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2015-03-31 第189回国会 参議院 災害対策特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年三月三十一日(火曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  三月三十日     辞任         補欠選任      柘植 芳文君     高橋 克法君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         秋野 公造君     理 事                 古賀友一郎君                 松下 新平君                 野田 国義君                 山本 博司君     委 員                 磯崎 仁彦君                 高野光二郎君                 高橋 克法君                 長峯  誠君                 羽生田 俊君                 馬場 成志君                 舞立 昇治君                 吉川ゆうみ君                 大島九州男君                 大野 元裕君                 那谷屋正義君                 水岡 俊一君                 東   徹君                 仁比 聡平君                 田中  茂君    衆議院議員        災害対策特別委        員長       梶山 弘志君    国務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣防災)        )        山谷えり子君    副大臣        内閣府副大臣   赤澤 亮正君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        松本 洋平君    事務局側        常任委員会専門        員        田中 利幸君    政府参考人        内閣府政策統括        官        日原 洋文君        総務大臣官房総        括審議官     武井 俊幸君        総務大臣官房審        議官       橋本 嘉一君        消防庁国民保護        ・防災部長    室田 哲男君        外務大臣官房参        事官       水越 英明君        文部科学大臣官        房審議官     徳田 正一君        文部科学大臣官        房審議官     磯谷 桂介君        文部科学大臣官        房審議官     芦立  訓君        文部科学大臣官        房文教施設企画        部長       関  靖直君        厚生労働大臣官        房審議官     福島 靖正君        厚生労働大臣官        房審議官     谷内  繁君        農林水産省農村        振興局整備部長  室本 隆司君        林野庁森林整備        部長       本郷 浩二君        国土交通大臣官        房審議官     杉藤  崇君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        池内 幸司君        国土交通省道路        局長       深澤 淳志君        観光庁観光地域        振興部長     吉田 雅彦君        気象庁長官    西出 則武君        気象庁地震火山        部長       関田 康雄君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○災害対策樹立に関する調査  (第三回国連防災世界会議に関する件)  (阿蘇山降灰対策に関する件)  (火山監視観測体制強化に関する件)  (災害時における医療支援に関する件)  (庁舎、災害拠点病院等地震津波対策に関す  る件)  (地震財特法に基づく地震対策緊急整備事業に  関する件)  (津波避難対策施設に係る安全確保体制整備  に関する件) ○地震防災対策強化地域における地震対策緊急整  備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法  律の一部を改正する法律案衆議院提出)     ─────────────
  2. 秋野公造

    委員長秋野公造君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、柘植芳文君が委員を辞任され、その補欠として高橋克法君が選任されました。     ─────────────
  3. 秋野公造

    委員長秋野公造君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  災害対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府政策統括官日原洋文君外十八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 秋野公造

    委員長秋野公造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 秋野公造

    委員長秋野公造君) 災害対策樹立に関する調査議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 馬場成志

    馬場成志君 どうも皆様、お疲れでございます。自由民主党熊本県選挙区の馬場でございます。  まず、去る三月十四日から十八日まで仙台において開催されました第三回国連防災世界会議無事閉会をいたしました。第一回、第二回に続き、この度も日本で開催するとともに、我が国ホスト国も務め、大臣は議長をお務めになられたということで、大変お疲れでございました。  今回の会議及び成果文書の評価について、また防災における高い知識を有する我が国の今後の取組について、まず大臣お尋ねいたしたいと思います。
  7. 山谷えり子

    国務大臣山谷えり子君) 第三回国連防災世界会議には、百八十七か国、二十五名の首脳を含む百名以上の閣僚関連事業を含めますと、当初四万人ぐらいかと思っていたんですが、延べ約十五万人以上の参加がありまして、日本で開催された国連関係国際会議で過去最大級というふうになりました。都市化やグローバリゼーションが進む中で災害リスクが増大していく、そのような中で事前防災被害最小化取組世界の関心が高まっていることの表れだと感じております。  会議で採択されました仙台防災枠組、これは今後十五年間における世界取組を示したものであり、我が国が推進している防災主流化、より良い復興、そして多様な主体の参画という三つの柱を共有して、災害による死者数削減など七つの目標を定めております。こうした具体的な目標世界が共有して、期限を示して各国取組を求めるということは初めてのことでありまして、大きな成果です。今年九月に国連採択予定国際開発目標、ポスト二〇一五年開発アジェンダなどに災害リスク削減などを明確に位置付けるための有効な後押しになります。  また、会議では、安倍総理防災分野における国際社会への貢献策として仙台防災協力イニシアティブを発表し、今後四年間で計四十億ドルの資金協力と四万人の人材育成を表明し、日本の知見と技術世界と共有する方針を打ち出しました。私も、この機会を捉えまして、各国関係閣僚等と積極的に会談し、国際協力の在り方などについて意見交換を行うとともに、東日本大震災被災地におけるスタディーツアーへの参加をお勧めし、復興現状災害に強い体制づくりなどを御覧いただくことができました。  幾多の自然災害を経験し、高い技術力を有する我が国、この分野で更に国際社会に貢献し、リーダーシップを発揮していく責務があり、引き続き世界防災主流化のために政府一丸となって努めてまいりたいと考えております。
  8. 馬場成志

    馬場成志君 ありがとうございました。第二回の兵庫県に続き、特に地震被災地である場所で行われたということも、今回の議題にもありますが、重要なことだというふうに思いますので、リーダーシップをしっかりと取っていただきますように、また期待をさせていただきたいと思います。  そういったことでありますが、今日は、先日の委員会において松下理事から派遣報告もしていただきましたけれども、熊本阿蘇を見ていただきました。本当にありがとうございました。私も地元の一人として同行させていただいたわけでありますが、そのことに関して少しお尋ねをさせていただきたいというふうに思っています。  同行いただいた役所の皆さんも、既に熊本宮崎両県の自治体とも連携を取っていただいていると、様子を見させていただきまして、地元も様々な不安を抱える中で国がしっかりと対応をしていただけるという幾らかの安心感を持ったというふうに思っております。  前もって申し上げますと、ほかの降灰地域と比べて大きな被害があるということではありません。逆に、ほかの地域からすればその程度ですかと言われることもあるかもしれません。しかし、阿蘇観光地でありますから、一時的に観光客の見合せが相次いだときは心配もいたしました。阿蘇はどの産業も観光関連が深いわけでありますから、大きな痛手になります。今は地元関係部局、国では特に観光庁などの協力もいただいておりまして、これからシーズンに向けて頑張っております。苦労されている農家や住民の皆さんも、暮らしている自分たちは大変だけれども、観光にはふだんよりダイナミックな阿蘇を見れるのは今がチャンスですというようなことを言っていただいています。また、世界農業遺産世界ジオパークに登録されました大自然を、派遣でおいでができなかった委員先生方も是非とも観光にお出かけをいただきたいというふうに思っておるところであります。  とはいえ、一方で、二十年ぶりの噴火ということもありまして、県民の日常経験した状況とは異なります。この先どう推移していくか分からないまま、ああなったらどうしようか、こうなったらどう対策を打つべきだろうか、経費はどれくらい掛かるんだろうといった多くの不安を抱えております。  細々とした質問になるかと思いますし、これまでも何度か別の機会説明いただいていることもあるかと思いますが、確認の意味も込めて質問をさせていただきます。  まず、国土交通省お尋ねをいたします。現在も降灰が続く中で、道路降灰除去対策が必要となりますが、降灰被害の大きい阿蘇高森町においては、高森町と国土交通省九州地方整備局との間で締結されました大規模災害時の応援に関する協定に基づき、昨年十二月に道路降灰除去を依頼し、三日で百五十トンの除去を行っています。これは大変お世話になりました。これからどれくらい続くのか分かりませんので、これから先が心配をしているところであります。  市町村が実施する降灰除去事業について、国の補助制度及び支援対策についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
  9. 池内幸司

    政府参考人池内幸司君) お答え申し上げます。  市町村道における降灰除去につきましては、活動火山対策特別措置法等に基づきまして、年間を通じて二回以上降灰がある場合で、かつ国土交通省に届け出た観測地点降灰量が一平方メートル当たり千グラム以上あれば、年間に要した降灰除去費用の二分の一を国が補助することができます。また、降灰量が一平方メートル当たり二千五百グラム以上となった場合には、三分の二に補助率がかさ上げされます。さらに、基準要件緩和といたしまして、十二月末までの降灰量が一平方メートル当たり千グラムに達しない場合には、翌年の一月分の降灰量をこれに加えることができるとしております。  また、支援策といたしましては、鹿児島県の桜島の事例といたしまして、歩道の降灰除去に伴う巻き上げ粉じんを低減するために、降灰除去車両への散水ノズルの追加やかき上げ能力を向上させる技術開発を行いまして、鹿児島市や垂水市への技術支援を行っております。  国土交通省といたしましては、今後とも、降灰状況に応じ、各市町村に対して適切に支援を行ってまいりたいと考えております。
  10. 馬場成志

    馬場成志君 ありがとうございました。  ただいま降灰除去について基準紹介をいただきましたけれども、制度が活用できるかどうかの不安というものが実はあるんですよね。  事前お尋ねした中では、降灰除去が必要な地域において、千グラムや二千グラムといった基準に達しないというようなケースはほとんど考える必要はないだろうというふうに思っておりますが、ただ、それに達したら使える、達しなければ使えないというような感覚で、達してからスタートするのかというような勘違いも含めた捉え方があります。これはもう、極端に言えば、一月一日から降って、それが本当に除去しなきゃいかぬというときはもう作業を始めていいということですよね。確認させてください。
  11. 池内幸司

    政府参考人池内幸司君) 説明をさせていただきます。  降灰除去事業は、降灰量採択基準に達した場合には、採択基準に達する前に実施したものも含めて、その年の一月から十二月までに実施した降灰除去費用補助対象となります。
  12. 馬場成志

    馬場成志君 ありがとうございました。厚みにすれば一センチとか二センチとかいう捉え方、実はよく考えてみると一ミリ、二ミリ、数ミリの単位だというふうに思いますので、本当に除去しなきゃいかぬというような状況になったときはもう既に達しておるというようなことがしっかり伝わっていない部分がありますので、改めて確認させていただきました。  また、先ほど九州地方整備局から高森町へ路面清掃車貸与が行われているということを紹介をさせていただきましたけれども、恒常的に降灰のない地域においては、道路降灰除去が行える路面清掃車散水車などを自前で保有しておくことは財政的に困難であります。このため、機材を国で保有しておいて、火山降灰のあった地域に提供する仕組みなどをあらかじめつくっておくことも必要であるというふうに思いますが、今後の活発化に備え十分な台数が確保されているのか、国土交通省お尋ねします。
  13. 深澤淳志

    政府参考人深澤淳志君) お答え申し上げます。  道路に積もった灰を除去することは、道路交通の安全を確保するだけではなくて、地域社会経済活動を支える上で大変重要な課題だと考えております。  これまでも国土交通省は、鹿児島県の桜島宮崎県の新燃岳等火山活動に対して、市町村に対し路面清掃車散水車等貸与等を行っております。今回の阿蘇山噴火におきましても、平成二十六年十二月二十六日より熊本高森町に対しまして、災害支援協定に基づき、職員派遣及び路面清掃車一台の貸与を行ったところであります。  今後、阿蘇山噴火活動が更に活発になった場合は、自治体からの要請を踏まえ、九州地方整備局の保有する路面清掃車二十五台、さらには、必要な場合には近隣の地方整備局から車両を集め支援する予定でございます。  以上です。
  14. 馬場成志

    馬場成志君 それをお聞きしますと少し安心を、少しというか、十分台数というのはあるなというふうに思います。また、オペレーターの問題でありますとか、その辺はもうクリアしていただいているんだろうというふうに思いますので、また何かのときは対応をよろしくお願い申し上げます。  また、今日は文部科学省厚生労働省にも来ていただいておりますが、先ほどの道路以外に更に室内への降灰侵入というものを防止するために、幼稚園や学校あるいは福祉医療施設などにおいて空調設備整備改修費補助など、また水泳授業のためのプールクリーナー等購入費や、採択要件緩和についても必要というふうに考えておりますが、ただ、これもどれぐらいの今要件の厳しい状況なのかというようなことをお尋ねすれば様子が分かる部分もあると思いますので、ここでお尋ねしたいというふうに思います。文部科学省厚生労働省、併せてお願いしたいと思います。
  15. 関靖直

    政府参考人関靖直君) 学校降灰対策についてでありますが、教育活動を円滑に行うため、文部科学省におきましては、活動火山対策特別法に基づく降灰防除地域内の公立学校施設につきまして、学校施設環境改善交付金降灰防除費用といたしまして、降灰による支障を防止し、又は軽減するために必要な防じんのための窓に設けられる戸、窓枠空調設備整備に対しまして、二分の一の国庫補助を行っております。  具体的にこの降灰防除地域といたしまして、現在、内閣総理大臣指定阿蘇市、産山村、高森町、南阿蘇村が指定をされているわけですが、文部科学省といたしましては、熊本教育委員会とも連携を取りながら、関係地方公共団体からの相談に応じるとともに、具体的な整備計画を踏まえまして必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
  16. 谷内繁

    政府参考人谷内繁君) お答えいたします。  議員御指摘の降灰地域に所在します社会福祉施設等に対する換気設備整備窓枠改良工事につきましては、これまでも社会福祉施設等施設整備費補助金などの様々な施設に対する各補助制度対象としているところでございます。  引き続き、大規模降灰に備えるための支援に努めてまいりたいと考えております。
  17. 芦立訓

    政府参考人芦立訓君) プールクリーナーについての御質問にお答え申し上げます。  公益財団法人日本学校保健会におきまして、活動火山対策特別措置法に基づく降灰防除地域に所在する義務教育学校に対してプールクリーナー貸与するという事業を行っておりまして、文部科学省ではこれに対して補助を行っているところでございます。プールクリーナー貸与を希望する場合には、学校保健会担当者申請を行った都道府県、市区町村教育委員会に赴きまして、火山活動状況現状を踏まえて各学校必要性確認した上でプールクリーナー貸与することになっているところでございます。  文部科学省といたしましては、プールクリーナー貸与してほしいという申請がございますれば、これは降灰量確認をした上で、公益財団法人日本学校保健会協議の上、適切に対応してまいりたいと、かように考えているところでございます。
  18. 馬場成志

    馬場成志君 続けて質問をさせていただきますが、東日本大震災を契機といたしまして、県域を越えた大規模災害が発生した場合の広域的な災害対応必要性が認識されています。済みません、質問通告の順番が大分変わっておりますので、これは大臣質問をさせていただきたいと思います。  国が発表した南海トラフ地震被害想定でも、九州においては太平洋岸の大分、宮崎鹿児島に甚大な被害が発生することが判明いたしました。このような中、熊本県では、地理的に九州の中央に位置すること、大規模災害対応中心的役割を担う陸上自衛隊西部方面総監部が駐屯していること、災害医療の実績が豊富な日赤熊本県支部が存在することなど、災害対応を行う上で多くのポテンシャルがあることから、昨年、熊本県は、九州全体の安全を支えるとの気概を持ち、九州を支える広域防災拠点構想を策定しております。この構想に基づき、県単独予算約二十億円を費やして阿蘇くまもと空港隣接地防災駐機場整備するなど、先導的に防災拠点機能強化に努めております。私としては取組を高く評価しているところでありますが、そこで、国として熊本県の取組をどう評価されているのか。  また、平成二十六年度、内閣府では、南海トラフ地震が発生した際の九州における現地対策本部設置場所候補となる施設調査検討を進めていると伺っております。これは昨年も予算委員会お尋ねしたところでありますけれども、その選定の見通しについて併せて山谷防災担当大臣お尋ねいたします。
  19. 山谷えり子

    国務大臣山谷えり子君) 日本災害が多い国であり、災害がいつどこで起きるか分からない中で、熊本県が九州を支える広域防災拠点構想として広域防災拠点整備に率先して取り組まれていることは大変重要なことであり、敬意を表します。  また、南海トラフ地震が起こった場合の九州地方における国の現地対策本部設置場所につきましては、国の合同庁舎を中心に、候補となる施設に対して、現地対策本部としての立地条件建物性能の観点から調査を行っております。具体的には、国、県等関係機関との連携情報収集のしやすさ、被災地へのアクセス、建物について、活動スペースの広さ、耐震性能、非常用電源整備状況等について一月から二月にかけてヒアリング及び現地調査を行っており、現在内容の取りまとめ及び検討を行っているところであります。  いずれにせよ、具体的な現地対策本部設置場所については、調査結果を踏まえつつ、国及び地方関係機関と相談しながら確保してまいりたいと考えております。
  20. 馬場成志

