○水戸将史君
維新の党の水戸将史です。
私は、
平成二十七年度
地方財政計画、
地方税法等の一部を
改正する
法律案及び
地方交付税法等の一部を
改正する
法律案について、党を代表して
質問いたします。(
拍手)
質問に先立ちまして、二週間後の三月十一日で東日本大
震災から丸四年がたちます。東日本大
震災からの
復興なくして日本の再興もなしと
安倍総理も言われているように、一日も早い
震災からの復旧
復興、そして原発事故の
早期収束を心より願うとともに、
国会としてもさらなる
取り組みを誓うものであります。
また、きょうは二月二十六日。一九三六年、昭和十一年二月二十六日未明、雪降る帝都東京でクーデター未遂事件が起こった日であります。
この二・二六事件は、高橋是清蔵相を殺害、鈴木貫太郎侍従長殺害未遂、さらには
麻生太郎財務大臣の曽祖父に当たられる牧野伸顕内
大臣殺害未遂事件などが起き、昭和天皇実録でも明らかなように、天皇御自身が激怒され、鎮定の意思も示されました。ようやく三日後の二十九日に鎮圧。事件後、岡田内閣が総辞職という事件のあった日であります。
ことしは、戦後七十年の節目の年。改めて、平和の重み、とうとさをかみしめ、
我が国の平和のみならず、世界の平和を
実現すべく努力をしていくことを
国民とともに誓うことが大切であると
考えます。
さて、
地域主権
改革に目を向ければ、去る二月二十三日に大阪府松井知事が大阪都構想案を府議会に提出、翌日の二十四日には大阪市橋下市長が同案を市議会に提出。これにより、五月十七日に都構想の是非を問う住民投票が実施される見通しとなりました。いよいよ、大阪から、住民を巻き込んだ形での
地域主権
改革が大きく動き始めようとしております。
ところで、総務
大臣は、大阪都構想という
地域主権
改革について、積極的に対応されるというお気持ちでしょうか。まず冒頭、その御所見をお聞かせください。
そして、本題に入りますが、そもそも我が党は、
地方交付税法の
改正法案が前提としている
地方交付
税制度そのものに対して、大いなる疑問を呈しております。
確かに、各
地方において税源や
財源は偏在しているため、
地方間の財政調整自体を否定するものではありません。しかし、現在の
地方交付
税制度は、国税の一定割合を
財源として
地方に分配する形となっていますので、国税に依存する体質は従来から変わることなく、それが
地方の財政規律を緩め、
地方自治体の自立をも妨げております。
また、
地方交付
税制度は、
景気変動にも柔軟に対応できない欠点があります。
地方交付税の
財源は、所得税、
法人税、
消費税、そして酒税等ですが、このうち、所得税と
法人税の税収は、
景気が悪ければ減ります。そのため、
地方が不
景気で苦しいときにこそ交付税を求めたいのにもかかわらず、交付税がかえって減らされてしまうのであります。
地方交付
税率について、今回の
改正案では、所得税三二%と
法人税三四%をどちらも三三・一%にすることになっていますが、
消費税は現行も
改正後も二二・三%となっております。このように、
景気変動によって大きく税収の変わる所得税と
法人税よりも、
地方への再分配の
財源といたしましては
消費税の方が望ましいと
考えますが、いかがでしょうか。
その上、
制度上、
地方の基準財政需要の算定方法を初め、国の裁量の余地が多過ぎます。
地方の財政需要が一番よくわかっているのは
地方のはずですが、需要を決めるための方法やその算定式は国が法律で決めており、その細部は
総務省が決めております。こうした中央集権的な
制度によって、毎年約十七兆円もの税金が
地方に配られております。本当に必要なところに必要なお金が行き渡っているのか、適宜適切な分配方法であるのか、甚だ疑問であります。
このように、現在の
地方交付
税制度は、さまざまな問題点を抱えております。
のみならず、この方法で各
地方間の
格差が解消されるならともかく、戦後一貫して東京への一極集中は進んでいるではありませんか。そして、
地方が国に依存すればするほど、みずからの
地域に産業をつくって税収を上げようと試みないばかりか、公務員給与を初めとした
歳出の削減にも手をつけようとはいたしません。
かくして、
地方の活力は失われ、どの
地域の
経済も低迷し、人口も減り続け、多くの自治体は、消滅の危機さえあると言われております。
地方を本当の意味で再生させるためには、現在の
地方交付
税制度を前提とした小手先の
改正では足りません。
地方の活力を奪う
地方交付
税制度は、もうそろそろ
廃止すべきときであります。
もちろん、ただ
廃止するだけでは
地方によって財政
格差が生じますので、そこで、各自治体が自立できるように、
地方に徹底的に税源と権限を移譲して道州制を
実現すべきと
考えますが、
大臣の見解をお伺いいたします。
道州制
導入によって、住民に一番近い基礎自治体に税源と権限を集め、広域的に行う必要のある
