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小熊委員 ちょっと長かったんですが、名前が変わった、それはまあ表紙が変わるのも大事、中身も大事ですから。
ここで私、もう一点いいなと思ったのは、特にアジア諸国の中で、被ドナー国からドナー国に変わっていく国もいっぱいあります。その国との日本の、日本ならではというのも出していかなきゃいけないという
意味では、今回の大綱の中には質の高い成長という哲学を入れています。単に援助するんじゃないんだと。
質の高いというのは、まさに持続可能性であるとか、今言われたCARICOMや南太平洋諸国の、卒業国になっちゃうけれども脆弱性を伴っているところをしっかり持続可能な発展ができるように支えていくということもその
一つですから、まさに、ほかの国と違う、日本ならではなんだ、それはすごく世界では評価されて、今でもしていますけれども、さらに、いろいろなドナー国との違いの中、別に過当競争する必要はないんですけれども、まさに日本が世界のODAのトップランナーとしてしっかりやっていくという
意味では、質の高い援助、質の高い成長を援助の中に根差していくということが私はこの大綱の一番の肝だというふうに
思いますから、それをしっかり今後、
大臣に取り組んでいただきたいんです。
では、実際、どうするんだというと、私は常々外務
委員会で、ODAは選択と集中というような言葉を外務省は使っていましたが、いや違うんだ、選択と集中と拡大だという話をさせていただいていて、
大臣も最近、外務
委員会の
答弁でも拡大という言葉を使っていただきました。
ISILの事件とかはまだ検証しなければいけませんが、ODAの予算に関して、総理も拡充という言葉を、今まではスクラップ・アンド・ビルドですから、いろいろな新しい取り組みをしながらも削っていくから総枠がだんだん絞られてきていましたが、拡充。
大臣も拡大という言葉を最近使い始めていただいたんですが、お手元に配付させていただいた
資料のとおり、二十六年度の当初予算と二十七年度の政府予算案でいうと、無償資金協力やJICAの
運営交付金は百億マイナスなんですね。今回の補正で少し盛ってはいるんですけれども、本予算がこれでは、せっかく大綱を見直して打ち出していくというときに、これでは全然、かけ声倒れになってしまうんです。
外務省の方々としゃべると、これはどこの省庁もそうですけれども、予算をとれないと、
財務省がというのが常套句でありますので、ここは
財務大臣にお聞きしたいんです。
ODAというのは、国内においても、国民の
皆さんはチャリティーだと思っています。東日本大震災のときにも、私は超党派で、亡くなられましたけれども中村博彦さん、そのときODAの
委員長でしたけれども、
有志で、減らすなという申し入れを当時の政権にしたら、めちゃくちゃ批判の意見をいただきました。
これがチャリティーであれば日本が大変なときに出すことはないんですが、チャリティーではありませんから、ODAというのは。でも、国民の
皆さんはそういうふうに思っちゃっている。
世界に対しても、ちゃんとした日本のODAの活動が本当に伝わっているかどうかわからない。しっかりこれを国家戦略として位置づけていかなければならない。でも、これは今財政が厳しいから減らすという話ではなくて、イギリスも財政が厳しいときにODA予算だけはふやしたという例もあります。
それで、このODA、国家戦略として、これは麻生
大臣も総理をやられたことがあるからそういう認識であると
思いますけれども、それを形でぜひ示していただきたいんです。
なぜ、このODA、日本の大事さの中で、国際的にも、世界の中でも大事さの中で、これを減らしちゃうんですかね。これから攻めていく、日本は開かれた国にしていく、世界にいろいろ情報発信をしていくという中で、これを減らすということは、結局、縮んでいく国になってしまうんじゃないんですか。
財務大臣の観点からも、何でこれを減らしたかをちょっとお願いします。