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塩崎国務大臣(塩崎恭久)
○
塩崎国務大臣
今御
指摘
をいただきましたように、国内で民間によって建立をされた慰霊碑の管理が行き届いていないといったものが七百三十四基。しかし、今お話をいただいたように、管理状況が不明なものというのが五千三百八十六基あるわけでございまして、これを二十七年度より、管理不良のものについて実地による実態
調査
を実施してきつつあるわけでありますけれ
ども
、この管理状況がよくない慰霊碑が放置されているというのはやはり次世代継承という
観点
から好ましくない。 そして、このために、戦後七十年を契機としまして、建立者等が不明であって状態がよくない慰霊碑につきましては、
自治体
の事業として移設、埋設等を行う場合には一定の補助を行うために所要の経費を、これは一千八百万円でございますけれ
ども
、
平成
二十八年度概算要求に計上をさせていただいたということで、地方
自治体
と連携しながら、管理状態がよくない慰霊碑について移設、埋設や
整備
がきちっとできるようにしてまいりたいというふうに
考え
ております。
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2015-09-02 第189回国会 衆議院 厚生労働委員会 第37号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十七年九月二日(水曜日) 午前九時
開議
出席委員
委員長
渡辺
博道君
理事
赤枝 恒雄君
理事
後藤 茂之君
理事
高鳥 修一君
理事
松野 博一君
理事
西村智奈美
君
理事
浦野 靖人君
理事
古屋
範子君 大岡 敏孝君
大串
正樹
君 加藤 鮎子君 木村 弥生君
小松
裕君
白須賀貴樹
君 新谷 正義君 田中 英之君 田畑 裕明君 谷川 とむ君
津島
淳君
豊田真由子
君
中川
俊直
君 長尾 敬君 丹羽 雄哉君
橋本
岳君
比嘉奈津美
君
堀内
詔子君 牧原 秀樹君
松本
純君
松本
文明君 三
ッ林裕巳
君 村井 英樹君 阿部 知子君 大西 健介君 岡本
充功
君
中島
克仁君 長妻 昭君 山井 和則君
足立
康史君
井坂
信彦君 牧 義夫君 伊佐 進一君 輿水 恵一君 角田 秀穂君
高橋千鶴子
君
堀内
照文君 …………………………………
厚生労働大臣
塩崎
恭久君
厚生労働
副
大臣
永岡 桂子君
厚生労働
副
大臣
山本 香苗君
厚生労働大臣政務官
橋本
岳君
厚生労働大臣政務官
高階恵美子
君
政府参考人
(
内閣官房まち
・
ひと
・し
ごと創生本部事務局次長
)
木下
賢志
君
政府参考人
(
内閣
府
大臣官房審議官
)
池永
肇恵
君
政府参考人
(
内閣
府
子ども
・
子育て本部審議官
)
中島
誠君
政府参考人
(
内閣
府
子ども
・
子育て本部審議官
)
小野田
壮君
政府参考人
(
警察庁長官官房総括審議官
)
村田
隆君
政府参考人
(
厚生労働省大臣官房審議官
)
谷内
繁君
政府参考人
(
厚生労働省大臣官房統計情報部長
)
姉崎
猛君
政府参考人
(
厚生労働省医政局長
)
二川
一男
君
政府参考人
(
厚生労働省健康局長
)
新村
和哉
君
政府参考人
(
厚生労働省労働基準局安全衛生部長
)
土屋
喜久
君
政府参考人
(
厚生労働省雇用均等
・
児童家庭局長
)
安藤よし子
君
政府参考人
(
厚生労働省老健局長
)
三浦
公嗣君
政府参考人
(
厚生労働省保険局長
)
唐澤
剛君
政府参考人
(
厚生労働省年金局長
)
香取
照幸
君
厚生労働委員会専門員
中尾 淳子君
—————————————
委員
の異動 九月二日
辞任
補欠選任
大串
正樹
君
津島
淳君 同日
辞任
補欠選任
津島
淳君
大串
正樹
君
—————————————
本日の
会議
に付した案件
政府参考人出頭要求
に関する件
勤労青少年福祉法等
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
第五〇号)(
参議院送付
)
厚生労働関係
の
基本施策
に関する件 ————◇—————
渡辺委員長(渡辺博道)
1
○
渡辺委員長
これより
会議
を開きます。
厚生労働関係
の
基本施策
に関する件について
調査
を進めます。 この際、お諮りいたします。
本件調査
のため、本日、
政府参考人
として
内閣官房まち
・
ひと
・し
ごと創生本部事務局次長木下賢志
君、
内閣
府
大臣官房審議官池永肇恵
君、
子ども
・
子育て本部審議官中島誠
君、
子ども
・
子育て本部審議官小野田壮
君、
警察庁長官官房総括審議官村田隆
君、
厚生労働省大臣官房審議官谷内繁
君、
大臣官房統計情報部長姉崎猛
君、
医政局長二川一男
君、
健康局長新村和哉
君、
労働基準局安全衛生部長土屋喜久
君、
雇用均等
・
児童家庭局長安藤よし子
君、
老健局長三浦公嗣君
、
保険局長唐澤剛
君、
年金局長香取照幸
君の
出席
を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
渡辺委員長(渡辺博道)
2
○
渡辺委員長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。
—————————————
渡辺委員長(渡辺博道)
3
○
渡辺委員長
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
中川俊直
君。
中川(俊)委員(中川俊直)
4
○
中川
(俊)
委員
自由民主党の
中川俊直
です。 きょうは、
質問
の機会を与えていただいて、ありがとうございます。
質問
につきましては、
健康長寿社会形成基本法
、これは
議員立法
での
成立
を目指しているものであります。さらには、
戦没者
の
遺骨収集
について、そしてAEDについての御
質問
をさせていただきたいというふうに思っているんですけれ
ども
、
質問
に先立ちまして、実は、私ももう
国政
へと送っていただいて二年八カ月が
経過
をいたします。さらに言うならば、
政治記者
を五年ここで務めまして、秘書を十二年、そして
議会
に送っていただいて二年
半余り
が
経過
をするんですけれ
ども
、私が本当に、こうした
国政
へと送っていただいて、
議会
の
議論
を通じて痛感していることを改めて申し述べさせていただければというふうに思っています。 それはやはり、私は、本当にいよいよ次の世代は
国会改革
をやらなくちゃいけないなということを、今、実は痛感をしているわけでもあります。 実は、
日本アカデメイア
の
調査
によると、
民主党政権時代
の
数値
なんですけれ
ども
、
各国首相
の例えば一年間の
議会
の
出席日数
、
日本
は百二十七日。さらに言うならば、ヨーロッパの方では、フランスが十二日、イギリスが三十六日、
ドイツ
が十一日。ちなみに、例えばアメリカでは、
オバマ大統領
初め、
議会
に来るのは
一般教書演説
ぐらいであって、ほとんどホワイトハウスにいてやっているというような
現状
でもあります。(発言する者あり) やじってくださるのも結構なんですけれ
ども
、ただし、
民主党政権時代
にも、多くの
議員
の
皆さん
が、
国会改革
をやらなくちゃいけないということを言っていたわけであります。 ちなみに、閣僚を見ましても、
アカデメイア
の
調査
ですけれ
ども
、
財務大臣
は一年間で二百七日来ている。
外務大臣
は百六十五日来て、これは他国に比べて圧倒的に多いというような
現状
でもあります。 余談ですけれ
ども
、この
国会
で調べてみましたら、
塩崎大臣
は、何とこの
国会
、戦後
最長幅
の二百四十五日なんですが、衆議院のこの
委員会室
で三十二日間も朝から夕方近くまで座っていらっしゃる。
参議院
においては二十五日座っている。五十七日も朝から晩まで座っていて、さらに
衆参
の本
会議
があって、
予算委員会
があって、
特別委員会
にも出なくてはいけなくて……(発言する者あり)いや、今ちょっと話しているので、待ってください。これは
与野党
を超えて私はやっていかなくてはいけないということを申し述べさせていただきたいので、ぜひやじらないで聞いていただければと
思い
ます。 これは私
自身
が
議会人
としての一
意見
で、党人としての
意見
ではないということで、ぜひ聞いていただければというふうに思っているんですが、その他、閣議や
政府
の
財政諮問会議
な
ども
通じて、そういう
意味
では一日じゅう時間に拘束されっ放しでは、私は、
厚生労働行政
を担う、さらには、
国益
として国家をどういうふうに持っていくかという
観点
から、非常に
国益
を損ねているというふうに
考え
るんです。 そういった中では、やはりこれまでも
超党派
の中でも
議論
がなされましたけれ
ども
、例えば、
総理
におきましては、毎週
党首討論
は必ず開催をするから、その上で、ふだんの
予算委員会
などは副
長官
や
官房長官
が担う、ほかの
大臣
が担う、そういったようなぐあいにやっていくべきだというふうに思っていますし、こういった
委員会
などを通じましても、ふだんの
答弁
は、あの
小沢一郎先生
が自
自公連立政権
のときに
政府参考人制度
をつくって、副
大臣
、
政務官
というのが配置をされたわけであって、そういった
方々
が基本的には
答弁
を担っていただいて、
締めくくり総括
のときに
大臣
が出てきていただきながら、
与野党
の論客の
先生方
と、例えば
テレビ中継
を入れて、開かれた形で
国民
にも
委員会審議
を見ていただくといった
ぐあいの国会改革
というのが私は必要だというふうに思っています。 さらに言うならば、今、ゆう活というのが今
国会
からずっと言われておりました。朝方の勤務にしていこうということなんですけれ
ども
、そういうのであるならば、やはり
議会人
として、
質問通告
は一日半前からやって、当日の、夜の十時とかに突然出して、徹夜で
答弁
をつくっていただいて朝早くから
大臣
に説明していくというのだったら、私
たち
が
女性
の輝く
社会
とかそういうものをやろうとしている中では、極めてよくないというふうに思っているので、ぜひ本当にそういう
方向性
をつくらせていただければと思っています。 さらに言うならば、
国会改革
の
観点
から、例えばペーパーレスなんかにしていくと、ある試算では、
衆参両院
、タブレット型にしてやっていけば十二億円
余り経費
の節減につながるというような
議論
というのもありまして、そういうのを本当に、これは
与野党
を超えて、どちらが
政権
をとろう
とも
、やはり
国益
という
観点
から
考え
ていって
一緒
になってやっていきたいなということを、私は、
議会
に送っていただいて二年八カ月たって、改めてこうした
厚生労働委員会
の
審議
に出させていただいて感じていますので、まず冒頭そのことを申し述べさせていただければと
思い
ます。 その上で、実は、
健康長寿社会形成基本法案
について少し
質問
をさせていただければと思っています。
不肖
私も、
超党派
の
議員連盟
や、さらには
自民党
の方の
議員連盟
等々で
事務局長
などを務めさせていただいて汗をかかせていただいているんですけれ
ども
、私は本当に、
議会
に送っていただいてから、
我が国
の
国民
皆
保険制度
というのもすごく誇るべきものだと
思い
ますし、
年金制度
も誇るものだというふうに思っています。 そしてその上で、そういったもとで
世界
一の
長寿国
というのを
日本
は達成いたしました。
男女平均
が八十四歳、男性も昨年八十歳を超えて、そして
女性
も八十六・八歳ということで、いよいよ
人生
九十年
時代
の到来だということで、これは本当に、
議会人
として、また
厚生労働委員会
のメンバーとして大変喜ばしいことだというふうに思っているわけであります。 一方で、そういったものが
社会保障制度
の
持続可能性
を難しくしている、そういった面での
課題
が私はあるのだろうということを思っているわけでもあります。 そういった
意味
では、
世界
に冠たる
我が国
の
社会保障制度
の
持続可能性
を確保するためには、
社会保障制度
の不断の
改革
にあわせて、
国民
が、年齢などにかかわりなく健康で生き生きとした
人生
を全うすること、
国民
の
健康寿命
というものを達成していくことが私は重要だというふうに思っています。そして、
国民
の
健康寿命
を達成していくためには、
国民
一人一人の健康に向けた
自助努力
というものが必要だと思うし、それをしっかりと応援させていただく、喚起していく、支えるための
社会環境整備
を進めていくことが必要だと思っているわけでもあります。 そこで、本日はちょっと
資料
を用意させていただきました。 この
社会保障
に対する
資料
で、
資料
一として配付をしておりますのが、
筑波大学大学院人間総合科学研究科
の
久野譜也先生
の
研究
結果を引用したものであります。私も、
議員立法作成
に当たっては、
久野先生
とも
本当にさまざま御
議論
をさせていただきながら一員としてつくらせていただいたわけなんですけれ
ども
、これによれば、
タイプ
一から
タイプ
四までというのが、ほとんど健康に無
関心
な層というのが
国民
全体では七〇%いるということであります。 そういった
意味
では、
久野先生
は、この無
関心層
をいかに動かしていくかということが非常に大事だというふうに
指摘
をされておりまして、そうした
方々
を動かしていくために、
健康づくり
の
取り組み
を始めるきっかけとして、
健幸ポイント
を付与したらどうだろうかということを御提言されておられたわけでもあります。 私
ども
も、議連を通じて、またさまざまなところで、一年半ほど前からこうしたものをさまざまな
関係大臣
の方にも提言として持っていっていたわけなんですけれ
ども
、この
健幸ポイント
というのは
資料
の四の一と二にあります。
資料
の四の二を見ていただくと、例えば、一年間で二万四千
ポイント
を付与させていただきながら、入会したよという時点でまず
ポイント
を付与して、歩いて
数値
が
改善
して、がんばってます
ポイント
九千六百
ポイント
、行きました
ポイント
とか、また
数値
が
改善
されて、変わりました
ポイント
とか、続けたよ
ポイント
で、六カ月連続で
ポイント
を獲得したときの
ポイント数
ですとか、
健康診断
も今は
自治体
等々で受ける数が減っているというような
指摘
もありますけれ
ども
、受けたよ
ポイント
で千
ポイント
とか、健康になったよ
ポイント
で三千
ポイント
といったぐあいに、
ポイント
を付与していくという
インセンティブ
を強化することが大事だということを
指摘
しています。 今、
厚生労働省
の方もこの
通常国会
で、
医療保険制度改革法
の中で、
個々人
の
健康づくり
の
インセンティブ
の付与ということをやっていますけれ
ども
、私は本当に、この
ポイント
というのは、いよいよ
マイナンバー
というのができるのならば
マイナンバー
の中にも入れ込んでいったっていい、それで結果として
医療費
が抑制されれば、これは本当に両方にとって三方よしだというふうに思っているんですけれ
ども
、この
ポイント
を活用した
取り組み
についてどうお
考え
なのか、まず
厚生労働省
の御見解をお伺いさせていただければと
思い
ます。
唐澤政府参考人(唐澤剛)
5
○
唐澤政府参考人
先生
から御
指摘
いただきましたように、
高齢化
が進展いたしまして
生活習慣病
の
時代
になってまいりますと、やはりそれぞれの方が健康に
関心
を持っていただくということが大変重要でございます。 御
指摘
のように、
予防
、
健康づくり
に取り組む
加入者
の方に対しまして
保険者
が
ヘルスケアポイント
を付与いたしまして、
健康グッズ等
と交換できるようにするなどの
取り組み
、これの
取り組み
につきましては、先進的な
健保組合
や市町村で
保健事業
として実施をされております。 私
ども
といたしましては、より多くの
保険者
が
加入者
に対してこの
予防
、
健康づくり
の
インセンティブ
を提供する、こういう
取り組み
を広げていくということが重要であると
考え
ておりまして、御
指摘
いただきましたように、今回の
医療保険制度改革法
の中でも、新たに
保険者
の
努力義務
として位置づけているところでございます。 今後、
保険者
のそれぞれの方で、
保健事業
の中で実施する場合の具体的なガイドラインを策定する、あるいは
事例集
を策定する、こういうことを通じまして、
保険者
による
インセンティブ
の
取り組み
をより一層推進してまいりたいと
考え
ているところでございます。
中川(俊)委員(中川俊直)
6
○
中川
(俊)
委員
ありがとうございます。本当にそういった
方向性
、私は大事だというふうに思っております。 その上で、
久野先生
はさらに、
個人
が意図しなくても自然に歩いていけるような
町づくり
というのができたらいいのではないかということを
指摘
されているわけであります。 ちょっと
資料
二をごらんいただければと思うんですけれ
ども
、
ドイツ
の
フライブルグ
というところがあります。およそ
人口
二十万人ちょっとぐらいのところだというふうに記憶をしておりますけれ
ども
、これは実は一九七〇年代の
写真
と二〇一一年の
写真
がありますけれ
ども
、
フライブルグ
では、四十五年前より、
中心市街地
の半径一キロの範囲において車の進入を原則禁止して、LRTなどの
公共交通
、新
交通
などを再
整備
しました。その結果として、多くの人が
中心市街地
を歩くようになって、
健康保険料
の低下というのも実際
問題数値
で出ているそうで、さらに言うならば、今
地方創生
ということが言われていますけれ
ども
、いわゆる
商店街
などの再
活性化
など、多くの
地域課題
にもよい効果があらわれたという
指摘
があるようであります。 このような
取り組み
は実は
ドイツ
だけではありませんで、それぞれの
自治体
が今、
日本
の中でも取り組んでいるわけでもあります。
資料
三をごらんいただければ、例えば
新潟
県の
新潟
市や見附市では条例を制定して、歩いて暮らせる
町づくり
に力を入れているというのを、全国の
健康都市
を目指していこうという
首長連盟
な
ども
、本当にしっかり、六十
自治体
ぐらい入っているんですけれ
ども
、
一緒
になってそういったところをやっています。 また、
先生方
もよく御存じのとおり、きょうは
小松委員
もいらっしゃいますけれ
ども
、
小松委員
の御地元の
長野
などでは、昭和の
時代
から
保健補導員
という
取り組み
を実践してきています。本当に
日本
一の
健康県
であるというふうに言われています。
須坂
の母ちゃんで有名な
取り組み
だと承知していますけれ
ども
、
地域住民
の方が
保健補導員
として、みずから
健康づくり
を実践するだけでなくて、
地域コミュニティー
の
活性化
や
住民
の
健康長寿
に向けた
ヘルスプロモーター
として活動されているという
取り組み
です。こうした
取り組み
が行われているこ
とも
、
長野
県が本当に
健康長寿
の一番だという重要な要素になっていると私も聞いています。 そこで伺いたいのですが、このように
個人
の
健康づくり
、
健康長寿
を達成するには、
個人
の
生活習慣
の
改善
にあわせて
社会環境
を
改善
していくこ
とも
重要だと
思い
ますが、
厚生労働省
のお
考え
や
取り組み状況
についてお聞かせをいただければと
思い
ます。
新村政府参考人(新村和哉)
7
○
新村政府参考人
お答えいたします。 現在、
日本
の
健康寿命
は
世界
第一位となっておりますけれ
ども
、今後さらに
健康寿命
を延ばしていくためには、
個々人
がみずからの健康により一層気をつけていくということと同時に、健康を支え、守るための
社会環境
の
整備
も重要と
考え
ております。 このため、
厚生労働省
といたしましては、
平成
二十五年度より開始しました第二次
健康日本
21におきまして、
健康づくり
に自発的に取り組む
企業
や
団体
などの活動を推進すると
とも
に、そうした
企業
や
団体
の数の増加を目標に掲げまして、
社会環境
の
整備
を進めております。 具体的には、
平成
二十四年度より、
健康寿命
の
延伸
につながる
企業
や
団体
あるいは
自治体
の
取り組み
を表彰する「
健康寿命
をのばそう!アワード」を実施しておりまして、
平成
二十六年度の
生活習慣病予防分野
では、御紹介がございました
須坂
市の
保健補導員会
が
最優秀賞
を受賞しておりまして、また十九
団体
が受賞しているということでございます。
厚生労働省
といたしましては、さらなる
健康寿命
の
延伸
に向けて、こうした
取り組み
を通じ、官民を挙げて
国民
の
健康づくり
に取り組んでまいりたいと
考え
ております。
中川(俊)委員(中川俊直)
8
○
中川
(俊)
委員
ありがとうございます。 そうしたことを、
厚生労働省
さんのみならず、そういった御負担ではなくて、私
自身
、
議員立法
として、しっかりとこういった
取り組み
を応援させていただきたいという
観点
から、実は
資料
の五の一にあります
健康長寿社会形成基本法案
というものをつくらせていただきました。
自民党
におきましては
ヘルス
&
コミュニティ議員連盟
、さらには
超党派
の、次世代の
社会保障制度
を構想する
議員連盟
でこの
法律
は策定に当たったんですけれ
ども
、
鴨下一郎先生
を会長に、
不肖
私が
事務局長
を務めさせていただきながら、この
厚生労働委員会
の多くの
先生方
にも、例えば
中島委員
や
井坂委員
や
足立委員
や、また
古屋委員
、さらには
小松委員
を初め、多くの
皆さん
と
一緒
にこの
健康長寿社会
をつくらせていただいて、そういった
取り組み
を本当に応援させていただこうという
観点
でつくらせていただいたのが
健康長寿社会形成基本法案
であります。 簡単に言ってしまうと、
町づくり
というのは例えば
国土交通省
が担っていかなくてはいけないですし、
インセンティブ
の
ポイント
では、
厚生労働省
さんのみならず、
内閣
府のITの関連の
本部
であったりとか、さらに言うなら
総務省
さん、そういったところと
一緒
になって、
横串
を入れながら、とにかくこの
世界
に冠たる
健康長寿立国
たる
日本
を、むしろ本当に
世界
にも打って出るような、例えば
成長分野
にもなってくるという
観点
からは
経済産業省
が大事だ。 こういったものを
内閣総理大臣直轄
の
健康長寿社会形成推進本部
に集約をさせていただきながら、そして
健康長寿社会
の
形成
の
推進計画
をしっかりと示していくという
方向性
でやっていこうとするのがこの
健康長寿社会形成基本法案
であって、今、それぞれの各党でもほとんどの党で調整をいただいておりますけれ