    馬場成志君 ありがとうございました。しっかりと進めていただきたいと思います。  幾つも予定しておりましたが、時間の関係で終わらせていただきますが、農林水産業についても治山対策についても質問予定しておりました。何しろ、最初に申し上げましたように慣れていない地域なものですから、いろんなこと、もう本当に心配が先に立っております。そういったことの中で、今政府地域、しっかりと連携取っていただいていますので安心していますが、これからが本番ということになってこようかというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  21. 羽生田俊

    羽生田俊君 自由民主党羽生田でございます。今日は質問機会をいただきまして、ありがとうございます。  今日の委員会想定されることが分かってかどうか、政府発表というのが今日の新聞にどかっと、南海トラフに対しての政策が発表されたということで、これを見ますと、私も余り質問することがなくなってしまうんですけれども、三日以内に十四万人の派遣をするというような壮大な計画をお立てのようでございますけれども、私、立場上、災害医療というものを中心にお伺いをさせていただきたいというところでございますけれども。  実は、皆さん御存じのように、阪神淡路大震災の教訓を得て、大震災の翌年でしたか、DMATという、これは地域にある災害拠点病院中心災害対策医療チームをつくって派遣をするということができまして、その次にそれが動いたのが四年前の東日本大震災でございました。結果的には、災害医療チームというのは救急医療救急災害医療というものを中心に動くために、東日本の場合には津波によるいろいろな影響があったということで、現実に救急医療を必要とした方は非常に少なかったというのが現状でございますけれども、今回、南海トラフということを考えたときには、阪神淡路大震災プラス東日本大震災という、それももっと範囲を拡大して起こるという危険があるということで、いろいろと準備をしておかなければいけないというふうに思っております。  私、日本医師会に長くおりましたので、日本医師会といたしましては、DMATが一応二日間ということで想定をされている、その後に、いわゆるその後の慢性期医療といいますか、被災地等での救護所等での医療というものを想定したために、JMATという、これ日本医師会災害医療チームというものでございますけれども、そういったものを立ち上げまして、結果的に今でも地域によって続いているという状況でございまして、今年の二月の末の集計で、結果的に二千五百八十四チーム延べ一万一千四百二十四名という方がこのJMATという形で出動をしていただいたと。このうちの半分は医師ということでございまして、そういったことを続けておるわけです。  もう一つは、被災者健康支援連絡協議会、これは関係医療団体プラス各省庁の方に入っていただいてこういった協議会をつくって、それぞれの資格所持者がどういう対応をしたかと、それによって、その後、それについての反省を含めてずっと協議をしてまいりまして、そういったことも私、事務局長としてやらせていただいたということでございます。  最近、四年たちましたので、多少復興ということも徐々に整備をされてきているわけでございますけれども、先日、相馬市の市長、私、友人なものですからちょっとお話をしましたけれども、相馬市は、医師である市長ということもあるので、いわゆる災害の住宅の中での孤立死、孤独死というものは絶対起こさないぞという信念で、それをどうやったら防げるかということで、一日一回みんなで食事をするとか、あるいはいろいろな日用品をリヤカーで各戸訪問して販売をする、その方がそれぞれの家に行ったときにどんな状況であるかということを報告するというような制度をやられて、いわゆる仮設住宅でなくて半永久的に住めるような住宅をこの間四百十戸完成させたということでございますけれども、取りあえず孤独死はゼロということであるということを報告を受けまして、非常に良かったなというふうに感じたところでございます。  先ほども申し上げました被災者健康支援連絡協議会の中でいろいろと議論をしたときに、やはり発生してからの時間の経過ということによって必要な支援というものがどんどん変わっていくということが実際にございまして、これはもう初めはもちろん救急災害医療というものが必要になるわけですけれども、その後にはやはり慢性的なものに対するものであるとか、あるいはメンタルヘルスであるとか、そういったものへの対応ということもできてくるということでございます。  ただ、各経過の時点を通じても一番大切なのは、情報の把握と皆様方の共有ということが非常に大切でございまして、これをいかにしっかりとつくっていくかということが災害医療対策における成功に絡んでくるもとであるというふうにも考えているところでございます。  そこで、質問をさせていただきますけれども、まず、情報通信の確保、救援の確保ということが非常に大事なんですけれども、例えば物資を持っていくにしても、物資、不足しているのは何か、あるいは交通手段はどのようにして行くのか、あるいは避難所の衛生状況等々によって救援物資も変わってくるわけですけれども、こういったことの速やかな情報と把握、そして共有というものが大事であるというふうに思っておるところでございます。  まず、被災を受けた県などは災害対策本部を立てるわけですけれども、その中で医療関係団体も当然代表として入るわけですが、そのほかに、警察、消防、自衛隊等々、こういう方たちとも情報を共有して体制整備の構築というものをきちっとしていかなければいけないということでございまして、これは内閣の参考人でお答えをいただければ結構ですけれども、その点をどのようにお考えか、お知らせいただきたいと思います。
  22. 日原洋文

    政府参考人日原洋文君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、大規模災害の発生時に一人でも多くの命を救うためには、消防、警察、自衛隊の部隊による捜索、救急活動とそして医療機関との連携というのは大変重要だというふうに考えております。  このため、平成二十四年三月に厚生労働省から通達が出されておりまして、司令塔となる都道府県の災害対策本部の中に、DMATの受入れ、活動調整を行うDMATの都道府県調整本部、それから、今お話のございましたJMATなどその他の医療機関の調整を行います派遣調整本部というものをそれぞれ設けまして、それぞれの相互連携を図ると同時に、警察、消防、自衛隊などのリエゾンとの密接な連携を図ることによりまして一体的に関わっていきたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。
  23. 羽生田俊

    羽生田俊君 ありがとうございます。  情報というのは、本当に情報だけで結果を左右してしまうということになるので、是非その点十分に御配慮いただきたいというふうに思います。  今回の東日本大震災の、先ほどちょっと阪神・淡路とは違うということを申し上げましたけれども、何といっても津波被害というものが大きかったわけでございまして、そのために、いわゆる救急救命処置よりも、むしろ被災、避難をされた方々への内科的処置や感染症への対策、あるいは、お年寄り方は、慌てて逃げたものですから、ふだん飲んでいる薬も持たずに逃げてしまったということで、この点が大変なことになったわけでございまして、そういった点にも対応しなければいけなかったということがございます。  ただ、これは大変不幸な話で、話すのも非常に恐縮するところでございますけれども、実は、DMATの方々も救急医療がなくて何をしてきたかという中で、検案業務というものが非常に多かった。それは、検案というのは、津波でどうしても、亡くなられた方々の検案をして、そして検案書を作り、それで埋葬許可を得て埋葬ができるという順序になっているものですから、この検案業務というのがとても現地の医師だけでは足りなくて、DMAT救急医療で行ったにもかかわらずこの検案業務にも携わっていただいたというのが現状でございました。  そういう中で、検案業務ができる医師というのは非常に限られておりまして、これを広げなければいけないということで各地の医師会でも講習会をやって、検案業務とは何かと、検案と検視との違いすら分からないわけでございまして、そういったことから始めて、検案の業務というものはどういうことをするのだということまでしっかりと研修をしている最中であるということでございます。  そういった中におきまして、この講習会がされておりますけれども、高齢者が仮設住宅や介護福祉施設などで長期にわたって避難生活を強いられているということが、災害救助法の中でこの避難生活というものがどのように位置付けられているかというのが、ちょっと読んでもなかなか位置付けがはっきりしないところもあるんですけれども、そういったことにも十分配慮いただきたいというふうに思います。  そういったものも含めまして、それから、物資の輸送であるとか人員的な輸送であるとか、そういうことを考えたときに、実は今、国でも考えているようでもありますし、実は兵庫県医師会が国交省と連携をして取り組んでいるのに、民間船舶を活用した福祉避難所船というものを、そういった構想計画している。これは、船というのは、輸送力も大きいし、避難所としても十分使えるし、いわゆる医療機関という立場でも使えるし、それから、何といっても災害のときに一番困るのは透析の患者さんなんですね。これ、水を大量に使いますし、透析をするためのベッドも必要になる。これに、船舶を利用したときにはそれが非常に役に立つというのも分かっておりまして、先日は、東京湾で「はくおう」という大きな、一万七千トン級の船でございますけれども、実は私も一緒に見に行ったのでございますが、そういった訓練を兼ねてやったことがございまして、これから先にも、今病院船という話もございますけれども、むしろこういった民間の船舶を利用して行う方が非常にいろいろと役に立つことがあるのではないかなというふうに考えているところでございます。  船舶の中で、やはり今度は医療が必要になってくるというときに、港に入港したけれども、その地域の医者だけでは十分足りないということも十分考えられるわけで、そのときには、先ほど言ったDMATであるとかJMATであるとか、こういった方々の、医師というものあるいは医療関係者をしっかりとその船の中で使っていただくということも大変必要になるのではないかなという点でございますけれども、民間船舶ということを今後国としてどのように進めるかという点で是非大臣のお考えをお聞かせいただければというふうに思います。お願いいたします。
  24. 山谷えり子

    国務大臣山谷えり子君) 海からのアプローチによる医療機能の提供は、大規模災害時における医療機能を拡充し多様化を図るという観点から、その位置付け等について検討を行っているところであります。  具体的には、平成二十五年度、六年度において、関係省庁と連携し、海上自衛艦及び民間フェリーを活用して、船への患者搬送や船内での医療資機材の展開、模擬診療といった実証訓練を行い、有識者等に点検をしていただいたところであります。今後、引き続き実証訓練を行うとともに、これまでの検証結果等を踏まえ、海からの医療機能提供の在り方、必要な医療資機材等についてしっかりと取りまとめを行いたいと考えております。  なお、JMATを含め各医療機関との連携については、これらの検証を踏まえて厚生労働省関係省庁と検討してまいりたいと考えております。
  25. 羽生田俊

    羽生田俊君 ありがとうございます。  是非、非常に船舶はいろいろな意味で役に立つというふうに思っておりますので、その辺を是非検討を進めていただきたいというふうに思っております。  それからまた、東日本のときでございますけれども、実は我々からチームを組んで現地に行っていただいたJMATが、なかなか、警察庁にお願いをし、通行許可証を各地域の警察から出してもらって行ってもらうということにしたんですけれども、十分にその指令が全国に伝わっていなかったということで、途中で止められて通行できなかったというような例もございました。  それからまた、ガソリンを入れるというのも、一般の方々ももうガソリンがない状態で並んでいるという中で、救急車、警察車両というものは優先的に入れるということができたのですけれども、そういった点で、災害医療で来たにもかかわらず、ガソリンが足りなくなってしまうというような事態も起きたということで、その辺の指令といいますか、そういったものをしっかりとやっていただきたいなというふうに思います。  それから、実は、薬が足りないというのは被災地医師会から十分情報が入りましたので、実は医薬品の問屋さんにお願いをして、駒込にあります日医会館のフロアに七トンの薬が集まりました。最初は宅急便で持っていこうかと思ったんですが、高速道路も通行止めでございますから、自衛隊をお願いしたところ、自衛隊にははっきりと断られました。そのときに、たまたまハーバードに行っていた方が日本に来ていたものですから、アメリカの司令官とお友達であるということで、直接司令官の方に頼みまして、結果的に米軍が薬を運んでくれたということになりまして、アメリカでいうトモダチ作戦の第一号であったというふうに思うんですけれども。  そういったことで、薬を現地に届けることができたんですけれども、実は集まった薬が、現地に行っている先生方にしては使ったことがない薬、あるいは今話題になっているジェネリックという薬が非常に多かったために何の薬か分からないんですね。ところが、このJMATでお願いした中に薬剤師会の方がチームにみんな入っていただいたために、薬剤師会の薬剤師の方が仕分を全部してくれて、劇薬や何かの管理もきっちりとしてくれたということで大変助かったというようなことがございましたけれども。  そういった中で、薬あるいは保険材料というものが非常に足りないということが起きまして、こういった物資をしっかりとつくっていくためにも、あるいはそれを搬送するためにも、関連した法の整備が必要ではないかというふうにずっと思っているところでございまして、その辺の法整備について、連携を取れるというようなことについて、是非御意見をお聞かせいただきたいと思いますけれども、政府参考人の方でよろしくお願いします。
  26. 日原洋文

    政府参考人日原洋文君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、東日本大震災のときには医療関係者がなかなか現地にたどり着けないとか、様々な課題が御指摘のとおりでございます。これを踏まえまして、今回幾つかの改善を図っております。  一つは、今回の南海トラフの具体計画の中におきまして、あらかじめ定めました陸路、空路等の参集拠点におきまして、そういった医療対象とするロジスティックチームというものを配置して、そのロジスティックチームにおきまして、交通手段、物資、燃料、通信手段の確保、ルート情報の提供等を行いまして、DMATあるいはJMATが迅速に被災地に移動できるような体制というものを組んでおります。  また、平成二十四年三月には警察庁におきまして、先ほどの緊急通行路についての、通行についての通達を流しまして、医師医療関係車両、あるいは医薬品や医療機器の通行輸送車両につきましては、事前車両を登録していただくことによりまして自由に通行できるというような仕組みも設けているところでございます。  また、ガソリンが足りないといけないということもございますので、先ほども申しました参集拠点につきましては、特に高速道路のSA、PAが使われることが多いものですから、そこのガソリンスタンドは燃料が切れることがないように、これは燃料輸送の方の供給ということで対応することとしております。  あと、法制度の必要ということにつきましては、厚生労働省とよく相談しながら検討してまいりたいというふうに思います。  以上でございます。
  27. 羽生田俊

    羽生田俊君 ありがとうございます。  是非、連携を取れた形で、またその情報が全国各地にきっちりと行って、それがしっかりと稼働するという体制を是非つくっていただきたいということでお願いしたいと思います。  続きまして、実はやはりこれも情報の一環なんですけれども、実はJAXAと日本医師会と契約書を取り交わしまして、超高速インターネット衛星「きずな」という、今実験衛星ですけれども、これが上がっているので、これを使っての全国各地とのテレビ会議システムを稼働させて、いざというときのための訓練をしているということでございまして、非常に映像もきれいに出たり、音声もよく出て、非常にいい会議用のシステムができるということが実証されたのでございますけれども、いかんせん、今の衛星はもう実験衛星で、耐用期限二十五年までというものだったものを延長して使っているという状況であると同時に、現地までパラボラアンテナを運んでセットしなければならない、これにはやはりプロの腕が必要なんですね。素人がやったのでは全くできないわけで、そういったことで、災害が起きたときにそれを一々運んでというのは全く無理な話でございます。  今回、聞くところによりますと、新しい次世代の衛星を打ち上げるということも聞くんですけれども、まだそれも完全に打ち上げるというふうに決まっていないという話も聞きまして、非常に心配しているところなんですけれども、こういった非常に使いやすい人工衛星というものが必要であると同時に、現地でそれを受けるアンテナを含めた機材、これも非常に運びやすいもの、そして素人でもセットができるというようなところまでもお考えいただいた上で、こういった整備をしていただければ大変有り難いというふうに思うところでございまして、その点につきまして、やはりこれは総務省ですかね、参考人の方にお聞かせいただければというふうに思います。
  28. 武井俊幸

