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藤巻健史君 非常に納得いくお答えで、まあこれ以上はあれなんですけれども。
私がちょっと申し上げたかったのは、ギリシャは確かにデフォルトする可能性があるんですよ、正直に言って、理論的に言って。なぜかというと、
政府のお財布が空っぽになっちゃう。なぜかというと、ギリシャの中央銀行はギリシャ
政府に
お金を供給できないんです。なぜかというと、ユーロというのはヨーロッパ中央銀行しか刷れませんから、ギリシャ中央銀行、ギリシャ銀行は
お金を持っていないわけですよ。ところが、もしギリシャが、これをやっちゃうと、あしたきっとギリシャはもうとんでもないことになっちゃうと思いますけれども、ギリシャがユーロから離脱した場合には、これは、ギリシャ中央銀行がギリシャ
政府に
お金差し上げられるんですよ、
日銀と同じように。要するに、ギリシャがユーロから離脱するということは、自分で紙幣を刷れるようになるということなんです、ドラクマという紙幣を。だからこそ、ギリシャはデフォルトのリスクがなくなるんですよ。
ということは、何を申し上げたいかというと、ギリシャよりも
日本の方が対GDP比債務大きいですよ、
状況は悪いんですよ。だけど、ギリシャと
日本の違いというのは、ギリシャは自分たちの国で紙幣を刷って
政府に渡せない、銀行が。
日本は
日銀が幾らでも国債を買って紙幣を引き渡せる。こういう違いなので、だからこそ私は、そんなに楽観視していいものかなと。ギリシャだって、離脱すればあしたから破綻はしなくなるんです、きっと物すごいハイパー
インフレになっちゃうと思いますけど。と思うので、このギリシャを他山の石として、
財政再建には本当に一生懸命やっていかないと本当にやばいよということだけは申し上げておきたいなというふうに思っております。
次に、もう
税金の方を話しまして、私は本当の保守でございますので、相続税についてちょっとお聞きしたいと思っております。
変な顔をされていらっしゃいますけど、私、
金融政策についても、保守だからこそ従来の伝統的
金融政策をするべきだ、マイナス金利、ゼロになって駄目だったらマイナスにするべきだと、これはもう二十年間の持論で、量的緩和という非伝統的なのは余りにも革新的過ぎて駄目だと申し上げているだけだったんですね。そういうことからいっても、
金融政策については私は極めて保守的な人間だと思っておりますが。
次に、相続税についてお聞きしたいんですが。
私、次男が大学に受かったときに家族でモルディブへ行ったんですけど、モルディブって、御存じだと思いますけど、一つの島に一つずつホテルがあるんですね。そこの従業員に聞いた話、ちょっと仲よくなって聞いていたんですけど、その従業員というのは、あそこはイスラム国なんですけれども、一年に一遍しか親がいる島へ戻れない。イスラム国ですから、お酒は飲めない、島に女性はいないというような
状況だったんですよね。でも、私の感じるところは、みんな平等なんですよ。貧しく、格差はなかったんです。問題は、モルディブを訪れている
日本人とか欧米人との間にむちゃくちゃな格差があったわけですね。
ということで、基本的には私は、やっぱりある程度、格差是正だけが問題じゃなくて、全ては国力をきちんと上げなくちゃ、そちらの方が先決だよということがあります。
ですから、そういう面でいうと、相続税の話をすると、とかく富裕層、金持ち優遇だとか言われるんですけど、そうじゃなくて、相続税というのはやっぱり国全体の国力にも影響するんじゃないかなと思っておりますので、ちょっとここで聞かせていただきたいと思います。
〔
委員長退席、理事若林健太君着席〕
相続税なんですけれども、オーストラリアとかカナダ、スイス、シンガポール、ニュージーランドのように相続税がない国、多いですね。それから、社会主義国と言われている、それで富裕層がもう一億人を超えているという中国もないわけです。かつ、アメリカも数年間なくしましたよね。二〇一一年に再度相続税を、遺産税ですか、遺産税を再度導入しましたけれども、あれ、非
課税枠というのは一千万ドルですよ、子供二人だと。要するに、十二億円まで無税なわけですね。これはあれが入っていますから、
インフレになっていくともっと、十二億円が十三億円になっていっちゃうわけですね。
というぐらいに、相続税なくしたり減税している国というのが世の中の、世界の潮流であって、
日本みたいに増税して、しかも法定相続人二人だと三千万プラス六百万掛ける二人の四千二百万という、そこから
課税している国なんというのは世界で、特に先進国では極めてまれなんですよね。
私は、よく昔の部下の外国人、私は米銀に勤めておりましたから、部下の外国人に聞きますと、彼らが言うには、
日本は典型的な社会主義国家とよく言うんですけれども、私は、なぜあなた方の国は相続税をなくしているのかと聞いたらば、相続税とは極めて社会主義的な性質の強い
税金だからというふうにいつもおっしゃるわけですよ。
まずお聞きしたいのは、
日本はなぜ諸外国の潮流に反して増税に向かっているのか、なぜ相続税を取っているのか、その辺からまずお聞きしたいと思うんです。