ども
、今
国会
が戦後
最大幅
ということでなかなか難しいというような
現状
ではありますが、私は、やはりそういった目線の中で、ぜひ
皆さん
とも
思い
を
とも
にさせていただきながら、これは本当に、東京の
稲城
市を視察させていただいて私は感動したんです。 何でもこれは自立している
人たち
だけを応援するのかといったら決してそんなことはなくて、例えば八十二歳のお
ばあちゃん
が、
特別養護老人ホーム
に、七十五歳ぐらいの、
自分
より年下のお
ばあちゃん
の
介護
のお世話に来ているんです。そして、私に言うんです。あんたね、キョウヨウ、キョウイクというんだよ、きょう用があって、きょう行くところがあるのは、公の役に立つのは
自分たち
は物すごくうれしいと。 そういうことによって
稲城
市は五千
ポイント
、五千円分のいわゆる
インセンティブ
を付与するんですけれ
ども
、
自治体
には二割を超える
方々
がお返しになられる。そんなの要らないんだ、そうじゃないんだ、私
たち
が
社会
の役に立っているのがうれしいといったぐらいな
インセンティブ
の
ポイント
をやっていくことによって、結果、
稲城
市は、一年間で、
介護保険
がふえ続けているものが減って、二千万円の抑制につながったというようなデータもあるそうでありまして、ぜひこれは、もう本当に党派を超えてみんなで
思い
を
とも
にさせていただきながら、
成立
に向けて御指導賜れればというふうにも思っております。 そこで、
塩崎大臣
にも
ひと
つお伺いをさせていただきたいと
思い
ます。「
保健医療
二〇三五」というビジョンも掲げられておりますけれ
ども
、本当に我々の持っている
思い
と
共有
をさせていただいているというふうに思っているんですけれ
ども
、この
健康長寿社会形成基本法案
へのコメントも含めて、
大臣
の御感想をお聞かせいただければと
思い
ます。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
9
○
塩崎国務大臣
先生
が御努力いただいております
健康長寿社会形成基本法
を、今、
議員立法
として何とか
成立
させようということで、獅子奮迅の活躍をされていることはよく聞いているところでございます。 基本的に、今お触れをいただいた「
保健医療
二〇三五」と
問題意識
は
共有
をしているというふうに私も思っているわけで、今回、この「
保健医療
二〇三五」では、パラダイムシフトというか、今までの発想を変えて二十年先の
保健医療
を
考え
ようということで、それはまさに
健康寿命
を
考え
ようというのに等しいわけであって、量の拡大から質の
改善
へとか、あるいは
インプット中心
から
アウトカム
の評価を
中心
にしていくというような、全く今まで
考え
たことがなかったようなパラダイムでやっていかないといけないんじゃないかというようなことを、百二十に及ぶ提案をいただいたところでございます。
健康長寿社会形成基本法案
は、一人一人の主体的な健康の
保持増進
の
取り組み
とそのための
社会環境
の
整備
を求めるもので、
社会保障制度
の
持続可能性
に向けて既存の枠組みを乗り越えて
考え
ていくということで、全く同じような
問題意識
だと
思い
ます。
人口
の
高齢化
とか
医療費
が拡大することによって財政問題を抱えるというのは、
世界共通
の
課題
であります。したがって、
日本
が、
高齢先進国
として、どういうモデルでこの問題を乗り切りながら
健康長寿
を実現していく
社会
をつくっていけるか、こういうことだろうと
思い
ます。
日本
が成功すれば
世界
は
日本
と同じようにやればいいんだということになりますから、まさに我々が先陣を切って頑張っていかないといけないと
思い
ますので、ぜひ
議員立法
にも期待をし、また、「
保健医療
二〇三五」も、厚労省の中に推進
本部
をつくって、一つ一つ困難を乗り越えながらやっていこうということにしておりますので、また応援をいただければと
思い
ます。
中川(俊)委員(中川俊直)
10
○
中川
(俊)
委員
ありがとうございます。本当に力強い感想をいただいて感謝を申し上げます。 次に、ちょっと時間が短くなってまいりましたけれ
ども
、私は、ことし戦後七十年という節目の年で、いよいよ
政府
の方も
遺骨収集
に力を入れていきましょうという話を、今後十年間、
遺骨収集
に力を入れていくという話をいただいています。 きょう
資料
の七を用意させていただいたんですけれ
ども
、どうも
遺骨収集
というと陸地のみばかりで、海底の
遺骨収集
というのは、もう水葬してあるんだから引き揚げる必要はないというような声をいただくんですが、
資料
の中では、実は今これだけの、
日本
近海でおよそ五万九千人、外地においては三十万人近くの方が眠っていらっしゃっていて、私は実は選挙区が広島でして、隣の呉市は大和ができたところなんですけれ
ども
、最近、遺族会などを
中心
に、沈んだままでなぜ水葬になっているのか、むしろ本当にそういったものに力を入れていくんだったら引き揚げてもらいたいよというような御
意見
があります。 そのような対応について、
厚生労働省
の方から見解をお知らせいただければと
思い
ます。
谷内政府参考人(谷内繁)
11
○
谷内
政府参考人
お答えいたします。 沈没した艦船にあります御遺骨につきましては、海自体が
戦没者
の安眠の場所であるとの
考え
方に基づきまして、原則として遺骨収容は行っていないところでございます。 ただし、御遺骨が人目にさらされていて尊厳が損なわれるような特別な状況にありまして、しかも遺骨収容が技術的にも可能な場合には、遺骨収容を行うこととしているところであります。
中川(俊)委員(中川俊直)
12
○
中川
(俊)
委員
政府
の見解は私も十分承知をしているんですけれ
ども
、ならば、今例えば大和などは鹿児島沖三百メートルに沈んでいるんですが、そういったところに対しての水の葬儀というのを
政府
としてしっかりやったことがあるのかといったら、そういう目線がない中で、例えば、
一緒
の乗組員の方の枕元に、大和の乗組員だった仲間が早く引き揚げてくれというようなこ
とも
実際夢の中に出てきたという話も聞くんです、地元を回っておりますと。そういったところの目線も、陸地ばかりの
遺骨収集
ではなくて、私は、海底の方の
遺骨収集
にぜひ向けていただきたいというふうに思っています。 先般、実は麻生
財務大臣
とも
お話をさせていただいたら、麻生
財務大臣
も非常に賛成だと。その上で、一部、菊の御紋章な
ども
少しそういったところの
調査
費でつけてあげて、そういったところの中から、
一緒
に海底に眠る
戦没者
を追悼するような形で、一部だけでも船体を引き揚げた方がいいのではないか、そういう予算とか動ける役所もぜひつくってほしいということでもありましたので、ぜひ
厚生労働省
の方でそういったことを検討いただきますようによろしくお願いしたいと
思い
ます。 最後に、AEDについて御
質問
させていただきたいというふうに
思い
ます。 実は私、先般感動したんですけれ
ども
、東京大学の瀧本ゼミの学生さんが、AEDの
現状
と問題点と今後ということについて私にプレゼンをしてくれました。突然死が一年間で七万人で、AEDがあったら命が救われたのにと。三分以内に救急救命ができれば、七万人のうちの半数の命が救われる、三万五千人が救われる。今は本当に一〇%しかない七千人だというふうな状況であります。 私は、AEDは、とにかくスポーツ選手とかが倒れたりしたらすごく話題になるんですけれ
ども
、今
国民
が、町のどこにあって、さらに、どういうふうに普及していくのか、さらには、普及したってやはり教育が伴っていないと、AEDの扱い方を
国民
がわからないというような
現状
がある中で、
厚生労働省
の
皆さん
、ぜひその辺に向けての御決意というのを最後にお伺いさせていただければと
思い
ます。
二川政府参考人(二川一男)
13
○
二川
政府参考人
先生
御
指摘
のとおり、突然の心停止に対しまして救命率を上げるためには早期の除細動が重要でございまして、そのため、AEDの設置を進め、必要なときに一般市民の方がAEDを使用していただける、こういう体制にするということが重要だと思っておりまして、そのための普及啓発を行っているところでございます。
厚生労働省
といたしましては、設置されたAEDが有効に使用されるために、全国のAEDマップについて都道府県にその活用を周知しておりますし、また、市民が設置場所にたどり着けるように、設置施設の入り口においてステッカーを表示することとか、案内表示を置くことにつきましても、そういった
取り組み
を行うよう都道府県にお願いをしているところでございます。 また、教育といった面におきましては、講習会の内容をお示しし、また、重点的にここの部分をやればいいというような形での講習会につきましても周知をしております。そういった講習会につきましての補助制度もございます。 そういったようなものを活用いただきまして、多くの方がAEDの講習を受けて、突然の心停止についての救命につながっていくようなことが望ましいと
考え
ているところでございます。
中川(俊)委員(中川俊直)
14
○
中川
(俊)
委員
ありがとうございました。 本当に
政府
広報も、もっと有名な方、どんどん予算をつけてアピールしていただいたりとか、公が全てにやったら膨大なものになってしまうので、AEDのパッドに
企業
で協賛していただけるところの
企業
広告を載せて、さらに、
企業
がそういうのをやるときに国の補助率が二〇%とかというようなぐあいに、産官学民全部連携して、
一緒
になって広めていくという手だてが
社会保障
費の増大の背景の中で重要だと私は思っていますので、その点を御
指摘
させていただいて、
質問
を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
渡辺委員長(渡辺博道)
15
○
渡辺委員長
次に、
古屋
範子君。
古屋(範)委員(古屋範子)
16
○
古屋
(範)
委員
おはようございます。公明党の
古屋
範子でございます。 きょうは、生活困窮者、また子供の貧困の問題についてお伺いをしてまいりたいと
思い
ます。 これまでも私
たち
は、生活保護に陥るその手前で困窮者の支援をしていくセーフティーネットを積極的に推進をしていく、子供の貧困にも取り組んでまいりました。現場にも多く足を運びました。 埼玉のこうした事業では、特養ホームを活用して、そこで保護世帯の子供
たち
の高校受験のためにマンツーマンで勉強を教える場を提供していくというようなことをやっております。また、川崎の生活自立・仕事相談センターにおきましては、ここは「だいJOBセンター」、「JOB」というのは仕事という
意味
なんですが、ここでは、仕事を失って、家賃も払えなくなる、病気になっても病院に行けない、家族も失う、借金ができる、こうした
方々
に、一つ一つ相談しながら、最後は就労まで持っていける、そのような事業を行っております。 私
たち
も、二〇一三年、厚労部会また生活支援PTで、
政府
に対して、こうした生活困窮者へのきめ細かな相談体制の
整備
、また中間就労の場の提供、生活困窮家庭の子供の学習支援など、自立を促す法
整備
を急ぐように要請をいたしまして、その年の十二月に生活困窮者自立支援法が
成立
をしたところでございます。 その生活困窮者自立支援法がこの四月から施行となりました。経済的に困窮する
人たち
を積極的に支援していく、これは国の責務であると思っております。 また、生活困窮の問題、格差の問題につながっている子供の貧困、現在一六・三%ということで、先進諸国の中でも非常に高い貧困率となっております。 先日、子供の貧困について詳しい首都大学東京の阿部彩教授と対談をする機会がございました。二年前に
子ども
の貧困対策法を
成立
させました。学者の側からも、非常に速いスピードでもってこの
法律
は
成立
をしたと驚いていらっしゃいました。そのとき、確かに
与野党
で、さまざま細部においては差異はあったんですが、子供の貧困というものは非常に深刻である、それに向き合って私
たち
は国としてその対策を急がなければならないという意識は共通しており、この
子ども
の貧困対策法が
成立
をいたしました。 十八歳未満の子供約六人に一人が平均的な世帯所得の半分に満たない家庭で暮らしている、その人数は三百万人余りに上ると言われております。 先日、四月の二日に、子供の未来応援
国民
運動の発起人集会で、安倍
総理
の方から、子供の貧困は、頑張れば報われるという真っ当な
社会
の根幹にかかわる問題だ、子供の未来が家庭の経済事情によって左右されることがないよう
社会
を挙げて取り組んでいきたいというような言葉がございました。 初めに、
塩崎大臣
に、こうした生活困窮者支援あるいは子供の貧困に対して、御見解を伺いたいと
思い
ます。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
17
○
塩崎国務大臣
全ての子供は、適切な養育を受けて健全に発達する権利があると
思い
ます。 児童虐待で亡くなる子供
たち
の四割ぐらいがゼロ歳児だということでありますから、声を発することが全くできない子供
たち
から普通の子供
たち
に至るまで、やはり、生まれ育った環境に左右されないで健全な発達をするという権利を私
たち
は守っていかなければならないんだろうというふうに思っています。 経済的に厳しい一人親家庭等の支援、あるいは児童虐待防止に向けた
取り組み
を強化するということが極めて大事であり、また、
総理
を先頭とした今の
国民
運動、これを私
たち
はしっかりとやっていかなきゃいけないと思っております。 一人親家庭の自立支援として行政やあるいは民間の支援
団体
が提供しているいろいろな支援があるわけですけれ
ども
、それがばらばらでどうやって利用していいかわからないと。ですから、相談窓口のワンストップ化というものを進めて、支援策が確実に届くという仕組みを
整備
する、そして、子育て・生活支援や就業支援の強化などのサービスの言ってみれば充実をしながら、やはり一体的に提供できる体制をつくるということが大事なんじゃないかと思っております。 また、児童虐待防止の対策につきましては、国、都道府県、市町村、この役割と責任というのがいま一つ不明確ではないか。私は、もっと明確にして、改めてこれを抜本的に見直すということが大事であって、さらに、官と民とのパートナーシップを組む、これを構築しながら、発生
予防
から自立支援まで一連の対策のさらなる強化に取り組んで、特別養子縁組とか里親委託などの家庭的な養護の推進も図っていかなければならないんじゃないかというふうに思っております。 今後、新たな子供家庭福祉のあり方についての検討を速やかに開始して、次期
通常国会
への児童福祉法等の改正案の提出を目指して頑張っていきたいというふうに
考え
ているところでございます。
古屋(範)委員(古屋範子)
18
○
古屋
(範)
委員
大変前向きな御
答弁
をいただきました。 児童虐待防止、そして、それも官民パートナーシップで推進をしていこう、また、家庭的養護の推進、そして、次期
通常国会
には児童福祉法を改正していく、このような
方向性
をお示しいただきました。 具体的な
質問
をしてまいりたいと
思い
ます。 今も
大臣
はおっしゃったんですが、生まれ育った環境によって将来が左右されない、全ての子供が健全に育つ、その権利を有する、これは、
子ども
の貧困対策法の目的でもございます一番大事な点だというふうに
思い
ます。 経済的な環境で、やはりどうしても親の年収と子供の教育のレベルが比例してしまう、これはあってはならないことだと思っております。この貧困の連鎖をどう断ち切っていくか。 これは、公明党がまだ党ができる前に、教科書が買えなかった子
たち
のために教科書を無償配付していく、今では当たり前と思っているかもしれませんが、そういうところから公明党は始まってまいりました。 昨年の八月に子供の貧困対策大綱も決まりました。一人親家庭の支援、また奨学金制度の拡充など、そこには幅広い支援が盛り込まれております。八月二十八日の
子ども
の貧困対策
会議
で、安倍
総理
の方からも、一人親家庭の自立支援及び児童虐待防止のための施策の
方向性
を取りまとめた、子供が直面する問題を解決するため、保護者に寄り添った対応を強化していく、このようなコメントが出されました。 そこで、この
ひと
り親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクトですが、その内容を見せていただきました。大変重要な方向が示されていると
思い
ます。
自治体
の窓口のワンストップ化の推進とか子供の居場所づくり、子供やその家庭が抱える問題への対応、子供の学習支援、親の資格取得支援、そのようなものが盛り込まれると聞いております。こうした施策により一人親家庭の支援が進んでいく。 やはり、貧困のさまざまな要因が集まっているのが一人親家庭だと
思い
ます。この施策の方向の
ポイント
、また
方向性
についてお伺いをしたいと
思い
ます。 また、重ねまして、来年度の予算概算要求には二百二十三億円が盛り込まれております。さまざまなサービスと
とも
に経済的支援が必要だと
思い
ます。一人親家庭、貧困に直面する家庭への現金給付、生活の安定を図るために児童扶養手当の拡充が必要だと
考え
ております。 公明党も、二〇一〇年、山本副
大臣
が当時
中心
になって公明党としての児童扶養手当法の修正案をまとめました。そのときの修正案には、一定期間
経過
後の支給制限規定の削除だとか、養育費支払い制度の抜本的な
改革
、父または母の所得による支給制限規定の削除、祖父母が児童を養育することになった場合の老齢年金との併給の見直し、このようなものを盛り込んで、当
委員会
に提出をいたしました。当時は民主党
政権
だったんですが、結局一つも、それほど大きな財源がかかるものではなくても、のんではくださいませんでした。結果、公明党提案に共産党が賛成をするという結果で否決をされました。 この児童扶養手当の拡充について、山本副
大臣
にお伺いしたいと
思い
ます。
山本副大臣(山本香苗)
19
○山本副
大臣
今御
指摘
いただきましたとおり、経済的に厳しい状況に置かれました一人親家庭、多子世帯の自立のためには、
大臣
から今御
答弁
がありましたとおり、支援が必要な方に着実に、確実に支援をつなげていくと同時に、今行われている支援をさらに一層充実していくことが必要だと思っております。 今般取りまとめました
ひと
り親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクトの施策の
方向性
の
ポイント
ですが、今おっしゃっていただきましたけれ
ども
、まず、相談窓口のワンストップ化を図っていくと
とも
に、寄り添い型の支援の体制を
整備
させていただきたいと思っております。 そして、相談に関するわかりやすい情報提供や、スマホで検索できるような支援、情報ポータルサイトを活用したり、また、八月が児童扶養手当の現況届の時期になりますけれ
ども
、このときにしっかりと集中的な相談などをあわせて実施させていただきたいと
考え
ております。 二点目といたしましても、いわゆる放課後児童クラブの終わった後に学習支援だとか食事の提供ができるような居場所づくりの推進でありましたりとか、また、御存じのように、一人親家庭の就業率は高いんですけれ
ども
、収入が低いといったところがございますので、少しでも高い収入に、また安定した職についていただけるようにするために、資格取得の支援を抜本的に拡充してまいりたいと
考え
ております。 今御紹介いただきました経済的支援の一番のかなめであります児童扶養手当のことにつきましてでございますが、一人親家庭の生活の安定と自立を促進するために、まず、やっていきたいと思っているんですけれ
ども
、財源の確保といったところもしっかりと踏まえながら、今、何をするかと具体的に御紹介できないのは大変申しわけないんですけれ
ども
、年末までには機能充実するような中身で取りまとめていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
古屋(範)委員(古屋範子)
20
○
古屋
(範)
委員
必要な方に必要な支援が届くような体制、そして、ぜ
ひと
も児童扶養手当の拡充をお願いしておきたいと
思い
ます。 次に、児童虐待防止対策、また
社会
的養護について
質問
をしてまいります。 このたび、子供の支援策のもう一つの柱として、児童虐待防止対策強化プロジェクト、これが示されました。この施策の
方向性
また
ポイント
について簡潔に御説明をいただければと思っております。
山本副大臣(山本香苗)
21
○山本副
大臣
この施策のもう一つの方の児童虐待防止対策の強化の
ポイント
でございますけれ
ども
、いろいろあるんですが、子育て世代包括支援センター、これを全国展開していく、また、子育て家庭へのアウトリーチ型の支援といったものを、訪問型の支援といったものを拡充することによりまして、児童虐待の発生の
予防
をまず強化していきたいと思っております。 また、児童虐待に迅速かつ的確に対応するために、国と児童相談所と市町村の役割と責任の分担、この見直しを図ると
とも
に、共通の判断基準によりますアセスメントを通じました関係機関の情報
共有
、こういったこ
とも
行ってまいりたいと
考え
ております。 また、被虐待児童の自立支援やフォローアップといったことな
ども
推進していくことによりまして、先ほど
大臣
から
答弁
がございましたけれ
ども
、中長期的な視点から、新たな子供家庭福祉のあり方についても速やかに検討を始めたいと思っております。
古屋(範)委員(古屋範子)
22
○
古屋
(範)
委員
ありがとうございました。児童虐待防止についてお答えいただきました。 続いて、
社会
的養護についてお伺いをしてまいります。 私の地元は横須賀なんですが、横須賀は、市長が非常に
社会
的養護の問題に一生懸命取り組んでおりまして、ソーシャル・インパクト・ボンド、民間のさまざまな投資などの力をかりながら
社会
的な問題を解決していこうという制度でございますが、このソーシャル・インパクト・ボンドを活用して、市が、民間
団体
と、それからあるいは児童相談所などに来た方などの間に入って、市がかかわりながら特別養子縁組を進めていこうという制度を今取り入れております。 また、あわせて、横須賀では、地域の架け橋横須賀ステーションというのをつくりまして、地元の
企業
に職の里親というものになってもらって、さまざまな事情を抱えていることを理解した上で雇用してもらうとか、それから、
社会
的養護協力不動産店というのを募って、ここは、自立をしていく中で、どうしてもやはりアパートを借りるということがなかなか児童養護施設を出てから難しいというこ
とも
あり、こうした
企業
、不動産店などの協力を得ながら、そのかけ橋を今進めております。 先日、公明党の児童虐待防止・
