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齋藤(健)
委員 本件につきましても、現場は大変心配をしておりますので、よく現場の声を聞きながら、
制度の
移行を丁寧にしていただきたい、これも強くお願いをしておきたいと思います。
私も、この
農協改革については、大変個人的に思い入れが強くございます。たまたま経済産業省で奉職を二十三年間しておりまして、いろいろな産業を担当してまいりました。その中で、やはり
農業のとりわけ
輸出に関しては、これほど
伸び代を感じる産業も、なかなかほかの産業界ではないんじゃないかというぐらい、私は
可能性を感じております。
日本の自動車がなぜアメリカで売れるようになったか。こんなぼろ車は売れないよと言われる中で、これだけ
輸出をふやしてきたのはなぜか。それは、特定の会社の名前は言いませんが、自動車会社がアメリカに行って、足を棒にして歩いて、必死で売り歩いたから売れるようになったわけであります。
また、私の地元のしょうゆ会社のしょうゆは全米のスーパーで売られております。なぜ
日本のしょうゆが売られるようになったか。これはしょうゆメーカーの社員が、足を棒にしてスーパーを歩き、そしてアメリカのスーパーの店頭でアメリカの肉を焼き、
日本のしょうゆをかけて食べてもらって、それで売れるようになったわけであります。
しょうゆメーカーや自動車メーカーは大企業ですから、そういうことを社員にやらせることはできますが、
日本の
農家にそれをやれと言っても無理です。では、かわりに誰がやるんでしょうか。私は、それこそ
農協がその
役割を担っていくべきだと思います。
日本の果物や野菜を売り歩く姿をアメリカその他のスーパーで見るようになる、見られるようになるということが、これから
一つの
農協改革のシンボルになっていくんだろうと私は思います。
そのためには、意識も変え、組織も変え、そして政策もそれに応じて変えていくというこの
三つがそろっていって、みんなで意識をそろえて
努力をしていくということが大事であり、そのための一助となるのが今回の
農協改革であると私は確信をしております。
最後に、民主党からも
法案が
提出されておりますので、これについて
伺いたいなと思っております。
岸本周平さんは、私が前の職場にいるときから御指導いただいて、財務省の中でも
改革派の先輩として大変尊敬をしてまいりましたし、
玉木雄一郎さんも、一緒に
行政改革をやり、抵抗勢力と戦いながら
改革を一緒にやってきた仲間でありますし、福島さんも、私の後輩で、当時は、経済産業省というのは
改革派の人が多いんですけれども、その中でも先鋭な
改革派でありまして、
日本で初めて特区
制度を導入するときに彼が一生懸命汗をかいていた姿が、今私の脳裏に焼きついているわけであります。揚げ足をとるようなことをしない、正論できちんと
議論する、そして意見の対立はあっても最後は決めるという腹のある方であると常々敬意を表していたところでございます。
そういう目で今回の民主党の
法案をちょっと見てみますと、例えば、さっき申し上げた、
農業にどうやって
所得というか
付加価値を取り込んでいくかという
観点が非常に大事になっているにもかかわらず、今回の民主党さんの案では、そこがはっきりと記されていなくて、いや、むしろ、それは
地域のために頑張るという条文を加えるだけになってきている。本当にそれでいいんだろうか。
それからもう
一つは、組合の
運営については最大限尊重するということで、
行政は余り口を出すなというような条文が入っていたり、本当にこれで、この厳しい大きな曲がり角を曲がれるような
法案になっているんだろうか。
私は、あの
改革派の
人たちがつくった
法案にしては、本当にこれは本音でこれでいいと思っているんだろうかという疑問がどうしても頭から去らないわけであります。
ですから、私がお
伺いしたいのは、この
改革案で、本当に
農協がこの厳しい時代に対応できるような意識
改革、組織
改革ができると思っておられるのか。私は、この
方々は絶対に思っていないと確信をしているんですが、本当に思っていますかということをお
伺いしたい。
それから、最後にもう
一つだけ。済みません。手短に申し上げますが、政治的中立性について、皆さん方の
法案に入っております。
ただ、私がお
伺いしたいのは、実は平成二十年にも、皆さんが野党のときに同じ条文を出しておりまして、当時も
農協法の一部
改正案を皆さんは提案されて、そこにも政治的中立性についての記述が全く同じ表現で書いてありました。野党時代に出されました。それは、ねじれておりましたので、参議院を通過いたして、衆議院では通らずに、解散・総選挙となったわけであります。
そして、その後、皆さん方が与党になりましたが、そのときには、
農協の政治的中立性、
法案を出してきませんでした。そして、また野党になられたら政治的中立性を、また条文を出してこられるという経緯があるわけでありますが、なぜ政権をとっていたときにこれを出してこなかったのかという点についてお
伺いをしたいと思います。
以上です。