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安井美沙子君 しっかりそこを
意識してもう取り組んでくださっているということをお聞きして、よかったです。
私は、その再興戦略を見ていてそこに余り目が行かなかったので申し訳なかったんですけれども、真っ更な一からのスタートのベンチャー・創業支援というのだけがちょっとトップの方にあって目に入ったものですから、今の第二の創業ということを改めてくくり出して、一般的な
中小企業支援とはまた別の、今
事業承継の話をしているわけですけれども、これから先どうやっていこうと考えている
中小企業の
方々が衣替えをするとかバージョンアップするというチャンスが大いにあるんだということに目覚めていくようなくくり出し、キャンペーンをしていただければいいのかなというふうに思います。
先ほども申しましたけれども、真っ更の一からのスタートのベンチャー創生というのは本当に大変だと思います。どんなに最初に補助金を付けたり支援をしたりしても、その補助金が切れたときに、結局続かなくて、テークオフできないという例が非常に多いですよね。ですから、第二創業というのは、それに対して、それなりのこれまでの実績があり、既存の
事業を維持
発展させるということは、もちろん
地域経済、
雇用に大きな意味があるわけですから、
是非これについては重要視していただきたいというふうに思います。
最後に、この件については、やはり開
廃業率を倍にする、そしてこの目標年次が定まっていない目標であること、それから、あのときに確認しましたけれども、ベンチャー
企業の定義もはっきりしていなかった、こういう目標の設定ではやっぱり
効果的な政策は立てられないと思います。創業支援ということで、目指すべきベンチャーの姿をもう少し明確化して政策を打つべきだと思いますし、今の第二創業の点についても同じぐらい頭出しをしていただければと思います。
では、
事業承継について少しお伺いをします。
先ほど
宮本委員の方からいろいろな
データをお示しいただいたのでもう繰り返しませんけれども、皆さんも本当に
高齢化の
現状については共有したと思います。
今の六十代って物すごく元気で、何というんですか、まさに現役という印象でございまして、特に私の地元愛知県は健康寿命日本一なんですね。この前もちょっとテレビでやっていましたけれども、なぜ健康寿命が一番かという話で、どうも外出率が高いということでした。確かに、地元にいますと、朝五時ぐらいから歩き回っている方も多いですし、モーニングという文化もありますし、とにかく外にいると。これが、人とのコミュニケーションも非常に高いということで、元気の源なのかなと思います。これを私も実感として理解していまして、実年齢に比べて非常に若々しい方が多いので、そんな六十代ぐらいで自分が
引退して
事業を次
世代に継ぐなんという実感が湧きにくいというのも理解できるんですね。
一方で、物づくりの拠点だけあって、中小・
小規模企業の数もすごく多くて、
平成二十四年度
経済センサスによれば、二十二万者のうち九九・六%が
中小企業、そして
雇用者は二百六十万人のうち六〇・七%で、
事業承継の悩みは御多分に漏れず深刻でございます。
愛知県
事業引継ぎセンターに行ってきました。話を聞きましたところ、元気な
高齢者が多い上に、先ほど
宮本委員もいろいろおっしゃっていましたけれども、最近は更に、子供が少ない、そして晩婚化で親と子供の年齢が離れている
傾向があって、
事業承継への着手が遅くなりがちなのだというふうに
お話をしてくださいました。また、教育熱心で、愛知県は私本当に教育熱心だと思いますが、子供を遠くの大学に行かせて大
企業に就職させたがる
傾向があって、昔はでっち奉公というのがあったんですけれども、今は自分が若くて元気なこともあるものですから、いつまでも戻さなくて、気が付いたら子供もいい年になって、そこの先で役職付きとなって戻ってこないと、こういうケースがよくあると聞きました。
事業承継はもう十年スパンのプロジェクトなんですね。家族を筆頭にステークホルダーの皆さんと誰を
後継者にするかということをさんざん話し合ってようやく決まっても、その
後継者を育成しなくてはならない。社内の様々な部署を経験して、仕事を理解してもらって、人脈をつくらなければならない。人だけでなくて、株などの
資産を引き継ぎやすいように整理するとか、やらなければいけないことがたくさんあって、十年スパンだというふうにおっしゃっていました。
これ、こんなにたくさんやることがあるのに、いざ自分がそろそろ
承継を考えなきゃいけないなとよぼよぼになって初めて思ってではとてもできない、弱音を吐きたくなった頃になって始めてはとても間に合わないということなんですね。一般の相続でもこういったことは言えるわけですけれども、
事業承継においてはなおさら
経営者が元気なうちに考え始めなければいけないということですが、実際にはそうなっていないということです。
一方で、やっぱり地元の話を聞いていますと、業績のいい
企業というのは資金的にも能力的にも人脈的にもいろいろ余裕があるので、
承継も早めに着手しているんです。三十代後半の息子が社長さんとして出てくることがよくあります。だから、彼らは手元資金もあるうちから株の生前贈与をしたり、個人保証の問題もなく、非常にうまくいくわけですね。ですから、結局この
事業承継の問題というのは、赤字であったり業績が低迷していたり、
事業環境の厳しい中小・
小規模企業の問題だというふうに言えると思います。
私、今こんな情景をちょっと
お話ししたんですけれども、愛知県、ちょっと日本の中でもかなり元気のいいところなので特殊なのかなと思うんですけれども、
中小企業庁長官は御就任されて間もないですけれども非常に
中小企業にお詳しいので、こんな私の理解についてどういうふうに思われるか、所見をお願いしたいと思います。