社会
的養護PTで、「
子ども
の最善の利益に照らした
社会
的養護の充実についての提言」を
大臣
に提出させていただきました。
社会
的養護を必要としている子供は約四万六千人、増加傾向にございます。里親制度の普及促進あるいは啓発活動の強化、また、十八歳を超えても自立していけるための支援を充実させていく、
社会
的養護の地域格差の解消、こういうことが必要だと
思い
ます。 この
社会
的養護について、お
考え
をお伺いいたします。
山本副大臣(山本香苗)
23
○山本副
大臣
せんだっては、御提言どうもありがとうございます。 その中で述べていらっしゃった里親委託につきましても、我々は、しっかりと、里親委託優先の原則にのっとりまして、児相の体制強化とあわせて、質と量の体制強化とあわせて、里親の開拓、研修等を行う里親支援機関事業におけるNPO等の民間
団体
の活用であったり、また特別養子縁組の推進もしてまいりたいと
考え
ております。 また、自立援助ホームの活用等を通じました生活支援や、施設退所児童等からの相談に応じるなど、心のよりどころとなる居場所づくりを推進すると
とも
に、今御
指摘
いただきました十八歳到達後の支援のあり方、これにつきましても今後検討を進めていくこととしております。 そして、今ソーシャル・インパクト・ボンドのお話をしていただきましたけれ
ども
、このことにつきましても今
調査
研究
させていただいているところでございますので、いい形にしていきたいと思っております。 とにかく、子供の未来が生まれ育った環境によって左右されることがないよう、必要な環境
整備
に努めてまいりたいと
思い
ます。
古屋(範)委員(古屋範子)
24
○
古屋
(範)
委員
最後の
質問
になります。 先日も
大臣
に申し入れをさせていただいたときに、さまざまな支援、やはり、
自分
からさまざまな福祉の窓口に積極的に行けるようであればまだ問題は解決をしていくんだけれ
ども
、それができない
方々
、そこには人の拡充が必要だねと
大臣
もおっしゃっていました。人は人でしか救うことができない、だから、人を拡充するためにはやはり予算が要る。
大臣
、本当にいいことをおっしゃるなと私も感心したんですけれ
ども
、そうした家庭にアプローチをしていく、アウトリーチをしていく、こうした専門的な人員の配置がまず必要になってくると
思い
ます。 それから、相談窓口のワンストップ化。児童扶養手当の申請に来たら、そこでさまざまな問題に対して、多重債務であるとか病気であるとか、そういうことの相談にも乗ってあげる。また、
社会
的養護についても、里親やあるいはファミリーホーム、この比率も高めていける。できれば、三分の一にしていく目標を達成していく。高いスキルを持った職員の複数体制の
整備
、また人材の養成、配置、そういうこ
とも
十分な予算が必要になってくると
思い
ます。 年末の予算編成に向けて、ぜひこの分野の予算確保をお願いしたいと
思い
ます。御決意を伺って、
質問
を終わります。
山本副大臣(山本香苗)
25
○山本副
大臣
大臣
の意を体しながら
答弁
させていただきたいと
思い
ますが、このパッケージをまとめるに当たりまして、本当にかんかんがくがく
議論
しながら取りまとめてまいりました。 しっかり年末に向けまして財源を確保してまいりたいと思っておりますので、与党におかれましても、応援していただければと思っております。よろしくお願い申し上げます。
古屋(範)委員(古屋範子)
26
○
古屋
(範)
委員
今大事なことは、やはり、経済の再生をしていく、景気回復をしていく、そして一方で、その中で一番弱い立場にある一人親あるいは子供の貧困の問題、
社会
的養護が必要な子供
たち
、ここにこそ光を当てながら私
たち
は進んでいかなければならない、このことを申し上げて、
質問
を終わります。 ありがとうございました。
渡辺委員長(渡辺博道)
27
○
渡辺委員長
次に、大西健介君。
大西(健)委員(大西健介)
28
○大西(健)
委員
民主党の大西健介でございます。 時間が限られておりますので早速
質問
に入っていきたいと思うんですけれ
ども
、さて、九月に入りました。きょうは九月二日です。
参議院
では労働者派遣法の
審議
が今も続いておりますけれ
ども
、この法案の施行日、九月一日ということで、もう過ぎました。法案提出者として、
大臣
、まず、どうされるおつもりか、このことをお聞きしたいと
思い
ます。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
29
○
塩崎国務大臣
今回の労働者派遣法の改正案につきましては、派遣で働く方について、正社員を希望している方には正社員の道が開けるように、そしてまた、派遣をあえてお選びになっている方にはその処遇
改善
へつなげていくこととする内容となっており、できる限り早期の施行が望ましいというふうに
考え
てございます。 施行日の修正につきましては、与党から御提案をされていると理解をしておりますが、いずれにせよ、
政府
としては、引き続き
国会
での速やかな御
審議
をお願い申し上げたいというふうに
考え
ております。
大西(健)委員(大西健介)
30
○大西(健)
委員
この法案の提出者は
政府
ですよ。
大臣
が提出者なんです。もう過ぎているんです、法案の施行日は。もっと責任を感じていただきたいというふうに
思い
ます。 今お話がありましたように、
参議院
の
理事
懇では、既に与党側から、この施行日について、九月三十日の修正を検討したいというお話が出たというふうに聞いております。 これは、何で九月三十日なのか。十月一日は絶対にまたがない、私はそこにこういう
政府
・与党の意思があらわれているのではないかというふうに思うんです。 一方で、今、
参議院
の
審議
、しょっちゅうとまっています。何が問題になっているかなんですけれ
ども
、
法律案
の附則第九条の中に「なお従前の例による。」という規定がある。この規定は未施行である労働契約申し込みみなし制度は対象としないという
答弁
が問題になって、
参議院
では
審議
がたびたびとまるということになっています。 そもそも、この「なお従前の例による。」といった
経過
措置の規定、これがどうして置かれるかというと、法令を改廃するときに、既存の
法律
関係を適用するとそれまでの
法律
関係に基づいて営まれてきた
社会
生活の安定性が大きく損なわれる、そういうときにこういう規定が置かれるということです。 この点、改正法の施行前に労働契約を結んだ人というのは、現行法にある労働契約申し込みみなし制度が発効した暁には
自分
にもそれが適用されるんだろうということを当然期待して労働契約を結んでいるんです。その期待権というのは私は保護されるべきだというふうに
思い
ますし、
大臣
も、
参議院
の
審議
において、期待権というのはあるし、それは保護していかなきゃいけないということは理解するというような
答弁
をされていたかというふうに
思い
ます。 きょう、お手元に、
参議院
の
審議
において
内閣
法制局が提出をしたこの件に関する見解というのをお配りしていますけれ
ども
、ここにはこう書かれています。「一般に、施行されていない法令の規定の改正を行った場合に、改正がなかったとすれば利益を受けた者の期待をそのまま保護しなければならないということはなく、改正における保護を具体的にどのように行うかについては、政策判断の問題である。」と。 百歩譲って、まさに法制局が言っているように純粋に
法律
論だけでいえば、未施行の規定に関して、改正がなければ利益を受けたはずの者の利益を絶対に保護しなきゃいけないということではないと思うんです。ただ、まさにそこは、法制局が言っているように、政策判断なんですよ。私は、労働契約申し込みみなし制度適用の期待権というのを保護しないという政策判断をもし厚労省がされているということならば、その政策判断が間違っていると思うんです。 さらに言えば、先ほ
ども
指摘
をしましたけれ
ども
、新たな施行日を九月三十日にしたい、与党のそういう意向だということですけれ
ども
、まさに十月一日を越えないようにして労働契約申し込みみなし制度の発効を意地でも阻止しようとしている。しかし、労働契約申し込みみなし制度というのは、三年間その適用は猶予しましたけれ
ども
、そういう制度は自公も賛成してつくった現行法の中に入っているんですよ。それをどうしても発効させたくないと。 衆議院の
審議
では、いわゆる一〇・一ペーパーというのが問題になりましたけれ
ども
、結局あそこに書かれていたことはどういうことかというと、労働契約申し込みみなし制度がこのまま発効すると困るから何とかしてくれという経済界の懸念を受けて厚労省が動いている、私はここが諸悪の根源だと思っているんです。
塩崎大臣
、労働契約申し込みみなし制度、これは何が何でも発効させない、適用させない、つまりこういうことではないかと思うんですけれ
ども
、そういうことなんでしょうか。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
31
○
塩崎国務大臣
このみなし制度は十月一日から施行になるわけでありますので、それは何も変わっていないということでございます。 問題になっているのは、施行の前に派遣契約を結んだ際に、このみなし制度が十月一日から施行になるということを期待される方がおられる可能性があるということでございまして、それに関しては、お配りをいただいた
内閣
法制局のこのペーパーにございますとおり、法理論的には未施行のものが入ってくることはないということは、その上に、従前の例によることとされている改正前の法令の規定には労働契約申し込みみなし制度に係る規定は含まれないというのは、法解釈としての問題でございます。 今
先生
おっしゃった最後に、政策判断の問題だということでありますけれ
ども
、
法律
としては期待権というような権利が発生しているわけではないわけでございまして、改正法の施行直前に未施行でありますこの派遣法第四十条の六については、
経過
措置の対象にはやはり含まれないわけです。 今回の改正法の施行を目前に締結をした派遣契約に基づく労働者派遣につきましては、
経過
措置として現行の業務単位の期間制限が適用されるわけでありますが、これが二十六業務に該当するかどうかがわかりにくい、そのため法違反かどうかもわかりにくい状況であって、附帯決議が二十四年の改正時にもこういった点を踏まえてつけられたところであります。 このため、
経過
措置として残存する現行の期間制限については、引き続き都道府県労働局が派遣先に対して二十六業務への該当の有無も含めて丁寧に説明することによってしっかりと指導監督を行って、法違反があった場合には、派遣先から派遣労働者に対して労働契約の申し込みを義務づける現行の制度で対応していく。 すなわち、これは、四十条の四で言われている労働契約申し込み義務、この条文によって保護を受けるということを私
ども
としては政策判断として提起している問題でございますので、
法律
上の問題ではないということは、そのとおりであるということを
先生
も今お認めいただきましたが、そういう
意味
合いだということでございます。
大西(健)委員(大西健介)
32
○大西(健)
委員
百歩譲って、
法律
上絶対に保護しなきゃいけない期待ではないですけれ
ども
、私はそれを保護すべきだと申し上げているんです。それで、それは四十条の四ではできない。 四十条の六というのは、申し込みみなしという、民事上の効力を発生する極めて強いペナルティーなんです。ですから、違法派遣をやった場合にはこういうペナルティーを受けるよというのをつくろう、でも、これは非常に、極めて強いペナルティーだからこそ三年間適用を猶予してきたわけです。ですから、曖昧な部分があるならばその間にちゃんと適正化してくださいねということで、時間的に三年間も猶予してきたわけです。 それを発効もしないうちに葬り去るんですよ、今度。今それを期待して労働契約を結んでいる人にも適用しなければ、このまま九月三十日ということでもし施行日が修正されて
成立
すれば、三年前につくった
法律
に入っていた制度が一回も発効もしなければ適用もしないうちに葬り去られる。でも、その三年前の
法律
は自公の
皆さん
も賛成して
成立
させているんですよ。おかしいじゃないですか。変なことだと私は
思い
ます。 それで、一〇・一問題で始まったこの
審議
が最終盤で附則九条問題でつまずいているというのは、ある
意味
、今回の派遣法の改正を象徴しているんじゃないか。つまり、派遣労働者の保護だというふうに口では言っていますけれ
ども
、結局は経済界の利益を優先させるという厚労省の姿勢がここにあらわれているんじゃないかということを私は強く申し上げて、次の問題に移りたいと
思い
ます。 次に、年金
個人
情報の流出問題です。 先日、我が党の漏れた年金情報
調査
対策
本部
で、第三者
委員会
の第一人者である郷原信郎弁護士に来ていただいて、機構と第三者
委員会
とNISCが出した三つの報告書について御評価をいただきました。 郷原
先生
は、ブログにも次のように書かれているんです。「通常は、第三者
委員会
である厚労省の検証
委員会
の方が、組織の体質や構造的な問題も含めた厳しい
指摘
を行うことが期待されるのが当然だ。」しかし、「厚労省の組織自体の問題についての
指摘
や原因分析は」この第三者
委員会
の報告書では「全く行われていない。」「そこには、今回の情報流出問題を、機構の問題に矮小化し、厚労省の組織に関わる問題に発展させないようにする意図があるように思える。」「厚労省の組織に関わる問題を全く
指摘
しないまま、当初、「中間報告」のはずだった報告書を、急きょ「最終報告」に切り替えて、慌てて幕引きをした厚労省の検証
委員会
は、今回の問題を機構の問題に矮小化しようとする意図の中で、形だけの「第三者
委員会
」として都合よく利用されたとしか思えない。」 私は、郷原
先生
の
指摘
というのは全くそのとおりじゃないかというふうに
思い
ますけれ
ども
、
大臣
、今お聞きいただいてどのように思われますでしょうか。反論があれば、ぜひお願いいたしたいと
思い
ます。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
33
○
塩崎国務大臣
今回の事案について第三者の目で厳しく評価をしていただくということで、事務局には
厚生労働省
の者は一切入れないという独立的な存在として、甲斐中
委員長
のリーダーシップのもとで、厚労省の問題点を含めた厳しい御
指摘
と再発防止策をいただいたというふうに思っております。 正直言って、いろいろな問題点を
指摘
いただいたので、これをちゃんと実現してどう再発防止を図っていくかということについては、かなり大がかりに
考え
なければいけないことをたくさん御
指摘
いただきました。それは機構の問題でもあろうし、機構というのは厚労省の組織の問題でもあろうし、それからシステムやサイバーセキュリティーの問題においても、そしてまた省としてのセキュリティーの問題についても同じでありまして、事前の備えが不十分であったということを明快に
指摘
をされ、関係組織間に情報等の
共有
がなくて、組織が一体として危機に当たる体制ではなかったというこ
とも
厳しく
指摘
をされました。
厚生労働省
自身
の再発防止策として、
厚生労働省
の情報セキュリティー体制の
整備
、機構LANシステムに対する監督部署の明確化、あるいは、そもそもセキュリティーの前提となるシステムそのものをつくるところの設計から見直せということでありますから、今のシステムについてもどのようにしたらいいのかというこ
とも
考え
なきゃいけないということを示唆していただいていると思っていますし、情報連絡が遅いというようなこ
とも
再発防止策として提言をいただいております。 このように、検証
委員会
から、
厚生労働省
の組織や人員配置や姿勢の問題点の
指摘
や、再発防止策の提言をふんだんにいただいておりまして、第三者
委員会
が都合よく利用されたとかいろいろ郷原
先生
がおっしゃっているようでありますけれ
ども
、そういった御
指摘
は当たらないというふうに
考え
ております。 この検証報告書、ダイレクトに書いている
厚生労働省
の話も随所に出てきていますし、行間を読めば、機構のことを言っているけれ
ども
実は
厚生労働省
のこ
とも
言っているというこ
とも
たくさんあるわけでありますので、しっかりと行間も含めてお読みをいただければ、今のようなお話は全く当たっていないということがわかると
思い
ます。
大西(健)委員(大西健介)
34
○大西(健)
委員
私も読んだんですけれ
ども
、まず、すぐ読めちゃうような分量で、これだけ私
たち
もいつ出るのかいつ出るのかと待っていて、これかという感じですよね。 それから、郷原
先生
が言っているように、普通は機構が出してくる報告書よりも第三者
委員会
が出している報告書の方がより厳しい、これは第三者
委員会
ですから、というのが普通なんですけれ
ども
、機構の方がよほど
自分たち
の体質だとかいろいろな問題について突っ込んで
指摘
をしている。先ほ
ども
言いましたように、機構が悪くて厚労省は悪くないんだというような、機構の問題に矮小化させようとしているんじゃないか。 それから、郷原氏は第三者
委員会
の専門家でもありますが、第三者
委員会
というのは、使い方によっては、第三者
委員会
で
調査
中ですから
調査
中ですからと言えば言い逃れできる。まさに今までのここの
審議
でもそうです、第三者
委員会
でやっていますからと。それで、待っていて、出てきたら、第三者
委員会
が報告をして、そして、第三者
委員会
は場合によってはもう解散してしまうんじゃないか。そうすると、これが幕引きになってしまう。まさに、こういう第三者
委員会
というのは、責任逃れの手段に悪用しようと思ったら悪用できるんだと郷原
先生
は言っています。 もう一つ、郷原
先生
も
指摘
していましたし、私
たち
も一番不可解だと思うのは、第三者
委員会
の報告書で初めて明らかになった四月二十二日の厚労省に対する標的型攻撃、ここについて、報告書はこう書いています。「仮に四月二十二日の段階で、厚労省統合ネットワークにおいて、ドメイン単位でのURLブロックを実施していれば、五月八日に発生した同一ドメインのC&Cサーバに対する機構との不正な通信は防ぐことができた。」と。まさにここが肝なんです。しかし、では、どうしてそういう対応ができなかったのかということは全く書かれていない。まさにそのことを
調査
すべきじゃないのか、そのことを分析するべきじゃないかと郷原
先生
も
指摘
されておりました。 この点に関して、では、四月二十二日の標的型攻撃に対する情報はどこまで上がっていたのかということを我が党の
会議
で尋ねたところ、厚労省の事務方から、官房長まで上がっていたと言っているんですよ。もしそれが事実なら、官房長ですよ、省の本当に中枢にいる官房長が知っていて、では、どうしてドメイン単位のURLブロックができなかったのか、あるいは、その時点で機構に対する注意喚起ができなかったということについては全く分析がなされていない。 この部分こそしっかり
調査
をして分析をすべきだというふうに
思い
ますが、ここは
調査
されたんでしょうか、あるいは、していないなら今後するつもりがおありかどうか、
大臣
からお答えいただきたいと
思い
ます。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
35
○
塩崎国務大臣
検証
委員会
で四月二十二日のことをお書きいただいて、同様の標的型攻撃があったということがわかったわけでありまして、正直、官房長までは上がっていたといえ
ども
、私には上がっていなかったという大問題もあったわけでありまして、検証
委員会
は厚労省の体制の不備というこ
とも
本当にしっかりと御
指摘
をいただいています。 この二十二日の事案では、不審な通信先を遮断した上で、端末やサーバーについて検査を行って、その結果、
個人
情報等の重要情報の流出は確認されなかったということだったと聞いているわけで、この報告が官房長まで上がった、それは、四月二十二日に起きて、たしか翌日か翌々日に上がったということであります。 しかし、検証
委員会
の報告にございますとおり、四月二十二日の時点でドメイン単位でURLをブロックしておけば、五月八日における
日本
年金機構の不審な通信の一部については防ぐことができたというふうに
考え
られるわけであります。 標的型攻撃の危険性に対する意識が不足していたことは、これは甲斐中
委員会
から
指摘
されているとおり、反省すべき点であって、今後は、NISCから不審な通信の検知情報が来た場合などには、業務への影響やドメインの種類等も勘案はしますけれ
ども
、原則としてドメイン単位でのURLブロックを実施していくということを私
ども
は決めているわけであります。 問題は、八日の問題であって、そのときになぜこれが生かせなかったのかということが問題だったわけであって、四月二十二日の事案とドメインが共通しているこの五月八日の攻撃、そこからの不審な通信、この事実を認識して、サブドメインのみならずドメイン単位で遮断を行ったんですけれ
ども
、その後展開される事態の予兆として五月八日に起きた不審通信の
意味
合いを捉えることができなかった、事の重大性を認識するに至らなかったということでございまして、五月八日時点では、一連の対応によって機構からの不審な通信はとまったわけでありまして、その後も検知されなかったために、ここで一旦、対応が図られた上で、そこで区切りがついたというふうに
考え
てしまったというところが大問題だったというふうに今思っているわけであります。 検証報告書にあるとおり、標的型攻撃の危険性に対する意識が不足して、機構が危機感を持って対応できるように情報
共有
を図らなかったことは反省をすべきであって、これは厚労省としての再発防止策の中でしっかりと述べてまいりたいというふうに思っております。
大西(健)委員(大西健介)
36
○大西(健)
委員
さっきも
大臣
おっしゃいましたけれ
ども
、官房長まで知っていたのに
自分
まで上がらなかったのが大問題だと。 では、官房長に、何で俺に上げなかったのかという話はされたんでしょうか。あるいは、どうしてそういうことに
思い
至らなかったのかということは、官房長のみならず、担当者にちゃんと、
大臣
ないしは
大臣
の意を受けた方からしっかり聞き取り
調査
やあるいは分析をされたんでしょうか。私は、まさにそこがされていないんじゃないか、あるいは、そのことが全くこの
調査
報告書にも書かれていないことが非常に不可解だということを申し上げているわけです。
大臣
は、閣議後の記者会見で、年金
個人
情報流出問題については、近くけじめをつける、厚労省及び機構に関して処分を検討しているということをおっしゃっています。 処分の前提としては、今のように、何でそういうことができなかったのか、何で上がらなかったのか、それをしっかり
調査