    政府参考人(武井俊幸君) お答え申し上げます。  先生御指摘のように、衛星通信、これは災害時に非常に有効な通信手段でございまして、地上の通信インフラが利用困難なときに非常にうまく機能するものというふうに思っております。東日本大震災の際におきましても、現地の災害対策本部の通信手段、あるいは被災地派遣されました東京消防庁や自衛隊の通信手段といたしまして、JAXAあるいは私ども所管の情報通信研究機構、NICTの方から提供いたしました超高速インターネット衛星「きずな」の地球局がいろいろ活用いただいたというところでございます。  また、先生御指摘いただきましたように、東日本大震災の教訓を基にした通信訓練ということもJAXA、NICT、医療関係者の共同で行っておりまして、衛星を使った通信訓練というものをこれまで実施してきております。  やっぱり、こうした災害時の対応とか、あるいは訓練のときに実際に衛星を使った方々から今御指摘いただきましたような様々な御要望を頂戴しておりまして、今後ともこうしたニーズに合わせて技術開発、研究開発を進めていくことが重要というふうに認識しております。  まず、一点目の地球局の件でございますけれども、一般に、これまでの地球局が、機械を設置する場合に熟練した技術者がかなり細かい調整をしないと使えないということで、なかなか使い勝手が悪かったということがございました。このために、平成二十三年度の復興関係の補正予算におきまして研究開発を行いました。ここで、一般の方々でもボタン一つで簡単に操作できるような軽量の可搬型地球局といったものを既にこれは開発をいたしまして、現在、委託先の企業におきまして商用化に向けていろいろと取組が進められているという状況でございます。  また、衛星の方でございますけれども、本年の一月に政府の宇宙開発戦略本部におきまして新しい宇宙基本計画が決定されましたが、この中に新たな技術試験衛星というものが重要施策の一つとして盛り込まれております。この衛星、平成三十三年頃に打ち上げを目指そうということで、今これに向けまして、総務省等におきましても、関係府省と連携をいたしまして、被災地等での高速の通信、ハイビジョンの映像を送るとか、あるいは高速のインターネット回線を確保する、こうした衛星の具体化に向けまして今検討を進めているところでございます。  いずれにいたしましても、今後とも、災害時における衛星利用者のニーズに適切に応えられるよう、衛星通信の技術開発などに取り組んでまいりたいと思っております。
  29. 羽生田俊

    羽生田俊君 ありがとうございます。  現地に行きましたDMATでさえ、どこへ行っていいか分からないというような情報であったわけで、是非その点をしっかりとお進めいただきたいというふうに思います。  最後の質問でございますけれども、実はいろいろな災害が起きたときに、その災害医療という面でどう対応できるかというのは、ふだんの医療体制、ふだんの救急体制がどうなっているかということがしっかりしていなければ救急でも対応できないということでございますので、その点は是非お考えをいただきたいというふうに思うわけでございますけれども、いわゆる地域医療復興なくして地域の再建や新たな町づくりは成し得ないという中で、医療中心であるということで新しい町づくりということも言われているところでございますので、その点を是非お考えいただきたいというふうに思います。  そういった心の支えになるという意味では、いかに医療が体制が整っているかという、今医師不足、看護師不足ということで騒がれておりますけれども、これも解消の方向にいろいろと策を打っているところでございますけれども、そういった意味も含めまして、日常の医療提供体制の構築というものが災害時の備えになるということで、非常にこれが大切であるというふうに思っているところでございまして、今度想定している南海トラフ地震というようなときには、大規模で広域にわたる災害であればあるほど日常の医療・救急体制というものが必要であるということを考えるわけでございまして、その点、災害医療には直接関係はございませんけれども、大臣のお考えをお聞かせいただければというふうに思います。
  30. 山谷えり子

    国務大臣山谷えり子君) 南海トラフ地震では被害が広範、甚大なものとなるため、被災県だけでは十分な対応ができず、医療活動を始め救助活動や物資の調達、燃料供給などにおいて全国からの応援が必要になります。このため、昨日、三月三十日、南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画を策定し、災害発生時には、被害の全容把握、被災地からの支援要請を待たずに全国からの応援活動を迅速に行えるよう、あらかじめ被災地に入るための道路等の確保、救助、消火等を行う警察、消防、自衛隊等の部隊、DMATなど医療チームの進出方法、活動拠点などを具体的に定めました。  特に医療活動については、多数の負傷者や要転院患者の発生により医療ニーズが急激に増大し、被災地内の医療資源のみでは対応できない状態となることが想定されます。このため、全国から災害派遣医療チームDMATなどによる応援を迅速に行い、被災地内では安定化処置など救命に必要な最低限の対応が可能な医療体制を確保するとともに、被災地対応が困難な重症患者を被災地外に搬送し治療する体制を構築することとしています。来年度以降、この具体計画を基に、関係省庁、地方公共団体連携して図上、実動の各種訓練を行い、発災時の対応能力を高め、被害最小化できるように努めてまいります。
  31. 羽生田俊

    羽生田俊君 終わります。ありがとうございました。
  32. 野田国義

    ○野田国義君 民主党の野田国義でございます。  先日から、松下理事が報告ございましたとおり、参議院の災害特別委員会におきましては、三月の五日、熊本県に赴き、阿蘇山周辺地域における火山防災対策等に関する実情を調査をしてきたところでございます。改めて、本当に火山対策取組についてその重要性を実感をしたところでもございます。  半年前になるわけでございますけれども、昨年九月の二十七日に発生いたしました御嶽山の噴火によりお亡くなりになられました五十七名の方々に対しまして改めて心よりお悔やみを申し上げますとともに、被害に遭われた多くの方々にお見舞いを申し上げたいと思うところでございます。そして、いまだ行方不明者である六名の方々、本当に御家族の方々の御心痛をお察し申し上げ、一刻も早い捜索の再開を強く願っているものでございますけれども。  この御嶽山の噴火でありますけれども、今申し上げましたように、行方不明者六名の捜索は昨年の十月の十六日に打ち切られたところでございます。そして、政府の非常災害現地対策本部も翌十七日に廃止をされたということでございます。この捜索の中断は、雪崩など二次災害のおそれ、あるいは捜索隊の安全確保の必要性から苦渋の決断であったと私も思うところでありますけれども、やはり一刻も早くこの六名の方々の捜索に入っていただかなくてはいけないと思っております。先日の新聞報道によりますと、これが七月以降になるのではなかろうかというような見通しの報道があったところでございます。改めて、この行方不明者の捜索再開の時期の見通し、そして政府対応についてお伺いをしたいと思います。  現在、御嶽山は非常に噴火が発生する可能性は低くなっていると言われておるところでございますけれども、現在の御嶽山の火山活動状況についても併せて御答弁お願いしたいと思います。
  33. 山谷えり子

    国務大臣山谷えり子君) 昨年九月の御嶽山の噴火から半年が経過いたしました。改めて、噴火災害により亡くなられた方々とその御遺族の皆様に謹んで哀悼の意を表します。  捜索救助活動は、山岳地域という厳しい条件の下、降灰、降雪の中でぎりぎりまで行われましたが、依然として六名の方が行方不明のままでございます。今後の捜索の活動再開について、長野県は、入山が可能となり捜索ができるとなった段階で地元の警察や消防等による捜索を検討するとしています。  御嶽山は、警戒が必要な範囲が火口三キロ以内から二キロ以内、南西側だけ二・五キロ以内になっておりますが、縮小されたものの、引き続き小規模噴火が発生する可能性があるほか、いまだ雪に閉ざされている状況であります。  長野県において捜索を再開する場合には、要請に応じ、政府としてもできる限りの支援をしてまいりたいと考えております。
  34. 野田国義

    ○野田国義君 一刻も早い捜索をお願いをしたいと思うところでございます。  今言いましたように、阿蘇山の方、視察、調査をさせていただきましたので、これに関連いたしまして幾つか質問をさせていただきたいと思います。  まず一点目は、営農について質問をさせていただきたいと思います。  現在も活発な火山活動が続いておりまして、千メートル級の噴煙も断続的に続いており、降灰についても、熊本県にとどまらず、宮崎県などに広範囲に及んでいる状況がございます。この降灰によりまして、日照の不足、降灰除去対策、農作物の育成不良の品質低下などが起こっておるということでございます。それで、現地の農家の方々に聞きますと、やっぱりこれがいつまで続くか分からないということ、このことが農家にとっても非常に大きな問題のようでございます。  ですから、作付けの問題が当然これ春ということになりますと出てくるわけでございまして、是非とも、こういった、皆さん、国の支援をお願いをしたいと思いますが、この防災営農施設設備計画に基づく事業の実施に当たりましては、農作物の被害が、平均総収入額に対する被害額が一〇%以上になれば認められるということなんです。それで、この基準緩和、あるいは柔軟な対応がこの農業に対する支援と申しますか、になるんじゃなかろうかと思うところでございますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
  35. 室本隆司

    政府参考人(室本隆司君) 防災営農施設整備計画につきましては、今委員が御指摘されましたとおり、対象となる被害の程度の基準を、当該区域内のおおむね一年間における火山の爆発による農作物の減収による損失額が当該区域内の平年における農作物による総収入額の一〇%以上となると認められることなどとしております。  減収による損失額につきましては、現時点までの発生被害額に加えまして、将来的な予測被害額も含めて算定することとなっておりまして、損失額の算定に当たりましては、国としても担当官を派遣するなどして適切に対応してまいりたいと考えております。  また、本計画に基づく事業の実施に当たりましては、地元自治体の要望等を十分踏まえつつ、農家の方々の今後の営農に関する不安を解消できるよう努めてまいりたいと考えております。
  36. 野田国義

    ○野田国義君 引き続きまして、この降灰が健康にも大きな影響を与えるということでございまして、このことについて質問させていただきたいと思いますけれども、今回訪問いたしました高森町ですか、冬でございますので阿蘇山の風下になるために特に火山灰が降り続くということでございまして、防じんのマスク、あるいはゴーグルを町内の小中学校に配付するなどをされているということでございます。  児童の健康対策が非常にこれ問題ではなかろうかなと、改めて現地に行って思ったところでございますけれども、そしてまた、健康相談なんかもいろいろおやりになっているようでございますけれども、熊本県の要望書の中にもこの健康対策が書いておりまして、火山灰等が健康に与える影響に関する調査研究の実施や特別健康診断の実施が盛り込まれているということでございます。  これ、当然、県の方もやっていただかなくちゃいけない、あるいは市町村もやらなくちゃいけないということでございますけれども、何よりもやっぱり国の支援というのもこの健康に対して非常に必要だと思いますけれども、国としてどういう支援をしていただけるのか、御答弁をお願いしたいと思います。
  37. 芦立訓

    政府参考人芦立訓君) お答え申し上げます。  私ども、子供たちが自らの命を守り、また健やかに育っていくためにも、様々な取組をしていくことが大事だと考えているところでございます。  例えば、防災科学技術研究所などでも様々な知識、技能をまとめたパンフレットなどを作っておりますので、こういうものを全国的に活用していくということと同時に、学校には学校医というものが存在しておりまして、定期の健康診断以外にも、子供たちの状況地域状況によっては臨時の健康診断などを行うことも可能でございますので、適切な対応が行われますよう私どもといたしましても意を配ってまいりたいと、かように考えております。
  38. 野田国義

    ○野田国義君 非常に健康の問題も、特に児童なんかいろいろな影響が後で出るというような可能性もございますので、しっかりとした御支援をよろしくお願いをしたいと思っております。  次に、学校施設に関する降灰の防除事業の拡充についてということで質問をしようと思っておりましたけど、馬場委員の方から質問をされました。  それで、私、学校関係については二分の一ですか、補助率で出るわけでございますけれども、公民館や図書館、博物館、いわゆる社会教育施設あるいは社会体育施設ですね、これが国の補助制度がないということでございます。もちろん熊本県からも御要望があったわけでございまして、社会体育施設とか教育施設についても、学校と同じような補助制度支援制度があってもいいんじゃなかろうかなと、そのように思っているところでございますけれども、政府としてどうお考えになっておるのか、お答えいただきたいと思います。
  39. 徳田正一

    政府参考人(徳田正一君) お答えします。  社会教育施設、社会体育施設は、地域における住民同士の相互学習やスポーツの活動を通じまして、人々の教養の向上、健康の増進などを図る上で重要な施設であると認識しております。他方、社会教育施設などの改修につきましては、施設の維持管理に関する経費については、国と地方の役割分担の観点から、地方交付税等により各地方団体に対応していただくこととなっております。  このような中で、降灰除去、防除などの活動火山対策に要する経費につきましては、現在、特別の財政需要がある場合などに交付される特別交付税による措置がなされていると承知しております。
  40. 野田国義

    ○野田国義君 特別交付税ですか、しっかり支援をよろしくお願いをしたいと思います。  それで、この問題は馬場議員からも言われましたように、非常に慣れていないということ、それから長期化するということが非常に問題だと思いますので、そこをどう支援をしていただくかということだと思いますので、是非ともよろしくお願いをいたしまして、阿蘇山関連質問を終わりたいと思います。  それから、総論的になるわけでございますけれども、御嶽山噴火を踏まえた今後の火山防災対策の推進についてお聞きしたいと思っております。  三月二十六日、中央防災会議のワーキンググループを受けての対応と今後の方針について。この御嶽山の噴火を受けて、去る三月の二十六日、火山噴火防災対策検討した政府の中央防災会議防災対策実行会議火山防災対策推進ワーキンググループから報告書が山谷防災大臣に提出をされたと聞いているところでございますが、まず、その概要、全容について御説明お願いし、政府対応、今後の制度改正の方針などについてお伺いしたいと思います。
  41. 山谷えり子

    国務大臣山谷えり子君) 中央防災会議防災対策実行会議に設置した火山防災対策推進ワーキンググループにつきましては、昨年九月の御嶽山の噴火を踏まえ、我が国の今後の火山防災対策の一層の推進を図るため検討を進めてきたところであります。  これについては、三月二十六日に検討結果がまとまり、御嶽山を踏まえた今後の火山防災対策の推進についてとして報告をいただいたところであります。本報告の内容は今後の火山防災対策の大きな指針となるものであり、政府としましては、本報告における提言の実現に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。  具体的には、提言に盛り込まれた事項のうち、火山防災対策に関する基本方針や火山防災協議会の位置付けの明確化等について活動火山対策特別措置法の改正を行う必要があると考えております。今国会中に速やかに法案を提出するべく、作業を進めているところであります。  今後とも、火山噴火災害から国民の生命を守るため、政府自治体、専門家等が一体となって火山防災対策の推進に取り組んでまいります。
  42. 野田国義

    ○野田国義君 しっかりとした対策をお願いをしたいと思います。  引き続きまして、シェルターについて、前も私質問させていただいたところでございますが、今回の御嶽山の噴火についても、噴石による、直撃されてお亡くなりになった方が非常に多かったということでございまして、このシェルターをどう活火山に設置していくかということは非常に大切なことであろうと思っておりまして、政府のその考え方、そして、阿蘇山の方でシェルターと申しますか見せていただきました。そうしますと、やっぱりちょっと老朽化しているのかなと、随分前のシェルターだなということを思ったところでございまして、このことも含めて、それで、補正予算でございましたけれども、二十六年度の補正予算に三億円が計上をされておったということでございます。  その後、数か月たつわけでございますけれども、どこか設置したいということで手を挙げてきたところがあるのか、また設置されたところがあるのか。そのところも含めて、また、二十六年度予算の執行状況、それから二十七年度の予算の計上、このまた見通しについてお伺いしたいと思います。
  43. 日原洋文

    政府参考人日原洋文君) それでは、最初にシェルターについての考え方の方を御説明させていただきます。  先ほどの火山防災対策ワーキンググループにおきます報告におきましても、シェルターは噴石等から逃れるのに一定の効果があるというふうにされております。そのため、国は、シェルターの設置状況や設置における課題等を調査した上で整備の在り方について検討すべき、また、シェルターの効果や設置に関する考え方、設計における留意点等について整理をし、速やかにガイドラインとして取りまとめるべきことということが記載されておるところでございます。また、新規にシェルターを整備するだけでなく、既存の山小屋等の施設を避難先として利活用することについても検討すべきというふうなことが書かれております。  この報告を受けまして、今後速やかに必要な検討、ガイドラインの作成等に取り組んでまいりたいと思っております。  以上でございます。
  44. 室田哲男

    政府参考人(室田哲男君) 御嶽山噴火を踏まえまして、常時観測火山におきまして緊急的に退避ごう、退避舎の整備ができますよう、委員御指摘のように、平成二十六年度補正予算におきまして消防防災整備補助金として三億円を確保したところでございますけれども、鹿児島鹿児島市から退避ごう整備について補助金の申請があり、交付決定をしております。また、平成二十七年度当初予算におきましても当該補助金につきまして十五・八億円計上しておりまして、今後、地方公共団体への要望調査を行った上、その結果を踏まえ、交付することといたしております。  さらに、平成二十七年度からは、新たに退避ごう、退避舎の整備につきまして、新規の施設整備に加えまして、既存の山小屋などの施設の補強等につきましても緊急防災・減災事業債の対象事業としているところでございます。  三月二十六日に公表されました中央防災会議のこのワーキンググループの報告書を踏まえまして、消防庁におきましては、引き続き、関係省庁と連携し、退避ごう、退避舎の整備について支援をしてまいりたいと考えております。
  45. 野田国義