事業は道州の権限とし、国は外交、安全保障やマクロ
経済政策等のみに集中する、このように統治の仕組み自体を変えるべきであります。
そして、税源については、所得税や
法人税と比べて
地域間の税収の差が小さく、
景気の影響も受けにくい
消費税を、
地方の
財源として移譲すべきではないでしょうか。
こうして
消費税と
地方税で各自治体が自律的に財政運営を行うようになれば、どの自治体も、自分たちの
地域で税収を上げるために
地域での産業育成や人材の確保に熱心になり、また、
歳出削減に対しても真剣に行うようになるでしょう。
さらに、それでも残る税収の
格差については、国が調整するのではなく、
地方同士で水平的に再分配を行う
制度にすべきであります。そして、各
地方間の再分配については、各
地方で上がった税収の一部を調整
財源として、分配方法を
地方が合議で決める
地方共有税を
創設すべきと
考えますが、こうした構想についての
大臣の見解も求めます。
維新の党は、
地方交付税を含む
地方制度全体について、以上のように
考えていますので、現行の
地方財政計画の策定方法についても、基本的に変えるべきと
考えております。
なぜなら、
地方財政計画は、
地方自治体の予算に関する
計画にもかかわらず、
地方はその決定に関与できないからです。
政府が決めた来年度
計画案が二月下旬の今ごろになって
国会に提出され、わずかの審議時間しか与えられておりません。その上、
政府案は基本的には財務省と
総務省の折衝で決まるわけで、決定の過程が極めて不透明です。
地方の住民の声は全く反映されていませんし、
国民全体にも見えにくく、
国会が十分なチェックを行うのさえ困難ではありませんか。
こうした
計画案の策定及び決定過程について、さらなる中立性かつ透明性が必要と
考えますが、
大臣の御所見をお聞かせください。
地方財政の個別の問題について言えば、
地方公務員給与の削減がほとんどの自治体で進んでいないのが実態であります。
民間給与との比較で公務員給与を決めると言ってはいるものの、五十人以上が勤める
地方支社を持つような大
企業の給与調査に基づいて官民給与比較を行っております。現業職については、そもそも民間との十分な比較さえ行われておりません。このため、
地方では公務員の給与が民間の給与より高い状態が続いているのであります。
このような公務員への厚遇などが相まって、その結果、
地方の借金、すなわち
地方債と借入金の残高は、約二百兆円にも上っております。
まず、
地方自治体の
財政再建のため、人事院及び人事委員会の行う官民給与較差のあり方を総合的に見直すべきではないでしょうか。
また、この
地方交付税の収入を当てにして発行される臨時財政対策債、いわゆる臨財債もふえ続けています。
臨財債は、
平成十三年度に、文字どおり臨時の財政対策として
導入されました。ところが、臨時のはずだったのに、毎年度発行が続いています。
政府には、この臨時財政対策債につき、全て償還をし、発行を終了させる
計画や見通しがそもそもあるのかないのか、あわせてお伺いいたします。
そして、来年度
地方財政計画には、
地方創生に必要な
歳出が計上されています。
安倍総理がさきの臨時
国会を
地方創生国会と位置づけて新法をつくり、今年度
補正予算にも、来年度予算案にも特別枠を設けております。
ところが、出てきた
政策は、中央に本部を設け、新しい
補助金をつくってばらまくという、まことに残念ながら、旧態依然たる
地方政策であります。
政府が先月
閣議決定した
地方分権
改革の対応方針も、私にしては、全く不十分なものとしか思えません。
地方創生を目指すなら、なぜ、端的に税源と権限をさらに
地方に移譲しないのでしょうか。御見解を求めます。
最後に、空き家対策に関する固定資産税、都市
計画税の
措置についてお伺いいたします。
空き家問題は今日的な喫緊の
課題であり、我が党も、旧党の時代に、昨年の通常
国会において、ごみ屋敷禁止
法案を
国会に提出いたしました。
今回の
改正の内容は、周辺の
生活環境の保全を図るために放置することが不適切な空き家、いわゆる特定空き家について、更地にしても税法上不利にならない、つまり、固定資産税の
課税標準は変わらないとするものです。これでは、倒壊しそうだったり、著しく衛生上有害だったり、よほど問題のある空き家にしか適用されません。単に危険、不衛生な空き家だけではなく、そこまで至らない空き家でも、できる限り除去させる誘因を与えるべきではないでしょうか。
更地にしたら固定資産税が
もとに戻るというだけの理由で多くの空き家が放置されている
現状は、
地方における急激な人口減少と、それに伴う空き家問題の深刻さに対する
政府の危機感のなさのあらわれではないかと危惧しております。御所見をお伺いいたします。
以上、数点、両
大臣に対する御見解、御所見を求め、私の
質問を終わります。
御清聴まことにありがとうございました。(
拍手)
〔
国務大臣高市早苗君
登壇〕