分析して責任を明確にして処分を下すということだというふうに
思い
ますので、近く処分するとおっしゃっているんですから、ぜひそこはきっちりやっていただきたいというふうに
思い
ます。 次に、前回、私の
質問
で、百歳の高齢者に贈呈する銀杯の話をしました。このとき、こんなのは見直したらいいじゃないかという話をしたんですけれ
ども
、
大臣
は、ちょっと今の時点では概算要求の検討をしているので言えませんみたいな話だったんですが、お手元の
資料
、新聞記事をお配りしましたけれ
ども
、厚労省は今、銀メッキに変更することを検討しているそうです。そうすると一個当たり七千六百円の価格が三千八百円に抑えられて、概算要求も減額して要求しているということなんです。 前回も私は申し上げましたけれ
ども
、長寿をお祝いすること自体は私も賛成です、だけれ
ども
、銀杯をもらってうれしいんですかねという話を私は申し上げました。これは、メッキになったらなおのこと余りうれしくないと思うんですね、メッキの銀杯をもらっても。
資料
の次のページですけれ
ども
、銀杯でネット検索すると、オークションサイトに銀杯がいっぱい売っています。それから、次のページですけれ
ども
、銀とか金の買い取りをやっているような業者が、銀杯買い取りますというのをやっているんですよ。 だから、申しわけないけれ
ども
、もらった方も家族も残念ながらもてあましているというのが現実なんじゃないかというふうに私は思うんです。 これなら、
総理
大臣
からのお祝い状というのが銀杯と
一緒
に今までも贈呈されているわけですから、お祝い状と
一緒
に、例えば全国各地の名産品を掲載したカタログ、
地方創生
で、それにも役立つと
思い
ますので、それを渡してそこから好きなものを選んでもらうとか、そっちの方がよっぽど喜んでもらえるんじゃないか。 銀杯にどこまでも、メッキにしてまで銀杯にこだわる理由というのは何なんでしょうか。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
37
○
塩崎国務大臣
百歳高齢者記念事業の銀杯贈呈については、
先生
から御
指摘
もございました。 行政事業レビュー公開プロセスで事業全体の抜本的な
改善
との評価がなされて、有識者からは、百歳を迎える高齢者が大幅に増加をし、かつ、今後もさらなる増加が見込まれることに鑑みて銀杯の贈呈は廃止とコメントがなされたことを受けて、概算要求に向けて検討を進めてまいったわけでありまして、その検討に当たっては、昭和三十八年から、長年にわたって、国として長寿を祝うために銀杯の贈呈を行ってきた経緯があります。 今、
先生
、余り欲しいと思っているわけではないという話がありましたが、
国民
の中にはやはり銀杯の贈呈の継続を希望する
方々
も当然おられるわけで、民主主義の国ですから、いろいろな
方々
の声をしっかりと聞かないといけないということなどから、概算要求では、記念品の贈呈は継続した上で、今後も百歳を迎える高齢者のさらなる増加が見込まれるこ
とも
踏まえて、要求額の大幅な削減、これは二億七千万の予算だったものを一億五千万にいたしまして、記念品の内容を見直すことといたしまして、これについては、特に地方
自治体
からの
意見
聴取な
ども
行って、年末までに見直しを決めていきたいと
考え
ているところでございます。 さまざまな御
意見
がございますので、しっかりとこの御
意見
を踏まえた上で、今は、ですから、申し上げたように、大体、単価を半分程度に変更した場合の金額で一億五千万ということになっていますけれ
ども
、その内容についてはさまざまな御
意見
がございますので、しっかりと御
意見
を聞いた上で、年末に向けて決めていきたいというふうに
考え
ております。
大西(健)委員(大西健介)
38
○大西(健)
委員
先ほ
ども
申し上げましたけれ
ども
、メッキになったらさらに銀杯であることの
意味
が薄れると
思い
ますので、どこまでも銀杯にこだわる必要はないと
思い
ますので、年末の決定までに、私の
意見
も踏まえていただいて、よく
考え
ていただきたいというふうに
思い
ます。 それでは、先ほど
中川
委員
の方からも戦後七十年で
遺骨収集
の話がありましたけれ
ども
、私からも、なかなか本
委員会
でも
質問
する機会がない援護行政について聞いていきたいと思うんです。 私は、党の青年
委員会
の副
委員長
というのをしていまして、先日、我が党の青年
委員会
、戦後七十年ということで広島でやりました。その際に、全国から集まった仲間と
とも
に、被爆者中西巌さんの伝承者、上田知子さんのお話を聞きました。 広島市では、被爆者の
高齢化
が進む中、被爆体験証言者の被爆体験を受け継ぎ伝える伝承者を育成する事業というのを
平成
二十四年度から始めておられます。 上田さんを含む一期生五十名が三年間研修を受けて、この四月から活動を開始されているということでありますけれ
ども
、私は、この制度をユニークだなと思うのは、私が話を聞いた上田さんという方は、中西巌さんの伝承者なんです。こういうマンツーマンの関係で、中西さんと
一緒
にいろいろなところに行って、あるいは中西さんからお話を聞いて、その被爆体験を伝承していくというマンツーマンの関係でやっておられる。三年間しっかり研修をしている。 非常にいい制度だなと思ったんですけれ
ども
、そうすると、今回
資料
でお配りをさせていただいていますけれ
ども
、国の方でも、この広島市の事業をモデルにした語り部育成事業というのを来年度概算要求の中で新規に計上されたというふうに聞いております。
大臣
から、その狙いと概要について御説明をいただきたいと
思い
ます。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
39
○
塩崎国務大臣
語り部育成事業につきましては、戦後七十年が
経過
をして、戦中戦後の御労苦を直接体験した方というのが少なくなってきておりまして、そのために、三年間で戦傷病者、
戦没者
遺族、中国残留邦人などの御労苦を語り継ぐ語り部の育成を行うべく、
平成
二十八年度予算概算要求を初めて一千万で今計上させていただいているところでございます。 既に、実際に御経験をされた、体験をされてきた
方々
のお話は記録にとっているわけでありますけれ
ども
、これをどのように語り部として語り継いでいっていただける、継承していただける
方々
を育成していくかということを今順次やらせていただいているわけで、基礎的知識の充実をまず二十八年度、二十九年度に応用技術の習得、つまり、話法技術の習得とか本人との交流とか、それから、実践を通じたスキル向上ということで、模擬講演の実施、原爆のお話が今出ましたが、他の語り部などとの情報交換をしていくというのが三十年度で、三十一年度には、語り部活動を実際に実施して、昭和館及びしょうけい館への
団体
来場者に対する講演会の実施とか、特に小中学生に向けた講演会などを積極的にやっていこうということを
考え
ていますし、実物
資料
を利用した小中学校等への出張授業というのも
考え
ているわけでありますし、また、地方での展示会や講演会の実施な
ども
計画をさせていただいているところでございます。
大西(健)委員(大西健介)
40
○大西(健)
委員
私、これは非常にいい事業だと思うんです。広島で五十人、この四月から始まっているんですけれ
ども
、今回一千万程度という話ですけれ
ども
、約二十五人と聞いていますけれ
ども
、本当に直接の体験者がどんどんどんどん
高齢化
が進んでいるということでいえば、二十五人はちょっと少な過ぎるんじゃないのかなというぐらいに
思い
ますので、ぜひ積極的に進めていただきたいと
思い
ます。 あと、前回時間切れでできなかった
戦没者
慰霊碑についてお聞きをしたいんですが、戦後、戦友や遺族の手で各地に建立された民間の慰霊碑というのは全国で一万三千基を超えています。昨年度、厚労省が都道府県を通じてその状況を
調査
したところ、少なく
とも
七百三十四基が倒壊するなど管理不良の状態にある、また管理状況が不明なものは五千三百八十六基と全体の四一%にも上っています。 民間の発意で自発的に建立されたそういう慰霊碑については、原則は維持管理をその建立者でやっていただくということではありますけれ
ども
、ただ、管理不良のまま放置されるというのは当然のことながら好ましいことではない。また、慰霊碑の荒廃というのは戦争の記憶の減退にもつながりますし、多くの人が出征をし犠牲になった事実を身近に感じ続けてもらうためには、可能な限り慰霊碑というのも保存していくことが望ましいというふうに
思い
ます。 厚労省は、これまた来年度の概算要求で新たに、建立者等が不明な管理状態不良の慰霊碑について
自治体
が移設、埋設等を行う場合に一定の補助を行う方針と聞いておりますけれ
ども
、この具体的な補助の内容と今後の方針について御説明いただきたいと
思い
ます。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
41
○
塩崎国務大臣
今御
指摘
をいただきましたように、国内で民間によって建立をされた慰霊碑の管理が行き届いていないといったものが七百三十四基。しかし、今お話をいただいたように、管理状況が不明なものというのが五千三百八十六基あるわけでございまして、これを二十七年度より、管理不良のものについて実地による実態
調査
を実施してきつつあるわけでありますけれ
ども
、この管理状況がよくない慰霊碑が放置されているというのはやはり次世代継承という
観点
から好ましくない。 そして、このために、戦後七十年を契機としまして、建立者等が不明であって状態がよくない慰霊碑につきましては、
自治体
の事業として移設、埋設等を行う場合には一定の補助を行うために所要の経費を、これは一千八百万円でございますけれ
ども
、
平成
二十八年度概算要求に計上をさせていただいたということで、地方
自治体
と連携しながら、管理状態がよくない慰霊碑について移設、埋設や
整備
がきちっとできるようにしてまいりたいというふうに
考え
ております。
大西(健)委員(大西健介)
42
○大西(健)
委員
これもぜひ積極的に進めていただきたいと
思い
ます。 時間がもうあとわずかですので、最後に、先ほ
ども
昭和館、しょうけい館というお話が語り部のところでありました。
資料
の最後につけておりますけれ
ども
、昭和館というのは、戦中戦後の
国民
生活上の労苦を伝えるための施設、しょうけい館は、戦傷病者やその妻などが体験した戦中戦後の労苦を伝えるための施設、また、厚労省以外にも、その下につけておきましたけれ
ども
、
総務省
所管の施設として、兵士、戦後強制抑留者及び引揚者の労苦を伝えるための平和祈念展示
資料
館というのがあります。これはいずれも、さきの大戦の先人の御労苦を次世代に引き継ぐための施設ということで、目的は共通しているんです。 昭和館としょうけい館はいずれも九段下にあります。昭和館は地上七階地下二階の立派な建物を所有していますけれ
ども
、しょうけい館は民間の建物の一部を賃貸している。年間の賃料が約八千四十万円。ちなみに、平和祈念展示
資料
館、これは新宿住友ビル四十八階ということですけれ
ども
、年間賃料は約五千九百八十万円。 この点、
平成
二十三年八月に閣議決定された強制抑留の実態
調査
等に関する基本的な方針、これは最後につけておきましたけれ
ども
、この中でも、「戦中・戦後の労苦に関する
資料
の収集・展示を行う昭和館等の施設間の適切な連携を図る。」ということが明記されています。 素朴な疑問として、似たような趣旨、目的の展示や
資料
室にそれぞれ別々に税金を投じるのは少し無駄があるんじゃないかと
思い
ます。統合してより充実した運営、展示をした方が、利用者にとっても利便が高いのではないかというふうに
思い
ます。例えば、子供
たち
が見に行くときに、今言ったような、さきの大戦による先人の御労苦をいろいろな側面から一つの箇所でしっかり学ぶことができた方がばらばらになっているよりいいというふうに私は
思い
ますし、先ほど言ったように賃料も発生していることですので、ぜひこういったことをお
考え
いただきたいというふうに
思い
ますが、いかがでしょうか。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
43
○
塩崎国務大臣
これは、先ほど
中川
先生
からの御
質問
にもあって、水没をしている艦船にあられる御遺骨をどうするのかという問題についてもさまざまな御
意見
がございます。 昭和館、しょうけい館、平和祈念展示
資料
館の三館というのは、趣旨、目的が異なる施設として展示を行ってきている上に、それぞれに関係者がおられるわけでございます。 今お触れをいただいた
平成
二十三年八月五日の強制抑留の実態
調査
等に関する基本的な方針という閣議決定、これは民主党
政権
下で行われたものでございますが、そこにも、「戦中・戦後の労苦に関する
資料
の収集・展示を行う昭和館等の施設間の適切な連携を図る。」先ほど引用いただきましたけれ
ども
、適切な連携を図るということになっておりまして、そういう
意味
において、これまで例えば合同の展示会とか講演会などを実施してきているところでございまして、子供
たち
にも、一ところで展示物を見られる、お話も聞けるということで、歴史を継承していくということが可能になるように工夫をしているところであるわけでございます。 今後
とも
、この閣議決定にあるように、三館の連携を深めて、次世代への労苦の継承に努めていかなければならないと思っておりますが、何分にも、今お話し申し上げたように、関係者がそれぞれおられて、それぞれ御
意見
がございまして、三つあるのを一つにすれば済むというほど簡単な問題ではないので、
先生
の御
意見
もしっかりと受けとめながら、今後の連携のあり方について
考え
てまいりたいというふうに
思い
ます。
大西(健)委員(大西健介)
44
○大西(健)
委員
時間ですので終わりますが、さっきの銀杯にしろ、昭和館、しょうけい館にしろ、これまでの経緯があることは重々承知しております。しかし、やはり、それを踏まえた上で、また変えるべきところは変えていくということをぜひ
大臣
のリーダーシップでやっていただきたい、このことを申し上げて、
質問
を終わります。
渡辺委員長(渡辺博道)
45
○
渡辺委員長
次に、阿部知子君。
阿部委員(阿部知子)
46
○阿部
委員
民主党の阿部知子です。 早速ですが、
質問
に入らせていただきます。
大臣
のお手元にも、また皆様のお手元にも新聞
資料
をつけてございますが、この八月に東京電力福島第一原発事故の事故収束現場で三人の方がお亡くなりになりました。八月の一日の事例は三十代の男性、二十一日の方は六十代の男性ですが、前者は穴掘り作業、後者は重い機材の運搬ということをやっておられた直後に、前者は気分不快、そしてすぐ搬送途中に心肺停止、後者は崩れ込むように倒れて心肺停止、突然死に近い形であります。 この二つの事案をめぐって、東電では、これは作業起因性はない、作業とのかかわりはない、あるいは熱中症等々も
考え
られないということで、厚労省の方でも労働基準監督署などが出向かれて、そうした状況をヒアリングされたこととは
思い
ます。私は、これは作業との直接の起因性がない分だけ深刻だと
思い
ます、ないと言われている分だけ。今後はわかりません、労災の申請などがあるとまたヒアリングが繰り返されますので。 七千人が毎日働く現場ではありますが、一月に二人が突然死されるということは、この方
たち
は皆二次下請ですが、従来、こうした方
たち
のこの職場に入るときの健診、あるいはここで勤めている間の健康管理などにも十分でない点があったのではないかと私は
思い
ますが、
大臣
はこの二つの事案をどのように
考え
、また、どのように
厚生労働行政
の中で労働者の安全を守るために施策をなさろうとしているのか、時間の関係で、もう
大臣
に直に伺います。お願いいたします。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
47
○
塩崎国務大臣
まず第一に、今月亡くなられた三人の
方々
の御冥福をお祈り申し上げたいというふうに
思い
ます。
厚生労働省
では、東電の福島第一原発につきまして、これは
先生
の御
質問
で以前にも御
議論
いただいたところでございますけれ
ども
、労働安全衛生水準の向上のために、先月の二十六日、八月二十六日に安全衛生管理対策のためのガイドラインを策定したところでございますけれ
ども
、このガイドラインでは、作業員の健康管理について、労働安全衛生法令に基づく
健康診断
等の実施のほかに、おおむね三カ月以上作業に従事する者に対する保健指導、それから、
健康診断
の結果等から心疾患、脳血管疾患等の基礎疾患が判明した者に対する体調確認の徹底や保健指導などの実施を東京電力及び元方事業者に求めているところであるわけでございます。 一言で言えば、もっときめ細かく、ふだんから体調をよく調べた上で働いていただくようにし、また、それをちゃんとウオッチしていく体制を確立するように東京電力並びに元方事業者に求めた、こういうことではないかなというふうに思っております。 今後、このガイドラインに基づく措置がしっかりと実施をされるように、私
ども
としても、東京電力あるいは元方事業者を指導してまいりたいというふうに
考え
ているわけでございまして、いずれにいたしましても、事故は
予防
して起こさせないということが基本だというふうに
思い
ます。
阿部委員(阿部知子)
48
○阿部
委員
今の御
答弁
のとおりではありますが、
大臣
も御存じのように、作業環境というのは劣悪と
思い
ます。暑い八月で、そしてフルマスクで重いものを持ち、あるいは下に向いて穴を掘るなどの作業で、従来の職場あるいは通常の職場を上回る日常の健康管理ということを今
大臣
御
答弁
いただきましたが、ガイドラインは出しただけじゃなくてチェックをしていく、そのこ
とも
十分、厚労省としても、守られているか、実際はどうか、やっていただきたい。 こういう犠牲が起きた、これを、先んじてそういう指導があれば避けられたのかもしれないと私は
思い
ますし、お二人の御冥福を祈りますし、本当に残念でなりません。 そしてもう一例は、これもお手元につけてございますが、実は、砂の採掘などで出てくるその砂をバキュームカーで吸い取って他に移すという作業の、もう終わってからこのバキュームカーの清掃等々をしておりましたところが、ふたに首を挟まれて、挟まれたまま閉まってしまったということです。ふたを閉める作業をしている人からは死角に当たりました。よもやそこに人はいないと思われてやったことでしょうが、後ろで挟まれて亡くなった方は、従来はここで、このバキュームカーの外側の柵の外で安全管理をしている方でありました。 作業が終わった安心感もあったかもしれない、片づけ段階というこ
とも
あったかもしれない。でも、私は、余りにも初歩的なこうした労働災害がなぜあの現場ではこんなに多いんだろうと。一月には、
大臣
に取り上げた事案は、汚染水タンクの上のふたをあけようとして、安全ベルトを締めていない、このまま転落して亡くなった事案でありました。安全ベルトをするとか、目視できないところでの作業は必ずよそからチェックするとか、これは労働現場、作業現場、建設現場のイロハのイでないと、それがなされていないとこういうことが起こるんだと
思い
ます。 この点に関しても、先ほど
大臣
の御
答弁
のように、
厚生労働省
は八月二十六日に、東京電力と、東京電力は実は発注者なんですね、オーダーを出している方。そして元請は鹿島、亡くなったのは二次下請。どんどんどんどん下請ですが、東電と元請に対して、共同責任でちゃんとやってくれよというガイドラインを出されました。 実は、
大臣
も御承知のように、東京電力には、元請ではないので建設現場での安全管理責任は
法律
的にはないわけですね。それを、ガイドラインという形、あるいは私が三月に御
質問
したときには、そういう指導という形でおっしゃっていますが、私は、これから三十年、四十年と続く収束作業の中で、建設現場に本当に等しいところで、発注者だからといって東電が法的に責任を負わないという体制はいかがなものかと、これも
大臣
にことしの
予算委員会
で伺いました。例えば、特定電気事業者という名前をつけて、造船や建設現場で負わされる責任と同じ分を負っていただく、そのことによって緊張感を持ってやっていただくということに私はなろうかと
思い
ます。 建設現場や造船ではないから、そういう安全管理の義務が東電に法的に課されていない、このことの問題性を、
大臣
は現段階で、これは私、三月も申しました。また繰り返しています。ガイドラインくらいでやれるんだろうかと
思い
ますが、いかがでしょう。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
49
○
塩崎国務大臣
この問題につきましては、
先生
から御
質問
を前回いただいたときにもお答えを申し上げているところでございますけれ
ども
、
問題意識
はよく私も理解をするところでございます。 労働安全衛生法の基本的な
考え
方は、
先生
御案内のように、労働災害防止のための措置は、労働者と雇用契約を締結している事業者に義務づけられているという形になっていて、発注者に対して必要以上に責任を負わせることはなかなか難しいということが今の
法律
の枠組みの解釈でありました。 しかし、今回、
厚生労働省
としては、東京電力に対しても、法定事項以上の安全衛生確保措置を求めるガイドラインを八月に策定したわけでございまして、その確実な実施をしっかりと指導していかなければならないというふうに
考え
ているわけでございます。 なお、例えば普通の建設現場におけるゼネコンと下請で、そこで実際に働いている
人たち
が雇用契約を結んでいる会社の間の責任関係と、今回のように、廃炉のような全く初めてのことをやる場合の、東京電力福島第一原発のその敷地の中での実際の作業、これに対して、働く人の雇用契約を結んでいる会社の責任においてだけやればいいのかということについては、私もいささか、法的には先ほど申し上げたとおりなのでありますが、そこのところについては、東京電力が、普通の建設現場よりもやはりもっと注意をして責任を負っていかなければいけないんじゃないかと私は思っているところであります。 ただ、直ちにやらなきゃいけない命の問題ですので、ガイドラインという形でお示しをして、これを履行していこうということで今臨ませていただこうと
考え
ているところでございますが、
問題意識
は私も同じように持っているというところでございます。
阿部委員(阿部知子)
50
○阿部
委員
日本
は法治国家ですし、未曽有の事態です、こういう廃炉作業というか、汚染水問題もあるし、それから長く続くし。私は、都度のガイドラインあるいは指導を上回る
法律
の改正、例えば、事故を起こした電力会社に特定電気事業者という名前をつけて共同責任をとらせるようなこ
とも
、ぜひ
政府
として、厚労省として検討していただきたい。私
たち
も
超党派
の
議員
