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大門実紀史君 大門です。
今日は、福井県の越前市にあります武生信用金庫の不正融資問題、並びにその不正融資を公益通報して不当解雇に遭った職員の方の問題を取り上げます。
この問題は、今資料をお配りしておりますけれども、地元では大変大きな問題になっておりますが、ただ、これは一地方の一信用金庫の問題として片付けられない根の深い問題がございますし、全国どこでも起こり得る問題であります。
一つは、公益通報者の保護ですね。この
委員会で第一生命の公益通報者の問題は取り上げてきましたけれど、そういう問題があるということと、もう一つは、地方の
財務局と地方の経済界あるいは信用金庫、信組等の癒着、その独特のワールドがあるんですけれども、闇の世界といいますか、そういう重大な問題が数多く含まれている問題であります。大変ボリュームのある問題でありますので、今日は第一回ということで、これからシリーズで取り上げていきたいと思いますけれども。
まず簡単に言いますと、資料一に時間経過、そして二に新聞記事を配りましたけれども、まず武生信用金庫という信用金庫は、僅か五人の零細な造り酒屋に、その五人の従業員というのは、二人が信金からの出向者ですから、三人の従業員の造り酒屋というと、そんなの体を成しているのかなと。私の本家も造り酒屋ですけれど、そんな三人ぐらいで造り酒屋ってあるのかなと思いますけれども、とにかくそういうところに十五億円も不正融資をして、結果的に返ってこなかったわけですけれども。
その信用金庫の中で、やっぱり真面目に頑張っている人いっぱいいるわけですから、その中で心ある職員がこれはおかしいと、うちの信用金庫おかしいということで北陸
財務局に通報されたんですよね、これ不正融資じゃないかということで。ところが、
財務局は無視をし続けました。なおかつ、もう一つ言えば、その職員の通報だけじゃなくて、職員が
財務局に行っても全然
財務局聞いてもくれないものですから、福井行政評価事務所に言われて、福井行政評価事務所から
財務局に通報されたと。それでも北陸
財務局は動きませんでした。無視をしました。その間に、この造り酒屋の迂回融資が更に始まって、何と金利が〇・一%と、まあ
考えられないですよね、普通三、四パーですよね、情実融資をしていて。そういうことがあったんですけれど、地元紙に大きく取り上げられたことをきっかけに表面化していくわけです。
取り上げられたので、最初公益通報された違う職員の方が、この方も真面目な方で、やっぱりおかしいということで信金の中でも問いただしたんですけど、経営者側は答えないということで、公益通報のために、これは正当な行為なんですけれど、公益通報としては、信金内の情報にアクセスをしたんですね。そうしたら、それを理由に、不正アクセスだということで、この職員、もう一人の方も含めて懲戒解雇にしてしまうというようなことがあったわけであります。
その前に、二〇一二年の九月から十二月、北陸
財務局は
金融検査に入っております。これは、九月三日から十二月二十六日ですから異例の長さですよね、四か月近い。こんな長い検査をやることは普通ありませんが、入って、異常な貸出条件にあると、あるいは迂回融資ということは把握していながら何の処分もしなかったわけであります。それで、職員の方々は刑事告発をするということ等々されて懲戒解雇されるわけですけれども、その後、武生信金の中でも、武生信金としても不正融資を後で二〇一四年になって認めるというようなことがあって、この三月にはこの造り酒屋は自己破産を申請して、十五億の融資のほとんどの部分が焦げ付いたままということになって、一言加えれば、
財務局主導で今は信金中金に資本要請をして、まあ何かうやむやのうちに解決しようとしているようなことになっていると、これが今の経過でありますけれども。
問題の核心は、もちろんこの十五億の融資がどこに消えたのかと。これは地元の大物の関与とかあるいは政治家は関与していないかとかいろんな数々の疑惑はあるわけですけれども、ただこれは、背任なども含めて、司法や
警察の対応あるいは裁判の推移を見るしかない部分もあるかと思うんです。
国会の仕事は何か、この
委員会のただすべき点は何かというと、北陸
財務局の対応であります。
一つは通報を無視したことなんですけれども、この時系列にありますのは、これはそれぞれ確定的な証拠があることなんですけれども、最初に二〇〇〇年の段階で通報された、全部で三回通報されております。あと、福井行政事務所からも
財務局に通報しておりますけれども、北陸
財務局はこういう通報を、今
金融庁にちょっといろいろ聞いてもらっているんですけれども、事実はないということにしているんでしょうか。いかがでしょうか。