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向井政府参考人 お答えいたします。
まず、要配慮
個人情報でございます。
要配慮
個人情報は、
事業者が正当な理由なく取り扱うことによって差別とか偏見が生じるおそれがあるため、特に慎重な取り扱いが求められる
個人情報を類型化したものでございます。この取り扱いについては、取得に際し、原則として本人の同意を必要とするなどの記述がございます。
具体的に何が要配慮
情報かというので、
法律には、人種とか信条、
社会的身分、病歴、犯罪の経歴等が書かれてございます。
人種は、人種、それから民族的もしくは種族的出身を広く
意味するものでございまして、例えばアイヌ、在日韓国人等の
情報が該当いたします。これに対しまして、単純な国籍は法的地位でございまして、人種には該当しないということでございます。
信条は、
個人の基本的な物の見方、
考え方を
意味するもので、思想と信仰の双方を含むものと考えられます。
社会的身分は、例えば、いわゆる被差別部落出身であることや嫡出でない子であることなどがこれに当たり、単なる職業的地位は含まないと解されてございます。
病歴とは、病気に罹患していた経歴を
意味するものまたは
特定の病歴を示した部分、
特定の
個人ががんに罹患している等でございますが、これらが該当するということでございます。
それから、犯罪の経歴は、いわゆる前科、有罪の判決を受け、これが確定した事実が該当するというふうなことが考えられます。
法律の列挙はこのようなことが書かれてございますが、政令におきましては、
法律に列挙したものと同様の差別や偏見が生じるおそれがあるため、特に慎重な取り扱いを類型化することとしております。
この対象につきましては、これまでの今国会における
法律の審議において御
指摘を受けた遺伝
情報等を含めまして、政令の策定
段階において
検討していきたいというふうに思ってございます。ただ、
法律上は性質が限定されておりますので、恣意的な
拡大は行えないというふうな規定になっていると考えてございます。
それから、続きまして、グレーゾーンの解消に向けた対応でございます。
現行法は、
特定の
個人を識別することができるものを
個人情報としているところ、
情報通信技術の進展に伴いまして、どのような
情報がこれに該当するのか、
事業者が判断にちゅうちょするとの
指摘がございまして、この判断が曖昧な部分がグレーゾーンと呼ばれるところでございます。
今回の法案は、
個人情報の定義を明確化することでグレーゾーンを解消したいと考えてございまして、現行法において
保護対象に含まれていると考えられるもの、具体的には、身体の一部の特徴を
データ化したもの等につきまして、それのみで
個人情報に該当するというものを政令で定めることとしているところでございます。
これまでの
委員会の御質疑におきまして、
特定の
個人を識別することができるものの解釈や政令で定める際の基本的な
考え方をお示ししているところでございますが、今後の政令の制定、
運用に当たりましても、技術動向、
社会実態、諸外国における取り扱いの動向等を反映させ、該当性が明確となるよう努めてまいりたいというふうに考えてございます。
最後に、匿名化の問題でございます。
匿名化につきましては、一般的なルールにつきましては規則で定める。それで、それぞれの
業界ないし
分野におけます特殊なといいますか、そこの固有の問題につきましては、できるだけ実態を反映する観点から、認定
個人情報保護団体等で措置されます指針によって定めることも十分考えられるというところでございます。
これらにつきましては、これらを定めていく過程におきまして、まず実態をよく調査し、
事業者からヒアリングをいたしまして、それらの上で、現にある認定
個人情報保護団体もありますし、さらに、現にないものにつきましてもそれらができるような手助け等の策は講じてまいりたい。
これらによりまして、実態を踏まえた匿名化
情報というのをつくってまいりたいというふうに考えてございます。