の会で、そういう法改正が必要ではないかという意識で検討しておりますが、あわせて
政府
の方でも検討いただきたいと
思い
ます。 次に、性暴力問題に移りたいと
思い
ます。 今、安倍
政権
では、性暴力あるいは性犯罪被害者の支援について、前向きな
取り組み
をいろいろなところで開始されておるということは評価した上での質疑であります。
大臣
も御存じのように、性犯罪あるいは性暴力というものは、なかなか被害を受けた方が訴えづらい、潜在化しやすい。例えば、性的被害の申告率というと一八・五%、これは法務総合
研究
所の
調査
。あるいは
内閣
府の
調査
でも、警察に届け出るのはわずか四・三%。すなわち、何かあっても言い出しかねるいろいろな状況がある中ですが、しかし同時に、性被害を受けたときには、例えば身体の受けた傷、それから避妊の対策など、緊急的に産婦人科医療が必要とされるこ
とも
必ずあるわけです。 今、国連の方では、いわゆるレイプクライシスセンターという名前で、レイプを受けた
女性
たち
の危機にどう介入するかということで、さまざまな提言がなされております。レイプクライシスセンター、国連の勧告によれば、立法ハンドブックがあるのですが、性暴力の被害者が、国の費用により、妊娠検査、緊急避妊、人工妊娠中絶、性感染の治療、負傷の治療、被害後の
予防
及びカウンセリングを含む包括的かつ総合的なサービスに速やかにアクセスできるよう規定すべきであるということと、このようなサービスへのアクセスは、被害者の警察への被害の申告の有無を条件とするものではないと。警察に行って初めてスタートするのではなく、とにかくクライシス介入、受けて、この被害者をサポートしようということであります。
大臣
のお手元の
資料
の三枚目。「
女性
の安全と医療支援ネット」という名前でついてございます
資料
は、大阪にある阪南中央病院というところで二〇一〇年から開始された、SACHICOと略称するような、
女性
の性暴力への緊急支援ネットであります。性暴力被害者がホットラインで電話をする。そして、このホットラインはSACHICOの中にありますので、来ていただいて、産婦人科の医師が拝見すると同時に、必要ならば警察にも通報する、あるいは児相にも相談する。そして、これに大阪の産婦人科医会とウィメンズセンター大阪というNPOが協力をするという形で、
日本
で初めて立ち上がったワンストップ支援センターであります。 これは、ワンストップ支援センターはいろいろ、警察が
中心
になるものもありますが、先ほど申しましたように、警察に行く率というのは低いですから、まず身体を守るということで極めて重要な、病院拠点型のワンストップ支援センターであります。 ところが、
現状
では、この病院拠点型の支援センターというのは全部病院の持ち出しであります。例えばこのSACHICOの場合、こういうブースをつくるのにまず五百万円、それから当直の医師の手当も今病院が出しているということであります。
大臣
には、この
女性
の性暴力被害に医療支援が不可欠ということをもちろん認識していただいていると
思い
ますが、その上で、今後、
政府
の政策の中で、どのようにこうした病院支援、医療支援をなさっていくお
考え
がありや、お伺いします。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
51
○
塩崎国務大臣
性犯罪や性暴力を受けられた被害者の皆様方の支援を行うということに関しては、特に医療機関が果たす役割が大きいということは私もそのとおりだというふうに思っていますし、まずは医療機関で診てもらうということ、そしてお世話をしていただくということが大事だということは
先生
と同じ認識でございます。 今お話がございましたのは、医療機関におけるワンストップ支援センターの設置に対して、持ち出しだということで、ではこれをどう支援するのかということについては、さまざまな
考え
方があり得るのではないかというふうに思っています。国全体として、やはり何らかのこういった仕組みがあるべきだということについてはそのとおりだというふうに
思い
ますが、問題は、何で支援をどうするのか、誰の負担でいくのかということが問われるのだろうというふうに
思い
ます。 例えば、診療報酬で評価をするという
考え
方もあるかもわかりませんが、しかし、診療報酬というのは傷病の診療に対する対価でありますので、診療以外のサービスを直接的に評価することはなかなか難しいという問題もある。 一方で、ワンストップ支援センターのような、今お話がございましたけれ
ども
、病院型のものを今御紹介いただきましたが、これは
内閣
府で所管をしてもらっていますが、病院拠点型のみならず、相談センター拠点型などいろいろな形態が想定をされています。もちろんそれが、まずは医療機関に行くというところに結びつくこ
とも
当然多いはずでございますが、しかし、いろいろある。必ずしも病院のみに求められる機能ではないので、厚労省として、医療型ということだけで予算をつけるというのもこれはなかなか整理が難しい。 そして、一義的には、今申し上げたように、性犯罪、性暴力被害者のためのワンストップ支援センターについては
内閣
府が検討していただいていますので、厚労省ももちろん協力をしながら、そして、
内閣
府と連携をして、ワンストップ支援センター設置に向けてどのようなことができるのか。例えば、産婦人科医会など関係
団体
あるいは都道府県に対して協力を依頼しながら、そして周知をして、設置をさらに図っていくということが大事ではないかというふうに
思い
ますが、この支援のあり方については、少し整理をして、どのような形がいいのか
考え
ていかなければならないのではないかというふうに
思い
ます。
阿部委員(阿部知子)
52
○阿部
委員
これは
塩崎大臣
、
大臣
がもっと
厚生労働省
として前向きに病院の機能ということを評価していただかないと、どんな
タイプ
のにも絶対病院が必要なんです。ほかの支援センター、ワンストップでつくったとしても、必ず医療が必要になります。例えば緊急避妊措置、七十二時間以内に必要です。性感染症対策も必要です。外傷の治療も必要です。さらに、物的証拠採取をしないとその後の立証に困る。でも、それは限られた時間の、本当にそこで介入しないと、それも医療介入しないとできない。
内閣
府が今一生懸命、この間、例えばいろいろなところでモデル事業としてお金をつけてやっている。いいことです、それで広がっていますから。と同時に、これを面としてあらゆるところでやっていただくには、病院側の持ち出しに頼っていたのではやれない。まして産婦人科医は少ない、御承知のように。それでもやらねばならない仕事だからとみんな一生懸命やっています。 この点について後ほど浦野
先生
もお取り上げいただけるようです、私と連携して。でも、私はまず皮切りで、
大臣
に
現状
を知っていただきたい、視察もしていただきたい。本当に重要な
厚生労働省
の仕事であります。 と同時に、今のは私は緊急介入と言いましたが、心と体に傷を受けた
人たち
が、カウンセリングを受けたり、その後かかり続けるというケースが多いわけであります。そうすると、そのときの被害者側の治療費な
ども
、心理相談、カウンセリングも、お金は全部持ち出しであります。
交通
事故であれば、加害責任が問われて、そこで加害側が払います。でも、この性被害は、
自分
が被害者になる、そして心の傷、体の傷を治すにも全部
自分
が持ち出していかなきゃいけない。 私は、前半は病院側の持ち出しを言いました。二番目は被害者側の持ち出しであります。それゆえに
政府
を挙げて支援策が必要とされておりますし、
大臣
はそうしたことが発言できるお立場でありますから、ぜひ
大臣
自身
が
現状
を深く認識していただいて、お
取り組み
をいただきたいが、いかがでしょうか。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
53
○
塩崎国務大臣
性犯罪被害によります精神的な被害、もちろん身体的な被害というのもありますけれ
ども
、これについての負担問題については、もちろん被害を申告すれば、先ほどお話があったとおり、警察において公費負担をしてくれることになっていますが、そうじゃないケースの方が多いんだという話を冒頭に御
指摘
いただきました。 特に、精神的な被害を受けた
方々
について申し上げると、PTSD等のストレス関連障害というのがございますが、これについても、通院による治療を継続的に必要とする状態であると都道府県等に認定された場合は、自立支援医療の対象となって、
医療費
の自己負担額を軽減しているところでございます。 今後
とも
、自立支援医療制度の周知を、精神的な被害を受けた部分につきましては必要な精神科医療の提供をこの制度を通じてやっていきたいというふうに思うわけでございますが、その他の負担については、今お話がございましたけれ
ども
、どういうふうに
考え
ていくべきなのかということは、犯罪被害者の権利という
観点
からも
考え
ていかなければならないのかなというふうに
思い
ます。
阿部委員(阿部知子)
54
○阿部
委員
第四次男女共同参画基本計画の策定に当たって、性犯罪被害者に対する
医療費
、カウンセリング費用等の助成について検討するとなっております。第四次はこれから策定されて具体的に落とされていきますので、今
大臣
のおっしゃった御
答弁
の方向をさらに充実していただきたいし、警察の負担する分というのは、申告、言っても、一回の避妊薬、一万五千円ですから、その後の長いその人の
人生
に対しての支援が必要とされます。 と同時に、次の
質問
ですが、同じ性犯罪でも、実はこのSACHICOに五年間でカルテのできた方、九百八十三人おられますが、そのうち約六割が未成年であります。性犯罪被害の多くが、子供も含めた、幼児も含めた未成年であるという実態があり、そうした場合は児童相談所などにも当然つながっていくわけであります。 これも、
大臣
のお手元、私の
資料
の四枚目になるかと
思い
ますが、最近挙げられたデータで、児童相談所では大変に虐待の件数がふえておって、上が市町村の相談窓口、下が児相ですが、どんどんふえる一方で、大変深刻な事態を招いている。 そして、そこに来る相談も、ネグレクト、それから物理的な暴力、性暴力とさまざまであって、相談員のレベルの向上、あるいは質、量
とも
に必要な増員というか、私は質も上げなきゃいけないと
思い
ますが、それに対して、次のページをおめくりいただきますと、児童福祉司という、児童相談所にお勤めの方の任用総称でありますが、どんな資格の方がやっておられるかというと、五つくらいのパターンがある。
平成
二十年と比べてみましても、人員は二千三百四十七から総員二千八百十一で五百名弱ふえているんですけれ
ども
、でも、虐待の件数は二倍近くになっているので大変に厳しい、そして相談の質も大変だということになっております。 この児童相談所の職員の質並びに数の補強について、
大臣
のお
考え
を伺いたいと
思い
ます。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
55
○
塩崎国務大臣
児相の質、量
とも
に今逼迫をして、質というのは、つまり専門性が十分ではない。そしてもう一つございますのは、都道府県に任されているものですから、都道府県によるばらつきというのが大きくあるというこ
とも
私
たち
は認識をしているところでございます。 児童福祉司の対応能力の向上とか児童相談所の専門性の向上というのを、私
ども
としては先般、児童虐待防止対策強化プロジェクトというのを八月二十八日にまとめておりますけれ
ども
、児童相談所の専門性を確保することが極めて重要で、法的知識を要する相談等に迅速に対応するための専門性の向上等、こういうことで検討をすることとしているわけでありますけれ
ども
、当然のことながら、児童心理とか精神医学の御専門の方による見方というのは、
日本
の医療の教育の中では児童精神に関する教育というのは極めて限られていると聞いてもおりますので、そういったところから、医師ではない
方々
の中での専門性を高めるということについても検討しなければならないと思っております。 二十八年度の概算要求におきましては、児童相談所が弁護士等の専門家に相談しやすくするための費用とか、児童虐待にかかわる職員の資質の向上を図る研修を実施するための費用計上をしているわけでありますが、さらに、児童相談所の職員体制の強化についても関係省に働きかけてまいりたいと思っていますし、何よりも、さっき申し上げたように、全国どこへ行っても同じぐらいのちゃんとしっかりとした専門性と人数の充実がされるということをやるためには、これはかなり予算も要るわけでありますので、
先生
にもぜひこの辺の財源確保の問題についても御
一緒
に
考え
ていただくとありがたいなというふうに思っています。 都道府県のばらつきというのをどうするのかということについても、私
ども
は、先ほど
古屋
先生
にお答え申し上げたように、児童福祉法の抜本的な見直しをやる中で、児相で働いていらっしゃる
方々
がほとんど燃え尽き症候群的になって御苦労されていることから、もう少し役割と責任を、国、都道府県、そして市町村、この間での分担を整理し直して、有効な対策がきちっと、今お話をいただいた子供の性被害に遭った場合などを含めて対応できるようにしていきたいというふうに
考え
ております。
阿部委員(阿部知子)
56
○阿部
委員
今
大臣
の御
答弁
にございましたように、八月二十八日の
子ども
の貧困対策
会議
で取り上げられました児童虐待防止対策強化プロジェクトというペーパーの中でも、また来年度の概算要求でも述べられておりますので、ぜひ私は、人の充実ですね。 特に、ここで言う四号、五号という方は必ずしも、児童福祉、あるいは児童のこうした寄り添うための教育ということに、実績というか、受けておられない。例えば、市町村の職員で、あるときはほかの部署からここに来られてという方。悪いとは申しません。でも、これだけ複雑になった世の中で、子供に寄り添って、子供を本当に受けとめてやれる資質というものの向上のためにも、これらの職員のレベルアップを図っていただきたいです。 そして、次の問題。実は、こうした問題は、児童養護施設における職員の処遇でも同じだと
思い
ます。 児童養護施設は
社会
的な養護の核となるものであり、現在は、養護施設は小舎化して、グループ化して、より規模を小さくして、あるいは里親さんにお願いしてなど、家庭的な、子供にとってのマンツーマンの雰囲気を取り戻すためにいろいろ工夫はされておりますが、
大臣
、次のページをごらんになって、被措置児童虐待の事実が確認された事例の施設等の種別というのがあって、何を言っているかというと、児童養護施設、里親さん、あるいは緊急一時保護など、そうしたところでもまた虐待が発生してしまっている。そして、ふえている。
平成
二十一年は五十九だったものが、
平成
二十五年は八十七。 これを見て、職員が悪い、いいではなくて、職員の処遇と、職員もまた苦しいんだというふうに思っての支援体制が私は必要だと思うんです。 児童養護施設は私も小児科医であるので幾つも視察をしましたが、まず問題は、やはり保育士さんと同じ資格ですから、低賃金であります。賃金体系が低い。そして、小舎化、グループを小さくして当直が加わってくると、労働実態は、当直回数二・八どころか一人で月何回も当直を、子供
たち
がいる限りしなければならないということで、ぜひ、この実態、児童養護施設の職員の労働実態、賃金実態、
調査
をしていただきたい。特に私が気になるのは、当直回数が多く、疲弊してしまうということであります。 これについて
大臣
に御
答弁
をいただきます。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
57
○
塩崎国務大臣
先生
御
指摘
をいただいたように、この児童養護施設、乳児院もそうだろうと
思い
ますが、保育士さんの資格を持っていらっしゃる
方々
とそうじゃない
方々
がおられますけれ
ども
、いずれにしても、保育士の皆様方の賃金の問題については、私も、
社会
的養護の
議員連盟
の会長をやっておる立場でしばしば聞いてまいりました。 待機児童対策として予算をつけたときもありましたが、そのときは児童養護の保育士さんにはその加算がつかなかったという問題もありまして、私
ども
としてはそれはおかしいじゃないかということを申し上げたことがありますが、この賃金水準については、一般的に他の職種と比べるとやはり低いと
考え
られるために、
平成
二十七年度予算で、消費税財源を活用して、民間児童養護施設の保育士を含む職員給与について、プラス三%、これは
改善
を行って、所要の財源を予算措置しました。今後も、消費税財源以外の財源の確保に努めて、さらなる給与
改善
を、プラス五%ということで行いたいと
考え
ているわけでございます。 労働条件も、さまざま厳しい中で、今御
指摘
をいただいたとおりでありまして、二十七年度予算では、先ほど小規模化が進む中でというお話がありましたが、この職員配置の
改善
を二十七年度から、五・五対一から四対一に
改善
ができた。そしてまた、今後は、消費税財源以外の財源の確保に努めて、全ての児童養護施設にチーム責任者及び自立支援担当職員の配置を行いたいと
考え
ております。こうした
取り組み
によって、職員の労働実態の把握に努めつつ、労働条件
改善
に努めてまいりたいというふうに思っています。 また、心理療法も、やはり虐待がふえている中で当然必要でありますので、心理療法を行う必要があると認められる児童を一定数受け入れる施設には、心理療法の担当職員というのを配置して、専門的なケアを実施してまいりました。今後、消費税以外の財源の確保に努めて、全ての児童養護施設にこの心理療法担当職員を配置していきたいと思っております。 さらには、子供の権利擁護、職員への指導やメンタル
ヘルス
に関する研修を修了した基幹的職員、いわゆるスーパーバイザーを施設に配置し、職員へ助言、指導等を行うことにより、施設職員の資質の向上を図っているところでありますが、今後
とも
、こうした
取り組み
を通じて、虐待を受けた児童に対する適切な支援を行わなければならない。 そのための
調査
をやれというお話がございました。もちろん、
団体
等を通ずる
調査
はやっているわけでありますが、さらに、どういうことが必要になるのかということについて検討して、できる範囲内で、できるだけ早く、対応ができるものがあればやっていきたいというふうに
思い
ます。
阿部委員(阿部知子)
58
○阿部
委員
御丁寧な
答弁
をありがとうございます。 最後の
資料
で、性的虐待もまたふえているということで、かなり密なケアが子供
たち
の心を開くということですので、
大臣
に引き続き格段のお
取り組み
をお願い申し上げて、終わらせていただきます。 ありがとうございます。
渡辺委員長(渡辺博道)
59
○
渡辺委員長
次に、
中島
克仁君。
中島委員(中島克仁)
60
○
中島委員
民主党の
中島
克仁です。 本日は一般質疑ということで、私からも
質問
をさせていただきたいと思うわけでありますが、私ごとで恐縮ではございますが、きょうで、
質問
が通算でちょうど百回目になりました。 これは、前にいたみんなの党、最近そんな名前はもう当然ながら出てこないわけでありますが、以前の党から通算して百回目ということで、そして、そのうち六十回、半分以上が
厚生労働委員会
での
質問
ということで、本当に多くの
皆さん
に支えられながら、また先輩
議員
に御指導していただきながらできたこと、本当に感謝しながら、きょうは
質問
をさせていただきたいというふうに
思い
ます。 私からは、まず、
介護
報酬マイナス改定による
介護
事業所への影響について
質問
をさせていただきたいというふうに思うわけでありますが、これは、たびたび私から
質問
をさせていただいている内容ではございます。 五月の末には東京商工リサーチが、ことし一月から四月までに
介護
事業所の倒産件数が前年の六割増し、そんなペースで増加していると驚くべき数字を発表した結果について、厚労省として実態
調査
をするべきだという要請に対しまして、
塩崎大臣
が指示をしていただいて、調べていただきました。そのことについて、指示をしていただいて
調査
していただいたことに素直にお礼を申し上げたいというふうに
思い
ます。 改めて、そのような指示を出すこと、それで
厚生労働省
が
調査
をする、やはり
大臣
の指導力、指示することによって物事は動くんだなというふうにも実感したわけでありますし、先ほど労働者派遣法の件もございました、そして年金情報流出問題、これもやはり
大臣
の指導力をしっかりと発揮していただきたいなというふうにも思った次第です。 その
調査
結果についてでございますが、
資料
の一枚目、「事業所の状況について」、廃止届け出件数や新規指定件数。これは、昨年度、
平成
二十六年度と
平成
二十七年度の推移で示されたものですが、調べていただいた結果、前年同時期に比較して、廃止件数は、昨年同時期八千百三十六事業所に対して、今年度四月から六月時点で五千百二十事業所、新規の件数が二万九百事業所から一万七千三百六事業所となっていて、廃止件数と新規件数との割合、今回調べていただいた
調査
によりますと、前年と比較して大きく変わっていないというような結果と報告を受けました。 改めて、確認の
意味
も込めてでございますが、今回の
調査
の結果について厚労省としてどのように分析をされているのか、まず前提となる部分でお尋ねをしたいと
思い
ます。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
61
○
塩崎国務大臣
今回、七月十三日に発表させていただいたわけでありますが、
先生
からの御示唆もございまして、都道府県に協力をしていただいて
調査
を緊急的にやらせていただいたわけでありますけれ
ども
、ちょうど
介護
報酬改定後三カ月が
経過
をしている六月までの数字ということで、概況について速報ベースの
数値
をまとめているわけでありまして、今お配りをいただきました。 この内容を見ると、改定後も、
介護
サービスの請求事業所数は増加傾向にあって、廃止届け出の件数も昨年度と比べて増加していない。また、処遇
改善
加算を届け出ている事業者も増加傾向にございまして、経営悪化等によりやむを得ず賃金水準を低下させる場合に届け出る特別事情届出書というのも、各県平均で一、二件程度ということで、多くないというふうに見てとれるわけでございます。 今回の結果を踏まえると、今のところ大きな問題は生じていないというふうに
思い
ますが、なお、四月から報酬が改定されましたから、引き続き施行状況は注視をしてまいりたいし、また、実際、
介護
の現場でどのようなことが、今回の改定を含め、そしてまた
社会
的な変化に応じて何が起きているのかということをしっかりと注視をしてまいりたいと
思い
ます。
中島委員(中島克仁)
62
○
中島委員
大臣
の
答弁
ですと、今回のこの四月からの報酬改定によって事業所等への影響は、影響というか、倒産事業所のようなものはふえていない。処遇
