○山尾
委員 私も、今の状態が
通信事業者にとって非常に厳しくて、何とかしてほしいと思っていらっしゃるのは間違いないと思うんです。ただ、今回、
立ち会いがなくなるだけじゃなくて、範囲も
拡大して新しい手法になったときに、事業者の皆さんが本当に
負担が減ると思っていらっしゃるかどうかというところをちょっときょうは議論したいと思います。
皆さんのお手元なんですけれども、ちょっと一枚めくっていただいて、二枚目、ドコモさんからの当社意見というのがありますね。この後ずっと続くんですけれども、これは、作業分科会で
通信事業者四名の方がそれぞれの事業者の立場で
負担の問題について資料を出されて、それぞれお述べになっています。一応その四社を全部皆さんのお手元に置きました。
まず最初ですけれども、NTTドコモさんのを見ますと、ちょっと圧縮して言いますね。後でぜひ目で追いながら共有をしていただきたいと思います。二番、「新システムの導入により、」
現行の
通信傍受、「一の
負担はどのようになるのか。」「
立会人の稼動は削減されますが、これに代わるシステム開発及びその維持が新たに必要になると考えます。 また、運用担当者が
実施する「
傍受対象番号登録」「削除」「発着信
番号確認」等の稼動は引き続き発生します。」
負担がふえるとも減るともおっしゃっていません。ただ、
立会人がなくなる分は楽になるけれども、新しいシステムが新たに必要になるよ、あと、運用担当者については今と変わらないよ、こんなことなんだろうと思います。
次、KDDIさん。
めくっていただいて、(1)、「設備監視等を担う要員一名は必要だが、
立会人は不要となる。」さっきと言っていることは同じですね。
立会人は不要となるけれども、そういう設備とか運用する人は一人必要なんだよと。
場所の提供は不要となる。
通信傍受実施のための保全業務は従来と変わらず必要だし、やっている間は工事を自粛しなきゃいけないんですね、それも従前と変わらず必要であると。新システム導入については、もし今のままでいいなら変わらない、これを変更するには投資が必要、そんなことが書いてあります。
「(5)弊社意見」、「
立会人拠出の
負担、場所等
負担の軽減が実現することは望ましい。」三つ目のポツを見てください。「
対象罪種
拡大、及び新システム導入等の
合理化で
通信傍受実施件数が増加し、要員の稼働増が
懸念され、
通信傍受が二十四時間
実施となると、要員確保のための体制
拡大が
懸念される。」
要は、
立会人や場所の
負担がなくなるのはうれしい、でも、新たに
対象も
拡大するし、時間も延びるんじゃないか、大勢、結局、さらに要員を
拡大しなきゃいけないんだとしたら不安ということをおっしゃっています。
次、ソフトバンクモバイル。こちらは、「見直しによる新たな
負担の回避」、新たな
負担があるということを前提として、ぜひ次のようなものは回避をしてくださいよということが書いてあります。ちなみに、三—三では、「
現行制度では、これ以上の依頼件数増加は、対応が困難」と。本当に大変なんだろうということはよくよくわかります。
最後、東日本電信
電話、西日本電信
電話さん。これはもっとわかりやすいです。最初の二行、「
通信傍受の見直しにより、
通信事業者として、一部の作業は不要となるものの、新たな作業も生じるため、全体としては
負担は軽減されないと想定されます。」はっきりおっしゃっています。
余りにもはっきりおっしゃっているし、そのほかの三つの事業者からも、トータルとして
負担が減るという話は出てこなかったので、この分科会で、大変困ったのかもしれませんが、最初の資料のページを見てください。議事録の抜粋です。第一作業分科会の第五回の議事録です。
一番下に三行、線を引かせていただきました。これは、
警察の方から出ている幹事の方の発言です。「今回、冒頭のプレゼンの中で全体としての
負担軽減には必ずしもならないのではないかという御意見がありましたが、立会いの
負担はものすごいものがあると私どもも承知しておりまして、この点を考慮するとまた御判断も変わるのかなと。」
変わらないですよね。一番わかっている人たちが
通信事業者の立場で話しているわけですから。
立ち会いの
負担は物すごくあるということをわかった人たちが、それでも
負担が軽減されるかどうかわからない、あるいは
負担は軽減されないと言っているわけですから。困ったんだと思います、
通信事業者さんの口から、これで
負担が減るからありがとうというストレートな言葉が出てこなくて。それがわかりやすいと思ったので、これを抜粋させていただきました。
今、るるお話をしたんですけれども、
大臣、こういう
状況を見て、
通信事業者さんがトータルで
負担が減るということをおっしゃっていない。はっきり、
負担は変わらないとおっしゃっている方もいる。どう考えますか、この
負担の問題。
私は、ちょっと精査した方がいいと思うんですよ、本当に
負担がどうなるのか。だって、事業者さんの
負担軽減というのは、今回、新手法をつくるための非常に大きな二本柱のうちの一つですよ。
大臣、今の段階でいかがですか。