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黄川田(徹)
委員 いずれ、相手が黒字のJR東日本でありますので、なかなか国費の支出というのが難しいということ。ルート変更を伴う復旧だと、これはJRの試算でありますけれども、大船渡線が四百億円、それから気仙沼線が七百億円というふうなことであります。
駅に対する
思いというのは昔からありまして、旧制中学、高校の先輩に
石川啄木というのがおるのでありますけれども、歌人でありますので、その歌の
一つに、「ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」ということで、駅名は書いてありませんが、これは上野駅なのであります。東北の人間からすれば、上野駅は始発駅といいますか、最近は、東京駅、品川までも延びておりますけれども。
それから、これまた先輩の宮沢賢治も、彼は童話作家、詩人ということでありますけれども、岩手はたびたび冷害があって農業が厳しい、そういう中で、
自分も農学校を出たものですから、土壌の改良だということで、石灰石の採掘ということで、その採掘したところが、岩手の一関市の東山町の陸中松川というところの駅の近くの工場でありまして、そこで働いて、その駅周辺のことをたびたび書いておるところであります。
今、陸中という言葉を言いましたけれども、宮城、岩手、青森、これは、陸前の国、陸中の国、陸奥の国ということで、戦後、仙台から八戸、青森までということで、高規格道路あるいはまた鉄路でつなぐということで頑張ってきたわけでありますが、この
震災であります。
高規格道路については、しっかりと、八戸—仙台まで、あと五年もすれば目に見えてくると思うわけでありますが、鉄路は、もしこのままいけば、気仙沼、宮城でありますけれども、岩手の陸前高田、大船渡、さまざま切れてしまうということになるわけであります。
実は、大船渡線は、一九二五年に一関市の摺沢駅、一ノ関駅—摺沢駅間が一部開業しまして、それから十年後、一九三五年に、終点、大船渡市の盛までやっとたどり着きまして、そうすると、一九二五年、一九三五年でありますので、九十年、八十年という、ちょうど節目なのであります。地元の一関市の博物館では、大船渡線開業九十年ということでさまざま催し物もしておるわけであります。この間、通勤とか通学とか、観光
産業に大きな役割を果たしましたし、そういう中で、根強い鉄路の復旧を求める
方々もおるのであります。
現実には、その利用者でありますけれども、私も月一必ず大船渡線に乗りまして、東京に戻ってきておりました。これは現場を見るということで、大事なことだと思っておりましたので。二時間半ぐらいかかるんですよね、私のところから新幹線に乗るための一ノ関まで、乗りかえ等かかります。それから、実はもう今、新幹線はどんどん速くなりまして、二時間四十分で一関市から東京まで来れるということ。ですから、五時間から六時間かけて着くわけでありますけれども、それでも鉄路ということであります。
いずれ、
現実的な
対応といいますか、さまざまな判断が出てくると
思います。ただ、BRTになったとしても、やはり、交通体系といいますか、過疎とか中山間地の交通体系、さまざま国交省もやっておられると
思いますけれども、JRのBRTだけじゃなくて、全体としての交通体系の
整備が大事だ、こう思うわけであります。
特に、三陸道が
整備されてきますと、多分、高速バスとかが出てくると思うわけであります。その辺に上手につなげていくとか、さまざまな
考え方があるかと思っております。
ぜひとも、将来のまちづくりそれから公共交通体系の
整備、しっかりと国も県も
市町村も議論をして、結果を出していただきたいな、こう思うわけであります。
鉄路がもしかするとなくなるんじゃないのかという
思いの中で、一抹の不安と寂しさもあるわけでありますが、また一方、足元の
現実もあるということで、私もしっかりと取り組んでいかなきゃならない、こう思っております。
それでは、次の
質問であります。
やはり沿岸の首長さんたちも、三陸海岸は、リアス式海岸ということで観光資源の大きな目玉だということでありますので、観光に大きな影響を与えるんじゃないのかということを思っておるわけであります。
去る八月二日、東北観光
復興加速化
会議が仙台市で
開催されまして、これは訪日外国人の
関係なのでありますけれども、旅行客が拡大しておりますので、東北全体でも
連携してしっかりと受け入れようということであります。その中でも、岩手の第三セクターの三陸鉄道で受け入れのためのこういう
事業がありますよということで、そういうことも
紹介されたと思っております。
また一方、これは観光庁の調べでありますけれども、二〇一四年の
観光客の延べ宿泊者数は、
震災前の二〇一〇年と比較し、全国で七・九%の増加、それに対して
被災三県は一〇・八%減少した。外国人の延べ宿泊者数は、全国で六一・七%ふえたが、
被災三県では三五・五%減っているということであります。
そこで、東北地方への
観光客の
状況は
震災前の水準には戻っていないということであります。このため、東北の観光振興を図ることが重要と
考えるわけでありますけれども、観光庁の取り組み、
考え方をお尋ねいたします。