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2015-03-25 第189回国会 参議院 災害対策特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年三月二十五日(水曜日)    午後一時二十九分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         秋野 公造君     理 事                 古賀友一郎君                 松下 新平君                 野田 国義君                 山本 博司君     委 員                 磯崎 仁彦君                 高野光二郎君                 柘植 芳文君                 長峯  誠君                 羽生田 俊君                 馬場 成志君                 舞立 昇治君                 吉川ゆうみ君                 大島九州男君                 大野 元裕君                 那谷屋正義君                 水岡 俊一君                 東   徹君                 仁比 聡平君                 田中  茂君    国務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣防災)        )        山谷えり子君    副大臣        内閣府副大臣   赤澤 亮正君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        松本 洋平君    事務局側        常任委員会専門        員        田中 利幸君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○災害対策樹立に関する調査  (災害対策基本施策に関する件)  (平成二十七年度防災関係予算に関する件)  (派遣委員報告)     ─────────────
  2. 秋野公造

    委員長秋野公造君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず、災害対策基本施策について、山谷国務大臣から所信を聴取いたします。山谷国務大臣
  3. 山谷えり子

    国務大臣山谷えり子君) 国土強靱化担当防災担当大臣山谷えり子でございます。  第百八十九回国会における御審議に当たりまして、災害対策に関する私の所信の一端を申し上げます。  我が国は、その自然的条件から、各種の災害が発生しやすい特性を有しております。こうした我が国特性を踏まえ、防災は国家の基本的かつ極めて重要な任務であるとの認識に立ち、災害に強くしなやかな国づくりを進めてまいる所存です。  発災から四年がたった東日本大震災を始め、この一年で見ても、豪雨土砂災害火山噴火地震豪雪等災害が発生いたしました。これらの災害により亡くなられた方々とその御遺族に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、全ての被災者方々に心からお見舞い申し上げます。  続きまして、防災対策の主な課題取組方針について御説明いたします。  まず、火山防災対策の強化です。  昨年九月に発生した御嶽山火山災害を受けて、中央防災会議の下に設置した火山防災対策推進ワーキンググループにおいて、具体的な対応策検討を進め、今年度中に取りまとめを行います。その検討結果を反映させつつ、火山地域関係者一体となった警戒避難体制充実などを内容とする活動火山対策特別措置法の一部を改正する法律案を今国会に提出する予定です。  次に、今後発生が危惧される南海トラフ地震首都直下地震への対策についてであります。  南海トラフ地震については、昨年三月に中央防災会議にて決定された南海トラフ地震防災対策推進基本計画に基づき、南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画を今月中に策定し、関係省庁地方公共団体と連携して、救助、救命、医療等災害応急対策を、より迅速、的確に実施できるよう取組を進めます。また、津波から人命を守るためには住民の迅速な避難を促すソフト対策が重要であり、津波防災訓練を実施するなどにより、津波防災国民運動を全国で展開してまいります。  首都直下地震については、昨年三月に閣議決定された首都直下地震緊急対策推進基本計画及び政府業務継続計画に基づき、関係機関認識を共有し、一体となって地震対策に取り組むための減災目標を設定するとともに、発災時の災害応急対策活動に関する計画策定に取り組みます。また、首都中枢機能継続性確保耐震化火災対策等、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会も見据え、関係省庁関係地方公共団体とも緊密に連携しつつ、地震に強い町づくり推進してまいります。  続いて、土砂災害対策については、昨年八月に広島県で発生した土砂災害を踏まえて中央防災会議の下に設置した総合的な土砂災害対策検討ワーキンググループにて、人命保護等のための総合的な対応策検討し、出水期までに土砂災害対策取りまとめを行います。  これらの様々な災害対策推進に当たっては、公助のみならず、自助、共助の取組いずれもが重要であると考えております。こうした認識の下に、地区防災計画制度推進を始め、災害教訓の継承、国民防災意識の啓発や防災ボランティア活動環境整備、企業における事業継続取組計画普及等取組を進めてまいりますとともに、総合防災訓練大綱に基づき国や地方公共団体において、防災の日や津波防災の日を中心に防災訓練を総合的かつ計画的に実施してまいります。  また、国際防災協力については、東日本大震災を始めとする幾多の自然災害から得られた知見や教訓我が国防災技術防災体制等世界と共有し、国際社会において防災主流化を積極的に推進していくことが重要です。第三回国連防災世界会議の成果である新たな防災の枠組み、仙台防災枠組国際社会で着実に定着していくよう、今後も日本が防災先進国として世界をリードしていく所存です。  国土強靱化につきましては、強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災減災等に資する国土強靱化基本法を踏まえて昨年六月に決定した国土強靱化基本計画等の着実な推進を図るとともに、地方公共団体における国土強靱化地域計画策定支援してまいります。また、国土強靱化アクションプラン二〇一五の策定に向けた検討を進め、毎年度のPDCAサイクルを実践します。  今後とも、施策重点化優先順位付けを行い、ハード、ソフト対策を適切に組み合わせながら、国、地方、民間が一体となって、効率的かつ効果的に国土強靱化を進めてまいります。  以上申し上げましたとおり、東日本大震災一連災害からの迅速かつ円滑な復旧復興と、これらの災害教訓とした災害対策の一層の充実を実現し、災害に強くしなやかな国づくりを進めるため、大きな使命感責任感を持って全力を尽くしてまいる所存です。  秋野委員長を始め、理事委員各位の格別の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
  4. 秋野公造

