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輕部英俊君
皆さん、こんにちは。私は、
株式会社六星の
代表をしております輕部と申します。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
まず初めに、少しお時間をいただきまして、お手元に資料を
配付させていただきました、六星の会社案内二〇一五というのがありまして、そちらをちょっと使いながら、簡単に弊社の御
説明をさせていただきたいと
思います。
まず、四ページ目に地図が載っておりますが、私
どもは、当地金沢市から南西に車で大体三十分ほど行きました白山市という市に属しておりまして、そちらの方でお米を中心の稲作
経営を行っている会社でございます。
一ページに戻っていただいて、
概要が書いてございますが、設立から約三十八年ほど
組織は成り立っておりまして、二〇〇七年に
株式会社化をし、私が二代目という形で代がわりをしております。
一番
最後のページに少し
組織図が書いてあるんですが、左上の青い枠になっております「取締役(非常勤)」というこの
方々が私
どもの会社の創業の
方々で、それぞれの
地域で個人の
農業をしていた
人たちがまずは任意に集まって、
組合としてスタートした。その後、
法人化をし、有限会社にして、
株式会社という形になった段階で私にバトンタッチしたというような沿革になっております。
私自身は、ちょっとプライベートなことなんですけれ
ども、実は、平成九年にこちらの地に移住をしまして、会社に入社をしております。東京の町田市の出身でして、私、先ほどの創業者四人の
うちの一名の立場的には娘婿という形で、もともと、栽培を行い、
販売の方に注力をしていた会社だったものですから、私はもともと東京の方でそういう
仕事も、建材の営業をしていたもので、そういったところもあって、営業の強化というようなこともあって、こちらに移住をし、入社をした経緯がございます。
ですので、実は、私が入社して今十八年になるんですが、やはり外部から入ってきたということもあってか、比較的
農業に対しては今でも客観視をしながら見ているという、いい面と悪い面が多分あると思うんですけれ
ども、そんなような形で日ごろから
経営を行っておりますので、今回のテーマの一つ大きなテーマであります
農協さんというところでいきますと、意外に僕は先入観がないといいますか、入社した当時はいろいろな
意見を皆様からよく耳にしたんですけれ
ども、私自身は特に、いわばそういう経験もなかったものですから、いい面も悪い面もなかなか把握していないというようなところもあって、ずっと来ています。ですので、意外にフラットに常に
農協さんを見ているというような状況があります。
結構今は大世帯になっておりまして、百人を超えるスタッフが
仕事についていただいております。
お米をつくりながら、その四割ほどはモチ米をつくって餅加工にしているという、資料の中ほどに少し商品が載っていたりしますが、独自のブランドを築いて、個人のお客様からスーパー、百貨店さん、あるいは飲食店、こういったところにお餅やお米を
販売して、近年は三店舗ほど直売所を持ち、そこで、
販売から、最近では飲食ですとかレストランなんかもやっておりますし、お弁当ですとかお総菜、こちらが今非常に勢いとしては伸びている
事業ではあるんですけれ
ども、そういったことを行って、いわゆる六次産業というような形で今は
経営を行っております。
先日も、
安倍総理が
石川県にお越しの際に私
どものところにも御視察いただきまして、おだんごがおいしいぞというふうに言っていただいたんですけれ
ども、そういった
意味からも、一つ六次産業ということでは、リーディングカンパニーを目指しながらやっているというような
感じでございます。
そういった
意味で、百五十ヘクタールほどの田んぼを、年々蓄積していきながら
経営を行っておるんです。全て請負という形でそれをやらせていただき、先ほ
ども申し上げましたが、モチ米をかなりつくっているというところが
経営の肝になっておりまして、それによって安定した収益を得ていくというところです。
一方で、お米につきましては、コシヒカリがメーンなんですけれ
ども、いわゆる特別栽培米という、少し付加価値をつけたような形で、独自のルートで
販売をしていくというようなことを行っております。
最終の方に
組織図があるんですけれ
ども、もう一つの私
どもの特徴といたしましては、やはり若いスタッフをかなり積極的に採用を行い、登用している。責任者、いわゆるマネジメントの部分も若い人間を採用しておりますし、右上の取締役のところを見ていただいても、県外から来て普通に入社した人間を
経営にも参画させているというようなことが非常に特徴的かなというところで、行く末がなかなか見えてこない