    ○野田国義君 非常にこの退避ごう、シェルターについても、命を守るという意味からして重要だと思いますので、しっかり取組をしていただきたいと思いますし、また、小さな自治体はなかなか設置費用が賄えないということだと思いますので、よろしくお願いをしたいと思っております。  それから、これも非常に大きな問題になっておるようでございますけれども、実を言いますと、今度の何か統一地方選挙で、ある方から聞きました、火山研究者が非常に少ないと聞いておりましたところ、何かその火山研究者が統一地方選挙に出るというようなことを聞きまして、これ、何というのか、ちょっと夢みたいなものがなくなっちゃったのかなと、方向転換もすごい方向転換だなと思ったものですから。  非常に現実としてこの研究者が足らないというのは重要でございまして、気象庁あるいは大学の研究所に、この二つが大体あろうかと思いますが、そこでいろいろ研究もなさっておるかと思いますけれども、火山の専門家がいないと。気象庁も、職員百一人のうち大学で火山を専門的に学ばれたのは一割、一〇%余りというような報道もございます。  それで、私は、やっぱり国の機関として一本化した研究施設というか、専門的な施設、研究所をつくるべきではなかろうかなと、ばらばらやるじゃなくて、そういうことを思うわけでございますけれども、この火山研究者の人材確保、育成については政府としてどうお考えになっておるのか、お尋ねしたいと思います。
  46. 山谷えり子

    国務大臣山谷えり子君) 火山防災対策推進ワーキンググループの報告書においては、火山災害については、科学的知見に基づいた防災対応が不可欠であるが、火山研究者を始めとする火山専門家の知見が必ずしも十分に活用されているとは言えず、将来的には火山研究者の減少も懸念されるとの基本的な認識が記述されているところであります。  これを受けまして、具体的には、火山監視への火山専門家の知見活用として、大学等において専門的な知見を習得した人材などが定期的あるいは随時に火山活動評価に参画する等の体制を整備すること、火山研究人材の育成として、プロジェクト研究を組み合わせた人材育成プログラムの構築などにより、火山研究分野全体の活性化を図ることなどが提言されております。  私といたしましても、火山研究の活性化や火山研究人材の確保、育成は大変重要な課題であると認識しており、気象庁や文部科学省その他関係省庁との連携をより緊密化、強化し、政府一体となって取り組んでまいりたいと考えております。
  47. 野田国義

    ○野田国義君 このことにつきましては、本当に抜本的な考え方を変えて、今私提言いたしましたように、一本化した国の何らかの研究施設をつくるべきではなかろうかと思いますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。  それから、資料一を私配付させていただいておる、御覧いただきたいと思います。  このことは、よく私、市長時代、市長同士集まるとこの話になり、また市民ともよくこの話をさせていただいたことを思い出すんですが、いわゆる災害が起こる、当然防災の拠点になるのは各県庁であったり市町村の庁舎ということになるわけでありますが、見ても御覧のとおり、全体の耐震化の状況は八五・四%でございますけれども、やっぱり私予想したとおり、庁舎が七一・八%として非常に低いんです。  このことは、恐らく首長にとってはなかなか庁舎は後回しということになるということではないのかなと。なかなかこれ、選挙にも評判は良くありませんので、庁舎を良くするということはですね。そういうことが影響しているんではなかろうかなと思いますけれども、政府といたしまして各自治体に対しての耐震化の推進を督励すべきではなかろうかと思います。これ、本当に拠点がなくてはいろいろな指示、命令も出せないということでございますので、その辺りのところをどうお考えになっておるか、お聞きしたいと思います。
  48. 室田哲男

    政府参考人(室田哲男君) 南海トラフ巨大地震や首都直下地震などの発生が懸念される中、防災拠点となる公共施設の耐震化は喫緊の課題と考えております。このため、従前より地方公共団体の耐震化の取組を促進してきているところでございますけれども、いまだ耐震化されていない防災拠点となる公共施設は約一五%あり、特に委員御指摘のように庁舎は約三割に上っております。地方公共団体の庁舎は、多数の住民の方々が来庁されることや、災害発生時には災害応急対策の実施拠点となるなど重要な役割を果たすことから、庁舎の耐震化は極めて重要な課題であると認識しております。  総務省といたしましては、引き続き、緊急防災・減災事業債などの地方財政措置を講ずるとともに、こうした支援制度に関する助言を行いまして、この緊急防災・減災事業債の期限が平成二十八年度までであることを踏まえまして、早急な取組が進められるよう、地方公共団体に対しまして強力に働きかけてまいりたいと存じます。
  49. 野田国義

    ○野田国義君 他の公共施設も非常に大切でございますが、この庁舎も耐震化というのは非常に重要で、今答弁いただきましたように、ございますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。  引き続きまして、資料二を御覧いただきたいと思います。  大規模地震等の自然災害対象とする業務継続計画、BCPを策定している自治体について調べてみたところ、現状では、都道府県では六〇%ということでございますけれども、市町村では合計で一三%という非常に低い有様でございまして、特に、とりわけ市町村においてこのBCPが策定されていない理由についてお伺いをしたいと思います。  ソフト面が非常に軽視されているということも否めない事実なのかなと思っておりますし、この策定を国として支援の必要があろうかと思います。具体的な支援策と今後の推進策についてお伺いをしたいと思います。
  50. 室田哲男

    政府参考人(室田哲男君) 災害発生時に、地方公共団体が被災した場合であっても災害応急対策を継続して実施できるようにするためには、非常時の参集体制や業務体制の整備、優先して行う業務の特定、非常用電源の確保、重要な行政データのバックアップ等の業務継続に係る事項について地方公共団体においてあらかじめ定めておくことが重要であると考えております。  委員御指摘のように、市町村におきましてこの策定が遅れておりますが、やはり特に小さな自治体にとりましてこのBCPの策定に係ります作業が非常に重くてなかなかハードルが高いということが理由の一つではないかと考えております。  現在、内閣府におきまして、小規模団体を含む市町村地域の実情を踏まえましてBCPが策定できますよう、新たなBCP作成の手引の策定に向けた検討を行っているところでございます。消防庁といたしましては、地方公共団体に対し、画一的ではなく地域の実情に応じた業務継続が可能となるよう助言や情報提供を行ってまいりたいと考えております。
  51. 野田国義

    ○野田国義君 しっかりとした支援をよろしくお願いしたいと思います。  引き続きまして、羽生田先生の分野かも分かりませんけれども、災害拠点病院の浸水対策、耐震化についてお伺いをさせていただきたいと思います。  資料三を御覧いただきたいと思います。  明らかになったところによりますと、国立病院機構大阪医療センターの調べによれば、南海トラフ地震では、津波災害想定される二十四都府県における入院設備がある医療機関一万二千六十五か所のうち一九%が何と浸水をするおそれと。特に、災害拠点病院は四百二十三か所のうち七十一病院、一七%が浸水するおそれがあるとなっているところでございまして、こういう状況でございます。  そういう状況で、どういう国として対策を今後、また緊急な対策をこれすべきではなかろうかと、私自身、重要な課題であると思いますけれども、御答弁をよろしくお願いしたいと思います。
  52. 福島靖正

    政府参考人(福島靖正君) 災害拠点病院におきます浸水対策につきましては、私ども厚生労働省としても早急に対策を講ずべき課題だと認識をしております。  昨年十月に、災害拠点病院につきまして、その立地場所におけるハザードマップ等での被害想定、それと被災への具体的な対策状況について調査をいたしましたところ、津波等による被災が想定されるものの対策を講じていない災害拠点病院も存在しております。  この対策を講じることができない理由としては、浸水被害想定地域全体に及ぶということで、病院単独では解決が困難である場合があると、こういうこともございまして、各都道府県に対しまして、被災想定を踏まえた対策検討するように通知をしたところでございます。  さらに、南海トラフ地震に伴う津波対策として、災害拠点病院を始めとする政策医療を担う民間医療機関が震災時においてあるいは震災後も医療を提供できる体制を維持できるように、地域住民とともに高台へ移転する際に病院の新築に要する工事費等の補助事業を今年度創設をしたところでございます。  引き続き、災害拠点病院に対しまして、南海トラフ地震対策を含めた体制整備の促進を支援してまいりたいと考えております。
  53. 野田国義

    ○野田国義君 このことも重要でございますので、よろしくお願いしたいと思います。  それでは、最後になろうかと思いますけれども、この災害拠点病院の耐震化ですね、こちらも調べてみますと、最大震度六強以上が想定される災害拠点病院百三十三か所のうち、耐震化がなされていない又は耐震化不明の災害拠点病院が十か所あるということでございます。  それで、国土強靱化推進本部が調査いたしましたところ、大規模自然災害等に関する脆弱性の評価の結果、全国の災害拠点病院及び救急のセンターの耐震化率は七三%と、耐震化対策が不十分な病院が四分の一もあるということでございます。  それで、これ、当然、南海トラフ地震あるいは首都直下地震など大規模地震に備えなくてはいけないということでございます。政府は、この災害拠点病院建物の耐震化をどのように進める方針でおられるのか、見解を明らかにしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  54. 福島靖正

    政府参考人(福島靖正君) 災害拠点病院の耐震整備の問題でございますけれども、これ、今の御指摘の数値でございますけれども、二十六年九月一日現在におきましては、災害拠点病院それから救命救急センターの耐震化率は八二・二%となってきております。  この耐震整備を促進するための支援として、平成八年度から、医療提供体制施設整備交付金のメニュー項目として災害拠点病院の耐震整備に対する補助を行ってまいりました。また、災害拠点病院、救命救急センター等の耐震化を推進する目的で、平成二十一年度から二十四年度の補正予算等におきまして医療施設耐震化臨時特例交付金を措置いたしまして、耐震化を進めてまいりました。  引き続き、必要な予算の確保に努め、災害拠点病院の耐震整備を促進してまいりたいと考えております。
  55. 野田国義

    ○野田国義君 よろしくお願いいたします。  終わります。
  56. 山本博司

    ○山本博司君 公明党の山本博司でございます。質問機会をいただきまして、ありがとうございます。  本日は、大臣所信に対する質疑ということでございまして、国連防災世界会議、そして土砂災害対策、このことに関しましてお伺いをしたいと思います。  まず、国連防災世界会議に関しましてお伺いをしたいと思います。  三月十四日から十八日まで、仙台におきまして第三回国連防災世界会議が開催をされました。会議には過去最多の百八十七か国が参加をされまして、東日本大震災被災地各国の代表の方々が訪れて、今も残る津波の爪痕とか、また復興現場の視察なども行われたわけでございます。こうした大規模災害の様々な教訓を世界の方々と共有した意義というのはとても大きいのではないかなと思います。  また、仙台宣言と、行動指針を定めました仙台防災枠組、これが採択をされまして、今後の十五年間にわたる取組の課題が示されたことは大きな成果ではないかなと思います。  議長を務められました山谷大臣におかれましては、この第三回の国連防災世界会議、どのように評価をされているのか、御認識を伺いたいと思います。
  57. 山谷えり子

    国務大臣山谷えり子君) 第三回国連防災世界会議我が国で開催された国連関係国際会議としては過去最大級となりました。  会議においては、各国のあらゆる分野の開発政策や国際協力防災の視点が反映され実施される防災主流化を目指して、国際社会での新しい防災の枠組み、仙台防災枠組と、高いレベルでのコミットメントを示した仙台宣言を採択し、私も議長としてこれらの取りまとめに尽力いたしました。  三月十四日から十八日までということだったんですけれども、実際には十九日の午前零時半まで、いろいろ文言等々議論を熱心にいたしまして、議長として私が記者会見が終わったのが十九日の午前一時半でありました。満場一致ということで、本当に大きな問題意識を世界で皆で共有できたと思っております。大きなこれが一里塚になっていくというふうに考えております。  さらに、我が国にとっては、会議の各セッションや展示、関連事業防災産業展にもたくさんの人においでいただきました。被災地でのスタディーツアー等を通じて、幾多の災害から得た知見や技術などを世界と共有するとともに、東日本大震災被災地復興現状取組を発信する重要な機会となりました。  本世界会議は様々な成果を上げ、国際社会における防災主流化を進めていく上で新たなステージに入ったものと思っております。行動に移しながら、世界の皆を幸せにしていくように頑張っていきたいと思います。
  58. 山本博司

    ○山本博司君 大変議長として御苦労さまでございました。大変大事な会議だと思います。  この会議の開催に合わせまして、併せて、四百に及ぶシンポジウムとかセミナーとか、また展示会、ワークショップ、こうした企画が行われました。各自治体とか省庁とか大学とか、こうした主催したものもございましたけれども、特筆すべきことは、NGOとかNPOとか、また企業とか地域団体、こうした民間セクターが企画したものが数多くあったということでございまして、こうした民間セクターの活躍ということで、海外からの参加者も身近にこうした被災地の経験、より感じることができたのではないかなと思います。  そこで、赤澤大臣にお聞きしたいと思いますけれども、こうした民間セクターの活躍に関しましてどう認識されているか、御報告をいただきたいと思います。
  59. 赤澤亮正

    ○副大臣赤澤亮正君) 私も副議長として二回ほど議長役も務めましたし、会議の場におったわけですけれども、全く委員と認識を共有をいたします。民間セクターの主体が参画して会議の成功に大きく貢献したということだと思います。  防災取組を進めるに当たっては、御指摘のようにNGO、NPO、あるいは民間企業、ボランティア団体、あるいは地域団体という御指摘も今ありました、民間セクターの力が本当に不可欠だと思います。今回の会議においては、こうした様々な主体の方々には本体会議に専門家として御参加していただくとともに、今御指摘ありました多くの関連事業、四百という委員の御指摘でありましたけど、パブリックフォーラムなどを主催していただいて、国内外から延べ十五万人以上の方々が参加をされたということであります。そして、会議の運営に当たっても、私も現地で本当に多く目に付きましたが、多くのボランティアの方々がもういろんな場所で、案内から始まって大変な活躍をしておられまして、多くの協力を得て執り行うことができました。  これらの関連事業では、様々な主体の方々から防災に関する取組や意見が発表され、出席された多くの方々に防災取組参加することの重要性を認識していただけたと思っております。また、我が国としては、多様な主体による防災取組への参加の重要性を訴えてまいりましたけど、こうした方々の熱心な御努力も相まって、世界会議成果文書、ドキュメントの中に、女性や障害者など市民社会、学術界、民間企業などが防災活動に果たすべき役割が明記をされたところであります。  今回の会議の成功は、NGOや民間企業などの民間セクターのこれまでの活躍や会議での様々な取組によるところでもあると評価するとともに、新たな防災の枠組みにおいても引き続き活躍を大いに期待したいと思っております。
  60. 山本博司

    ○山本博司君 このシンポジウムに関しましては、公明党も、政党で唯一パブリックフォーラムを主催をいたしまして、大震災の被災者を対象にして実施をしました党独自の意識調査結果を踏まえまして、今後の震災復興の在り方ということに関しまして議論をした次第でございます。また、会場内におきましても、人間の復興へというテーマでの写真展も行いまして、積極的に参加をさせていただきました。  本年二月に被災三県で実施をしましたこの意識調査、岩手、宮城、福島、三県の公明党議員やOB議員、また党員の協力をいただきまして、個別面談方式という形で千三百九十六人の方々から回答をいただいた次第でございます。こうした今回の意識調査のように被災者の方々の心情を丁寧に酌み取った事例というのは少ない形でございますので、貴重な調査結果を得ることができたと思っております。  この調査の中で、孤立を感じるかという、こういう問いに関しまして、仮設入居者の約七割がほとんどないと前向きな回答を寄せる一方で、依然、三割の人たち、これは孤立感がある、また心の奥に課題を抱えているという可能性が明らかになっているわけでございます。また、住まいの項目に関しましても、仮設住宅の周辺には医療機関とかスーパーがありませんので、移動手段の確保、こういうことでの不安の声も上がっております。  現在もこうした仮設住宅にいらっしゃる方々に対する支援必要性、こういうこともこの調査からは明らかになりました。こうした一人一人のこの貴重な声を、今後の被災者に寄り添う政策に丁寧につなげていくことが必要だということを痛感をしたわけでございます。  ちょうど震災から四年が経過をいたしました。しかし、心の復興という点ではまだ道半ばでございます。集中復興期間の期限が近づく中ではございますけれども、これは是非、継続的な支援、これが必要だと思っております。山谷大臣にお聞きをしたいと思いますけれども、この東日本大震災の被災者の心の復興ということに対する大臣の認識を伺いたいと思います。
  61. 山谷えり子