    委員長秋野公造君) 次に、平成二十七年度防災関係予算に関し、概要説明を聴取いたします。赤澤内閣府副大臣
  5. 赤澤亮正

    ○副大臣赤澤亮正君) 国土強靱化担当防災担当大臣赤澤亮正でございます。  東日本大震災以来、直近では昨年の御嶽山噴火災害広島土砂災害、その他地震豪雨、台風、大雪等一連災害によりお亡くなりになられた方々と御遺族に対しまして、深く哀悼の意を表しますとともに、被災者方々に心からお見舞いを申し上げます。  災害から国民の生命、身体、財産を守ることは国政の最重要課題の一つでございます。防災担当大臣として、山谷大臣を補佐し、一連災害からの復旧復興、今後の災害対策全力で取り組んでまいります。  秋野委員長を始め、理事委員各位の御指導、御鞭撻を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。  では、平成二十七年度の防災関係予算案概要につきまして、お手元の資料により御説明申し上げます。  まず、一ページの総括表について御説明いたします。  この表は、関係省庁施策のうち防災関係のものとして予算額を特定できるものについて取りまとめをしたものでございます。  科学技術研究関係が約百億円、それから災害予防関係が約四千八百四十億円、国土保全関係が約千三百七十二億円、災害復旧等関係が約二兆七千三百十三億円となっており、これらを合計しますと約三兆三千六百二十五億円となります。  次に、主要なものを簡単に御説明を申し上げます。  二ページからの科学技術研究につきましては、文部科学省において、地震津波に関する正確かつ迅速な情報提供等に資するため、地震津波観測監視システム整備、運用するほか、国土交通省気象庁などでも、地震や風水害、火山、気象などの災害に関する調査研究に要する経費を計上しております。  四ページからの災害予防につきましては、内閣府において政府における防災教育訓練等を、警察庁において災害警備活動用資機材整備等を、消防庁において緊急消防援助隊活動に必要な施設及び資機材整備等に要する経費を計上しております。  また、学校施設などの建築物耐震化関係省庁において促進していくほか、厚生労働省において災害医療関係国土交通省における災害に強い町づくりなどに要する経費をそれぞれ計上しております。  十一ページの国土保全につきましては、主に農林水産省及び国土交通省において、治山事業治水事業海岸事業などに要する経費を計上しております。  最後に、十二ページからの災害復旧等につきましては、内閣府において被災者生活再建支援金の支給や災害救助費等国庫負担復興庁において東日本大震災からの災害復旧事業東日本大震災復興交付金等経費を計上しているほか、関係省庁において所管施設災害復旧事業に要する経費を計上しております。  以上の予算案に基づき、東日本大震災からの教訓を十分に踏まえつつ、政府一体となって総合的な災害対策推進し、国民の安全、安心の確保に努めてまいる所存でございます。何とぞよろしくお願いを申し上げます。  以上で説明を終わらせていただきます。
  6. 秋野公造

    委員長秋野公造君) 以上で所信及び予算説明の聴取は終わりました。     ─────────────
  7. 秋野公造

    委員長秋野公造君) 次に、去る五日に行いました阿蘇山周辺地域における火山防災対策等に関する実情調査のための委員派遣につきまして、派遣委員報告を聴取いたします。松下新平君。
  8. 松下新平

