なのは分かるが遠い。でも、何か
自分の住んでいる町の
議会を見たら、駅前の再開発をどうするんだという話がされていたと、例えばですね。そうしたら、学生なりに、いや、駅前にもっともっと例えば食べ物が食べれる場所が増えてほしいというような
議論になるかもしれない。実は、それは、学生が
政治として捉えていなくて日々の感覚の中で捉えていることが、全く同じ内容、同じ
争点について
議会でも話されているわけです。そうすると、
政治という遠いもの、固いものではなくて、ああ、
自分たちの
社会の中にある、
自分たちの生活とつながっているものなんだということを感じることができるのかなと思っています。
また、
学校教育の中は、先生という存在がありますが、基本的には同世代と話せる場だと思っています。家庭での
教育の中というのは、お父さん、お母さんと子供が話す場。本当はもっともっといろんな多様な人と
政治の話をすればいいと思っていますので、地域の場に出て、何か地域の世代を超えたいろんな
人たち、あるいはいろんな職業の
人たちとその町のことを話す、
政治のことを話さなくて大丈夫、その町のことを話すことによって、それが徐々に徐々に
政治につながっていくんじゃないかなと僕は考えています。
最後に、このレジュメのタイトルにありますように、下から目線で
是非若者を巻き込んでいただきたいかなと思っています。
杉浦先生の発表にもありましたとおり、別に若い人は、十八歳、十九歳は
選挙権を求めてはいません、決して。それなのに、例えばですけど、極端な例で言いますが、あなた
たちに十八歳、十九歳で
選挙に行ける
権利をあげたんだ、
権利をせっかくあげたんだから当然
投票に行くべきだというようなことには絶対にしてほしくないかなと思っています。そうではなくて、
政治全体あるいは大人世代あるいは
社会全体として、もっともっと
若者の力が欲しいんだ、
若者に今後の
日本を担ってほしいんだ、なので
是非政治に
関心を持ってほしい、
投票に来てほしいというような発信の仕方を持っていく必要があるのかなと思っています。
でも、実際に十八歳
選挙権になれば、すごく大きな、
若者と
政治に関わる七十年ぶりの一番の変化だと思っています。僕
たちNPOもそうですし、あるいは皆さん、
議員個人個人、あるいは
政党、いろんな立場でもっともっと若い人に
自分たちのことに
関心を持ってほしい、
政治に
関心を持ってほしいと思っている人はすごくいるはずです。恐らくですが、思っているほどまだアクションはできていないんじゃないかなと思っています。なので、せっかくこれを機なので、もうそこはがんがんやってしまおうよと。
社会全体として、がらっと
若者を
政治に巻き込むため、僕らであれば中立な立場でやりますし、例えば皆さんであれば、皆さんの掲げている
政策をちゃんと訴えて、その
政策に
若者の
関心を寄せてもらう、そのような仕掛けがもっともっと増えていけばいいかなと思っています。
決して
若者は
政治に興味がないわけではないですし、
自分の将来あるいは
社会のことにそこまで興味がないわけでもありません。なので、
是非是非、若い人の力をもっともっと引き出すには、力を引き出すにはどうすればいいかという観点で、この十八歳
選挙権の
法案もそうですし、今後の
選挙あるいは
政治に関わることも進んでいけばいいかなと思っています。
以上で僕の
発言を終わりにします。ありがとうございました。