    国務大臣山谷えり子君) 東日本大震災から四年たちましたが、依然として被災者の方々が厳しい生活環境の下で暮らし、今も癒えることのない心の傷を負っていらっしゃることを重々承知をいたしております。  このような災害後の心のケアが重要であることから、広島での土砂災害、御嶽山噴火の際には、精神科の医師等から成るDPAT、災害派遣精神医療チーム派遣したほか、本年一月に復興庁にて取りまとめられた被災者支援総合対策に基づき、政府として心の復興事業を進めているところであります。  また、今回の国連防災世界会議においては、東日本大震災の被災者が自らの体験や抱えている課題を語る人間の復興シンポジウムを始めとする多くのパブリックフォーラムが開催され、東日本大震災の経験から得られた貴重な知見を海外からの参加者に対して直接訴えかける多くの機会が実現をいたしました。  これら東日本大震災の経験の発信は、海外からの参加者からも関心を持って受け止められるとともに、復興期間を通じて被災者の心に寄り添って支える心の復興の重要性についても国際理解が得られたものと考えております。  さらに、会議成果文書である仙台防災枠組にも、被災者への精神的サポートを充実すべきことがしっかりと明記されておりまして、東日本大震災の経験を世界と共有するとの所期の目的は十分に果たすことができたと考えております。  政府としましては、今後とも、被災者を始め様々な方々の声に耳を傾けながら、被災者の心に寄り添いながら、暮らしにしっかりと目を向けながら防災に取り組んでまいりたいと考えております。
  62. 山本博司

    ○山本博司君 是非ともよろしくお願いしたいと思います。  私も、公明党といたしまして、三・一一以降、被災地に国会議員の担当という形で、私も仙台や多賀城とか東松島とか、そういう地域を担当させていただいておりまして、定期的に訪問させていただきながら、先日も全国会議員が集まっての復興加速化会議という形で岩沼市の災害住宅等も視察をしたわけでございますけれども、是非とも、こうした心の復興という点に関しまして支援をお願いをしたいと思います。  続いて、障害者と防災ということに関しましてお聞きをしたいと思います。  今回の会議、これは障害者の参加に最大限配慮をされておりました。送迎用に車椅子仕様のバスが用意されたりとか、また会議の音声の字幕に関しましても、リアルタイムで表示する端末が貸出しをされるということもありまして、国連会議としては最もバリアフリーが進んだ会議、こういうふうに評価をされております。また、本会議の作業部会におきましても、障害者と防災に関するテーマ、これが初めて採用されまして、採択されました仙台防災枠組の中にも、障害者が地域防災に主体的に参加する、こういう重要性が盛り込まれております。  内閣府の資料によりますと、全人口の四・五%が死亡しました宮城県の南三陸町では、障害者の方々の死亡率は三倍の一三%にも達しております。私も三・一一以降、様々な委員会で障害者の方々の支援ということを訴えておりますけれども、東日本大震災での障害者の死亡率というのは大変高いということが指摘をされているわけでございます。  こうした今回を契機に、障害者を防災の主要な担い手にするという考え方が世界の主流に広がるように期待をするわけでございますけれども、赤澤大臣に、この障害者と防災に関してどのように取り上げていたのか、報告をいただきたいと思います。
  63. 赤澤亮正

    ○副大臣赤澤亮正君) 今、山本委員がもう全て言いたいことはほぼおっしゃったんですが、若干補足できるところはあると思うので、お話をさせていただきたいと思います。  南三陸町の例で、障害者の方の死亡率が東日本大震災で三倍というのはまさにそのとおりで、それ以外のところでも、少ないところでも大体二倍の死亡率があったということで、障害者の皆様のために災害対応をしていくということは本当に大事だというのも御指摘のとおりで、会議でも共通認識となっておりました。  東日本大震災においては、障害者など災害弱者への対応が大きな課題となって、防災政策に障害者の視点を入れ込む重要性が本当に強く認識をされたところです。今回の第三回国連防災世界会議、まさにアクセシブルカンファレンスということで、御指摘のような障害の方たちのための様々な工夫がされており、手話通訳、字幕表示あるいは仙台市から提供された福祉車両、そして会場に着くと専用レーンがあって車椅子の方たちは本当に多数快適に会議参加をされていた、全く委員の御指摘のとおりであります。  また、これも特筆すべき点で、委員からもお触れいただきましたけど、障害者に関する会議以外の一般的な国連会議では、実は、障害者代表という肩書ではこれまでなかなか発言の機会がなかったわけですけれども、今回、初めて発言機会が確保されて、タイの全盲の国会議員で国連の障害者権利条約障害者権利委員会委員でもあるブンタンさんという方が大変格調の高い講演をされました。ほかの代表の方と比べても全く遜色ないというか、むしろ本当に感銘を与えるすばらしい発言をされました。国連を始めとする関係者の方々からも画期的なことであると高い評価をいただいております。  私自身も、日本財団主催の障害者に関するパブリックフォーラムに参加をさせていただき、また障害者をテーマにしたワーキングセッションでは、モデレーターから要請を受けて発言もさせていただきました。  御紹介させていただきたいのは、そのとき登壇者から言われた三点って本当に大事だと思うので。各国が取り組む防災の行動枠組みが障害者を含めたインクルーシブなものでなければならない、まず一点目です。それから二点目に、障害者の方たちの施設、サービス、情報への平等なアクセスが保障されなければならない。そして三番目に、障害者の皆さん防災政策に積極的に関与できるんだと、障害者を参加させ、そして企画立案からあるいは実施のところまで全て障害者の方を参加させて初めて各国は強靱になる。この三点を障害者の代表の方たちが繰り返し繰り返し強調されました。障害者の活躍が社会全体のリスクの低減に貢献するという発言をされて、大変共感を覚えたところでございます。  今回の成果文書に、仙台防災枠組にも障害者の重要性について明記されたのは御指摘のとおりでありまして、私も、これからも障害者の参加を含めた強靱な社会づくりに全力で取り組んでまいりたいと思っております。
  64. 山本博司

    ○山本博司君 ありがとうございます。災害弱者への支援という意味では、今回の会議は女性と防災という点も含めまして大変意義がある内容ではないかなと思いますので、是非またよろしくお願いをしたいと思います。  また、あと、今回の会議に関しましては、国連加盟国百九十三か国のうち百八十七か国の代表が参加をしました。また、世界二十五か国の大統領、首相、首相級、また百名を超える閣僚参加、また国際機関の代表、認証NGO等を含めますと六千五百名、また関連事業も含めると延べ十五万人の人々が参加をした一大イベントであったわけでございます。  テロの危険性など、こうした数多くの困難がある中で無事故で成功したことで、これは本当に関係者の尽力に心より敬意を表する次第でございます。また、世界中の方を迎えるこの中で、警備とか輸送とか、また検疫とか通関、こういう運営上の体制に関しましてもこうした日本の実力というのが示されたのではないかなというふうに感じております。  今後、我が国としまして、来年の夏にはサミットが予定されております。また、二〇一九年にはラグビーのワールドカップがありますし、二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピックが開催をされておりますけれども、今回のこうした会議運営、大変大きな財産でございまして、今後の国際会議等にも生かしていくべきだと思いますけれども、この点、外務省の認識を伺いたいと思います。
  65. 水越英明

    政府参考人(水越英明君) 御指摘のとおり、第三回国連防災世界会議日本で開催された国連関係では最大級国際会議でございまして、多数の首脳、閣僚参加いただきました。そうしたことから、準備作業は大変膨大なものでありましたけれども、外務省の中でもこうした国際会議に経験のある者を省内から結集して準備事務局に集め、また関係省庁、仙台市あるいは宮城県警と緊密に連携して会議の運営、接遇に当たりました。おかげさまで、御指摘のとおり、大変滞りなく、会議は成功裏に終了したと考えております。また、参加者の中からは、日本の大変きめ細かい接遇に対して評価の声も聞かれたところでございます。  委員御指摘のとおり、今後とも我が国では大規模国際会議が開催される予定がございます。外務省としては、今回の経験も十分に踏まえ、生かして、関係省庁、地方公共団体あるいはボランティアの市民の皆様などの協力を得ながら、会議運営、接遇に遺漏なきよう行ってまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。
  66. 山本博司

    ○山本博司君 是非ともこの経験を生かしていただきたいと思いますし、また別の角度では、観光とか、この国際会議それ自体、大きなやはりイベントという意味での推進ということもまた、別の省庁の関係になりますけれども、お願いをしたいと思います。  この仙台防災枠組の中には、病院とか教育機関など、住民にとっての重要な施設被害を減らすということも盛り込まれました。こうした施設被害軽減というには、避難ルートの確保だとか整備とか、避難訓練を実施するといったソフトの対策も大事でございますけれども、そもそも災害に強い施設整備、これも重要でございます。  学校の耐震化に関しましては、長年の取組の結果、二〇一五年度中には公立小中学校で一〇〇%の耐震化が達成される見通しでございます。これに対しまして、先ほどから議論になっておりますけれども、災害拠点病院、この耐震化状況、これはどのようになっているのか、報告をいただきたいと思います。
  67. 福島靖正

    政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。  災害拠点病院、それから救命救急センターの耐震化率でございますけれども、平成二十一年当時が六二・四%でございましたけれども、先ほど申し上げたように、二十六年九月一日現在では八二・二%となっております。  この間、各種の補助等を行ってきたわけでございますけれども、来年度でございますが、来年度の見通しでいいますと、平成二十七年度末にはこの補助等を利用して八五・二%になるという見込みでございまして、この補助等の今対象になっている施設が全部完成いたしますと九〇%を超える見込みにはなっております。  しかしながら、まだ引き続き耐震化を進めていく必要があると私ども考えておりまして、今後とも耐震整備を促進してまいりたいと考えております。
  68. 山本博司

    ○山本博司君 私も、厚生労働委員会等でこの災害拠点病院等の耐震化ということはずっと訴え続けてまいりまして、やっと八二%、九〇%近いところまで来ているということでございますけれども、大変大事な拠点病院でございますので、推進をよろしくお願いしたいと思います。  今回採択をされました仙台防災枠組の特徴といたしまして、具体的な項目とか期限、これを示した減災目標を新たに盛り込んだということが大変注目をされております。二〇一五年から三〇年までのこうした国際社会における人的、経済的損失などの七つの減災目標を盛り込んだ新しい防災対策の行動指針につきましては、我が国の主張が取り入れられたものと認識をしております。  世界中の災害による犠牲者、この十年間で七十万に上っております。経済損失は一・三兆ドルでございます。こうした数々の自然災害を乗り越えてきた我が国にとりまして、建物の耐震技術であるとか気象予測とか、こうしたハード、ソフト両面のこのノウハウ、これが蓄積をしておりますので、世界の中で減災の取組強化をして中心的な役割を担う私は必要があると思います。  そこで、こうした減災の概念、これは今回の仙台防災枠組の中でどのように盛り込んでいるのか、御報告をいただきたいと思います。
  69. 日原洋文

    政府参考人日原洋文君) お答えいたします。  今回の仙台防災枠組の中におきまして、基本的に、災害は発生そのものは防げませんので、それによる被害をどうやって減らしていくかということが大きな課題であるということで、そのような考え方が盛り込まれたところでございます。  まず第一には、今委員からも御指摘がありましたように、七項目の減災目標を立てておりまして、それを二〇三〇年までに世界全体の被害を大幅に削減するということで取り組むということになってございます。その目標の実現のために、災害予防、応急対策の準備、復旧復興のあらゆる段階におきまして災害リスクを軽減するための優先行動を定めているところでございます。  具体的な優先行動としては、例えば、災害からの迅速かつ効果的な避難ということを目指しまして、早期警戒システムの整備あるいは訓練の実施等がございます。また、事前防災取組といたしましては、ハード対策とソフト対策を併せました官民の防災投資を積極的に進めていく。それから三つ目に、復興段階の取組といたしまして、被災地を以前の状態に戻すのではなく、将来の災害被害を軽減するための抜本的な災害予防策を導入した、いわゆるビルド・バック・ベターというような考え方が位置付けられたところでございます。
  70. 山本博司

    ○山本博司君 また、我が国が主張してきたものに防災主流化というのがございます。あらゆる開発政策や計画防災の観点を導入するこの防災主流化という考え方に関しましては、国際社会全体で災害に負けない強靱な社会をつくる上では大変大事な点でございまして、今後の気候変動に関する交渉の際にも大きな意味を持つものと考えます。  これに関連しまして、新しい指針をめぐっては、激甚化する自然災害と工業化を原因とする気候変動との因果関係などの表現につきまして先進国と途上国の間で意見の相違があったとのことでございますけれども、最終的には採択に至ったということは良かったのではないかなと思います。  今回の会議に関しまして、防災と地球温暖化対策の密接な関わり、これ改めて浮き彫りになりました。本年十二月にはフランス・パリで気候変動枠組条約の第二十一回の条約国会議、COP21の開催が予定をされております。この温暖化と自然災害、これは人類共通の脅威でございまして、今後の対策を進める上で最も重要なのはこうした国際協調でございまして、今後の議論の中に防災主流化の理念、これが定着するように日本としてもリードすべきだと思います。  この点に関しまして、今後、防災主流化に関して我が国がどのように主張をして参加国の理解を得たのか、赤澤大臣から報告いただきたいと思います。
  71. 赤澤亮正

    ○副大臣赤澤亮正君) 防災主流化は、より良い復興、ビルド・バック・ベターや女性など多様な主体の参画などと併せて、我が国が過去に得た知見を十分に反映させた政策、それを提唱して盛り込まれたもので、仙台防災枠組の非常に重要な概念になっております。このような具体的な目標世界が共有することは初めてであり、大変大きな成果だと思っています。委員御指摘のとおり、今年九月に国連採択予定国際開発目標、ポスト二〇一五年開発アジェンダ、あるいはCOP21などで災害リスク削減などを明確に位置付けるための有効な後押しになるというふうに考えております。  我が国においては、過去のあまたの災害から得られた知見や教訓、防災技術防災体制の仕組みなど世界と共有するために、安倍総理からも、防災分野における国際社会への貢献策として仙台防災協力イニシアチブを発表し、今後四年間で計四十億ドルそして四万人の人材育成ということを表明をいたしました。日本の知見と技術世界と共有する方針を打ち出したところでございます。  これらに基づいて、各国の開発政策において防災主流化が推進されるよう働きかけてまいります。さらには、秋からの国連総会、COP21などを始めとして、国際社会における発信にも全力を挙げていきたいと思います。
  72. 山本博司

    ○山本博司君 是非ともリーダーシップを発揮してお願いをしたいと思います。  途上国の中には、財政的な理由から十分な対策が講じられずに災害に対して脆弱なケース、これも多いのではないかなと思います。そうした国々に日本のノウハウ、これを伝えることの意義、これは大変に大きいと思います。  今回、安倍総理から表明されました仙台防災協力イニシアティブの中でハード、ソフト両面からの支援について盛り込まれておりますけれども、具体的にどのように行っていくのか、報告をいただきたいと思います。
  73. 山谷えり子

    国務大臣山谷えり子君) 第三回国連防災世界会議成果である仙台防災枠組で定められた死亡者数や経済的損失の削減など七項目の目標を達成するためには、開発途上国の防災能力を高めることによって全世界防災力を向上させていくことが重要であります。  会議の初日の安倍総理仙台防災協力イニシアティブの表明、また、アジア防災センターや国際復興支援プラットフォーム、IRPなど、我が国が主導する防災協力の枠組みを活用した支援を進め、防災情報の収集、発信や人材の育成、より良い復興国際社会への発信等に取り組んでまいります。  我が国は、防災先進国としてこれまで培った防災に関する知見や技術を生かしながら開発途上国の防災力の向上に資する協力を行い、国際社会における防災主流化に積極的に貢献してまいりたいと考えております。
  74. 山本博司

    ○山本博司君 是非ともお願いしたいと思います。  今回、この会議に関する資料を集める中で気になった点がございました。それは情報提供の在り方ということでございました。  現在は、内閣府の防災のホームページのトップに国連防災世界会議の見出しがございますので容易に情報にアクセスすることができますけれども、前回の兵庫で行われました第二回の国連防災世界会議の情報、これを確認しようとしますと、外務省のホームページに飛んで、最終的に国連のホームページに、英語の表記にたどり着くという、大変、なかなか一般の方々が情報を得るというのは難しい部分がございました。  この仙台防災枠組は今後十五年後までを見通した行動指針でございますので、継続的に情報発信をするということを是非とも進めていただきたい、このことを最後に質問して、終わりたいと思います。
  75. 日原洋文

