○津村
委員 おはようございます。民主党の津村啓介でございます。
本日は、お忙しい中、三人の
大臣、副
大臣、
政務官にお越しいただきました。ありがとうございます。
きょうは、
内閣府のあり方につきまして、るる御
質問をさせていただきたいと思います。
まず、前提として、私の
問題意識といいますか現状
認識について少し敷衍させていただきますと、私は、今回の
内閣府
スリム化の前段にある
内閣府というものをつくった二〇〇一年の
省庁再編、橋本行革というのは、橋本元
総理の大変強い
リーダーシップのもと、二十世紀から二十一世紀に時代が大きく変わる中で、日本の官僚機構のあり方、そして政と官のあり方について、これは大きく大なたを振るった歴史的な
改革であったというふうに
考えております。
時代に即したものであったと思いますし、あの
改革があったからこそ、その後の小泉
総理の
リーダーシップであるとか、あるいは、毀誉褒貶ございますけれ
ども、民主党政権の政治主導、そして今の安倍
総理の強い
リーダーシップ、こういったものの
制度的な背景になってきたというふうに思っております。
そうした中で、
省庁再編から十五年が
たちまして、先ほど泉君の
質問に
有村大臣がお答えになっていましたけれ
ども、
業務の拡大ということが積み重なってきて、ここら辺で少し
整理をというのが今回の
内閣府の
スリム化ということでありますけれ
ども、やはりこの
スリム化というのが
内閣府の
機能強化につながるものでなければならなくて、
スリム化イコール解体の方向に行ってしまっては、これは橋本行革の意義というものを否定するだけになってしまうわけで、ここは非常に中身を詰めて、峻別していかなければいけない。そういった
意味で、先ほどの泉議員の
質問というのは、るるそれを
一つ一つ問いただしていたのだと思います。
私は、もう少し総論的な御
質問をさせていただこうと思っています。
私自身も
内閣府に所属したことがあるんですけれ
ども、大変複雑な担務になっているわけで、
大臣、副
大臣、
政務官、非常に御苦労が多いと思うんですが、
一つ感じましたのは、後で時間が許せば御
紹介いたしますけれ
ども、いろいろな本部とか
事務局のヘッドといいますかトップのポストがいわば
各省庁の固定ポストになってしまっていて、もともとは
各省庁の縦割りではさばき切れないものを
内閣府に持ってきて、
省庁中立的に、
省庁横断的にさばいていくという
趣旨でつくった
内閣府が、実は各
役所からの
出先機関の集積になってしまっていて、結局、出先が集まっているだけの、そしていずれはその
役所に戻っていく人
たちの集まり。そうすると、当然、
省庁中立的な判断ができない。そこが
内閣府の
業務の拡大というよりは内部
調整コストの拡大ということにつながって、
業務のボリュームではなくて、内部
調整コストが大きく発生していること自体に私は問題の本質があるのかなと。
ですので、
内閣官房から
内閣府に
移管するということの本質はよくわかりませんけれ
ども、そういった
組織図の変更だけではこれは解決できない問題なのではないか。
平さんも、また小泉さんも、きょうお越しでない西村さんも、
内閣府の政務三役は、ほかの方に比べて経験の多い方、続投されたりとかあるいはほかの
役所で経験を積まれた方が今
内閣府の政務三役に配されていまして、優秀な政務三役の方が大勢いらっしゃると思うんですが、それは、逆に言えば、そういう経験値の高い方でなければ務まらない大変なお仕事に今なっているわけで、にもかかわらず、ほかの
委員会の場でお聞きしましたけれ
ども、必ずしも
会議に十分御
出席ができないほどの御多忙である。これは何とかしなければいけないと思うわけです。
これからるるブレークダウンしていきますけれ
ども、私はきょう、七つほど御提案をさせていただきたいと思っています。
省庁中立的な
政策判断、
総合調整をしていくために、先ほど申し上げたように、いずれそのもとの
役所に帰っていく官僚の皆さん、そういう方も大事なんですが、そういう方々に責任ある判断、最終判断をさせるということはやはり
制度的に無理がありますので、私は、本部
事務局のトップに、もちろん政務三役がしっかりとした判断をなされることは前提ですけれ
ども、例えば民間人を登用するということ。これが
一つです。
それから二つ目は、例えば、知財
事務局はずっと経産省出身とか、あるいは海洋は国土交通省であるとか、固定的になっていますけれ
ども、そういったところを、たすきがけがいいのかわかりませんけれ
ども、ある程度人事をシャッフルしていくということが二つ目。
それから三つ目は、
内閣府のプロパーの
人材を
充実させていくこと。もともと経企庁出身者あるいは科技庁の出身者が
内閣府のプロパーとしているわけですけれ
ども、それは
省庁再編前の人事ですから、現在の
内閣府としてプロパーの
人材を育てるであるとかあるいは中途採用するとか、そういう形で、ほかのどこの
役所にも帰っていかない
人材をしっかりと集める、これが三つ目です。
それから四つ目は、昨年、山本
大臣が科学技術の
分野で取り組まれたことですが、平さんもその後の様子をごらんになっていると思いますけれ
ども、幾つかの
司令塔機能を束ねていらっしゃる
大臣が、それぞれの
会議の重複を排して、連絡
調整会議というものを設けて、横串を
内閣府の中でも刺していく努力をされる、これも
一つの工夫だったと思います。これが四つ目。
それから五つ目は、以前、小泉
政務官とも議論したことがあると思いますが、建物の物理的な集約ですね。八号館が供用開始されましたので、これで随分、
内閣府のそれまで分散されていた
事務が統合されたのかと思いきや、後で御
紹介しますけれ
ども、かなり集約が実は進んでいなくて、まだまだ改善の余地があるのではないかという点、これが五つ目。
それから六つ目は、政務三役が実質的な人事権をお持ちでないということを改善すべきだと思います。これも後で御
質問させていただきますが、統括官であるとか
事務次官の人事に副
大臣や
政務官がタッチされていない。人事権を持たない上司というのは非常にもろいものだと思うんです。こういったところも本質的な問題だと思います。
そして最後に、
大臣の数よりも
政務官、副
大臣の数が少ない。これでは
組織として非常におかしなことになっていると思います。
そういったことをこれからるる伺わせていただきます。
冒頭、
有村大臣に伺いますが、私は、先ほど申し上げましたように、橋本行革の意義を損ねるような今回の法
改正であってはならない、そう
考えているわけですけれ
ども、橋本行革は歴史的に見てどう評価されるべきだとお
考えですか。