○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。
まず、
政府の
外交姿勢について。
公明党は、政権発足直後の一昨年の一月、山口代表が当時の習近平総書記と会談をしたことを始め、
政府外交を補完する形で様々な活動を行ってまいりました。それもありましてか、自公政権誕生以降、近隣諸国、特に日中、日韓、この
関係の
対話のパイプというのは非常に強いものになっている、このように
認識をいたしております。
先日も、国交正常化五十周年を迎えた韓国から国会
議員団約四十名の方がいらっしゃいました。私も参加をさせていただいたんですが、一日掛けて
両国間の懸案事項をしっかりと
審議をする機会も与えていただきました。また、日
中関係におきましては、
安倍総理、二回、習近平国家主席とは会談をされまして、また実務者レベルでも会談の機会が非常に増えている。とりわけ防衛担当者間ですね、いろんな機密も抱える中での会談ではありますが、防衛担当者間が四年ぶりに会談をするというような機会、日
中関係で進展もいたしました。
この
外交関係において、とりわけこちらの意図をきちんと相手に伝えていく、これがこれから
議論をさせていただく
抑止力の大前提でもあるかと思っております。
政府におかれましては、今後、より一層更に
対話による
外交重視の姿勢というのを是非貫いていただきたい、このようによろしくお願い申し上げます。これは御要望であります。
その上で、本題であります今日の
平和安全法制について、
総理もお越しいただいた席でもございますので、まず、そもそもの
必要性論というものをしっかりと
議論をしていきたいと
思います。
国民の
皆様にとっては、まだこの
平和安全法制が日々の暮らしの中にどのように関わっているのか、なかなかイメージが持てない。具体的にイメージを持っていただくことが非常に大事でございます。
まず、
パネルを御覧いただきたいと
思います。(
資料提示)
憲法前文、また十三条でございます。前文、平和的生存権、そして十三条、幸福追求権、赤字のみ読ませていただきますが、平和的生存権、「われらは、全世界の
国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」。また、十三条、「生命、自由及び幸福追求に対する
国民の権利については、」、「
最大の尊重を必要とする。」と。政治の
最大の使命は、
国民の安心、安全を守ることであります。危機が起きることを防ぐ、危機を起こさない、未然に防ぐということ、これが我々
政治家に課されている
最大の大きな使命である。そして、その憲法上の根拠がこの平和的生存権と幸福追求権であります。
今
議論をさせていただいている
平和安全法制は、まさに我々が政治の使命を果たす、平和的生存権、幸福追求権という憲法の価値を、これが脅かされる事態というのを未然に防ぐんだと、この憲法価値を実現するためのものであって、憲法破壊ということでは絶対ないと、これはまず申し上げたいというふうに改めて思っております。
では、いかなる事態であるのか。これについては、
安全保障環境の変化というふうに言われております。主に
二つございます。
一つは、パワーバランスの変化です。米ソ冷戦時代は、御案内のとおり、
アメリカとソ連、こちら両方とも、勢力がそもそも均衡し合うようなこの
二つがにらみ合っていた。しかし、力が同じであったので、なかなか手出しができないような状態であった。この冷戦期時代に比べまして、今はソ連というものもなくなりました。
アメリカも相対的な力というのが落ちてきた。その中で、力を付けた勢力が、この力の空白、生まれている、この隙をしっかり突いて、力によって
現状変更しようというような、そういうような状態に今なっているわけでございます。
そして、もう
一つが、この力による変更をこれは裏付ける部分でもあるんですが、軍事技術の高度化であります。特に、我々のいるこの東アジアについては、民主党時代に
防衛大臣も務められた森本拓殖大学の特任教授、
衆議院におかれまして参考人としてこういうふうにおっしゃっています。「二〇〇六年ごろから東アジアにおける構造的な変化が起きていて、」と、時期を明示しておっしゃってくださっているわけでございます。
こういった
安全保障環境の変化、特に軍事技術の飛躍的な向上について、典型的な想定例として挙げたいのが
北朝鮮による核、
ミサイルの脅威でございます。まず、これに対する
政府の
認識をお伺いしたいと
思います。
パネルを御覧いただきたいと
思います。
北朝鮮の弾道
ミサイルの進化の過程についての
パネルになります。古い順に、左からトクサ、スカッド、ノドンとなります。このノドンにつきましては、射程は約千三百キロメートル、
日本のほぼ全域を射程に収める。そして、その後、右に行きまして、開発中のものとしては、ムスダン、テポドン2、そしてKN08となります。この配備完了が確実に確認をされているのはノドンまででございますが、右
三つの脅威というのは、これはないということではございませんで、とりわけテポドン2は、二〇〇六年と二〇〇九年と二〇一二年、
日本に向けて、
日本の上空を二〇〇九年はとりわけ飛びまして、発射をされたというような実績もございます。
では、次の
パネルを御覧いただきたいと
思います。
これは、
北朝鮮の射程範囲拡大の推移をまとめたものです。こちらは、先ほどの各種
ミサイルについて射程範囲のイメージを分かりやすく、平壌を中心にして、仮にそこから発射された場合はどこまでが射程範囲として広がるかというところを円にして表しています。中心から
二つ目の少し紺色の輪っか、こちらがノドンの射程範囲です。北海道を除いてほぼ
日本が射程に入る。これは既に配備はされている
ミサイルです。
さらに、次の
パネルをお願いしたいと
思います。
技術的精度が上がったことを示す図でありますが、少々見にくいんですが、この小さな白い四角い枠がございます。これは、
北朝鮮が
ミサイルを撃つときに大体二〇〇九年頃から、ここら辺に向かって撃つぞというようなことを予告してから、人工衛星という形ではありますが、発射をしております。この二〇〇九年の四角い枠、ここが
北朝鮮が撃つぞと言っていた
地域であるわけですが、二〇〇九年の四角い枠では、大体枠の端っこの方に落ちている。二〇一二年の方を見ていただくと、枠の真ん中の方をほぼ間違いなく落としていっているという状態なわけですね。精度というのが確実にこれは上がっている。落とすと言っているところにしっかり落とせるような状態になっている。しかも、それが
日本の全土をほぼ射程に収めているわけでございます。
その上で、まず
中谷防衛大臣にお伺いをしたいんですが、この
北朝鮮の弾道
ミサイル能力の向上について、今申し上げた点、それに加えまして
政府として今注視している点はどのような点であるのか、御答弁をいただきたいというふうに
思います。