    政府参考人日原洋文君) 委員御指摘のとおり、第三回の国連防災世界会議成果を広く一般の方々に御理解いただくということは大変重要なことだと思っています。  まずは今回のいろんな成果物あるいは資料等を公開したいと思っておりますけれども、それにとどまらず、今後我が国で行われます防災に関する取組あるいは世界に対する発信等も併せて掲載し、引き続き皆様のお役に立てるように頑張ってまいりたいと思います。よろしくお願いします。
  76. 山本博司

    ○山本博司君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  77. 東徹

    ○東徹君 維新の党の東徹でございます。  まず、南海トラフ巨大地震について三点ほど質問させていただきたいと思います。  東北地方太平洋沖地震では長周期地震動によって首都圏や大阪府等でも高層ビル等において大きな揺れが生じたわけでありますけれども、高層ビルとか石油タンク、長大橋梁等の長大構造物は、周期数秒から十数秒の固有周期を有するため、大地震に伴って発生する長周期地震動と共振することによって大きな揺れが生ずるというようなことがあるわけですけれども、このように、高層ビルにおいて長周期地震動の影響というのは非常に大きいというふうに思います。  内閣府でもこの点について議論されているというふうに思いますが、現在の状況についてお伺いいたします。
  78. 日原洋文

    政府参考人日原洋文君) 委員御指摘のとおり、現在、内閣府の有識者検討会におきまして、南海トラフや相模トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動について検討を進めているところでございます。  長周期地震動の推計、今回、我が国は初めて行うものでございまして、その前提となる断層モデルの設定方法、長周期地震の推計方法につきましての確実な手法がないということで、いろいろな検証を行っているところでございますけれども、委員からもまたいろいろと御指摘をいただいておりまして、ちょっと検討に時間が掛かっているという状況でございます。  また、その長周期地震動による各地の高層ビル内にいる人の行動あるいは家具の転倒、移動などの影響をどう評価するかとか、そもそも長周期地震動によってビルの構造体にどういう影響が生じるかなども検討課題となっており、専門家や関係省庁とともに検討しているところでございます。  いずれにいたしましても、長周期地震対策、大変重要な課題でございますので、鋭意検討してなるべく早く取りまとめてまいりたいというふうに考えております。
  79. 東徹

    ○東徹君 なるべく早くというふうにおっしゃられるんですが、結構これ時間掛かっているんですよね。非常に大事な高層ビルが大きく揺れたということもありまして、なかなか、検討して、出てこないということで非常にやきもきしておるんですが、いつ頃までに出していただくというようなめどというのはないんでしょうかね、これ。
  80. 日原洋文

    政府参考人日原洋文君) 申し訳ありません。気持ちとしてはもっと早く出すつもりだったんですが、先ほど申しましたように、委員からもいろんな御意見、委員というのはその有識者委員会委員ですけれども、いろんな御意見いただいておりまして、ちょっと検討に手間取っているというのが実態でございます。申し訳ありません。なるべく早くということで御了承いただきたいと思います。
  81. 東徹

    ○東徹君 是非お願いしたいと思います。もうこれはたしか、東日本大震災があって、その後、何か検討する検討するで、ずっとこれ先延ばし先延ばしになってきている課題でございますんで、是非とも早急にお願いしたいと思います。  次に、南海トラフ地震についてですが、内閣府の公表では、南海トラフ地震による大阪府の死傷者数ですが、最大で七千七百人というふうにされておりますが、大阪府独自の被害想定を出しますと最大死者数約十三万四千人ということを見込んでおりまして、これはもう本当に甚大な被害になってしまうわけですが、このような多数の死傷者が見込まれる南海トラフ地震では広範囲における津波被害というのが想定されております。津波から人命を守るということが一番大事であるというふうに思っておりまして、住民の迅速な避難を促すといったソフト面では対策が必要でありますけれども、それだけではなかなか十分に人命を守ることはできないというふうに思っております。  そこで、ハード面の対策、特に液状化に対応できる堤防の強化、必要というふうに考えておりまして、この点についてどのように今現状進んでいるのか、お伺いしたいと思います。
  82. 池内幸司

    政府参考人池内幸司君) お答え申し上げます。  南海トラフ地震によります津波は、短時間で到達して浸水範囲が広域に及ぶおそれがございます。このため、津波から人命を守ることを最優先として、住民が速やかに避難できる体制を確保する等のソフト対策と併せまして、できるだけ浸水被害を減らすためのハード対策も進めていく必要がございます。  ハード対策といたしましては、堤防の高さを確保するだけではなくて、地震の揺れによって堤防が壊れたり、あるいは沈下したりすることで津波を防ぐ機能が損なわれないように耐震・液状化対策を進めることが重要であると考えております。このため、国土交通省といたしましては、耐震・液状化対策を含めた海岸堤防等の整備に対して、防災・安全交付金等により引き続きしっかりと支援してまいりたいと考えております。
  83. 東徹

    ○東徹君 しっかりと支援していただけるということなんですが、非常にこれも大事でありまして、想定すると死者数が十三万人なんですが、もうこの防潮堤、現在ある防潮堤を液状化対策する工事でありますから、新しく防潮堤を造るわけではないわけでありまして、それによって十三万人の被害のところが八千百人まで、九割ですね、被害削減できるということですので、是非ともこれを進めていただきたいというふうに思います。  次に、南海トラフ沿いでは、一九四四年の東南海地震、マグニチュード七・九と、一九四六年の南海地震、マグニチュード八が約二年間の間隔を置いて発生しているように、時間差で大規模地震が生じるということも考えられるということなんです。  時間差で大規模地震の発生が生じ得る場合、避難指示をどうするかといったことから、初動対応の在り方、二次被害の防止、社会や経済の混乱の抑制など様々な問題が生じるわけですけれども、平成二十六年三月二十八日の南海トラフ地震防災対策推進基本計画では対策検討を行うというふうにされておりますが、これも現在、検討状況いかがなんでしょうか。
  84. 日原洋文

    政府参考人日原洋文君) お答えいたします。  南海トラフ地震につきましては、どのような形態で発生するかということ、まだ別にはっきりしないわけでございますけれども、取りあえずということで、まず最も過酷な事象を対象検討しようということで、昨日発表いたしました具体計画におきましては、まずは東海地震、東南海地震、南海地震、それから日向沖も含めて、その一連の地震が一度に起きる、これが一番津波規模も大きくなりますし、一番被害状況が大きくて投入すべきリソースが小さいということになりますので、そういう意味では一番過酷な状況想定した計画をまず作ったところでございます。  今後、東海地震が単独で発生するケースなど、それ以外の南海トラフ地震対応につきましても、今回の検討をベースにしながら様々な地震検討を進めてまいりたいというふうに思っております。  また、いずれにいたしましても、大規模地震が発生した場合には、時間差で次々起きるという場合もありますが、大きな余震が来るということもありますので、そういったことも含めまして、地盤の緩みや施設の損傷、河道閉塞等の発生等のいわゆる緊急点検調査、あるいは建物についての応急危険度判定等、こういったものを迅速にどういうふうにやっていくかという体制の構築ということが大変重要だと思っておりますので、関係省庁や地方公共団体協力して進めてまいりたいと考えております。
  85. 東徹

    ○東徹君 次の質問に移らせていただきます。  東京オリンピック・パラリンピック対策についてでありますが、首都直下型地震に関して、東京では二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会の開催を控えており、対策が講じられる時間がこれは限られているわけであります。両大会の世界から東京に訪れる多くの人たちに安心して来ていただけるよう十分な対策が必要というふうに考えます。  世界の大都市の中で、東京、横浜というのは一番自然災害のリスクの高いところというふうに、そういうデータもあるわけでありまして、そこで、二〇二〇年の両大会開催を控えて、限られた時間の中で耐震化や火災対策をどの程度まで進めようと考えているのか、御見解をお伺いしたいと思います。
  86. 山谷えり子

    国務大臣山谷えり子君) 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック開催まで約五年に迫っております。首都直下地震対策につきましては、一昨年の十二月に首都直下地震対策特別措置法が施行され、昨年三月に首都直下地震緊急対策推進基本計画を定め、首都中枢機能の継続性の確保や、人的、物的被害の軽減に向け各般の施策を推進しているところです。  また、本日の閣議において、基本計画を変更し、様々な施策について具体的な減災目標を追加いたしました。特に、人的、物的被害の多くは建物の倒壊や地震後の火災により発生することが想定されておりますことから、平成三十二年度までに住宅や多くの方が利用する建築物の耐震化率の九五%への引上げや、地震時等に著しく危険な密集市街地の解消を目指すことなどを盛り込んだところであります。  オリンピック・パラリンピックの開催まで限られた時間ではございますが、関係省庁と連携しつつ、首都圏にお住まいの方々の御理解と御協力を得ながら、早急に首都直下地震対策を進めてまいります。
  87. 東徹

    ○東徹君 これも二十七年度の予算案を見ますと七千万円というふうになっておるんですが、これ、五年間の間にこれだけ予算を掛けてやっていきますよというような計画というのはあるんですか。
  88. 日原洋文

    政府参考人日原洋文君) 予算的にといえば毎年度の予算審議の中でございますので、そういったものをあらかじめ定めているわけではございません。
  89. 東徹

    ○東徹君 是非、この五年間しかもうないわけでして、五年間の中にどこまでやっていくんだという計画、具体的な計画が必要じゃないのかなというふうに思っておりまして、是非そういったことを御検討いただきたいなというふうに思っております。  続きまして、今回、後ほど審議予定の、ちょっと名前が長いので、いわゆる地震財特法、名前読みますと、地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案という法律で、非常に長いんですが、このいわゆる地震財特法ですが、期限延長についてちょっとお伺いしたいんですが、これは確認のため、お伺いしたいと思います。  これ、二十七年三月三十一日までに終了すべきであったというふうに聞いておりますが、それが遅れているため五年間の延長が必要ということですけれども、なぜ遅れたのか、まずその理由についてお伺いしたいと思います。
  90. 松本洋平

    大臣政務官(松本洋平君) 地震財特法によりかさ上げがなされている施設のうち、例えば公立小中学校の耐震化等につきましては、強化地域として指定されている八都県のいずれにおいても平成二十六年四月時点の全国平均である九二・五%を超えるなど、本法に基づきこれまで一定の成果が得られているところであります。このように関係施設について順調に整備が進められているところではありますが、今委員御指摘のとおりでありまして、まだ一〇〇%には至っていないというような状況であります。  この理由といたしましては、地方自治体の財政状況事業実施に当たっての関係者との調整の長期化などの理由から、耐震化率についてまだ一〇〇%に至っていないというふうに認識をしているところでございます。  今回の地震財特法の延長によりまして、より一層の地震防災対策が推進がなされることを期待しているところであります。
  91. 東徹

    ○東徹君 次に、地震財特法対象である社会福祉施設とは具体的にどのような施設か、お示しいただきたいと思います。
  92. 松本洋平

    大臣政務官(松本洋平君) 社会福祉施設についてでございます。  これにつきましては、児童福祉法に規定する乳児院、障害児入所施設、情緒障害児短期治療施設、生活保護法に規定をいたします救護施設、老人福祉法に規定をいたします養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、障害者総合支援法に規定をいたします生活介護又は自立訓練に係る障害者支援施設のうち、木造の施設の改築について国庫の補助のかさ上げが規定されているところであります。  以上です。
  93. 東徹

    ○東徹君 ということは、高齢者施設が入っていない、そして保育所が入っていない、障害者福祉法の、先ほど障害者の話がありましたけれども、木造以外は入っていないということですか。
  94. 日原洋文

    政府参考人日原洋文君) 高齢者施設は、養護老人ホーム及び特別養護老人ホームは対象となっておりますが、それ以外のものは入っておりません。  それから、保育所につきましては対象ではございません。  それから、木造以外のものは対象でないというのはおっしゃるとおりでございます。
  95. 東徹

    ○東徹君 最後、ちょっと聞き取りにくかったです。
  96. 日原洋文

    政府参考人日原洋文君) 済みません。  木造以外のものが対象となっていないのは、おっしゃるとおりということでございます。
  97. 東徹

    ○東徹君 じゃ、次にお伺いいたしますが、この地震対策緊急整備事業計画が作成され実際の地震防災対策が進められているところ、事業費として、残事業が一千二十六億円、追加事業が約二千八百八十二億円ということなんですが、そこで、予算として実際に今後この法律に基づく事業の実施についてどの程度必要になるのか、お伺いしたいと思います。
  98. 松本洋平

    大臣政務官(松本洋平君) 御指摘のとおり、強化地域として指定されている八都県によりますと、平成二十七年から三十一年度の次期五か年の計画に係る残事業及び追加事業の合計が約四千億円でございます。これに対する国庫補助金の額は、通常分を含めまして約一千八百八十億円と見込まれているところでございます。  なお、この一千八百八十億円という数字でありますけれども、これは、本法のほかにも全国的な地震防災に係る制度である地震防災対策特別措置法に基づく国庫補助率のかさ上げがありますので、これによるかさ上げ分を除いた地震財特法だけのかさ上げ分だけを計算をいたしますと約二十五億円と見込まれているところでございます。
  99. 東徹

    ○東徹君 要するに、今回地震のことでかさ上げするのは二十五億円ということだけですよね、二十五億円。一番大きいのは道路ということですね。間違いないですか。
  100. 日原洋文

    政府参考人日原洋文君) 計画対象事業としてはかさ上げが行われない施設対象になっておりますので、そういった面で申しますと、避難等に使われます道路事業が一番事業としては大きくなっております。
  101. 東徹

    ○東徹君 次の質問に移らせていただきます。  続きましてはビルの耐震化促進についてでありますが、例えば東京の銀座、新宿、大阪、梅田、こういった商業地では二十センチから三十センチメートルの間隔で五階から十階建ての雑居ビルが多く建っておりますけれども、こういった大きな揺れが生じるとビル同士が衝突して倒れる可能性があります。  免震装置の導入については、国土交通省の社会資本整備総合交付金と防災・安全交付金の対象である住宅・建築物安全ストック形成事業というのがありますけれども、この中で免震装置を含むビルなどの耐震工事が促されるよう事業対象となっているわけですが、まずこの実績についてお伺いしたいと思います。
  102. 杉藤崇

    政府参考人(杉藤崇君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、大規模地震による被害最小化のためには耐震化が重要でございますが、このためには所有者の負担を軽減することが大変重要だと考えてございます。  このため、御指摘の免震装置の導入を含めまして、地方公共団体が、一定規模、具体的には延べ面積千平米以上で三階建てぐらいの建築物の耐震改修につきまして、地方公共団体がこれらの費用補助を行う場合に国も交付金により支援を行ってございます。国と地方合わせて工事費の二三%の補助を行うという支援を行ってございます。  お尋ねの多数の者が利用するこれらの建築物に対する支援等の実績でございますが、平成二十五年度におきまして、国交省の補助を活用して耐震改修を行った建築物の実績は全国で四百四十三棟となってございます。
  103. 東徹

    ○東徹君 全国で四百四十三ですから、非常にこれは少ない数字じゃないのかなというふうに思っておるんですが、今後どのようにしてビルの耐震化、これを促進していくのか、お伺いしたいと思います。
  104. 杉藤崇

    政府参考人(杉藤崇君) おととし、建築物の耐震改修促進法が改正をされまして、特に大規模なもの、延べ床面積が五千平米以上のものの不特定多数が利用する建築物に対しましては耐震診断の義務というのが課されました。これと併せて、耐震改修の国の補助制度につきましても充実を図りまして、国庫補助率の引上げを行ってございます。  こうした今申し上げました耐震診断義務付け対象建築物はもちろんのこと、これら以外の不特定多数利用の建築物につきましても国の制度の充実はさせていただいてございますが、これと併せまして、地方公共団体における補助制度整備というのが非常に重要でございます。このため、国土交通省といたしましては、地方公共団体における補助制度整備充実につきまして積極的に働きかけを進めているところであり、今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えてございます。
  105. 東徹

    ○東徹君 是非この耐震化対策、非常に重要だと思いますので、しっかりと進めていっていただきたいと思います。  続きまして、地震地域係数についてお伺いしたいと思うんですが、この地震地域係数ですけれども、要するに活断層が通っているところ、こういったところはやっぱり地震地域係数というのは非常に高くなるはずだというふうに思っているんですが、ところが、そういうようになっていないわけでありまして、同じ都道府県でも直下型地震を引き起こす活断層から五メートル以内なら係数を上げるというふうなことは当然必要じゃないのかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
  106. 秋野公造