改善
の届け出についてはまたこの次の
質問
でさせていただきたいというふうに思うわけですが。 これは
資料
の二枚目になります。この
調査
報告、七月の十三日に私、民主党の部会の中でも報告を受けたわけでありますが、その一カ月後の八月十四日に、東京商工リサーチがまた新たに、前回五月の時点では一月から四月までだったのが、ことし一月から六月、上半期の
介護
事業所の倒産件数の推移を再度発表したわけであります。 これによると、ことし一月から六月、上半期の倒産件数は前年同期比約五割増。これは五月の時点では六割増となっておりましたが、八月、上半期の時点で五割増。このペースでいくと、過去最高の倒産件数を更新する勢いだというふうにされています。この要因については、五月末の発表のときと同様に、四月からの
介護
報酬の改定や人手不足に伴う人件費の上昇などが影響しているとされているわけです。 厚労省の
調査
結果、今
大臣
は、倒産事業所はふえていない、新規もふえているという
調査
結果と、五月また八月十四日に発表された、これは東京商工リサーチだけではない、帝国データバンクもそうです、
調査
結果では、これは乖離が見られるわけです。 この乖離はどう分析されているのか、どう説明するのか、
大臣
にお尋ねいたします。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
63
○
塩崎国務大臣
調査
方法が違うということがまず第一の要因ではないかというふうに
思い
ます。 東京商工リサーチの
調査
というのは、会社更生法など法的手続、これを使って倒産したというケースでございまして、東京商工リサーチが把握できた倒産件数を
数値
化しているということで、これは一—六月ということで五割増ということになっているわけであります。一方の
厚生労働省
の
調査
というのは、先ほど申し上げたように、都道府県に今回特別にお願いをして
調査
をしたわけでありますけれ
ども
、廃止届け出件数について市町村分も含めた全数
調査
を実施しているわけで、ですから数では圧倒的にこちらの方が多いという形でございます。
調査
対象と
調査
時期については、東京商工リサーチの
調査
というのは、法人を対象としておりまして、二〇一五年一月から六月とさっき申し上げた、改定前の一—三月も入った動向を分析されているわけでありますが、一方で
厚生労働省
の
調査
は、事業所を
調査
対象としておりまして、今回、改定後の二〇一五年四月から六月の動向を把握したということで、特に
介護
報酬の改定後三カ月間どうだったんだということであります。 このように、いろいろな違いが二つにはございまして、一概に比較することは困難であるわけでありますけれ
ども
、東京商工リサーチに改定後の四月から六月、四—六の動向というのを確認いたしました。そうしたところ、前年同期と比較をいたしますと、倒産件数はむしろ減少しているということで、今のところ大きな問題は生じていないのではないかというふうに私
ども
は見ているところでございます。
中島委員(中島克仁)
64
○
中島委員
大臣
の
答弁
を聞いておりますと、帝国データバンクもそうです、東京商工リサーチもそうなんですが、これは法人単位での
調査
、そして
厚生労働省
は、各都道府県、事業所単位で
調査
をした届け出の結果ということでありますが、六割増し、五割増しという報道、私も七月の十三日に報告を聞いて、今のような御説明を聞いて、ある程度納得したやさきにこのような報道が出るわけです。 一体、実態はどうなのか。今お話を聞いたように、四月—六月、東京商工リサーチのデータでも件数は減っているということであるわけでありますが、本当に実態はどこにあるのかということが非常に気になる。 これも確認なんですが、今回の
調査
、廃止した届け出件数を見ているわけですが、廃止した事業所について、その廃止の理由については
調査
されていますでしょうか。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
65
○
塩崎国務大臣
廃止の理由でございますけれ
ども
、今回の
調査
は、都道府県に
調査
を依頼して、直近の廃止届け出件数を把握いたしたわけでありまして、廃止の理由については、今回の
調査
の中で入れ込んで聞いてもらっているわけではございません。 そういうことでございますので、一件一件の内容を確認していただくことがもちろん必要であるわけであります。しかし、これをお願いするというのは、都道府県に一件一件調べてくれというのもなかなか大変なので、今回は把握はしていないで、とりあえずは数字を全数で見てみようということで
先生
の御要望に応えるということになったわけでございます。
中島委員(中島克仁)
66
○
中島委員
今
答弁
いただいたように、今回、廃止の届け出件数で大枠を出していただいたということで、その廃止の理由については調べていないわけであります。 廃止には、事業統合
とも
ちろん廃業、二つが含まれるわけでして、さらには、廃止届は出していませんが実質廃業、事業をしていないというところも含まれるんだというふうに
思い
ます。やはり最終的には、請求事業所の実態、請求事業所の数、
数値
で見ていかないと、なかなか本当のところはわかってこないのではないかというふうにも
思い
ます。 この数字を見ていきますと、これはあくまでも
平成
二十六年度と二十七年度の比較ということになるわけですが、これも確認ですが、同様に、二十四年度、二十五年度の数字、データはございますでしょうか。 〔
委員長
退席、高鳥
委員長
代理着席〕
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
67
○
塩崎国務大臣
さっき申し上げたとおり、都道府県にお願いをしてやった今回の
調査
でございますので、特別に各月ごとの事業所の廃止あるいは新規指定件数を把握したものでございまして、
平成
二十四年度及び二十五年度の状況は把握はしてございません。
中島委員(中島克仁)
68
○
中島委員
これはあくまでも昨年度、二十六年度と二十七年度との比較ということになるわけで、この数字だけ見ると、倒産事業所はふえていない、新規事業所がふえている、プラマイ、余り差異はないという結果になっているわけですが、これは、きょうはちょっと
資料
としてお示ししておりませんが、人手不足とか、過疎な地域においてはそもそも
人口
減少も伴って利用者さんが減少しているという実態から、倒産事業所の数は右肩上がりで上がっている。ここ数年来上昇してきている。やはり昨年度の、上昇した部分と比較するよりも、もっと以前のデータとしっかりと比較する必要があるんじゃないか。 今回、何度もしつこく
質問
したことから、七月に調べていただいたことは大変ありがたいというふうに思うわけですが、先ほどの東京商工リサーチのデータを見ていきますと、本当に実態がどうなっていくのか。 これもたびたび私は
指摘
させていただいておるわけですけれ
ども
、今年度は昨年度の事業計画でやっておりますから、その途中で閉鎖するというケースは余りないんじゃないか。もう九月になりました。来年度の事業計画をこれから立てる、各事業所が。先週末も、私、ショートステイをやっている事業所でありますが、この四月からの
介護
報酬、さまざまな工夫をして営業努力というか事業努力をしている中でも、やはり大変厳しい
現状
だと。来年の四月からの、来年度の事業計画においてはショートステイを閉鎖すると決めた事業所も一カ所ありました。 そのような背景から、この四月の
介護
報酬のマイナス改定は昨年度から想定されていた中で、やはり単年度で比較するというよりは、もっとさかのぼって比較をして
調査
する必要があるんじゃないかということは再度
指摘
をさせていただきたいというふうにも
思い
ます。 先ほ
ども
大臣
、今後、その動向、トレンドを見ながらということになるというふうに
思い
ますけれ
ども
、
経過
を追っていくということでありますが、東京商工リサーチを初め、民間の事業所は
経過
を追って調べております。 先ほどの請求事業所、これは
介護
報酬の改定に伴うシステム変更によって、五月分、その経営実態のデータは当初十月になるというふうに言われていたわけですが、大分前の質疑の中で、これを前倒しして把握していく努力をすると
大臣
は
答弁
されておったんですが、民間はそのようにデータをちゃんとしっかりフォローしながら追っている。そんな中で、
厚生労働省
として、今回、廃止の理由も明確に調べていない。これは速報値ということでいいわけですが、もう九月に入りました。半年たった
現状
の中で、詳しい実態
調査
を今後していただきたいと
思い
ますが、
大臣
、いかがでしょうか。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
69
○
塩崎国務大臣
いろいろな角度から光を当てて実態を見るということは大変大事なことだと
思い
ます。ただ、
調査
はやはり手間もお金もかかるものですから、それとの兼ね合いで、どこまで、本当に実態を見るのに必要なデータは何だということは絶えず
考え
なきゃいけないので。
先生
御
指摘
のように、やはり時系列を追って見られるということがとても大事であることはそのとおりだと
思い
ます。 今回、いろいろな加算をつくったり、ふやしたり、重点化をしておりますけれ
ども
、各加算の請求状況とか
介護
事業者の動向というのは、
介護
給付費実態
調査
というのをずっとやっているわけで、ただ、これはかなり細かく手間もかかることであるので、今回、簡便に、その事業所数だけとか、そういう形でとらせていただいて
先生
にお示しをしたということになっているわけでありますけれ
ども
、この
介護
給付費実態
調査
によって把握をいつもしておりますから、二十七年度の
介護
報酬改定後の状況についても、この
調査
を通じてできる限り早く把握をしていきたい。先ほど十月というような話がありましたが、それはそれでしっかりやっていかないといけないと思っております。 処遇
改善
加算の効果の把握は、
介護
従事者処遇状況等
調査
というのがございまして、これにより把握をする予定で、六月二十五日に開催をされました
介護
給付費分科会で御
議論
をいただいて、十月に
調査
を実施するということにしております。
介護
事業の経営実態は、
介護
事業経営実態
調査
等によって把握をしていくこととしておりまして、先ほど申し上げた六月二十五日の
介護
給付費分科会で、より適切な
調査
の実施に向けた
議論
をスタートいたしたところでございまして、こうした
調査
を通じて、実態の把握に引き続き努めてまいりたいというふうに
考え
ておるところでございます。
中島委員(中島克仁)
70
○
中島委員
何度も申し上げませんが、やはり、この四月のマイナス改定は史上
最大幅
だったわけです。しかも、昨年度の経営実態
調査
を踏まえれば、俗に言われる収支差率、平均は八・七と言われておりましたが、五%以下、今回の報酬改定でマイナスに転落する事業所が、もちろん、加算をとる、とらないとか、そういった問題はあるかもしれませんが、実際にはその加算を人材不足でとれない、特に小規模事業所においてはそのような実態が想定されていたわけです。だとするならば、やはりこれは通常の年とは違うわけです。この四月からの
最大幅
のマイナス改定に伴う事業所への影響というものは、重点的に、通常ではなくて、しっかりとやるのが本筋だというふうに
思い
ます。 さらには、私が毎週毎週、決まった事業所ではありませんが、点で行っている限り、やはり特に小規模事業所においては経営実態が非常に厳しい。そういった状況の中で、次の
介護
報酬の改定は三年後、診療報酬との同時改定になります。それまでこのまま本当にただトレンドを見て
調査
するだけなのか、
調査
した結果、具体的にどうなったらどう手当てをするのか、補正予算なりなんなり、具体的に対応の仕方というものをそういう実態のある事業所に示すことが必要なのではないかということは再度
指摘
をさせていただきたいと
思い
ます。 さらに、処遇
改善
というお話もございましたが、これももう、二〇二五年問題を含めて、
介護
人材の確保というものが大きな
課題
であることは言うまでもありません。三十八万人足りないのか五十万人足りないのか、その最大の原因が、やはり全産業別に見ても十万円賃金が低いその処遇にあるということは、恐らく
大臣
とも
共有
されているのではないか。 それで、今回、マイナス改定の一方で、処遇
改善
加算について、これも、厚労
委員会
だけではなくて
予算委員会
でも、同僚
議員
から
総理
に対しても、この処遇
改善
で、ある程度、そして
政府
としても、それを各事業所がしっかりととっていけるように促していくというような
答弁
を何度も何度もいただいているわけです。 今回の
調査
によって、この処遇
改善
の届け出状況も出されております。
資料
の三枚目でありますが、この四月の報酬改定から、処遇
改善
加算、これは以前からの加算もあったわけですが、今回の大幅なマイナス改定の一方で、先ほど言った、処遇
改善
をしたんだと
政府
は強調されていた。実際、これは処遇
改善
加算(1)というところになるわけでありますが、四月の時点で五〇・七%、その後もほとんど変化がなくて、六月時点で五一・六%。 この数字だけ見ると、
現状
では半分しか処遇
改善
加算を取得していない、半数の方が処遇
改善
されていないという
調査
結果になるというふうに見えるわけですが、
政府
が、
大臣
も強調されていたように、今回の報酬改定で、マイナス改定の一方で処遇
改善
するとおっしゃった、この
現状
が、この
調査
の結果で本当にされているとお
考え
なんでしょうか。 〔高鳥
委員長
代理退席、
委員長
着席〕
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
71
○
塩崎国務大臣
今お配りをいただいたのは、先ほど来お話に出ております緊急的にお調べをしたものでございますが、通常の、請求事業所を分母としたいわゆる請求ベース、この処遇
改善
加算全体の算定率というのは、
平成
二十五年十月審査分の
介護
給付費実態
調査
を見ますと約八四%でございますけれ
ども
、今回の
調査
において速報値として把握をいたしました、届け出可能な事業所を分母としたいわゆる届け出ベースの割合でいきますと約六八%になっておりまして、その間二〇%
ポイント
ぐらいの大きな、一六%
ポイント
ですか、大きな差があるわけでございます。 これは、届け出ベースで出ております速報値の分母には、みなし指定、いわゆる病院、診療所または
介護
老人保健施設について、指定等を受けた場合に、居宅サービス、通所リハビリテーション等の指定があったものとみなすというのがあって、この指定を受けているものの実際には
介護
報酬請求はしていないという事業者も含まれてしまっていますので、請求ベースと比較して低い水準となっている。つまり、分母がでかいのが、この緊急的にとった届け出ベースの数字であるわけでございます。 なお、今回の
調査
によって把握をした処遇
改善
加算の届け出ベースの割合は、
平成
二十七年三月以降、上昇傾向にもあるということでございます。 改定後の通常の請求ベースの算定率につきましても、レセプトを電算システムで集計した
介護
給付費実態
調査
、これによってできるだけ早く把握をして、皆様方に見ていただけるようにしたいというふうに
考え
ております。
中島委員(中島克仁)
72
○
中島委員
みなしでやっている事業所も含めて分母が大きいからパーセンテージは下がっているんだ、その可能性が高いという今のお答えだったというふうに
思い
ますが、もちろん、この処遇
改善
がされて処遇が全て
改善
されるというわけではないのは私も理解しておりますし、しかしながら、これは今
国会
の冒頭の
予算委員会
でもたびたびこの
質問
、今回の、全体をこれだけマイナス改定しておいて本当に
介護
人材の処遇が
改善
されるのかどうかという問いに関しては、先ほど申し上げたように、
大臣
も
総理
も、各事業所にしっかりと処遇
改善
するように促していくと言ったわけでありますから……(発言する者あり)そうなんです。必ずなるんだみたいな言い方をされていたわけです。 その結果で、もちろん、これは分母が大きい、パーセンテージは低いといいながらも、これが本当に、十月の時点で処遇の実態
調査
の結果も出るということでありますが、もし同じような数字だった場合に、具体的に、今、
厚生労働大臣
としてどのように対策を打つつもりなのか。現時点で構いませんので、お答えいただきたいと
思い
ます。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
73
○
塩崎国務大臣
四月から改定が行われたわけでございますので、これがどういう効果があり、どういう影響があるのかということは、子細に私
ども
も数字で見ると
とも
に、都道府県を通じたり、実際に
自分たち
もできるだけ直接の話を聞きながら見ていきたいと思っておりますけれ
ども
、処遇
改善
加算の効果などにつきましては、
介護
従事者処遇状況等
調査
によって把握をする予定で、さっき申し上げたように、六月二十五日に開催された
介護
給付費分科会で御
議論
をいただいておりまして、十月に
調査
を実施することとしております。 こういったものを含めてさまざまなデータをしっかりと見ながら、どのようなことが起きているのかということを踏まえて、今後どういう対応をすべきかということは
考え
ていきたいというふうに
思い
ます。
中島委員(中島克仁)
74
○
中島委員
その辺については、先ほどの全体のマイナス改定もそうなんですが、これはこの後、
日本
版のCCRC構想についても少しお尋ねをしたいと思うわけですけれ
ども
、そもそも、地域包括ケアシステム、私は何度も申し上げているように、別に効率化とか重点化が悪いとは言っていないんです。ただ、それをするための人材の確保、それがない限り机上の空論になってしまう、なる可能性があるわけです。 そんな中で、もちろん今回の処遇
改善
加算が全てではないのはよくわかるわけですが、これもしっかりとできないようであれば、今の
介護
人材の確保、先ほ
ども
言ったように、二〇二五年までに三十八万人足りないのか五十万人足りないのか、それもわからない。これもしっかりと行き届かないようであれば、その他もろもろある、
介護
人材がなぜ少ないのか、そういう
課題
に取り組めるわけがないと私は思うわけです。 先日、先ほど言った、ショートステイが来年度閉鎖をするといった、私はたびたびそこには行っていたわけですが、そこに勤めていた二十四歳の
女性
、私が
介護
専門学校のときに授業に行っていて教えていた子です。子供のころから
介護
に携わりたいという
思い
で、そのままそのショートステイに入職しました。その彼女がやめるという話を聞いて、どうしたんだという話をしたら、この四月からの
介護
報酬の改定、経営の効率化で、夜勤を、全く一人ではないですが、一人で担う時間がふえたと。そのときに、認知症の高齢者の方にいらいらして、つい手を上げそうになった、そんなことは今までなかったんだ、初めてだ、そのことに大変ショックを受けて、私はもう
介護
をやる資格がないといった理由でやめていくわけです。 では、それがまれなのかというと、今回の
介護
報酬のマイナス改定で、特に小規模、さらには入所の施設であれば、重点化ということで、もう数年前と、例えば今言ったショートステイであっても、利用者さんの中身、重点化によって高度な認知症の人や医療ニーズの高い方が入ることによって、一人の
介護
士さんの負担というのは相当ふえているわけです。にもかかわらず、賃金もなかなか行き届かない。 そういう状況の中で、やはり今回の
介護
報酬の改定に伴う影響については今までとは違うわけです、しっかりと実態を把握していただいて、その上で、もちろん、この後少し御
質問
したいCCRCもそうなんですが、その発想自体は決して否定はしませんけれ
ども
、今しっかりと果たさなければいけないのは、これは
介護
人材だけではなくて看護師もそうです、そして医師もそうです、本当にその中身にしっかりと当てはめられるような医療人材、
介護
人材の確保ということが前提になければ、それがあって初めてさまざまなビジョンが描けるんだということは再度
指摘
をさせていただきたいと
思い
ます。 続いて、
日本
版CCRCについて少しお尋ねをしたいというふうに思うわけですが、生涯活躍のまち構想、いわゆる
日本
版CCRC構想、これは、八回の有識者
会議
を踏まえて、先週、これまでの取りまとめ、中間報告が発表されました。このCCRCは、継続的なケアつきリタイアメントコミュニティーの略で、米国発祥の暮らし方というふうに言われております。 高齢者が自立して生活できるうちに入居して、
社会
活動に参加をし、かつ、
介護
が必要になった場合も、医療を受けながら暮らし続ける仕組みを目指したものとされているわけですが、この地方移住に関しては、昨年の十二月のまち・
ひと
・しごと創生総合戦略に盛り込まれて閣議決定をされ、それとは別に、六月の初旬に
日本
創成
会議
が、東京圏の
高齢化
問題に対応する東京圏
高齢化
危機回避戦略として、東京圏の高齢者の地方移住を提言した。これは
資料
の四枚目になります。そして六月末、まち・
ひと
・しごと創生基本方針として、東京圏の地方移住を閣議決定したわけであります。 これは前提となる確認であります。閣議決定された
日本
版CCRC構想と、創成
会議
が提言した、この
資料
四枚目にある東京圏の高齢者の地方移住の関係性についてお尋ねをしたいと
思い
ます。
木下政府参考人(木下賢志)
75
○
木下
政府参考人
お答えいたします。 ただいま
委員
の方から御
指摘
ございました
日本
創成
会議
の提言、東京圏
高齢化
危機回避戦略といいますのは、今御紹介いただきましたように、今後、東京圏で後期高齢者の急増が見込まれる中で、東京圏の
高齢化
問題の対応として、一都三県の連携あるいは広域対応といった医療・
介護
体制の
整備
方策の提言とあわせまして、
日本
版CCRC構想の推進も含めた東京圏の高齢者の地方移住環境の
整備
についても提言をされたものと承知しております。 一方、今御紹介ありましたように、八月の二十五日に中間報告をまとめましたけれ
ども
、その前に、六月末に、まち・
ひと
・しごとの基本方針二〇一五に盛り込まれてございますけれ
ども
、この
日本
版CCRC構想は、地方を希望する東京圏の高齢者、あるいは地方の方であっても、健康なうちから地方ですとか町中に移住をして、生きがいを持ちながら健康でアクティブな生活を実現して、医療、
介護
が必要になれば、その地域において安心して継続的なケアも受けることができるような地域づくりでございます。そして、推進意向のある
自治体
において進めるものでございます。 そういう
意味
におきましては、地方移住を希望する東京圏の高齢者に対しまして、地方で必要な医療・
