○小宮山
分科員 民主党の
小宮山泰子でございます。
本日は、伝統的産品そして自然
エネルギーに関しまして
質問させていただきます。
まずもって、私自身は、
日本というもののすばらしさというのは、自然とともに生きてきて、そして畏敬の念も持ち、また、自然を生かすことによって生活の彩りをふやしてきた、そういった文化というものが、今、
世界から見直され、そして、
日本の根本的な精神性というものに対しても大きな
影響を及ぼしているんだと思っております。
だからこそ、クールジャパンという独自の発想のもの、どちらかというとアニメコンテンツとかサブカルチャー的なものの方が
経済産業省においては大きく取り上げられることがあるわけですけれども、私としては、それよりもまず基本がきちんとできていなければ、そんなサブカルチャー、クールジャパンと言われるようなコンテンツ
産業もおかしな方向に進んでしまう。やはり基本をきちんとさせるという
意味において、きょうは
質問させていただきたいと思っております。
まず能楽から始まって、最近では和紙、和食というものもユネスコの無形文化遺産に登録されました。本当にこれは私どもにとって誇りでもあり、そして守るべきものであり、これを生かすことによって遺産ではなくするということも使命なのではないかなというふうに思っているところであります。
全国各地には、着物、和装や藍染め、扇子や和紙、和菓子、また、しっくいやコンニャクや漬物、それぞれの
地域の特色となるような産品というものができ上がっております。
日本人の生活と密接にかかわる衣食住さまざまな
分野での伝統的産品があり、土地や
地域の名称が与えられ、私たちの日常に彩りを与えているということは、共通の認識であると思います。
しかし、生活様式の変化や大量
生産、大量
消費という時代の流れの中で、手仕事による時間をかけてつくり上げられた様式や、そして製法、技法というものに根差した道具も含めまして、コスト面でも
生産規模においても不利な面は否めないですし、また、技術の伝承者も含めて減少の一途をたどっているという現実があるかと思います。
ビジット・ジャパン・キャンペーンでは、訪日外国人観光客は二千万人を目指すというのも現実味を帯びてまいりました。十年近く前に私も
予算委員会で
質問したときは一千万人でも多いような時代から考えると、本当に隔世の感はありますし、それだけ
日本が魅力的であるということで、加速度的に今進んでいるのだというふうにも思っています。
各地の文化に触れることが、景色や建物を見る楽しむとともに大きな魅力となっておりますし、この文化また
地域の伝統的産品というものを育てるということが、ひいては
日本の
経済の
活性化というものにつながるんだと思っております。
大分古いデータしかちょっと私とれなかったんですが、
海外での文化
産業の市場規模は、経産省のまとめによると、これは二〇〇九年のしか見つけられなかったんですが、四百六十兆円ほどになると。そのうち
日本の文化
産業は約三兆円という試算が当時出ておりました。その後もさまざまな試算を出され、クールジャパン、そういった施策につながっていったと認識しております。
しかし、伝統的産品の決定、また、今経産省で指定をしているそういったものは、ともすれば、希少だからこそ守ろうということが高じて、結局芸術品となってしまって、一部高級品につられる形で特別なものになってしまうために、
日本独自のオンリーワンの文化
産業となる機会を
世界の中では逃してしまっているのではないかと危惧をしているところでもあります。また、高級品となるがために、日常品として
生産できる
産業構造、技能者というものも失われてしまうのではないかという危機感が私にはございます。
その中で、まず、例えば着物、和服ですね。こちらの方は日常着として着用されなくなって久しくなっております。
需要の減少に伴って、着物の市場は、当然、高価なものまたは高級なものへと今シフトしていると聞いております。一般
消費者から見れば、着物は特別な日に着るものだと思われているようでもあります。
私も、何度も、本会議またさまざまなとき、季節の変わり目とか、そういったときに着物を着るようにはしておりますけれども、ほかの議員からは大変珍しいようなお声をかけていただきます。きょうは何かあったのかと聞かれるのが大抵でございます。
また、レンタルの着物を着てこられる議員の
方々が、同じ紋を何人も何人もつけているということにお気づきになっていないという
意味において、やはり日常にないからこそ
日本の和装文化のしきたりというものにも疎くなる。また、恐らく御自身の家の紋とは違うものをつけていても余り気にならないという
意味においては、特別なものになってしまったので、やはりそういった
意味の
需要喚起からは離れてしまっているんだというふうに、特に開会日には感じるものであります。
そこで、和装振興への取り組みの考え方、また、ほかの伝統産品にもある
意味水平展開すると思われますが、どのような取り組みが、経産省におきまして新しい
産業としての和装振興というものを捉えていらっしゃるのか、お聞かせいただければと思います。