    委員長秋野公造君) 杉藤審議官、時間が過ぎておりますので、簡潔に願います。
  107. 杉藤崇

    政府参考人(杉藤崇君) はい。  お答え申し上げます。  活断層の地震発生確率につきましては様々な研究が行われてございますが、残念ながら、現時点では不確定さを含んでいたり、新たな知見が得られた場合に変わることがあるといった段階でございます。  このため、建築基準法では、耐震基準も含めまして、最新の科学的知見に基づき、できる限り客観性のある基準を定めるように努力してございますけれども、残念ながら、現在の知見では活断層による地震発生確率を基準に直ちに反映させることはなかなか難しい点があるということを御理解いただきたいと思います。
  108. 東徹

    ○東徹君 非常に不思議なんですね。結構ほかのところは都道府県でも細かく細かく何か地震地域係数やっているところあるんですけれども、まあ大概の都道府県は余り細かくやっていないと。活断層あるところなんかは当然これ危険じゃないのかなというふうに思うんですが、これは是非検討していただきたいと思います。  時間ですので終わらせていただきます。ありがとうございました。
  109. 仁比聡平

    仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  今日は、活火山の監視観測体制強化の問題について、まず政府の基本的な認識を伺っていきたいと思うんです。  つい先日、三月二十六日に、火山噴火予知連絡会火山観測体制等に関する検討会の御嶽山の噴火災害を踏まえた活火山の観測体制強化に関する報告が出されました。私、これ読ませていただきまして、御嶽山についていいますと、昭和四十年一月一日に気象庁が火山情報の発表を正式に開始して以来最多の人命を失う災害となったという現実を極めて重く受け止めて、現状に至っている体制の課題を深く省みて真剣な検討を行っておられるということを、その文章の隅々からにじみ出ているように思ったんですね。  そこで、まず気象庁にお尋ねしますけれども、この御嶽山噴火で明らかになった課題として、結果として今般の噴火災害を防止できなかったという観点から、噴火に至るまでの気象庁の対応を振り返ってみると、以下のような幾つかの課題が明らかになったとして諸課題を挙げておられるんですが、この紹介をいただくとともに、政府としての受け止め、認識はどうなのかと、その点をまず伺いたいと思います。
  110. 関田康雄

    政府参考人(関田康雄君) 昨年の御嶽山の噴火につきまして、火山噴火予知連絡会の下にあります検討会において、火山観測体制につきまして検討を行っていただきました。  その中でいろいろと課題が指摘されておりますが、まず第一に、今回の噴火が水蒸気噴火ということで、非常に前兆現象が出にくい、検知しにくい、予測することは非常に困難である噴火であったということがまず第一に挙げられるかと思います。このため、火山噴火予知連絡会のその検討会におきまして、火山観測体制について強化すべきという御提言を、これは昨年十一月に緊急提言という形でもう既に出されておりますが、こういったものを出していただきました。  具体的な内容を申し上げますと、水蒸気噴火の兆候をより良く捉えるための火口付近への観測施設の設置。これは、水蒸気噴火というのは、山全体が変形するのではなくて、本当に噴火する火口の付近だけ変形する場合が非常に多いものですから、火口付近という非常に限られた場所に観測機器を設置しないと噴火を予測できないという、こういった課題があるということで、ここを御提言いただいております。そのほかにも、御嶽山のマグマ活動を把握するための観測強化、あるいは八甲田山、十和田、弥陀ケ原といった、こういった三火山について常時観測火山に追加すること、こういったような提言もいただいているところでございます。  私どもとしましては、こういった内容につきまして、関係機関連携の上、しっかりと対策を現在進めておるところでございます。
  111. 仁比聡平

    仁比聡平君 正面からこの報告は私、受け止めるべきだと思うんですね。  申し上げた幾つかの課題として報告書では三つが挙げられていまして、その第一は、山頂付近での観測体制が十分でなかったことですね。二つ目は、こうした場合の総合的な火山活動の評価体制が十分でなかったということ。三点目に、名古屋大学や火山噴火予知連絡会委員との間で、十分な意見交換、認識の共有がなされなかったといった課題が指摘されているわけですね。これは、気象庁の対応についての言わば不十分さということの指摘なのだろうと思うんです。  その中で、一つ伺いますが、現地調査という課題があります。御嶽でも、九月十日から十一日にかけて火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生するとの判断に至らなかったという指摘と併せて、九月十二日以降も地温や噴気、火山ガスなどに変化を及ぼすような火山活動ではないと考え、現地調査を行うという判断に至らなかったという指摘があるわけですね。  これ、現地調査によって得られる、監視や観測にとっての重要な情報というのがやっぱりあるということなんだと思うんですが、その点はいかがですか。
  112. 関田康雄

    政府参考人(関田康雄君) まず、今回現地調査を行わなかった理由なんですが、これは実際、今回の噴火の前に、平成十九年の三月に非常に小規模噴火がございました。この噴火の前には、今回ありましたような地震活動、これを上回るような非常に規模の大きな地震活動がありました。それから、微動も観測されました。それから、地殻変動もありました。こういったように、非常に顕著な前兆が見られました。  その上で、実は、そういった前兆現象が見られてから三か月ぐらいした後に非常に小規模噴火があったという事実がございます。この事実を我々知っておりますものですから、今回はそれに比べると、地震活動がありますけれども、前回に比べると規模が小さい。それから、九月十日、十一日と二日間は非常に地震活動がありましたのですが、その後すぐに収まってしまったということ。それから、地殻変動や微動が観測されなかったということから、今回は噴火に至るような活動ではないというふうに判断いたしまして、現地調査も行わなかったというのが事実でございます。  御指摘いただきましたとおり、そうはいっても、やはりこれだけ大きな災害になったことを、結果として防ぐことができなかったという反省に立てば、やはりあらゆる手段を尽くして情報を集めるべきであったという観点から、今後は、このような活動に変化が見られた場合には、その変化の規模によらず、直ちに現地に人を派遣して、現地で得られる情報を得てくると、こういうことが非常に重要だということを御提言いただいておりますので、我々の方もそのようにさせていただきたいというふうに考えております。
  113. 仁比聡平

    仁比聡平君 私、こうした専門家の指摘を受けながら現地調査を行わなかったことを合理化するような御答弁をここで聞きたくないんですね。  私が尋ねているのは、現地調査、あるいは政府もですよ、今後の問題として機動観測とおっしゃっているでしょう。つまり、遠望のシステムではなく、現地に臨んで分かることというのがあるんじゃないんですか。
  114. 関田康雄

    政府参考人(関田康雄君) まず、データとしましては、これはカメラを使ったり、あるいは地震計を使ったり、あるいは地殻変動を計測する機械を使ったりして、こういったものは全てデータとしてこの火山監視・情報センターの方にリアルタイムで送られておりますので、こういったデータについては分かります。ただ、もちろん、遠望はカメラを使って見ているだけですので、例えば臭気ですね、臭いとか、こういったやはり現地でしかつかめないものは当然あるだろうと思っています。  ただ、現在のところ、そういったものがどの程度噴火の予測に活用できるかというところは、これからまたいろいろと検討を進めなければいけないんだろうと思いますが、少なくとも情報を集めるということは極めて重要だということは、これは間違いのないところでございますので、今後はそういった形でさせていただきたいというふうに考えております。
  115. 仁比聡平

    仁比聡平君 ですから、予知連絡会は、結果として今回の噴火災害を防止できなかった。つまり、噴火は、噴火そのものは防止できないとしても、これが最多の人命を失うという結果、その災害は防止しなきゃいけないじゃないかと、それが観測体制強化であり、専門家や気象庁、火山防災の責任じゃないかと、この観点から課題を指摘をしているわけでしょう。  私、この気象庁の人の体制の問題についてこの委員会でずっと問題にしてきたんですけれども、今気象庁が常時観測の火山に対して監視をしておられる、その体制というのは、全国で四か所、つまり札幌、仙台、東京と福岡、この四か所しかない情報センターに人が集中しているという体制ですよね。ですから、現地に臨むといっても、恐らくそんな簡単な話じゃないんだろうと思うんです。  この今回の報告の中で、機動観測の体制を強化する、あるいは地元自治体観光業など日頃から火山周辺の状況に詳しい方々とのネットワークを構築して、火山活動に変化があった場合に現地の状況を把握できる体制をつくる、それから幅広く大学、研究機関などと意見交換を実施できる体制を構築する、加えて地元の気象台にもこうした火山活動状況の認識を共有できる環境をつくる、こうした人の配置に係る提言がされているわけですが、これまでの人員を削減していくこの流れからしたら、これは到底できないこと。  私は、地元の気象台にもこうした環境をつくるんだと、あるいは火山ごとに地元の住民の皆さんと本当のネットワークをつくるんだというのは、人を抜本的に配置することなしにはあり得ないと思うんですけれども、この具体化はどうしていかれるおつもりですか。
  116. 関田康雄

    政府参考人(関田康雄君) 今御指摘いただきましたとおり、大変行財政事情厳しいところで、気象庁としましても全体では数がずっと減ってきているという事実がございます。そういった中でも、やはりこういった提言をいただきました。それから、本当にこれだけ大きな災害を防ぐことができなかったという反省に立てば、我々としてもできる限りの強化はしてまいりたいというふうに考えております。
  117. 仁比聡平

    仁比聡平君 次の問題として、火山の専門家が大変少なくなっているという課題があるわけですよね。  この点について、予知連絡会の藤井敏嗣名誉教授が火山観測研究の危機的現状という指摘を繰り返しされてこられました。その御指摘の中で、国立大学法人への移行以来のポスドク問題ということがあります。博士号取得者の多くが終身の雇用ポストに就けないという状況の下で、博士課程への進学意欲がそがれて研究者の後継者難が引き起こされていると。ポスドクが観測所、研究所を転々と移動し、正規教員にはなれないという現実を目の当たりにして学生そのものが減少しているという、こうした指摘がされているわけですよね。  文科省の審議官にもおいでいただいていますが、さきに十一月、科学技術・学術審議会測地学分科会地震火山部会において、御嶽山の噴火を踏まえた火山観測研究の課題と対応についてという文書が出ておりますが、この報告でも、大学の法人化によって研究リソースが限られてしまったという認識があると思います。私、この時期に、大学の研究を十六火山に重点化するという当時の方針が出たときに、これは火山防災強化に逆行する動きではないかとこの委員会で厳しく指摘をいたしました。  大学において、当時の文科副大臣が、研究価値の大きい火山に研究を重点化するというふうに述べて、結局、そうした長期的な視野の持てない大学の在り方が火山の専門家の後継者を大変にしてきたということではないかと思うんですけれども、この点はどんな今御認識にあるんですか。
  118. 磯谷桂介

    政府参考人(磯谷桂介君) お答え申し上げます。  先生御指摘いただきました平成二十六年十一月に文部科学省の科学技術・学術審議会測地学分科会におきまして、今後重点的に進められるべき火山観測研究や人材育成の在り方等がまとめられております。その中で、特に火山観測研究において、先ほど御指摘の十六重点火山を見直しまして、新たに、研究的意義が高く水蒸気噴火の可能性が高い火山を重点研究の対象に加えまして、御嶽山を含む二十五重点火山とすることなどが提言されております。また、噴火の予知が見られた場合等に観測研究が強化できる機動的な体制の構築、あるいは先生御指摘の人材育成も含めまして、観測研究と人材育成を一体的に行うプロジェクトの立ち上げなど、火山観測研究の強化について方向性が示されております。  二十六年度補正予算におきまして、火山観測研究体制の強化を図るための必要な経費、あるいは機動観測のための経費、加えて火山活動のリアルタイム観測技術開発に必要な経費として二十一億円を計上しております。  さらには、先生御指摘の人材育成につきましても、先ほど申し上げたような観測研究と人材育成を一体的に行うプロジェクトですとか人材育成強化等々につきまして、早急に省内に検討の場を設けて取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。  今後とも、関係機関協力して、火山研究者の育成に努めてまいりたいと考えております。
  119. 仁比聡平

    仁比聡平君 大臣、聞いていただいていて、感想で結構なんですけど、ちょっとお尋ねをしたいんですが。  先ほど来の噴火予知連の報告書にはこういうくだりがあります。「先端的な火山学の知見は、将来的には火山噴火の予測に繋がるものもあるが、直ちに火山災害軽減の実現に結びつくとは限らない。大学・研究機関等は、長期的な視点に立ち学術的な研究の成果を着実に積み上げることが求められる。また、研究成果を着実に気象庁の業務の高度化に活かし、火山災害の軽減に結び付けるための応用研究も実施する必要がある。」と。本当に長期的に見ないと、今度の、例えば阿蘇もですね、危険だという地域指定されたのは昭和五十年なんですね。やっぱり長いスパンで本当に物を見ていくし、判断ができる人材を育てていくということなしにこの火山国で国民の命を守ることができないと思いますけれども、大臣、御感想はいかがでしょう。
  120. 山谷えり子

    国務大臣山谷えり子君) 火山防災対策については長期的な取組が必要だと考えております。そして、委員丁寧に読んでいただきました三月二十六日の御嶽山を踏まえた今後の火山防災対策の推進についての報告書でありますが、この内容、今後の火山防災対策の大きな指針となるものでありまして、政府としましては、本報告における提言の実現に向けてしっかりと取り組んでいかなければならないと考えております。  火山研究体制の充実のための人材育成には時間が掛かります。火山防災対策については長期的な取組が必要であると認識しておりまして、引き続き、関係省庁連携しながら、火山防災対策を推進するための取組、継続的に実施し、火山監視観測体制の充実や火山研究体制の強化等を図ってまいりたいと考えております。
  121. 仁比聡平

    仁比聡平君 時間が迫ってまいりましたので予算などの問題についてはまた次の機会に譲ることにして、農水省においでいただいておりまして、一言決意をお尋ねしたいと思うんですけれども。  阿蘇噴火、特に降灰による農作物被害、これ極めて深刻だと先ほど来お話があっているとおりです。活火山対策特別措置法に基づく様々な支援措置が桜島の経験なども踏まえて積み上げられてきたわけですけれども、県の方で防災営農施設整備計画が策定をされた場合、近くされるだろうと思いますけれども、露地の土壌改良だとか、あるいはハウスの支援だとか、こうした支援を、できることは何でもやるという構えで取り組んでいただきたいと思いますが、一言いかがでしょうか。
  122. 室本隆司

    政府参考人(室本隆司君) 阿蘇山噴火以来、国といたしましても防災営農施設整備計画の作成について関係県に技術的助言を行ってきたところでありまして、地元の意向や降灰状況を踏まえまして、今後、県が防災営農施設整備計画を作成した段階で、計画に位置付けられた事業の推進が図られるよう国として適切に対応してまいりたいと考えております。  委員御指摘のビニールハウスあるいは土壌改良等につきましては、大量の降灰によりまして、私ども被覆施設というふうにビニールハウスを呼んでございますが、その被覆資材、これはビニールでございます、その劣化が著しく営農に大きく支障を来している場合は、地域の実情や営農体系を勘案しまして被覆資材の更新を支援するということを既にやっております。  したがいまして、これは一定の条件がございまして、例えばビニールハウスにつきましては、当該施設の被覆資材の光線透過率、これがおおむね七〇%を下回るもの、あるいは火山活動による噴石等で破損したことが明らかに認められるものなどを対象にその更新に対する費用支援しているところでございまして、今回の阿蘇山噴火による降灰におきましても、同様の状況確認でき、今後、関係県がその計画に被覆施設あるいは土壌改良、こういったものを位置付けることとなれば国としても適切に対応してまいりたい、このように考えております。
  123. 仁比聡平

