○鷲尾
委員 この内容がどういうものにつながるかというのは、また各論で、もう少し突っ込んで私も議論していきたいなというふうに思っているんです。
監査等
委員会設置会社なんというのは、社外取締役をもっと入れましょうという話ですから、これは
経済界としては嫌だと。東証としては、やはりちゃんとそういうものも、不祥事とかが結構ありますから、
日本の
経営者の中でも、グローバルスタンダードでやっていこうという人たちと、自分のところだけはグローバルじゃなくてドメスティックにやりたい、こういう人たちもやはりいますから、
大臣はよく御存じだと思いますけれ
ども、そういう中にあって東証が上場規則を変えたというのは、これは
一つ、私はいいことだというふうに思っているんです。
これはある
意味、私の立場からいえば、与党の方では稼ぐ力の強化という話になっていますけれ
ども、
企業のブランド力を高める、その枠組みづくりを少し今回は工夫してやったのかな、そういう
意味で稼ぐ力につながっていくのかな、私はそんな思いでいたんです。スチュワードシップ・コードだって、
コーポレートガバナンス・コードだって、
コーポレートガバナンスのさらなる強化だって、全部、
企業が世間にアピールして、アピールすることで、自分たちはさらにやっている、ほかの
企業よりももっとこういう
取り組みをやっているんだ、だから自分たちのことを信用してください、そういうブランド力を高めるための
一つの枠組みかなと。
でも、今の
大臣の御答弁ですと、さらに、
内部留保をしっかりと分配していく、その加速にも使えるんだ、そういう話をいただいたので、それはそれで、そこまで
大臣の思い入れがあるということは非常に重いことだなというふうに思いましたし、いいことだなと思ったところでございます。
私、この
コーポレートガバナンスの強化が、今申し上げたように、ブランド力を高めると。
コーポレートガバナンスというのは、
企業さんも大分不祥事が多いですから、その不祥事のたびに、いわゆる規制強化していこう、社外取締役を入れよう、社外性をもっとやろう、あるいは独立性をもっとやろう、こういう
内部監査、
内部で監査をやっているじゃないですか、
企業さんの
内部で。
内部監査に加えてこういう社外性を取り入れたり独立性を取り入れたりすることで、また、
市場関係者にコードをしっかりと守っていただいて、ブランド力を全体で高めていく、こういう
取り組みだと思ったんですね。
私、実は、調べていたらおもしろいことがわかりましたので、きょうは農水省にも来てもらっているんですよ。というのは、この
コーポレートガバナンスの強化と関連するものが、今、農協
改革として進行中なんですよ。農協の全中監査機構が外出しされまして、監査
法人化するというんです。監査
法人が外部監査で単位農協を監査していくという話なんです。
私はそこで、ぴんときたわけです。
コーポレートガバナンスの強化はしっかりやっていこうというのは
政府全体の方向性です。ある
意味、
金融庁はさらにブランド力を高めながら
投資環境を整えていこうというのが腹づもりなわけですが、農水省がちょっと違う
考え方を持っておられるのではないかなと。
というのは、全中の監査機構、これは、
大臣も御承知のとおり、単位農協のいわば
内部監査的な役割を示しているわけであります。それを外出しする、それを公認会計士にする。公認会計士の監査と
内部の業務監査というのは全く似て非なるものです。公認会計士の監査では、不祥事だのコンプライアンス遵守だの、これはもう限度がある、しかし、
内部監査はそこまで含めてしっかりとやっていくという話なんですね。
今般の農協
改革ですと、単位農協は全中の監査部門をなくすんですよ、なくして外出しをしていくんです。外出しをしていくんですけれ
ども、今般の農協
改革では、
地域農協が自立して自由に
経済活動を行い、農産物の有利販売などを農業者の所得向上に全力投球できるように中心に見据えて、農協システム全体の見直しを行うとされています、全中監査の義務づけを廃止することで、
地域農協の役員が従来以上に
経営者としての
責任を自覚して、農業者のメリットを大きくするよう創意工夫して取り組んでいただくことを期待しています、こういう話なんです。
農協さんのトップが
経営者としての自覚がないわけじゃない、全中の
内部監査がなくなるということ、これに対して非常な恐れを抱いていると私は思っている。単位農協の
経営者さんも、公認会計士監査だけでは不十分だとお気づきになっておられるんでしょう。このことに対して農水省はまともな答えをしていない、私はそう思っています。
ガバナンスを強化していき、かつブランド力を高めるということで
金融庁は相当苦労してやっているのに、農水省は何だか
内部監査を逆に機能としては弱めようとしている。私はこれは問題だと思うんですが、どうですか、あべ副
大臣。