○牧
委員 維新の党の牧
義夫でございます。
山井議員の後でございますから、少し静かに
質問させていただきたいと思うんですけれ
ども、今回は広範にわたる
質問をさせていただきますが、基本的には、
安倍内閣の
国民に対する
責任のとり方について、これを基調に
お話をさせていただきたいと思います。
まず、何といっても、安全保障をめぐる法
整備についてでございます。
我が国の安全保障をめぐる
議論の舞台というのはもう既に参議院に移っておりますが、そもそもこの安保法制、私、平安特でも申し述べましたけれ
ども、十八年ぶりに改定された日米防衛協力の指針、いわゆるガイドラインの中身、これが、従前の周辺事態法等では対処できないものが入っているから、だからそれをきちっと法
整備するんだということが、今回の法改正の肝の
部分、趣旨だと思います。
この十八年ぶりの改定というのは四月の二十七日に日米2
プラス2で
合意がなされたわけですけれ
ども、
安倍総理は、その二日後、四月二十九日に、連邦上下両院合同
会議においてゲストでスピーチをされました。そのスピーチの中身そのものについては今申し上げたガイドラインに基づくものでありますけれ
ども、まだ法案そのものが
国会に提出をされない前に、
安倍総理はそこで、この法案の夏までの成立を約束してきたわけであります。
もとより、このガイドラインそのものがアメリカの利益にもかなうものでありましょうから、だから、上下両院の合同
会議においては、本当に共和党も民主党も、上院議員も下院議員もみんなそろって見事にスタンディングオベーションをされながら、
安倍総理は喝采をされたわけでございます。これは当然といえば当然の話で、本当に、言い方は失礼かもしれませんけれ
ども、カモがネギをしょってきたんじゃないかというような、私はアメリカの
対応だったと思います。
その後、五月にこの法案が閣議決定をされて、ようやく、私
たちこの
国会で
議論をすることになったわけで、
国民の代表者が集まる国権の最高機関における
議論がアメリカでの約束の後に始まったということは、私は大変心外でございます。
国民の命よりもアメリカとの約束を優先させるんじゃないか、そのことを言われても、私はいたし方がない事実であろうと思います。反論があれば、後で述べていただければ結構でございます。
さらに、
国会での
議論が始まって審議が進む中で、さらに
国民の疑念が深まっているというのも、これも一方で私は否定できない事実じゃないかと思います。何よりも、これはもう再三こういう場で言われておりますけれ
ども、権威ある憲法学者が次から次へと、これは違憲ではないかという
意見を述べておられる、そして歴代の
内閣法制局長官も、これは違憲であるということをはっきりと述べているわけでございます。さらに、
安倍総理の補佐官でもある礒崎さんが、法的安定性、こんなものは関係ない、こういう発言をされる、こういう中で、
国民の
理解が深まるどころか、ますます疑念が深まっていると言っても過言ではないかと思います。
先ほど来
お話が出ておりますけれ
ども、その
議論の中で、中谷
防衛大臣からもまた、核兵器が法文上は運ぶことができる、法理上はできるというような発言もあり、さらには、これも
お話が出ましたけれ
ども、昨日の平和記念式典における
安倍総理の挨拶の中に非核三原則堅持という言葉がなかった、こういうことを踏まえると、
国民の
皆さんは、言葉にはならないかもしれませんけれ
ども、何かが着実に進んでいるんじゃないかという懸念を持っていると言っても、私は過言ではないと思います。
こういう
状況の中で、それでも
総理は、六十日ルールを使ってでも、何が何でもこの法案を通そうとしているのか、これはアメリカと約束してしまったんだからしようがないんだというのか否か、まずはお聞かせをいただきたいと思います。