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小熊委員 それはわかっているんです。
だから、薄くなっていて安全ですよというものは最終処分場には持っていかないことになっていて、薄いものはいろいろなものに使えますよといっても、使い道がなければ置いておかれちゃうわけですよ。膨大な量ですよ。減容化の技術が進めば進むほど大丈夫なものの量がふえるわけですから。東京ドーム二十個分の残土を有効利用といったって、大変ですよ。これは国
会議員挙げて自分の
地元の国道を整備する、全部これを使おうぜなんてことにもならないもの。
そもそも、県外の最終処分というのも、私はもうこれは残念ながら幻想にしかすぎないと思っています、悲しいけれども。だって、引き受けるなんて、私も違う立場で県外にいて、自分の
選挙区の人にうちの
選挙区に持ってこようよなんてなかなか言えないですよ、それは。でも、そのぐらいの
覚悟ある政治家がいなければ、県外に持っていけないんです。なおかつ、この残土にしたって、きれいですよといったって、じゃ、うちの
地域で工業団地を整備するからここに使おうぜといったって、こんなの文句を言われるだけで、じゃ、やめておきましょうとなりますよ。
三十年後、ここにいる我々、もうほとんどいないと
思います、私も含め。そのときに政治が何を決断するか。決断するのが政治ですよ。三十年後に先延ばししたってだめですよ。さっき言ったとおり、住民の帰還に関しては、こういうものがどうなるかが目に見えた段階で帰るという割合が多いわけですから、こういうものが中途半端に何も決めないでいて、慎重に検討しますと言っていたら、帰らない人もふえちゃうわけですよ。だから、これはやはり政治がしっかり決断しなきゃいけない。
我が党は、これはもう本当に涙をのんで、この中間貯蔵施設を県外に持っていくというのは再検討しなきゃいけないと思っています、はっきり言って。三十年間も幻想を追いかけさせていくことの方が酷だと思っています、本来は。だって、残土の行き先も決まっていないんですもの。同じように、残土だってそのとおりで、トラックだってそのとおりですから。
この後、風評被害についても触れますけれども、これはもう論理的な話じゃないんです、風評被害なんというのは。それを理解、理解といっても、それは今でも一生懸命説明しています、
政府も、いろいろな機関も、我々も。だけれども、論理的な話じゃなくて、もうそれはノーと言われちゃうんですから。それを踏まえたら、じゃ、住民の意向とか消費者の意向といっても、どこかで線を引かなきゃいけないんです。引かないと進まないんです、これ。
しかも、長期にわたる問題です。そのときだけ一生懸命やって、政務官も在任期間だけ一生懸命やって、離れればそれでさようならとなるかもしれないし、この間、環境省の担当者も、一生
福島にかかわります、退官してでも
福島のボランティアをやりますと言うから、俺は、結構ですと言ったんですよ。逆に、田舎に帰って、
地元に帰って、町長さんでも市長さんでもなって、自分の町に
福島の残土を持ってこようぜとやってくださいと言ったら、それはできませんと言いますよね、それは。自分がそっちの立場になればノーなんですよ。でも、それを環境省としては
お願いしますとやっているわけです。
福島のものじゃなくて、今現に栃木県のものは栃木県、茨城県のものは茨城県、
宮城県のものは
宮城県で最終処分場をつくると一生懸命
お願いしていますけれども、全然進んでいないですよね、これも。それは、自分が
地元の町長や
地元の住民になったり
地元の議員になったりしたら、オーケーと言う人は中にはいるかもしれないけれども、やはり反対者が出ますよ。
進まないんです、これ。三十年間ずっとこんな感じでいくんです、英断を下さないと。決める政治とはそれでいいんですかということなんです。
復興というのはだからここで評価が低いということなんです。いろいろな世論調査で、
安倍総理の支持率は高いです。でも、
復興政策は評価していないというのは七割ぐらいあるわけですよ。ここなんですよ。
普通の仕組み、通常どおりの手法で丁寧にやる、これは確かに丁寧にやらなきゃいけないんですが、もはや積み残っている問題は、これは本当に政治決断の問題なんです。この中間貯蔵、最終処分もそうです。だから、私は一部にはひどいことを言っていると言われるけれども、私はこの最終処分場は、これは県の立場も違いますよ、県も最終処分場は県外にと言っていますから。だけれども、私は、そうじゃなくて、しっかり管理をして、
福島県内で管理をして、
地元の人
たちが納得のいく補償をして、新しいところで生活してくださいという方が、こっちの方が正しいと私は
思います、その人の人生の時間を一日でも無駄に使わせないためにも。
この議論は平行ですけれども、とにかく、そういう理想を言っても、現実なのか、理想なのか、幻想なのか、ちゃんと見きわめて、現実的な
対応を今後とっていただかないとだめですよ。トラック一つだってそうなんですから。これは平行線でいきますよ、トラック協会も。
ぜひ、そこを踏まえて、もう一度再検討していただくよう
お願いしたいと
思いますし、減容化に向けて努力するのも結構ですが、その残土の行き先を決めておかないと、これも残されるということになりますから、ぜひ今後の真剣な検討を
お願いいたします。
続いて、また、まさに今くすぶっている東電の第一原発の燃料棒、また溶融物、デブリと言われるもの、これは行き先が決まっていません。
まず最初に、溶解しなかった四号機、これはしっかり
対応していただいて、今、共用プールに適切に管理をしてもらっています。でも、これをどうするんですかという話なんですね。
これも違う
委員会、
予算委員会で
大臣とやりとりしたときも、むつのキャスクに持っていって管理をして、六ケ所で処分するという
方法がある。ただ、
事故の起きたものなので、
事故の大きなものなので、ほかの原発の使用済み核燃料の一番
最後の順番になりますと。というと、六ケ所の再処理工場の三十年、四十年という一番
最後ということは、そこまで先まで、あそこの東電の
福島の原発施設内に共用プールで管理された
状況になっていくんですね、長期にわたって。早く持っていってほしいんです、本当は。
そういうことで確認して、よろしいですか。