○
田城郁君 ありがとうございます。
予断を持たずにということはそのとおりだと思いますし、今
調査の段階ですから私も断定的に言うつもりはございませんが、しかし、仕事をやらないぞというふうに言われればどんなことも含めてのみ込まざるを得ないという、全部そういうものが
現場第一線にしわ寄せが来ている、そういう現状もやはり
考えられるということだけは私は思いますので、そういう視点も含めて
調査をしていただければと思います。
次に、工期と費用ということでお尋ねをいたします。
もう一つの
構造的な
要因が工期の問題であると思います。よく、職人仕事は急がせるなというふうに言われますけれども、建設
現場でもこのことは私は当てはまるのではないかと思います。時間的な余裕がない中で作業をさせても良い仕事はできないのではないか。
マンションの販売に関しては、申込受付開始時期や入居可能時期など、将来の日程が示されていることが数多く見受けられます。このように将来のスケジュールが決まっている中で、施工に不備やミスがあってもやり直しをすることで工期が延び、費用がかさむと、そういうことを恐れてそのことを申し出にくい、そういうケースがあるのではないかと
考えられます。
これは、過去に私がJRの鉄道事故に対する安全意識の問題で、限られた工期の中で多くの
工事をこなさなければならないという
現場の
実態を
指摘したと同様のことであるとも言えます。保線業務や信号設備等の
現場では、終電から始発までの限られた時間内に作業を行わなければならないことが多く、
工事を進める中で何か事故の予兆となる
要因を発見したとしても、
工事の中断による全体の工程の遅れ、電車を止めたくないという意識、あるいはそれに伴う
責任追及を恐れて、そうした予兆を上部に
報告しづらい
状況があるということをこの間
指摘してまいりました。
この点については、JRの労使が克服のために、止める勇気と動かす努力ということで今奮闘中でありまして、克服の方向で私は進んでいると認識をしておりますが、建設
現場においても同様の
状況があるのではないかと
考えられます。販売者のスケジュールに合わせて人の命に関わる建物の
安全性をないがしろにするようでは本末転倒でありますが、現在は安全より利益、更に言えば、命より金のような風潮があるのではないかとさえ思われます。こうした
実態を改善しなければ、将来また同様の事例が発生する懸念があると思われます。
大臣の御所見をお伺いをいたします。