○小熊
委員 言っていることはわかるんです。でも、一方で、全体が減っていく中でコンパクトにしましょうということは、ではどこから持ってきてコンパクトにするんですかという話をすると、結局、そういう中山間
地域、集落の人が町中に住んで歩いて暮らせるようにしてくださいよという話と、これは整合性をとっていかなきゃいけないですし、それはどっちも維持できないです。移民を入れない限り全体が二割減るんですから。
出生率一・八を達成したとしたって一億人になるわけですね。二割減るわけです。ここの整合性はしっかりとっていかなきゃいけない。
あとは、農地においては、まだ因果関係は私はほぼほぼ見出せていないんですけれ
ども、稲作と畑作ではやはり違うんですね。稲作をやっているところは意外と限界集落がなくて、東北
地方にはそういうところがあって、九州だと、九州全体で米が農業生産高の二割以下です。あと、
大臣のところの中国
地方もそうなんです。東北
地方は、
人口は少なくなっていますけれ
ども、限界集落の比率でいえば中国
地方や九州より意外とないというのは、田んぼと関係しているんじゃないか。
今言った水路の維持というのは、これは集団でやらなきゃいけないんですね。いる意味があるんです。畑作は、もう自己完結でできる部分が多いですから。
でも、この田んぼの意味が変わってくる。まして、大規模化を進めていくと、また、その集落に住む意味がなくなってくると、維持してくださいよといってあぜ道の草刈りのためにお金を出しますけれ
ども、その集落の人がそのお金をもらってやる人もいないから、逆に建設
会社に頼んで草刈りをやってもらうみたいなことも出てきています。
考えると、これは、農地のあり方がどう変わるか。あとは、集約化を目指している部分、攻めの農業等で大規模化も推進している部分となると、そこで集落のありようも変わってくるということです。
それを踏まえて、今言った集落を維持する意味は誰も否定するものではありませんが、実態としては変わってきますし、
政府がやっている集約化とか大規模化ということで、集落機能維持という方向と逆の作用が生まれますから、そうしたコンパクトシティー、コンパクトビレッジだけではなくて、今言った集約化とかいろいろな大規模化ということに関しても、その
流れとは逆なんですよ。だから、そういうことをしっかり見据えた上で維持していかないと、そもそも
人口が横ばいであればそれもできますが、全体的に減っていくわけですから。
全体がマイナス二割だったらいいですよ。大きな
流れの中では、二〇六〇年になって、逆に
東京は、この推計だけでいうと増加するんですよね。
日本全体が二割減るのに、
東京は維持される、東海圏も維持される、
関西圏もほぼほぼ維持されるということであれば、逆に
地方は、
大臣のところや私のところやほかの
地方の
皆さんとかは、四割、五割減になるというところが出てくるわけです。
全体で一億ということを言っていますけれ
ども、これから後段は
石破大臣にお聞きしますが、
人口についてはこれまで
政府は細かく言ってこなかったと言っています。総理も言っていますけれ
ども、今まで、
地方の町村ごとのいろいろな取り組みで成功している事例もありますが、それはもう町村、
地域の努力の結果でありますし、国がやるべきことというのは、やはり、大きな
人口の
流れをどう変えていくか。大きな
動きの中でやっていかなきゃいけない話です。
先ほど藤井副
大臣も言われたとおり、大学のあり方もなんですね。先ほど、午前中の
福田委員も言っていましたけれ
ども、国立大学だけじゃなくて、補助金の出し方を変えて、これはデータがありますけれ
ども、百校以上あるんですね、
東京に百三十九校です、二十六年五月一日現在で。百校を超えるのはほかにないです。専門学校ですら三百校以上あるわけです。ほとんど
集中している。
これを強制移転というのはなかなか難しいけれ
ども、例えばの話、私、それを推進しているわけでも何でもないけれ
ども、では、私立大学の補助金も、何々県に行ったら十校までは万全にやれ、残ったところは補助金なしねとか、極端な話ですけれ
ども、このぐらいのことをやらないと
東京集中の大きなトレンドというのは変わらないなというふうに思います。
大臣、ここで、一億人になる、全体が二割減るわけです。これはもうよしとしているんですね。これは戦いでいえば撤退戦ですよ。
世界的にもなかなかやったことがない話です。撤退戦が一番難しいです、戦の中では。
この撤退戦の中で、それぞれの市町村、これから計画も出てきます。いろいろな成功事例も含め、また、今大変努力して頑張っている自治体も、それぞれが頑張ればいいんです、そこは。町の産物をどうするか、地産地消をどうするか、
地域の
ブランド化をどうするかというのは、それは市町村のやることですけれ
ども、国がやるべきは、この大きな、長期にわたって二千万人以上減り続けていく、結果として二千万人以上減ってしまう。
政府が何ぼ頑張ったって、一億人というところがぎりぎりの線ですよ。
でも、これが、
日本全体、北海道から沖縄までみんな二割減だねという話であれば、十万人の市が八万人といえば、物語は描きやすいんです。ちょっとスモールサイズにして頑張ろうか、二割減ぐらいなら。でも、
東京の
人口が維持されるという推計が出ている以上、
地方は二割減じゃ済まないんですよ。私の
地元で、もう既にこの十年間で二五%減った町もあります。では、その町で頑張ってもらいますけれ
ども、この
東京一極集中の大きな
流れは、やはり国でやるしかないんです。
でも、それぞれ個々の積み上げではこれは直らないと思います。だって、
世界的に
都市生活者が近々六割近くにもなってしまうわけですよ。これは
日本だけの
流れじゃなくて、
世界的な
流れです。
先ほど
大臣が午前中言われたとおり、人間というのは合理的に生きたがるから
都市に集まってしまう、そういう部分がありますから、この大きな
流れについてどう取り組むのかというのと、一億人と捉えたときに、総体で二割減ですけれ
ども、この格差がないように二割減にするのか、やはり
都市集中やむなしとなっているのか、その辺の
認識はどうですか、
大臣。