    仁比聡平君 ありがとうございました。  終わります。
  124. 田中茂

    田中茂君 日本を元気にする会・無所属会、無所属の田中茂です。  早速質問させていただきます。  まず第一に、東洋ゴム工業の不良免震ゴム問題について質問させていただきます。  国交省の発表によれば、東洋ゴムの不適合免震ゴムを使用した建物は全国で五十五棟にもなりました。その中には、南海トラフ地震が起きたときに高知県の司令塔になる県本庁舎、そして高知東署及び安芸市の総合庁舎、さらに、神奈川の芸術劇場や消防庁舎等、災害で避難場所にもなる可能性がある公共施設も多く含まれております。  これらについて、三月の二十六日、つい最近なんですが、国交省は震度五強程度の地震でも十分な耐震性があるとする見解を発表し、うち十七棟について震度六強、七程度の地震で試算して耐震性が確認できたとしております。しかし、翌二十七日、東洋ゴム工業は新たにほかの製品でも偽装が疑われるということで百九十五棟の調査を行うと発表いたしました。  国交省は、既に大臣認定を受けている全ての免震ゴムについて実態調査をすると発表しましたが、性能評価に当たって提出した試験の記録調査担当者への聴取を含めたものは自社調査として企業任せにしております。  東洋ゴムの性能評価は国交省が認可している指定性能評価機関の日本免震構造協会が行いましたが、この審査は書類だけであり、単純なミスやデータ不足は指摘できても偽装は見抜けないと言われております。つまり、申請技術的な根拠がなくてもデータなどがそろっていれば認定され、満たすべき基準性能の細部を国が定めているわけではなく、あくまでメーカーの自主的な申告なわけです。  東洋ゴム工業は、偽装を知ってから国交省へ届け出るまで一年も費やし、その間に偽装と知りながら十二棟の建物に製品を納入しております。これは極めて悪質な行為と言えます。不適合免震ゴムの存在は十年間も知られず、内部告発で初めて発覚し、国交省は東洋ゴム工業からの報告があるまで事実を知らなかったわけであります。新たに分かった百九十五棟についても同様であります。今回の耐震性調査も、企業の報告を受け、それで確認できたとしております。  そこで質問なんですが、ほかのメーカーに対しても実態調査を命じておられますが、これも各企業任せであると聞いております。監督官庁としては余りにも安易ではないかと考えざるを得ません。そこで、現行の大臣認定の在り方、とりわけ災害防止の安全、安心に関わる極めて重要な、重大な機能チェックにおいて、言わば自己申告と言える審査方法にされたいきさつをお聞かせいただけませんでしょうか。
  125. 杉藤崇

    政府参考人(杉藤崇君) お答え申し上げます。  免震材料の大臣認定の申請に当たっては、御指摘のとおり、あらかじめ指定性能評価機関において、申請しようとする免震材料が所定の技術基準に適合するかどうかについて、学識経験者等による性能評価を受けることというふうにされております。  このような仕組みにしておりました理由でございますが、従来から、指定性能評価機関における性能評価に当たっては、新技術の開発や民間の創意工夫を阻害しないようにということで自社試験データも認めてまいったところでございます。今回改ざんが明らかとなった免震材料につきましても、性能評価を受ける際に申請者から提出された試験データが正しいという前提の下、書面やヒアリングで審査がなされていたものということでございます。
  126. 田中茂

    田中茂君 言わば性善説というか、そういうことで自己申告制を取られたのかもしれませんが、事国民の安全、安心に関わる検査であります。その辺はよくお考えになっていただきたいと思っておりますが、まさに大臣もおっしゃっているのが、これまで大臣認定は試験データは正しいという前提でやってきた、国がどういう形でチェックするか工夫しなければいけないと、そのようにおっしゃっていらっしゃいます。内容は国民の生命、財産に関わることであり、危急の課題であると思っております。  そこで、次の質問なんですが、東洋ゴム工業の偽装問題は二〇〇七年の断熱パネルの試験データ偽装に次いで二度目であります。技術的審査は国土交通省管轄の指定性能評価機関が実行し、建築関係の認定申請年間約四千件にも上ると、そのように聞いておりますし、国交省ではとても審査ができないことは私自身も理解します。が、今後のチェック方法、また大臣認定の在り方について具体的にお答えいただけませんでしょうか。
  127. 杉藤崇

    政府参考人(杉藤崇君) まず、今後の再発防止策の大前提として、不正事案の原因究明ということが非常に大事だというふうに考えてございます。  御指摘のとおり、今回の改ざんについて、東洋ゴム工業は、データの補正がブラックボックス化され、一人の担当者が改ざんし続けていたというふうに説明しております。これについて、同じ製品開発部門に複数職員がいるのになぜ見抜けなかったのか、品質保証部門においてなぜ見抜けなかったのかなどの様々な疑問がございます。  こういったものにつきまして東洋ゴム工業に対して原因を究明するよう強く求めているところでございますが、国土交通省といたしましても、このような原因究明をまずきっちりした上で、再発防止策等につきまして専門的な見地からも検討し、国交省に対して御提言をいただくために、学識経験者から成る免震材料に関する第三者委員会を設置することにいたしました。今週四月三日に第一回委員会を開催することとしてございます。  ちょっと現時点で具体的に、どういう見直しということまでは現時点で申し上げられませんけれども、この第三者委員会における提言も踏まえて、他に類似の事案が生じるおそれがないかを要因ごとに分析し、御指摘の認定制度の問題も含め、要因ごとに必要な再発防止策を検討してまいりたいと考えております。
  128. 田中茂

    田中茂君 二次災害になる可能性もあります。国民の安心、安全に関わる検査には徹底した見直しを行っていただき、国民が不安に陥ることがないように信頼できる仕組みを早急につくっていただくよう、私から強く要望しておきます。  次に、津波避難タワーについて質問させていただきます。  全国の自治体津波に備えた簡易な鉄骨タワー、手軽なのは鉄骨造りで五メートル程度の高さだと一千万ほどでできるということですが、かなり全国に建設されております。高層ビルや高台が少ない地域では、人工の高台として国もこれを推奨し、各地域、沿岸部自治体で実情に応じて設置されておりますが、多くは住宅地に近い浸水想定域内に設置することが計画されております。  そこで、質問なんですが、この設置に関して明確な国の安全基準がないと聞いております。したがって、不適合免震ゴムと同じようなことがないとも限りません。安全基準については検討中とのことですが、現在どうなっているのか、お聞かせください。
  129. 日原洋文

    政府参考人日原洋文君) お答えいたします。  津波からの避難のために、基本は高台に避難していただくことですけれども、それが間に合わない場合に津波避難ビルあるいは津波避難タワーということの整備というものも有効であるというふうに考えております。  この津波避難ビルあるいは避難タワーにつきましては、スマトラ沖地震を踏まえまして、平成十七年に津波避難ビル等に係るガイドラインというものを定めておりまして、そこでどういった考え方で設置するか、その場合の構造面、特に津波はエネルギーを持っていますので、それに対してどう耐え得るかとか、高さはどういうふうに設定するかというようなことも定めております。  ただ、その際に定められたものに対しまして、平成二十三年の東日本大震災の教訓を踏まえますと、更に見直す点もあるということで、国土交通省の方から、設計外力の方ですけれども、津波に対し構造耐力上安全な建築物の設計法等に係る追加的知見というものを定めていただきまして、それを都道府県に通知し、それを基に津波避難ビル等の設計等が行われているというふうに承知しております。
  130. 田中茂

    田中茂君 やはり安全基準というものがないとかなり不安に感じる国民の皆さんいると思いますので、その辺は、ガイドラインを作っているということは以前お聞きしておるんですが、安全基準は明確に作っていただきたいと、そのように思っております。  また、近い将来予測されている南海トラフ地震では、最も高い波は三十四メートルと想定されております。タワーの強度や高さなど、数多くある津波避難タワーの実態及びその安全チェック体制がいかになっているのか、お聞かせいただけませんでしょうか。
  131. 日原洋文

    政府参考人日原洋文君) お答えいたします。  今後の津波対策検討を目的といたしまして全国の市町村対象としたアンケート調査を実施しておりまして、平成二十六年に実施した調査によりますと、全国の十三の道府県で百三十四の津波避難タワーが整備されているという結果をいただいております。  津波避難タワーの整備当たりましては、先ほど申しましたガイドラインあるいは追加的知見を基に、市町村等におきまして、設置場所や避難スペースの高さ、構造耐力上の安全性の確認をしているというふうに承知しております。
  132. 田中茂

    田中茂君 避難タワーは上り下り、階段とか、スロープもあると思うんですけれども、障害者とか高齢者の方には大変じゃないかなと思うんです。その辺も考慮して、今後どういうふうに改良されていくのか、検討していただきたいと、そう思っております。  さらに、群馬大学の災害工学研究室の片田敏孝教授、御承知のように、片田教授は津波てんでんこを子供たちに八年間教え続け、東日本大震災では釜石の出来事を生んだことでも有名なことであります。その片田教授によるシミュレーションによれば、避難タワーは耐久性、高さ共に安全性に限界があるが、場所によっては住宅地に近いため誘導効果を持ちやすく、想定以上の津波が来た場合、相当の犠牲者を生む危険性もあると。そういう報告があります。  この片田教授の見解について大臣の御見解をお聞かせください。
  133. 山谷えり子

    国務大臣山谷えり子君) 群馬大学片田教授によるシミュレーションでは、津波避難タワーが設置された場合、住民等は津波避難タワーに向かって避難するため、津波避難タワーを設置せずに住民等が高台へ避難する場合に比べて被害が大きくなるケースもあり、津波避難タワーの効果には限界があるとの内容になっていることは承知しております。  内閣府において作成した津波避難ビル等に係るガイドラインでは、津波からの避難は高台避難が大原則であるということを記載するとともに、津波避難ビル、津波避難タワーは、地形的な条件等により避難地の確保が困難な地域に対し、やむを得ず適用される一時的、緊急的な避難施設として記載をしております。その上で、津波避難タワー等の配置については、津波から遠ざかる方向へ避難する場合のみを対象として検討するよう記載されております。  したがいまして、住民等に対しては、近くに高台がなく津波の到達までの時間も僅かな場合など、やむなく津波避難タワー等へ避難しなければならないときには、海から遠ざかる方向にある津波避難ビル等へ避難すべきであるということを周知していくことが非常に重要です。  内閣府としましても、避難困難地域における津波避難タワーの整備を促進するとともに、これらの津波避難における留意事項の周知等にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
  134. 田中茂

    田中茂君 ちなみに、地震学者の石田瑞穂さんですか、彼女がおっしゃっているのは、津波タワーのような逃げるためだけの構造物を造り続けるのは現実的ではない、逃げる拠点として最適なのは歩いていける距離にある小学校と述べられております。小学校を数十年ごとに強化し、公共の場としての使用を推奨されてもおられます。  このように、あらゆることを想定して、何が一番大事かというと国民の安全、安心であります。それを第一義としてあらゆる想定を考えていただきたいと思っております。  次に、東京大学の技術研究所の津波危険地域における建築基準等の整備に資する検討、その中間報告について質問させていただきます。  これも先ほどの避難タワーにも関与してくるんですが、国交省の委託により東大技術研究所は津波危険地域における建築基準等の整備に資する検討を行って、その中間報告によれば、東日本大震災において実際に利用された津波避難ビルの被害調査で、想定浸水に相当する階の一階上までは被害は受けたが、二階以上は安全でしたと、この事実から、避難スペースの配置を検討する際には、想定浸水の深さに相当する階の更に二階以上に設ければ安全であるとしております。また、津波避難ビルを有効な避難施設とするには、より安全な場所との位置関係、そこへの移動経路、先ほど大臣もちょっとおっしゃっていましたが、移動経路も含めて津波避難ビルの役割と限界が周知されることが重要で、これが津波避難計画に位置付けられることが必要だと考えます。  東日本大震災では、津波避難ビルに想定以上に避難者が長く滞在することとなりました。この提言は極めて重いと思いますが、その後の避難ビル及び津波タワーの建設に反映されているのか、お聞かせいただきたいと思います。
  135. 日原洋文

    政府参考人日原洋文君) お答えいたします。  東京大学等において行われました調査におきまして、浸水階の二階以上ならばほとんど被害を受けていないとの報告があったというふうに承知しております。  元々のガイドラインにおきましては、浸水深に耐える高さについて個別に検討するようなかなり面倒くさい計算をすることになっておったんですけれども、実際の実態を見ると浸水階の二階以上ならば被害を受けていないということが分かりましたので、そういった方で計算すれば安全側である、大丈夫であるということを通知して、簡易な方法による津波避難タワーの建設、設計というものを認めるようにしたところでございます。  また、配置につきましては、先ほど大臣からお答えさせていただきましたとおり、きちんとその趣旨を周知することが大事だというふうに考えております。
  136. 田中茂

    田中茂君 今おっしゃったとおりに、確かに、まず安全な高台や高い建物を目指す、避難経路を明確にする、避難タワーはその途中で補完的に行うことであるというのを周知徹底すべきだと、そのように思っておりますので、是非その点はやっていただきたいと思います。  次に、大臣の所信表明について質問させていただきます。  大臣は所信表明の中で、津波から人命を守るためには住民の迅速な避難を促進するソフト対策が重要であり、津波防災訓練を実施するなどにより、津波防災の国民運動を全国に展開してまいりますと述べられました。私もまさにそのとおりだと思っております。東日本大震災の際の釜石市の鵜住居地区防災センター、あのような悲劇がもう二度とあってはならないと、私もそう思っております。  そこで、避難訓練は、様々な状況を設定して、詳細な情報を徹底周知し、何度も繰り返して行う必要があると思います。前の質問でも話しましたが、津波てんでんこを徹底して教えることで多くの子供たちが助かりました。国民一人一人に参加してもらう運動も結構ですが、現実的には大変だと思っております。各地区のまとめ役の人たち、若しくは、いなければ地区ごとで誰かを選任し、その方たちに対する危機意識を教え、行動訓練などが有効かとも思います。その内容を地区に持ち帰り、実際に訓練を行うとか、そういうこともあり得ると思っております。  そこでお伺いいたしますが、津波防災の国民運動を全国に展開していくと大臣はおっしゃいましたが、具体的に訓練などの内容について教えていただけませんでしょうか。
  137. 山谷えり子

    国務大臣山谷えり子君) 南海トラフ地震被害想定では最大で約二十三万人もの津波による死者数が試算されていますが、住民一人一人の迅速かつ主体的な避難行動により、津波避難タワー等のハード対策の効果と併せ、死者数は約二割に減少します。こうした適切な避難行動を住民に取っていただくためには、実際に行動に移してみるなどの体験的訓練を重ねることで、一人一人が取るべき行動を体に刻み込むということが大変に重要だと考えております。  こうした認識の下、平成二十六年度には、十一月五日の津波防災の日を中心に、内閣府と関係地方公共団体で全国八か所において住民参加の避難訓練を実施するとともに、内閣府の呼びかけに応えた約三百団体の地方公共団体、民間企業等が津波避難訓練や安否確認訓練等の訓練を実施し、約八十万人の方々が参加いたしました。平成二十七年度におきましても、内閣府と関係地方公共団体で全国十か所において住民参加地震津波防災訓練を実施するとともに、昨年同様、地方公共団体、民間企業等の訓練実施を促してまいります。さらに、啓発ポスター、ピンバッジの作成配布、日本郵便株式会社による記念切手の発行等も行います。  今後とも、様々な機会を通じて多様な主体に津波防災訓練の重要性を訴えていくことで、津波防災の国民運動を全国で展開してまいりたいと考えております。
  138. 田中茂

    田中茂君 大臣、詳細な説明ありがとうございます。  時間が来ましたので、私の質問はこれで終わりにします。
  139. 秋野公造

    委員長秋野公造君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  140. 秋野公造

    委員長秋野公造君) 次に、地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  提出者衆議院災害対策特別委員長梶山弘志君から趣旨説明を聴取いたします。梶山衆議院災害対策特別委員長
  141. 梶山弘志

    衆議院議員(梶山弘志君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。  地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律は、昭和五十五年五月に災害対策特別委員会提出による五年間の時限立法として制定されたものであり、これまで五年ごとにその有効期限を延長してまいりました。  この間、発生の切迫性及び被害の甚大性が懸念される東海地震に備え、本法律に基づき、地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業が三十五年にわたり鋭意実施されてきたところでありますが、本法律は、本年三月三十一日をもってその効力を失うこととなっております。  しかしながら、地震対策緊急整備事業には、現行計画で執行できなかった事業がある上、現行計画には盛り込めなかったものの地震防災対策の推進上緊急に整備すべき事業も少なからず存在しております。  本案は、このような状況に鑑み、本法律の有効期限を更に延長し、当該事業を引き続き実施することにより、地震防災対策強化地域における地震防災対策の充実強化を図るために提案したものであります。  次に、本案の主な内容について御説明いたします。  第一に、地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の有効期限を五年延長し、平成三十二年三月三十一日までとすることとしております。  第二に、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から施行することとしております。  以上が、この法律案の提案の趣旨及び主な内容であります。  何とぞ、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  142. 秋野公造

    委員長秋野公造君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  143. 秋野公造

    委員長秋野公造君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  144. 秋野公造

    委員長秋野公造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十六分散会