介護
サービスを利用するという選択肢を提供する点におきまして、東京圏の
高齢化
問題の対応策としても意義があるものと
考え
ておりまして、その
意味
で、
日本
創成
会議
の
考え
方と共通の認識に立ったものと私
ども
は理解しております。
中島委員(中島克仁)
76
○
中島委員
時間もないのでまとめて
質問
させていただきたいと
思い
ますが、これは厚労省に聞きたいんですけれ
ども
、今回のCCRC構想、当然ながら、厚労省としてこの方針に従っていくという方針だというふうに
思い
ますけれ
ども
、一方で、これもたびたび
質問
させていただいております地域医療構想、ビジョンにおいて、一割削減という、どんなツールを使ってもそのように出るということを事実上しているわけです。 そういった中で、もっと大前提である地域包括ケアシステム、これは、住みなれた地域で最期までということを前提にさまざまな
整備
をしている。その一方で、
政府
は、CCRC、私も別に、何度も言うようですが、このこと自体を否定しているわけではないんですが、地域包括ケアシステムの構築と高齢者の地方移住、さらには
医療費
効率化のための病床削減、効率化という名のもとの一割削減という、この政策の整合性が私は非常に疑念を持つ。そして、これを課された地方はさらに困惑しているという事実があるということを厚労省として認識しているのか。 この政策の整合性と地方の実態というか、そういったことを厚労省としてどう
考え
ているのか、最後にお尋ねをしたいと
思い
ます。
渡辺委員長(渡辺博道)
77
○
渡辺委員長
既に持ち時間を
経過
しておりますので、
答弁
は簡潔にお願いいたします。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
78
○
塩崎国務大臣
厚労省としても、この八月に取りまとめられました生涯活躍のまち構想中間報告は、本年六月の閣議決定に基づいて検討されたもので、厚労省としては、高齢者の暮らし方の一つの選択肢として、関係省庁と連携しながら取り組んでまいりたいと思っています。 それから、地域包括ケアシステムとの関係でありますけれ
ども
、移住先で地域のコミュニティーとの関係を築く中で地域包括ケアシステムの一部を支え手として担うこ
とも
あるこ
とも
踏まえると、地域包括ケアシステムの構築と生涯活躍のまちは両立し得るというふうに
考え
ているところでございます。
中島委員(中島克仁)
79
○
中島委員
ありがとうございます。
厚生労働大臣
として、しっかりと
政府
には言うべきことを言ってグリップをきかせていただきたい、そのように
思い
ます。 ありがとうございました。
渡辺委員長(渡辺博道)
80
○
渡辺委員長
次に、浦野靖人君。
浦野委員(浦野靖人)
81
○浦野
委員
維新の党の浦野です。 先ほど、
中島
先生
が冒頭に党の変遷のことをおっしゃっていましたけれ
ども
、我々もそうならない
とも
限らない昨今ではあります。ああ、そんな党があったなみたいなことを言う可能性もありますけれ
ども
、今はまだ維新の党ですので、よろしくお願いをいたします。 先ほど、
中島
先生
の前に、阿部
先生
が性暴力救援センターの件を
質問
されていました。それが今設置されている阪南中央病院が実は私の地元の病院でありまして、産婦人科もあって、小児科もあって、その地域の小児科、産婦人科の拠点になっている病院でもあります。私の子供
たち
も病気のときとかは阪南中央病院さんでお世話になりましたし、子供
たち
が入院もしたことがある。本当に、我々の住んでいる地域の医療、非常に大きな仕事をしていただいている病院の一つであります。 これは、実は、五年前から地道に加藤
先生
という
先生
が頑張っていただいていて、こういうセンターを立ち上げていただいて、ずっと努力をされてきて、
内閣
府で初めて予算をつけていただいて、それを機に各地へと。どういうふうな仕組みでやっているのかというのを阪南中央病院に見に来られて、それを勉強していただいて、それが今全国に広がりつつあって、そうはいうものの、まだ今現在十九ですね。都道府県では十七で、市では二つ。病院を拠点にしている部分と、病院じゃないですけれ
ども
センターをつくってやっていただいている、その二種類に今は大きく分かれているんです。 我々、要望書の中で言っていることは、相当やはり財政的な負担が大きい。これは先ほ
ども
阿部
先生
の言葉の中にもありましたけれ
ども
、国連では
女性
二十万人に対して一カ所つくるべきだというふうに言われていますけれ
ども
、到底、その数をつくるというのは、今
現状
全国で十九カ所しかないセンターですから、まずは都道府県に最低一つつくっていくべきだというふうにおっしゃっているわけです。 今回、最低一カ所ずつつくっていくということに関してどういうふうに
考え
ておられるかということをお聞きしたいと
思い
ます。
池永政府参考人(池永肇恵)
82
○
池永
政府参考人
性犯罪被害者に対しては、被害直後から、医療的な支援、心理的な支援など、可能な限り一カ所で提供するいわゆるワンストップ支援センターの設置促進が重要な
課題
であると私
ども
も認識しております。
内閣
府におきましては、ただいま御紹介ございましたワンストップ支援センターの開設、機能強化を初めとする地方公共
団体
における体制
整備
を図るため、性犯罪被害者等のための総合支援に関する実証的
調査
研究
事業というのを昨年度から実施しております。 今年度は、この事業の予算額を大幅に増額して、先ほど十九というふうな御紹介がございましたけれ
ども
、昨年度は九でございました。それを今年度は十九の地方公共
団体
を対象に実施しているところであります。 これらの
取り組み
を報告書としてまとめまして、
調査
研究
対象以外の地方公共
団体
にも周知することによって、地方公共
団体
における性犯罪被害者支援体制の
整備
を一層促進してまいりたいと
思い
ます。
浦野委員(浦野靖人)
83
○浦野
委員
予算の額を聞かせていただくと、一億ぐらいだということなんですね。数は確かに、去年、ことし、ふえています。ふえていますけれ
ども
、一億という予算で、では、どこからどこまでできるのかというのは非常に難しい、もちろん、全く十分とはやはり言いがたい金額になってしまうと
思い
ます。しかも、これは、初年度に、そういうセンターをつくるときに出してもらえる費用。 継続で出している部分もあるんですか。ほとんどが多分、初期費用だと思うんですけれ
ども
。
池永政府参考人(池永肇恵)
84
○
池永
政府参考人
本事業におきましては、先進的な
取り組み
ということですので、基本的には、継続ということではなくて、初期のモデル的な
取り組み
に対して出しているものでございます。
浦野委員(浦野靖人)
85
○浦野
委員
ですので、結局これは、初期費用だけ出してもらっても、要は継続することが大事なので、その点については全く財政的な負担は変わらないわけですよね。そこはしっかりとこれからやっていただきたいなというふうに
思い
ます。 次の
質問
ですけれ
ども
、初期費用はこうやって出していただいています。加藤
先生
によると、やはり公設民営が一番いいんじゃないかというふうに、この五年間の経験の中でおっしゃっているんですね。 やはり、今言うたみたいに、初期費用だけじゃなくて、運営に対する財政支援をしっかりとやっていただかないといけないと思うんですけれ
ども
、その点はどうお
考え
ですか。
池永政府参考人(池永肇恵)
86
○
池永
政府参考人
非常に重要な御
指摘
だというふうに
考え
ております。 私
ども
、まずは、先進的な
取り組み
に対して、それを展開していって、それでよい事例が広まるようにということを
考え
ております。 運営面の財政的なもの、大変難しい問題でございまして、そこは非常に、今後の財政等の問題もございますので、大変貴重な御
指摘
ということで受けとめさせていただきます。
浦野委員(浦野靖人)
87
○浦野
委員
継続的な支援というか、それももちろん大事ですけれ
ども
、さらに、やはり診療報酬の体系も見直してもらいたいという話もあります。 これは、二十四時間開所しているということが大前提で、それは非常にこだわって二十四時間というふうにやっているんですけれ
ども
、通常の時間外に相談に来られる方が約六割というふうにおっしゃっていました。 しかも、いろいろ
資料
を見させていただくと、実は身内、親族による性的被害というのが、僕もびっくりするぐらいの数だったんですけれ
ども
、非常に多い。ということは、やはり誰にも相談できないし、知られたくないというのが本人のほとんどの希望だと思うんですね。だからこそ、やはり時間外の、人の少ない時間帯に相談に来られるという方が非常に多いんじゃないかというふうに、これは私が勝手に思っているわけですけれ
ども
。 そうなると、なかなか、先ほどから言っていますように、維持費というか運営費というのが非常に厳しい。だからこそ、診療報酬などで、性暴力被害のそういうセンターに対してそういった点数をふやしていくような、機能評価係数を掛けるというようなことができないのか、お答えください。
唐澤政府参考人(唐澤剛)
88
○
唐澤政府参考人
先生
から御
指摘
いただきましたように、性暴力被害、先ほどのお話ですと、例えば児童虐待問題など
とも
非常に関連をしている大きな
課題
であると
考え
ております。 私
ども
の
考え
ておりますのは、診療報酬につきましては、これは診療の対価ということになっておりまして、医療サービスの内容を評価して点数を決めていくということになっておりますので、さまざまな病気や傷病の状態の原因の方を評価するというのは、今の体系ではなかなか難しい面もございます。 ただ、
先生
御
指摘
のように、産婦人科でありますとかあるいは精神科、こういう医療機関の果たす役割というのは大変大きいものがございますので、私
ども
といたしましては、現在の診療報酬の中で、精神科の医師が患者と面接して治療を行う精神療法でございますけれ
ども
、こういうものを近年高く評価をしてきております。こういうものを活用していただきたい。 それから、御
指摘
のように、昼間の時間帯はお知り合いの方がいてなかなか来れないということがあると
思い
ます。そういう点で、これは二十四年改定でございますけれ
ども
、二十四時間体制の受け入れに対しまして、初診料や再診、そして時間外、休日、さらに深夜の加算というようなものをかなり充実させていただいたところでございます。 こうしたものを御活用いただくということをお願いしたいと
考え
ておりますけれ
ども
、さらに、
先生
御
指摘
のような診療報酬上の適切な評価のあり方につきましては、中医協におきまして検討させていただきたいと
考え
ております。
浦野委員(浦野靖人)
89
○浦野
委員
ちょっと
質問
の順番を変えて、きょうは警察庁の方からもお見えいただいています。先ほど、これも阿部
先生
の
質問
の中にもありました、被害者が
医療費
の自己負担をしなくても済むような措置ということです。 これは実際、先ほ
ども
ありましたように、そういう制度があります。ただ、結局、やはり誰にも知られたくないということで、実はこれは警察庁が予算をつけていただいていてそれをやってもらっているわけですけれ
ども
、知られたくないから、やはり警察には言いにくい、だから、やはりちょっと、なかなかひっかかるんじゃないかというふうに思っているんですけれ
ども
、この点について、警察庁の見解をよろしくお願いします。
村田政府参考人(村田隆)
90
○
村田
政府参考人
お答えをいたします。 現在、強姦や強制わいせつといった性犯罪の被害に遭われた方に対しましては、緊急の避妊に関する経費でありますとか、初診料、診断書料、検査に関する経費等につきまして、被害者の緊急的な支援を図りつつ、特に被害が潜在化しやすい性犯罪の潜在化を防ぐため、現在、全都道府県におきまして公費負担の対象とされているところでございます。 警察庁といたしましては、実情の把握に努めつつ、この施策が円滑に実施されるよう、引き続き都道府県警察を指導してまいりたいと
考え
ております。
浦野委員(浦野靖人)
91
○浦野
委員
センターが各都道府県にほぼ、あるところは一カ所しかありませんから、所管する警察署のそこだけでやたらそういう予算がどんどんやはり膨らんでいってしまうというのもあって、それもちょっと、こういう制度がちゃんとあるにもかかわらず、実際に運用されている
方々
からこういう公費負担をお願いできないかという話が出るということは、やはり余り利用されていないんだろうなというふうに
思い
ます。 特に、やはり未成年が多いんですよね、被害に遭われる方が。だから、その子
たち
にとっては、少しの負担でも、誰にも知られたくない中で
自分
でそのお金を捻出できるかといったらできませんから、やはりそれはきっちりと負担をしてあげて、警察としては、犯罪を防ぐ、犯罪者を捕まえるという仕事ももちろんありながら、こういう制度をつくっていただいているとは思うんですけれ
ども
、まずは、被害に遭われた方がしっかりと次の第一歩を踏み出せるような、そういった仕組みをつくっていただけたらと
思い
ます。 実は、こういう問題が本当に非常に大きな問題になっています、こういう性犯罪の件に関するものは。例えば、今、SNSだとか、そういうネットの
世界
でこういう被害に遭いやすくなっているというのも
現状
あります。 この間も、残念ながら、大阪で起きた中学生の男の子と女の子が殺されてしまうというああいった事件も、事件の全容はまだ解明はされていませんけれ
ども
、もしかしたら、そういう面で男の子、女の子を容疑者が連れ去ったんじゃないかというふうにも言われています。もしかしたら、そういう可能性もあります。 私は、こういった性暴力被害に対する支援について根拠法がないということ、これもつくっていかないといけないなというふうに思っているんですけれ
ども
、このことについても
答弁
をよろしくお願いいたします。
池永政府参考人(池永肇恵)
92
○
池永
政府参考人
犯罪被害者等のための施策に関する基本理念や基本的施策を定めた
法律
として、犯罪被害者等基本法というのがございます。ただ、
議員
お尋ねの性暴力被害者に対する支援についての個別の施策の根拠法となるような
法律
は、現時点では、ないというふうに承知しているところでございます。 ただ、そういった根拠法は現在ないのでございますが、性犯罪、性暴力被害者の支援、大変重要なことでございますので、これは、第三次男女共同参画基本計画であるとか、第二次犯罪被害者等基本計画、また、ことし六月に
女性
活躍加速のための重点方針二〇一五というものを決定したものでございますけれ
ども
、これらに基づいて各般の施策が進められております。 まずは、関係省庁と連携して、計画や重点方針などに基づく施策を着実に実行してまいりたいというふうに
考え
ております。
浦野委員(浦野靖人)
93
○浦野
委員
これは、来ていただいていろいろと
議論
をする中で、僕は国が責任を持って
法律
をつくってしっかりとやるべきじゃないかなと思ったんです。閣法で出すか、はたまた我々が、そうじゃない、これはやはり政治の責任で、前を向いてそれをしっかりとつくるんやというので、
議員立法
でもいいんじゃないかというふうなことが
議論
の中で話が出たわけです。 どちらであれ、僕は、根拠法をつくるというのは絶対にするべきだと
思い
ます。もし
議員立法
でつくるのであれば、
皆さん
に御協力をいただかないといけませんし、その点について政務の方から御
答弁
があればと
思い
ます。
山本副大臣(山本香苗)
94
○山本副
大臣
ちょっと突然のお尋ねで、
議員立法
で何らかの対応をした方がいいのではないかというお尋ねでございますけれ
ども
、そういう動きがあるということは従前より伺っておりまして、私も実はその一員としてかかわらせていただいております。 また、SACHICOの活動につきましても、やはりこれが継続的に、恒久的になされるような体制というのはつくらなきゃいけない。
内閣
府も今モデル事業でやっておりますので、二年終わって三年、その後どうするんだというところがありますので、ぜ
ひと
も御党におかれましても、しっかりこの点につきまして御協力賜れればと思っております。 これは、
政府
の立場というか、
個人
の立場で答えさせていただきましたが、よろしくお願いいたします。
浦野委員(浦野靖人)
95
○浦野
委員
ぜひ、党がそのときどうなっているかわからないですけれ
ども
、僕がいてる立場のところではしっかりと対応したいと
思い
ますので、よろしくお願いします。 これは、実はまだ全国に十九カ所しかありませんので、この
委員会
に
出席
されている
先生方
の地元でも、ない地域があります。多分、
塩崎大臣
のところにもないんですね。だから、別に
答弁
は要らないですけれ
ども
、少なく
とも
、まずはやはり
厚生労働委員会
に所属している
先生方
の地元にしっかり一つ目をつくっていっていただいて、対応していただけたらなというふうに、これは勝手に思っております。 性犯罪というのは、本当に、
日本
においてももちろんですけれ
ども
、
世界
において非常に大きな問題ですので、これにしっかりと政治が取り組んでいくんだという姿勢をぜひよろしくお願いいたします。 性暴力救援センターの
質問
はここまでです。あと二つほど
質問
をさせていただきます。 一つは、幼保一元化のことについてなんですけれ
ども
、当初、幼保一元化というのは、戦後間もなくから実は
議論
が始まっております。幼稚園という制度、保育園の制度、この制度二つに分かれてやってきたことに対して、やはり一元化すべきだという
議論
はもう本当に昔から言われ続けてきて、やっとそれを具体的に進めようということで、認定こ
ども
園という制度の
議論
をたしか始めたはずだったんですね。 ところが、今、認定こ
ども
園の制度ができて、幼稚園の制度が残ったままで、保育園の制度が残ったままで、実は制度自体が、一元化どころか三つにふえてしまったという非常におかしな
議論
になってしまいました。 別に、今の保育園の制度、幼稚園の制度、認定こ
ども
園の制度を否定するつもりはありません。子供
たち
にとってどういった制度がベストかというのは
考え
方の違いもあるでしょうし、私は、その運営をしている
方々
が、その制度の枠において、子供
たち
のために一生懸命やっていただくというのは大切なことなので、それは構わないんです。 ただ、も
とも
と幼保一元化という
議論
が始まって、今
現状
こういうふうになっています。
現状
こうなっているのを、国として、では、幼保一元化という
議論
をもうやめて、この三つの制度のままやっていくのか、それ
とも
、やはり原点に返って、幼保一元化ということは、これからも時間がかかるかもしれないけれ
ども
進めていくんだという立場なのか、その点をちょっとお聞かせいただきたいと
思い
ます。
安藤政府参考人(安藤よし子)
96
○安藤
政府参考人
お答え申し上げます。 ことしの四月から実施をしております
子ども
・子育て支援新制度では、幼児教育、保育、地域の
子ども
・子育て支援を総合的に推進することとしているところでございます。 この
子ども
・子育て支援新制度では、
国会
審議
の過程で
政府
案が一部修正されたものの、認定こ
ども
園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付でございます施設型給付を創設したこと、また、幼保連携型認定こ
ども
園につきまして、単一の施設として認可、指導監督などを一本化したこと、また、
内閣
府に
子ども
・子育て支援法と改正後の認定こ
ども
園法を所掌する体制を
整備
したことなど、二重行政の解消などによりまして、
政府
が幼保一体化により目指しておりました給付の一体化、施設の一体化、窓口の一元化が実現されているものと
考え
ております。 この新たな制度のもとで、子育て世帯のニーズにしっかりと応えられるように、関係府省と連携しながら引き続き取り組んでまいりたいと
考え
ております。
浦野委員(浦野靖人)
97
○浦野
委員
保育園、幼稚園、認定こ
ども
園を利用している
人たち
、それを経営している
人たち
と、
皆さん
方との認識というのは非常に大きいな、隔たりがあるなというのを今
答弁
で感じました。
皆さん
方は、何か一元化というかスリム化したと今おっしゃいましたけれ
ども
、ほとんど全員がややこしくなったとしか思っていませんので、ぜひその点はもう一度
考え
ていただけたらと思っています。 次に、選挙年齢が引き下がりました。十八歳までになりました。その中で、いろいろと若い
人たち
が
自分たち
の
意見
をもっと聞いてもらいたい、そういったことで、そういう協議体というのをつくる運動をしています。 実は、これはスウェーデンなんかが、そういった若者協
議会
、
政府
公認のそういう
団体
をつくって、その中から出てきた
意見
を必ず政策に反映させる、そのための担当
大臣
もしっかりと、担当
大臣
というか、ちゃんとした省庁としてそういう
大臣
がいる、その
大臣
の年齢は三十代だったと
思い
ますけれ
ども
、非常に若い
大臣
で、必ず若い
人たち
の
意見
を聞かないといけないというふうにスウェーデンはつくってあるんですね。 そういうのを参考にもされているとは思うんですけれ
ども
、その
方々
と、十八歳に選挙年齢が引き下がる関係で、いろいろと我々も、維新の党の青年局、局長ですので、これからちょっとわからないですけれ
ども
、ちょっとややこしい時期に
質問
してしもうたなとは思ったんですけれ
ども
、そういった
人たち
の
意見
をしっかりと取り入れていくというのは政治にとっても非常に重要なことだと思うんですね。 今現在、
厚生労働省
、私は
厚生労働委員会
なので
厚生労働省
に聞きますけれ
ども
、いろいろな審
議会
、そういう政策を
考え
るに当たって、たくさんのそういう諮問をされる
会議
があります。その中で、今、
女性
は、実はいろいろやはり、男女共同参画だ何だということで、一定の割合を必ず入れないといけないというふうに審
議会
は決まっています。 それと同じように、若い
人たち
も一定の割合、例えば、その
団体
の
皆さん
は今三十五歳というふうにしていますけれ
ども
、
日本
の
人口
比率の中で三十五歳以下の方が何%を占めるか、そのパーセンテージによって審
議会
のメンバーもそういう若い
人たち
に入ってもらうべきではないか、そうじゃないとやはり
意見
が反映されないんじゃないかというふうに思うんですけれ
ども
、こういった
取り組み
というのは、各省庁、例えば
厚生労働省
なら
厚生労働省
で決めるこ
とも
できるとは思うんですけれ
ども
、そういった
取り組み
をする気はありませんか。
橋本大臣政務官(橋本岳)
98
○
橋本
大臣
政務官
一般論として申し上げれば、若い方に積極的にそういう政策
形成
の場に参加をしていただいていろいろ御
意見
