○小宮山
委員 そういったことがあるから、きょうの
質疑になっているんだと思いますけれども。
十把一からげ的な法案提出というものは、安倍内閣の特徴とも言えると思います。本案を初めとした、改めて繰り返しますけれども、農協関連の法案なども全く別の法案を一括していますし、特に安全保障法制においてはさらに顕著にあらわれています。十本もの
法律を一括して審議対象とされておりますし、そのうち三本は、
法律名や目的自体も新法で改正されるということであります。
私ども、この国会にいる者は、一本一本さまざまな
法律が社会に大きな影響をする、だからこそ、憲政の中では丁寧に審議を重ねてきたと考えております。その経緯を考えましても、ほかの
法律で目的や
法律名まで変わってしまうという
法律の扱いというのは、やはり国会軽視と見るのが適当ではないかと思います。
先日、特別
委員会で
参考人として
意見陳述いただいた三人の憲法学者の先生方がそろって憲法違反と明言されたことは、国会でのさまざまな
意見、
参考人としての発言というもの、また、集団的自衛権あるいは自衛権についてどのように理解する立場の者であったとしても、しっかりとその
意見、国会で述べられた
意見というのは重く受けとめなければならないんだとも考えております。
安全保障法制での十把一からげ方式のように、一つの法案で複数の
法律について、題名、目的規定等の改正が行われた事例がほかにあるか調べてみました。見つけられた唯一の例は、昨年の
通常国会での、
地域における
医療及び介護の総合的な確保を推進するための
関係法律の
整備等に関する
法律案だけでした。
改めて、安倍政権また安倍首相の国会軽視というもの、そして、そういう意味においては、
法律一本ずつに対する国
会議員の立法府の者としての思い入れと、また、その
法律が社会に及ぼす影響というものを、本当に余りにも軽く捉えているのではないかということを
指摘させていただきたいと思います。
さて、今回の法案の中身の方に移らせていただきます。
独立行政法人都市再生機構について
質問を始めさせていただきます。
この
都市再生機構は、機構誕生に至る経緯から、国の
住宅政策における重要な
役割を担っている存在として
事業を行っております。
低
所得者
世帯、
高齢者世帯など、政策上配慮の必要な
世帯の
住まいの確保という、まさに
住宅セーフティーネットとしての機能もあります。本来あるべき
住宅政策を考えれば、諸外国の例に見られるような
住宅補助の制度をしっかりと整えることを基本として、
住宅セーフティーネットをつくり上げていくことが望ましいとの議論もございます。
省エネ性能のよい快適な
住宅がさらに大きな意味を持ってまいります。中古
住宅流通の活性化の原動力ともなります。また、
住宅の性能や詳細な中身について情報が不足した中、わずか二十年ほどで上物の価値が査定上なくなってしまうという、日本固有の中古流通の前提という
状況もございます。
これが、諸外国で当たり前のように、手を加えた中古
住宅ではむしろ価値が高まり快適性も高まるといった
状況への大転換ができるかもしれないと考えるところでもあります。
これまで何度かの
質問の中では、いわゆるグリーンインフラの推進についても議論をさせていただきました。緑の防波堤とか緑のダムといったものは、年数がたつほどに効能が高まるという効果もあります。
また、各先生方も、小学生や、さまざまな形で、国会見学などの手続でかかわられることもあるかと思いますが、国会見学のルートの最後に都道府県の木がございますけれども、これは戦後植栽され、手を加えて、今の姿になります。こうやって手を加えていくことで価値が高まっていく、これも
住宅のあり方というものに通じるのではないかと考えています。
住宅政策というところから少し話がそれましたけれども、
都市再生機構、
URがこれまで国の
住宅政策の足らざるところを補う
役割を担ってきた、担わされてきたということは、重要な事実だと思います。
今回の改正案において、
団地の統廃合等のための
UR賃貸住宅の近
接地建てかえを行えることとしています。従来、同じ場所か、隣接地への
建てかえの
実施は、
建てかえ中の移住先確保の問題や隣接地の確保の問題、複数回
引っ越しを必要とする問題など、大変進めるには難しい問題がございました。また、
移転する際には
居住者自身の
同意が必要としつつ、一回の
引っ越しで済むことなど、検討しやすくなる、検討が必要かとも考えているところでもあります。
しかし、
建てかえによる収益性を向上させるということがこの
建てかえの本質的な目的でもあり、
高齢者世帯などが多くなっている現在の
居住者の間で、
心配の声が上がっております。
建てかえにより新しい建物、より快適な
住宅となることで、新たな入居者が入り、
空き家率が低下して収益がふえるのは、同じ場所で同じ広さ、同じ
家賃であったなら、考えやすいことだと思います。
今回想定される近
接地建てかえでは、
郊外の
団地を統廃合して、より駅に近いなど、
土地としての
利便性の高いところへの
建てかえを基本的に想定していることから、同じ広さ等であれば必然的に賃料を高くせざるを得ないと聞いております。
こうした
心配の声に対し、
平成二十七年度予算の中で、
参議院での審議で、
大臣からは、
高齢者世帯や
子育て世帯など配慮を要する
世帯への
家賃減額措置の拡充を、国の
補助を入れて、これまで
最大二万円から
最大三・五万円に拡大することが盛り込まれた、また、今後十年間はこの措置を維持し、その後については、
都市再生機構の
取り組みとして、同様の減額措置となるよう検討することと
答弁されております。
また、民主党の旧公団居住安定化推進議員連盟でも、
大臣に対し要請
活動を重ねさせていただきました。この要請文の中では、適切な措置を講ずべき点として、
家賃負担に対し実効性のある配慮、
住宅の
バリアフリー化を進め、良好な居住環境の維持、そして、
居住者が安心して住み続けられるよう
居住者の理解、協力のもとに進めること、
地方公共団体との十分な協議というような点にも触れさせていただきました。
UR賃貸住宅について、
住宅セーフティーネットの機能が果たせるよう、
家賃負担に対して実効性のある配慮を行うこと、並びに、
賃貸住宅の
バリアフリー化推進を含めて良好な居住環境の維持に努めることについて、
大臣の御見解をお聞かせください。