○加藤敏幸君 実はこれ、いわゆる
発明に関わる従業員という人たちを束ねて、それでその
意見を聞いてという場面はなかなか難しいんですよね、少ないんです。第一、
特許そのものに関わっているという人たちも少ない。雇用労働者ざっと言って五千万のうちの何万人がこのことに関わっているのかというと極めて少数派で、年金とか医療保険とかだと、わっと皆さん盛り上がって、自分のことだからという。しかし、
企業の中にあっても、正直言って製造部門の皆さん方にしてみると、あんまり、もう自分のことではない遠い世界のというか、いやあ、優秀な人たちの話だなと、こういうことで、なかなかそこが、直接、当該の従業員、
発明に関わる従業員の
意見をどう
聴取するかということはなかなか難しい
手続だと思うんですよ。
そういうことで、例えば、そういう部分も含めて組織化している連合さんの御
意見とかいろいろヒアリングする中で、最終的にいろいろ
意見はありますけれども、まあ妥当ではないかという御
判断もあったというふうには聞いているわけです。
そこで、そうは言っても、その立法事実は何なんだとか、いろんなことをしていくと結構とがった議論も中にあって、最終的にそういう総合
判断をされているということでいったときに、私たちは、やっぱりそのとがった部分も含めて、あるいは先ほど
質問の中でも言われていました、ある種いろいろ
課題があるということを見据えて、そういうふうなところを私はやっぱりきちっと解明をするし、この
委員会で最後まで
ガイドラインが明らかになるわけじゃないんですから、それを含めてどこまで議論が詰まっていくのかということ、非常に大事なことだというふうに思っています。
それと、もう一つ付け加えますと、この先
ガイドライン等の
質問をいたしますけれども、いずれにせよ、
使用者側に極めて偏った
制度も、それから従業員、
発明を行う従業員の方に偏った方式も、いずれにしてもやっぱりマイナスがあるということなんです。
企業側に偏ったことになると、やっぱりペイ、払っていくものは最小化したいということになると、もうやっていられないと、まあ程々にとは言いませんけれども、結構そういうふうな
意欲が減退をするし、じゃ、
発明者の
権利が強固に確立されますと、会社としても先々に何億と言われてもしようがないから、設備投資だとか研究開発投資の部分を小さくしていこうと。
そういうようなことになって共に良くないということから、やっぱりベストなところはどこなのかということをあくまでも探っていくと。それの答えというのは、あくまで言っても
企業ごとでいわゆるどういう
インセンティブ体系をつくっていくかと。そのことが関係する人たちにどれだけ理解をされて、そのことがいわゆる
企業の中における
知財あるいは
発明、このことが活性化するということにつながる方法でなければならないという、私はそういうテーマだというふうに思っていますので、これからそういうことで少し議論を進めていきたいというふうに思います。
さて、
訴訟リスクという
課題について、これもずっといろいろ議論をされてきました。
職務発明規程などを定めておけば、社員が行った
発明は会社に
帰属するということであれば、ある種そこで決着が付くということである。しかし、それが決着が付かないということは、ある種
相当ではないと本人は思っている、だからやっぱり不満だ、不足であると。あるいは後発的に
発生する
利益について、私の分け前を何とかならぬのかとかいうことを含めて、結構そういう争いが出てくるし、そのこと自体は
企業サイドが言われるとおり、そんな
訴訟リスク、
訴訟の手間暇掛けて、そんな暇じゃないんだと。そんな暇があるんだったらもっとお客さん開拓したいという、それも正しい経営の
判断なんで何とかしたいなということだと思うんです。
それで、私はそういう問題の根本的
対応策について、これは
特許庁ということよりも
経済産業省の立場で、産業立国あるいは
我が国の産業を発展させていくということからいくと、私は事業に貢献した技術者を正当に評価し処遇する仕組みということについて、もう少し
日本の
企業社会のコンセンサスを私は進めてほしいと。
私も、まあ出来の悪いエンジニアでしたから申し上げますけれども、やっぱり余り大事にされていないねと。要するに給料は安いなと。もうちょっとエンジニア大事にしてよというのは正直言って共感をしているし、昨日
代表質問された礒崎さんも同じような思いがあったというふうに思います。別に被害者意識を持っておるということじゃなくて。
なぜこういうふうなことになってくるのかというと、例えば、大学の学部がどこが人気があるのかといったら医学部なんですよ。それは、その後のやっぱり僕は稼ぎというものも大きな、
経済的な所得が大きな影響を与えていると。それから、田中投手ですよね、百何十億という。やっぱり、そういうふうなすごい、それは、じゃ、おまえ投げてみろと言われたらそうなんですけれども。
やっぱり、それだけに私は各
業界ごとで、例えばマスコミ
業界の人たちが一体どういう処遇を受けているかとか、いろんなことをやったり、あるいは金融界だとか。それはもちろん雇用の安定だとか総合的な視点をもって最終
判断はされますけれども、私はやはりそこのところを、この技術者だとか
発明に関わる人たちだとかと言われている職能の方々を社会的にどう位置付けていくかと。正直言って、縁の下の力持ち、御苦労さんと、お言葉でありがとうということではなくてと。
だから、そこのところを私はやっぱりきちっと
対応していくことが、逆に言うと
知財力を高めていくということにもつながると。誰も全員のことということじゃないんですけれども、処遇について私はやっぱり今の
日本の
企業社会の風土の中に反省すべきこともあるし、改善してほしいというふうに思います。
正直言って、ちょっとけちけちしたところがあると。この辺のところをよろしく、
大臣のお
考えもお伺いしたいと思います。