農業なんですけれ
ども、やはり人の力で何とか乗り切っていこうというような
思いで、できるだけ優秀な人間を採用していくというような
活動を行っております。
非常に簡単ですけれ
ども、以上が会社の
説明になりまして、今回のこの
法案に関しての
お話を少しさせていただきたいと
思います。
まず、
農協さんとの
現状のおつき合いといいますか取引の現況ですけれ
ども、まず、
信用事業につきましては、やはり私
どもは設備投資産業でございますので、スーパーL資金などの
制度を積極的に活用させていただいていることからも、日本政策金融公庫さんとの取引が中心になってきております。
また、一般の日々の取引におきましても、どちらかといいますと、地方銀行さんとの取引が多いという形になっています。これは、サービスであったり、あるいは、今でこそ少しあれですけれ
ども、担保と保証というところ、保証協会をつけるとか、その辺のところでいくと、やはりどうしても地方銀行さんの方が比較的取り組みやすいということがありますので。今は少しそういうふうに
農協さんも変わってきてはいるんですけれ
ども、これまでの流れの中で、そういったような形で地方銀行さんが多くなっているというところがあります。
共済
事業につきましては、こちらも一般のメーカーさんといいますか会社さんとのいろいろ選択の中で取引を決めさせていただいておりますので、自動車保険については共済
事業を使わせていただいておりますが、それ以外についてはほとんど利用はございません。
メーンとなります経済
事業につきましては、資材、肥料なんかは、やはり
農協さんを通じてでないと取引ができないという企業さん、会社さんもございますので、そういったところでは比較的お取引をさせていただいているのではないかと
思います。ただ、若干ですけれ
ども、価格面でもう少しよくなればいいなというふうには思っております。
農薬につきましては、価格面の部分もあるので、一般の農薬会社さんとの取引が多いというふうに
思います。
自動車につきましては、結構自動車も所有しておるんですが、こちらの方はアフターサービスなんかも含めましてきちんとしていただけていますので、これも一般の会社と比較した上で、
農協さんがいいんじゃないかということで、かなり、かゆいところに手が届くような、車も、軽トラが一つ故障しても作業に大きく影響してきますので、非常にいいサービスをいただいているというふうに思っておりますので、ここは全面的にお取引をさせていただいております。
販売あるいは営農関連
事業につきましては、私
どもの
販売もかなり量もふえていっているものですから、乾燥調製施設が少し手狭になっているところで、
農協さんの施設をお借りできているというところは非常に助かっております。今後につきましても、この辺については、実は私
どもの
経営に一番大きく影響してくるものですから、もう少し積極的な取り組みをさせていただけないかという要望は持っておるところでございます。
幾つか今回の
法案に関して少し絞って見させていただきますと、現在の
農協さんにつきましては、小規模
農業者と我々のような
担い手と言われているような
農業者では、やはり
農協さんに対するリクエストといいますかニーズがちょっと違うんじゃないかというふうに思っており、どちらかといえば、
現状は小規模
農業者さん寄りの
農協さんになっているのではないかというふうに見ているんですけれ
ども、これは僕が言うのも変ですけれ
ども、ある程度いたし方ないところではないか。
農業をずっと見ていきますと、
担い手とか、あるいは大型とかいうこと、企業化すること自体が、言えばつい最近始まったことだと
思いますので、やはり従来の、
農協さんが発足した経緯から見ても、これは
現状はいたし方ないのではないか。
ただ、今後につきましては、この辺を、価格の折衝、先ほど申し上げました肥料ですとか、そういう資材なんかも含めて、やはり価格の折衝
能力なんかが少し求められるのではないかというふうに見ております。
また、
農業は、栽培だけではなくて、
地域の用水ですとかあるいは農道ですとか、そういったものを
地域で守っていくということがどうしても農村においては必要になってくるんですけれ
ども、我々のような
担い手が、その土地で耕作は行いながらも、やはり地権者の方がいらっしゃいますので、用水や農道を、全てを私
どもが取りまとめていくということはなかなか難しいというような一つのポイントがありますので、そういった
意味からも、
農協さんが
地域のまとめ役となって、地権者と我々耕作者をまとめていくような
役割は非常に重要なのではないか、そういったところに期待をしているというところであります。
また、
農協さんと連合会、
中央会というようなところでございますが、これまでも、
石川県なので
石川信連さんとの取引をさせていただいておりますが、
