○小山
委員 幾つか真面目な
意味でこの論点があろうかと思っておるんですが、委託
販売でも、もちろん、
農家の方の出したものを高く売るということはできます。
農家の
方々の
所得も上がっていくということはできるんですね。
これは、今御答弁の中で、リスクをとっていないとなかなか緊張感が生まれないという
お話がありましたが、そこはいろいろ人の心理の問題で、確かにそういうこともあろうかと思います。
しかし一方で、
協同組合の
職員、
販売の担当の
職員がいかに
農家の
皆さんのお役に立つかというそのモラルがあるかどうか、結局はそこなんじゃないかなと。買い取り
販売でも、余りくどくなると恐縮ですが、安く買い取っていたとかということも出てきてしまうところもありますし、結局はそのモラルのところではないかなというふうには感じるところもございます。
それと、大
規模に自分で展開できる
農家さんというのは、よく
福島さんなんかも例に出しますけれども、もう既に
農協は使っていないというところもあろうかと思います。
農協というのは
協同組合ですから、兼業の方も含めて、必ずしも
自分たちで、商系の大きなスーパーとか大きな会社にバーゲニングパワーとして対抗できない、だから集まって
協同組合をつくっている、独禁法も適用除外になっている部分もあるということですから、逆に言えば、
協同組合がなくなるぐらい
農家の
皆さんが強くなるということはいいことなんだと思います。
だけれども、
農協が大
規模な
農家さんとか強い
農家さんの方に軸足を置けば、本来の
協同組合の存在意義というものと乖離してくるんじゃないか、あるいは、軸足を置くことによって、この中小
規模の
農家さんの
ニーズが吸い上げられなくなることが問題ではないかということを、私どもは申し上げているつもりでございます。
そこで、本当はいっぱい
質問したいことがあったんですけれども、次に、全中の監査について、ちょっと
質問をしたいと思います。
資料をもう一枚おめくりください。
「
JA全国監査機構の監査の流れ」ということなんですが、端的に申し上げます。この資料は、いろいろなところでも、自民党の
皆さんや他の野党の
皆さんも部会で配られているかと思いますが、何がいいところなのか、僕は、全中の監査は今までどおり続けた方がいいと思っています。
というのは、この期中監査、審査、ちょっとこれはわかりにくくなっていますが、期中監査一、期中監査二、期末監査一ということで、三回、これは監査が入るんです。これは、公認会計士の監査法人も大体、おおむね三回やったり、あるいは四半期決算ですから年四回監査をやるということであります。
この全中の監査機構の監査が違うのは、期中監査で入ったときに指摘事項があると、次の期中監査であったり最終監査までにその指摘事項を直しなさいという指導をするんです。これがいいんです。
ですから、最終的に期末監査の段階まででそういった指摘事項というものが改善をされて、それで最終的な監査証明、指摘事項が改善されたからこそ証明書を出す、こういう仕組みになっていて、このような
経営改善指導、これを
業務監査に広く含めておりますけれども、やっている仕組みというものが、今後については、ただ単に会計が合っているかどうかということだけを見るようになっていくわけですから、投資家の判断に供する監査報告書であればそれでいいかもしれない。だけれども、
組合の永続性、
組合員が利用するこの社会システムとしての
農業協同組合の永続性ということを
考えれば、私は、
経営改善指導に入って
組合の問題がなくなっていくこの
業務監査こそが
協同組合監査としての命である、そのように感じております。
このような全中の
業務監査、期中監査の仕組みと、次をもう一枚おめくりいただきまして、
農協中央会は
昭和二十九年にできたということでありますが、実はその前もあったんですね。大日本産業
組合中央会設立、これは明治三十八年です。戦前の産業
組合でも
中央会があって、大正十三年には監査部が設置されております。
ですから、これはちょっとした小ばなしですけれども、必ずしも戦後になって
中央会ができたというわけではなくて、戦前の産業
組合中央会の
皆さんの人的な部分で、その人たちが
昭和の全中の
設立にかかわっている。だから、人的な伝統は受け継がれているということだと思っております。
もう一枚おめくりいただきまして、これがインターネットで公開されている全国監査機構の指摘事項です。
この中で、例えば、ちょっとラインマーカーを引いていないので見にくいかもしれないですが、
経営改善計画の達成とか、経済事業施設の集約化と収支改善、自己資本比率の改善、あるいは不良債権比率の改善とか、こういった具体的な
経営改善指導の指摘事項、項目が載っております。
まさに、
農協の
経営を改善していく、
経営の安定化のためのアドバイスを行っていくというのは、こういうことを地道に
一つずつ積み重ねていくことだと私は
考えております。
こういったような全中の監査というものは、
農協の
経営改善指導に、今私から事例をお示しさせていただきましたが、どのように役立ってきたのか、こういったことも含めて
政府としてどのように評価をしているのか、改めてお聞かせいただきたいと思います。