    松下新平君 三月五日、熊本県において、阿蘇山周辺地域における火山防災対策等に関する実情調査してまいりました。  今回の調査は、東日本大震災から四年を迎え、また、第三回国連防災世界会議開催等により、防災対策重要性が注目される中で、阿蘇山噴火降灰とともに、活動火山対策特別措置法に係る検討がなされるなど、火山対策への取組喫緊課題となっていることに鑑み、実施したものであります。  参加者は、秋野公造委員長古賀友一郎理事野田国義理事山本博司理事仁比聡委員田中茂委員、また、現地参加されました馬場成志委員松村祥史議員及び私、松下新平の九名であります。  現地調査概要を御報告いたします。  阿蘇山では、昨年十一月二十五日にマグマ噴火が始まり、活発な火山活動が続いております。噴火警戒レベルは、昨年八月三十日に、レベル一からレベル二に引き上げられ、火口からおおむね一キロメートル以内の立入りが禁止されています。  また、噴煙が千メートル以上に達した際に発表される降灰予報は、昨年十一月以降二十四回発表されており、降灰影響熊本県にとどまらず、宮崎県などにも及んでおります。  現地におきましては、まず、阿蘇くまもと空港において、熊本県の村田副知事及び前川県議会議長より、現在県が策定を進めている防災営農施設整備計画に基づく事業への予算措置降灰除去事業及び土石流対策推進風評被害対策に係る支援など、三十一項目にわたる降灰対策に関する緊急要望書を受領しました。  次に、バス車中にて、内閣府から火山防災対策概要について、また、気象庁から火山監視体制阿蘇山の最近の活動について、それぞれ説明を聴取した後、阿蘇市を訪れました。  同市内においては、阿蘇火山防災会議協議会会長佐藤阿蘇市長から、火山活動状況に応じた避難・立入り規制対策火山防災訓練内容火山ガス検知器及び退避うの設置状況、今回の噴火に伴う影響等について説明を聴取するとともに、熊本県から、交通、観光農作物などの分野における降灰による影響及び被害状況、本年二月に取りまとめ熊本阿蘇山噴火降灰対策計画に基づく対策降灰対策に関する緊急要望書概要等について説明を受けました。  また、宮崎県から、ビニールハウスで栽培する農作物露地野菜等への降灰影響対策活動火山対策特別措置法に基づく防災営農施設整備計画変更手続見通し等について説明を聴取したほか、防災営農施設整備計画等に基づく事業の実施に際しての所要額確保など、四項目から成る要望書を受領しました。宮崎県の原田五ケ瀬町長からは、降灰中長期化する中で農家が安心して営農できるための支援必要性等について説明がありました。  次いで、阿蘇火山防災会議協議会佐藤阿蘇市長長野南阿蘇村長及び草村高森町長、また、宮崎県の五ケ瀬町の原田町長及び甲斐議長県関係者等派遣委員との間において、降灰による五ケ瀬ハイランドスキー場への影響阿蘇山における退避ごう等の現況及び今後の整備方針降灰による観光への影響及び風評被害対策のため必要となる財政支援の規模、火山専門家との連携協力体制農作物被害等に対する生産者側要望内容、今後の農作物作付けに資する予防的な対策阿蘇山噴火活動継続期間見通し営農者地域住民生活の不安を払拭する対策必要性等について意見交換を行いました。  その後、車中にて、阿蘇市から、火山監視体制及び退避うの状況について説明を聴取した後、噴煙を上げる火口から約一キロメートルの地点に位置する阿蘇山上広場において、退避ごうを視察しました。  阿蘇山には、ドーム型十二基、箱型四基の計十六基の退避ごうが設置されており、一基当たり収容人数は、ドーム型が約六十名、箱型が約百名であり、いずれも鉄筋コンクリート造りとなっております。現在、最も古い退避ごうが設置後四十年を経ているなど、施設の腐食や老朽化が進んでおり、今後の更新、整備課題であるとのことでありました。  続いて、車中にて、熊本県から、噴火に伴う農林業分野対応状況について、草村高森町長から、子供へのマスクやゴーグルの配付など教育分野での取組等について、それぞれ説明を聴取した後、最後に、高森上色見地区に赴き、畑地及び牧草現況を視察しました。  同地区牧草は生育不良により品質の低下や収穫量の減少が予想されること、降灰中長期化により作付け等見通しが立たないこと、他地域からの牧草調達等に伴う畜産に係るコスト増への不安があることなど、農家の方から切実な声を伺いました。  阿蘇山では、今後も中長期にわたる噴火活動降灰が続くことが懸念されており、現地においては、農林業への影響観光業等における風評被害が発生しております。今後、地域方々の不安を早急に払拭し、日常生活の安全、経済活動の安定を図っていくことが重要であります。今回の調査により、噴火及び降灰対策風評被害対策等について、国として万全の措置を講じていくことが喫緊課題であることを改めて強く認識した次第であります。  以上が、調査概要であります。  最後に、今回の調査に御協力をいただいた皆様に心から御礼を申し上げ、地域住民方々が一日も早く不安のない生活が取り戻せるようお祈りして、派遣報告とさせていただきます。
  9. 秋野公造

    委員長秋野公造君) 以上で派遣委員報告は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時四十七分散会