制度資金なんかを使わせていただきますと、
経営計画ですとかあるいは財務状況、こういったものを
報告しなくちゃならなかったり、計画を策定しなくちゃならないんですが、そのときにはかなりのサポートをいただかなくちゃならないもので、そういったときにはやはり信連さんに、
単協さんではなかなか難しいというのが
現状かなと思っておりまして、そういうようなところでサポートをしていただいております。
ただ、本来であれば、やはり
地元の、私
どもをよく知っていただいている
単協さんにしていただくのが一番ベストではないかなというふうに思うものですから、こういったような体制づくりをしていくということを一つ前提に、連合会や
中央会の機能をどうするかというとこら辺を
議論していくべきではないのかなというふうに思っております。
また、
中央会さんを中心に
農業者を代弁するような政策提言ということで、今、今後も言われていくと思うんですけれ
ども、
現状で、大型
農家あるいは
担い手と言われている
人たちが若干
農協さんから離れている中で、本当の現場の声というものが吸い上げられているのかというような
思いはしておりますので、やはりそこら辺も一つポイントであり、それによっては、新たな
組織、きちんと現場の声を集約できるような新たな
組織が必要ではないか。それは何かはわからないです。例えばですけれ
ども、
農業法人協会なんかもございますので、そういったものも一つの案として持たれてもいいのではないかというふうに思っております。
もう一つ大きなポイントといたしましては、今回の第七条のところの、
農業所得の増大に
配慮して、高い収益性を持つべきであろうというようなことなんですが、これに関しましても、もちろん、
組織を強化していく上では明確な命題といいますか目標を持っていくということが必要だと
思いますので、これは一つの方策ではあるのかなというふうに
思いますけれ
ども、現実的に、
農協さんが
農業事業において本当にどういう形で収益を上げていくのかというようなとこら辺の
具体策が
議論されていかないと、ややもすると、結局、それを意識し過ぎて例えば
農業者自体の利益を搾取されるとか、そういったことはやはりあってはならないと
思いますので、具体的にどんな形で収益を上げていくのか、これは僕は結構難しい問題だと
思いますよ、そんなに簡単ではないと
思いますので、その辺をやはり描いていかないと、この
議論はなかなか成り立たないのではないかなというふうに
思います。
あとは、
最後の方、
中央会の方の
お話もございまして、会計士の
監査を受けるというようなことも書いてございますが、こちらの方も、
経営の透明性ということでいきますと確保できるのではないかなと
思いますので、よろしいことかと。
ただ、単なる
監査だけをしても、先ほどと同じように、
経営の改善にはつながらないというふうには
思います。ですので、そこの
経営のコンサルティングな部分であったり、実際に本当にどうやっていくかというとこら辺を誰がやるのか、あるいはどのようにチェックしていくのかということが大切かというふうに
思います。
あと、
農業委員会の
改革についてもございますが、私
どもは、大体二百五十人ほどの地権者の
方々から千五百筆の水田をお借りして
経営を行っております。基盤整備がもうできないような場所でございますので、非常に小さな田んぼを細かくやっているというようなイメージなんですけれ
ども、田んぼを契約していく上でも、かなり事務手続が煩雑であるというのが非常に悩みなところであります。ただ、私
どもも含めまして、これまで、
農業委員会さんの頑張りで、仲介をきちんとしていただくことで大きなトラブルがなかったことは、非常に
評価できるのではないかというふうに思っております。
今後については、細かい事務作業みたいなものをどこがやるのかというようなところで、やはり中間管理機構なんかに少し任せて、本来やるべき、耕作放棄地ですとか、そういったような
地域をつくっていくようなとこら辺を
農業委員会がやるということで、きちんとしたすみ分けを、お
考えだとは思うんですけれ
ども、することがあり、やはり
地域の調整役というような位置づけを明確にするべきではないかというふうに思っております。
最後に、所有できる
法人の要件の緩和の部分もございましたが、こちらにつきましては特段
意見はなく、門戸が広がるということは、活性にはつながって、いいのではないか。ただ、門戸が広がれば、当たり前ですけれ
どもリスクも広がるということはきちんと把握した上で、やったけれ
どもだめだったから、どうする、宅地化してというようなことをやられてしまうと大変なことになってしまいますので、やはり継続的な
事業として取り組んでいただくということをきちんとチェックしていくような機能が必要かというふうに思っております。
私からは以上です。