をいただく、取り込んでいくということは、しがらみのないアイデアだとか新しい
考え
だとか、そういうものを入れていくということで、大変大事なことだと思っております。 例えば、
厚生労働省
において「
保健医療
二〇三五」を策定させていただきました、その懇談会は、二十年後においても現役世代である方で
議論
しようということで、平均年齢四十二・七歳の気鋭、若手の有識者で構成をされておられましたし、また、
地方創生
の
考え
を
厚生労働省
として整理をした、
厚生労働省
まち・
ひと
・しごと創生サポートプランの作成検討チームというのがございまして、私がリーダーをさせていただきましたけれ
ども
、平均年齢三十四・七歳ということで、これは職員の中の話ですが、若い人材の
意見
も取り込んでいきたいということは、それぞれの場面場面でやっているところでございます。 ただ、御
指摘
の、審
議会
委員
の選定ということについて申しますと、今現在、若者の登用基準というものはございません。
厚生労働省
関係の審
議会
の
委員
数は延べ約千八百人おられまして、うち、例えば二十歳から三十九歳以下の
委員
の数というのは延べ二十四人、一・三%という
現状
でございます。どうしても、専門家としての識見を持たれたベテランの方だとか、
団体
の代表の方とか、そういう方が多いものですから、そういうことになってしまっているのが
現状
であります。 例えば、
社会保障制度
を
考え
るという上では、やはり次世代とか若い世代に当事者意識を持ってもらうということは大事ですから、ユーチューブやツイッターみたいな情報発信をしているとか、労働政策においても、やはり若い方の雇用を
考え
ていくようなことでヒアリングをするだとか、そうした形で
意見
を伺うようなことはやろうと思っております。 政策の種類だとか内容によって、例えば私も
委員
も四十ちょいなわけですけれ
ども
、政党では青年局という、青年ということになりますが、一般的には中年と呼ばれてもいいような世代だったりするとか、若い方の
意見
を求めるというのも、どの政策においてどういう若い方の
意見
を求めるかというこ
とも
多分いろいろあり得るんだと
思い
ます。
委員
の御
指摘
も踏まえながら、これからもそうした場面場面において若い方の
意見
を取り込んでいく、このことにしっかり取り組んでまいりたい、このように
考え
ております。
浦野委員(浦野靖人)
99
○浦野
委員
時間が来ましたのでこれで終わりますけれ
ども
、ぜひ、先ほどおっしゃったみたいに、若い
人たち
が入ることにそぐわないような審
議会
ももちろんあると
思い
ますので、そういったものはきっちりと
考え
ていただいて、できる限り、やはり次世代の
方々
の
意見
をどういうふうにして政治、政策に反映させることができるかということをしっかりと
考え
ていただけたらと
思い
ます。 以上で終わります。
渡辺委員長(渡辺博道)
100
○
渡辺委員長
午後一時から
委員会
を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ————◇————— 午後一時
開議
渡辺委員長(渡辺博道)
101
○
渡辺委員長
休憩前に引き続き
会議
を開きます。 質疑を続行いたします。
足立
康史君。
足立委員(足立康史)
102
○
足立委員
維新の党の
足立
康史でございます。 きょうも何から話をしようかなと思っておりましたが、本当に珍しい、民主党さんが全くいらっしゃらないという珍しい形で、後ろにいらっしゃることはありましたが、席に、部屋の中にいらっしゃらないという初めてのパターンで、ちょっと動揺しております。 きょう、
中島
さんがみんなの党の話をされたり、浦野
先生
もちょっと触れられましたので、私も一言、党の状況についてでありますが、きょうこちらに参るのが大変ぎりぎりになりまして申しわけありませんでした。本当にばたばたしておりまして、浦野
先生
が、我が党もどうなるかわからぬ、こういう話がありましたが、これはもうはっきりしております。一回か二回かの選挙を経てしっかりと我々は野党第一党になっていきたいということで頑張ってまいりますので、
大臣
、またよろしくお願いします。 ちょっと真面目な話、通告申し上げていることは通告の話として御
質問
しますが、私は前から実質
国会
ということを申し上げていて、本来、
政府
と
委員
で質疑をするのがもちろん基本でありますが、
委員
同士の討論、トップは
党首討論
ということでやっていますが、
委員
同士もぜひ討論していくような
国会
が将来あったらいいということを、
日本
維新の会のときだったかな、そういう
国会改革
案というのを我々は提出をさせていただいたことがあります。 そうした
意味
で、私が事前に通告していることは
とも
かくとして、きょう午前中にやった内容をまたおさらいしておきたいと
思い
ます。
大臣
、労働法制でありますが、大西さんが派遣法の状況についてがたがたと、余り細かいことを聞きませんからゆったりと聞いていただいたらいいんですが、民主党
政権
のときの労働契約申し込みみなし制度ですか、これが十月一日から施行されるからどうこうということをおっしゃっていましたが、これは明らかに、政策的に、
大臣
の
思い
として、この制度はもう当然施行させないということで
政府
として今回派遣法改正案が出ていると私は思っていますので、このみなし制度は
政府
として施行させないということで……(発言する者あり)じゃないのか、間違っている。ちょっと、ぜひお教えください。 その辺、通告していませんが、私は、改正案を提出されていて、その施行日を九月いっぱいで何とか実現したいと与党を含めて動いていらっしゃる背景には当然この制度の施行日がある、こう理解していますが、どうでしょうか。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
103
○
塩崎国務大臣
今話題になっているのは、施行日前に既に締結をされた派遣契約の場合に労働契約申し込みみなし制度を適用するかどうかということだけが問題になっているので、それについては従前の例に倣ってということで、旧法をそのまま適用します。ですから、救済というか保護をする手だては、このみなし制度ではなくて、義務がかかる四十条の四というので保護しますということを言っている。 実は、九月三十日という今与党が御提案になっていらっしゃる施行日、いつでもいいんですけれ
ども
、施行日の以降に新たに契約された派遣の場合には、当然、十月一日以降はこのみなし制度は適用され得るということでありますので、何ら、みなし制度をやめるというようなことは一切言っているわけではなくて、暫定期間のときだけ当てはまらないということがけしからぬということをおっしゃる方がおられますけれ
ども
、それは、超法規的にでもやらない限りは、今の
法律
の中では無理ですよということを申し上げているわけであります。
足立委員(足立康史)
104
○
足立委員
ちょっと勉強不足で。 すると、これは改正法が施行された後も、十月一日以降の派遣契約については当該みなし制度は適用されるということでしたっけ。ちょっと頭がついていっていません。そういうことですね。制度自体についてはそうだが、まさに移行期というかトランジションの問題として混乱がないようにしていると。 その移行期の従前の契約、これの取り扱いについて、どすんと影響が出ないように、この施行日については九月いっぱいで何とか処理をしたいということであるということですね。私が言うとおかしいかな。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
105
○
塩崎国務大臣
大前提は、このみなし制度そのものは、二十四年改正のときに三年間置いて、施行になるのは今度来る十月一日からということで、これは何も変わらないわけで、法的に十月一日から施行されるということになります。 したがって、それ以降の派遣契約については適用されるということで、何ら変わらないわけでありますが、たまたま今既にもう契約をされていて、施行日の前にされているという場合に、この十月一日以降適用になるのかどうかということが問題になっているという理解だと
思い
ます。
足立委員(足立康史)
106
○
足立委員
理解というか、
政府
はそういうことでやっているということですね。わかりました。ありがとうございます。 副
大臣
、何か補足があれば。いいですか。はい、わかりました。 それから、
大臣
、これもちょっと通告していませんが、労働基準法はいつ処理される予定でしょうか。それは与党の問題かもしれませんが、もし御意向があれば。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
107
○
塩崎国務大臣
これは、私
ども
既に
法律
を
国会
に提出しているわけで、あとは
国会
がお諮りをいただいて、どのような扱いにするかということはお決めをいただけるというふうに思っておりますが、私
ども
は、趣旨説明をするときには、スタートすればそれは速やかに御
審議
を願いたいということを申し上げるわけであります。
足立委員(足立康史)
108
○
足立委員
一方で、
国会
の日程のこ
とも
ありますので、もう一言言うと、まず
通常国会
で
審議
入りするかどうかという問題と、臨時
国会
あるいは
通常国会
という
議論
がありますが、それは何も言えませんね。何かあれば。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
109
○
塩崎国務大臣
閣議決定して出した
法律
でございますので、速やかに御
審議
をいただきたいというのが我々の基本的な
考え
方でございますので、よろしくお願いいたしたいと
思い
ます。
足立委員(足立康史)
110
○
足立委員
この労働基準法については私は大変重要な法案だと思っていまして、いわゆる成長戦略というか経済を回していく上でも、労働規制がしっかりと
時代
にマッチしたものになっていくということは重要だと思っていまして、野党でありますが、ぜひこれはしかるべき形で
審議
されることを期待申し上げたいと
思い
ます。 きょうは、ちょっと少子化対策について、九月に入りました、だから、税制であれ予算であれ、形が、役所のいわゆる概算要求が表へ出てきていますので、若干その点について
質問
をさせていただきたいと
思い
ます。 まず、少子化対策に絡んで、いわゆる所得控除制度を、要すれば、ベビーシッター関連等について所得控除の制度を検討しているという報道があります。これは事実だと
思い
ますが、もう簡潔で結構です、その要望の概要を御紹介ください。
安藤政府参考人(安藤よし子)
111
○安藤
政府参考人
ベビーシッター等に要する費用に係る税制改正要望でございますが、労働者の働き方や子育てを取り巻く環境が多様化する一方で、地域によって利用できる子育てに係るサービスに差異があるという中で、保育等の公的サービスによる対応に加えまして、柔軟な子供の預かりサービス利用を必要とする子育て家庭が存在するという状況がございます。 このため、八月三十一日に公表いたしました
厚生労働省
の
平成
二十八年度税制改正要望におきましては、仕事と家庭を両立し、
女性
の活躍を推進するといったような
観点
から、ベビーシッターなどの子育て支援に要する費用の一部について税制上の所要の措置を要望しております。 具体的には、ベビーシッターや認可外保育施設については、一般には運営費に対する財政支援が講じられておりませんので、これらの利用料については、給与所得の特定支出控除の対象といたしまして負担軽減を図るというものを要望しているところでございます。
足立委員(足立康史)
112
○
足立委員
今局長から御紹介をいただきましたが、
皆さん
、特定支出控除というのは、知る人ぞ知る、まあ、よく御存じだと
思い
ますが、私は最初、報道で所得控除の制度を要望されるということを読みまして、大変すばらしいと
思い
ましたが、実は、事前にその内容を聞きますと、これは特定支出控除だ、こういう話を聞きまして、非常に落胆をしたわけであります。 これは、ちょっと税制の全体のことを改めて通告していませんが、局長、特定支出控除というのはそもそも年間どれぐらいの方が使っている制度かというのは、ちょっとしんどいですかね。ごめんなさい、通告していないのであれですけれ
ども
、これは間違っていたら違うぞと言ってくださいね。 ただ、私が承知しているのは、私も実は現役
時代
に、現役って今も現役ですけれ
ども
、経産省におるときに、教育訓練、要は、サラリーマンが資格を取ったり、今はそういう制度がもうできていますが、そういうものの費用を特定支出控除で控除できるという制度を実は要望したことがあるんです、
自分
が担当者となって。したがって、特定支出控除について多少経験があるわけですが、これはも
とも
と、サラリーマンですから給与所得控除がありますね。みんな給与所得控除があるわけです。だから、改めて確定申告でそういう特定支出控除について書類をそろえて、要は、仕事のために必要な経費だということで雇い主から認定をしてもらわな基本的にはあかん。これは今回の要望も多分そうですね。だから、結構使いにくいんです。 要すれば例外的な、給与所得控除でどすんと一括でサラリーマンは控除されているわけです、丼勘定で。丼勘定で控除されているけれ
ども
、特に教育訓練とか、あるいは、今の要望であればベビーシッターとかで支出がどんと出る方については、それが仕事に関連する限りにおいて、追加でちょっと面倒を見ましょうという制度なわけです。 では、何人の人がこの特定支出控除を使っているのか。
平成
二十二年度分、三人です、
日本
じゅうで。
日本
じゅうで三人ですよ。間違っていたら言ってくださいね、事務方。二十四年が六人です。二十五年になって、私が先ほど御紹介をした資格取得、要は、弁護士になるために何かやっているとか会計士になるために何か勉強した、そのためにどおんと学校の費用が出た、そういうものを控除できるようになったんです。それで千六百人。すばらしいですね。二十六年、直近が二千人。これが特定支出控除の制度なんです。 私は、これはもう言いわけにしかならないと。大変手間がかかりますし、なかなかそれは使いません、みんな。よっぽどの費用が、ではベビーシッター代と無認可保育園で一体幾ら支出するんだというところもあるので、私は局長にちょっと伺いたいのは、これは、要望されるわけですから、この制度がどれぐらい使われるであろうかという見込みがあると
思い
ますが、試算とか見込みとかはありますか。
安藤政府参考人(安藤よし子)
113
○安藤
政府参考人
要望に当たりまして試算、見込みを立てたわけではございませんけれ
ども
、制度の趣旨からいたしまして、特定支出控除につきましては、給与所得者が勤務に関連した支出について所得金額から差し引くことができるという制度でありまして、今回のベビーシッター等の経費につきましても、働くに当たりまして必要な経費として控除の対象とするということが適当であろうと
考え
られましたことから、既存の制度に組み入れるような形での要望として仕組ませていただいているところでございます。
足立委員(足立康史)
114
○
足立委員
要すれば、特定支出控除というのは、項目が並んでいるわけですね、こういう費用はいいよということ。そこにベビーシッターとか無認可保育園の費用、保育料が含まれていないのはおかしいよなというのはわかるんです。だって、それは費用として、働いている方について、資格取得費はいいけれ
ども
ベビーシッターはだめよ、通勤費はいいけれ
ども
これはだめよということについての合理性が弱いのでその制度を修正するということであれば、私は
個人
的にはわかります。 一方で、認可保育園にはたくさんのお金が入っていて、かつ、認可保育園あるいは幼稚園についてはこれから無償化の
議論
もどんどん、これはもう浦野
理事
の
世界
でありますが、
議論
されていると
思い
ます。どんどんどんどん認可の部分、幼稚園あるいは認可の保育園についての拡充の
議論
がばあっと拡大している中で、無認可はどうなんだ、いわゆるベビーシッターはどうなんだという
議論
に対して、もしそれでバランスをとるという、要は、制度が穴があいているからとりあえず埋めておくよという
意味
ならわかりますが、この制度で制度間のバランスをとりましょうということであれば余りに無理があると私は
思い
ますが、いかがですか。
安藤政府参考人(安藤よし子)
115
○安藤
政府参考人
先ほど御
答弁
申し上げましたとおり、今回の要望につきましては、労働者の働き方や子育てを取り巻く環境が多様化する中で、なかなか保育の公的サービスだけでは対応できない
方々
がいらっしゃるというその部分につきまして、必要経費として税制で措置をしていこう、そういう発想から御要望申し上げているものでございます。
足立委員(足立康史)
116
○
足立委員
私は、別に厚労省のこういう
取り組み
について何か文句があるというわけではないんですが、要すれば、きょうはもう一つほかにもちょっと
内閣
府の制度について取り上げますが、何か新聞とかを読むと、ああ、そういうのに支援が入るんだなとみんな
思い
ます、私も思ったんだから。しかし、それをよくよく聞いてみるとこういうことであると、それはやはり期待値管理という点でも問題があるし、それから制度間のバランスという
意味
でも説明が十分じゃないのではないかな、私はこう思って、きょうはこれを取り上げさせていただきます。 ちなみに、所得控除で有名なのは
医療費
ですね。
医療費
はどおんと所得控除が、きょうはその
質問通告
をしていませんのでもうやめておきますが、私は、これは財源の問題ももちろんありますが、もし少子化対策に本気で取り組むのであれば、やはり
医療費
控除のような所得控除制度を、要は所得税から当該出費を控除するという、所得税の本丸のところに、給与所得者のところではなくて、本丸の所得控除のところにどういう費目を突っ込んでいくのかという
議論
をぜひ厚労省にはしていただきたい、こう思うわけであります。 あと、きょうは
内閣
府に来ていただいていますが、少子化対策について、育児だけじゃなくて結婚なんかも含めた有識者
会議
の提言が出た、こういうことであります。ちょっと概要を御紹介ください。
小野田政府参考人(小野田壮)
117
○
小野田
政府参考人
お答え申し上げます。
委員
御
指摘
の有識者
会議
、少子化
社会
対策大綱の具体化に向けた結婚・子育て支援の重点的取組に関する検討会でございますが、去る三月に閣議決定いたしました少子化
社会
対策大綱において重点
課題
に位置づけました結婚・子育て支援の
取り組み
を速やかに具体化することを目的といたしまして、有村
大臣
のもとで有識者に御
議論
いただいたものでございます。 先般、検討会におきまして取りまとめをいただきました提言におきましては、結婚支援についてその具体化を大胆に進めるべきこと、子育て支援やワーク・ライフ・バランスの推進についてより積極的に
取り組み
を進めるべきことなどを念頭に、具体的な
取り組み
の提言をいただいております。 具体的には、結婚支援につきましては、例えば、いわゆるおせっかいさん等結婚の仲介役を集めた場を通じたノウハウや経験の
共有
と人材育成の支援、結婚に向けたマッチングのための効果的な情報システムを構築する
自治体
への支援と優良事例の
共有
などの
取り組み
について提言がなされているところでございます。
足立委員(足立康史)
118
○
足立委員
まさにこれも、恐縮です、九月の最初の一般質疑ですから御容赦をいただきたいと
思い
ますが、新聞にも取り上げられていました。おせっかいさんという表現は
とも
かくとして、そういう、昔からあるいわゆる仲人ですよね、仲人みたいなものがもっ
とも
っと役割を果たしていっていただきたいということだと思うし、最近であれば結婚相談サービスみたいなものもあると
思い
ます。 先ほど浦野
理事
も地元の医療機関の話をされましたが、実は、地元の大阪の茨木市に私は事務所を構えているんですが、その事務所の下と上が結婚相談サービスなんです。そういう相談の方が建物にたくさん出入りをされていまして、社長さん
とも
近しくおつき合いさせていただいていますが、大変すばらしい
取り組み
だと思っています。 まさに彼らは彼らで、彼らというか、彼、彼女らですが、昔でいうと仲人に相当するような機能を、サービス業としてそれを提供していこうということで、いろいろネットワークしたり市役所と連携したり、もうさまざまな本当に価値のある仕事をされていると思っているわけです。 実は、何でこれを取り上げるかというと、たしか有村
大臣
のところで予算要求をされています。ちなみに、今御紹介いただいた研修の場みたいな、これは予算額は幾らですか。要望ベースで。
小野田政府参考人(小野田壮)
119
○
小野田
政府参考人
内閣
府におきましては、先ほどの検討会の提言を踏まえましてさまざまな予算要求をさせていただいておりますが、
委員
御
指摘
のおせっかいさんにつきましては、全国のおせっかいさん等結婚の仲介役を集めた
研究
、相互交流の場によるネットワークの構築経費、ノウハウの
共有
を図るために、結婚支援者等による連携
会議
の開催経費として約一千二百万円を要求させていただいているところでございます。
足立委員(足立康史)
120
○
足立委員
いいですか、
皆さん
。一千二百億円じゃないですよ、一千二百万円です。私が秘書に払っている残業代、一応払うようにしたんですけれ
ども
、払っておりますが、ちょっと話題が悪いですね、それに毛が生えたぐらいの国家予算でありまして、私はこれをやるなとは言わないけれ
ども
、きょうは厚労
委員会
でありますが、
内閣
府のこの少子化
社会
対策大綱の具体化に向けた結婚・子育て支援の重点的取組に関する検討会の提言の一丁目一番地の二番目が一千万ちょっとでありまして、実はその前に、市町村がそういう結婚サービス業と連携したりするときのいろいろな予算がありましたね、三十億ですか。その予算も来年度は二十五億になるということであります。 では、有村
大臣
のところの予算は総額で、ごめんなさい、この今申し上げているテーマの周りね。今回、保育の予算が動くのかな。動くんですね。保育の話は、僕らがカウントするときは、例えば
厚生労働省
の予算全体はふえていますね、それは
内閣
府に動かしたものを入れるとふえていますねという
議論
をしていますので、それをちょっとどけておくと、有村
大臣
のところの予算、それをどけると幾らですか。
中島政府参考人(中島誠)
121
○
中島
政府参考人
委員
御
指摘
のように、この四月から、
子ども
・子育て支援新制度の財源については
内閣
府に一元化でございます。基本的に、この
子ども
・子育て支援新制度に係ります保育所等の経費、それからいわゆる十三事業と言われている放課後児童クラブ等の事業等々を含めまして、七千二百五十億円でございます。 ただ、これは、さらに少子化対策については、今後の量の拡充、質的向上部分については別途事項要求とさせていただいているところでございますので、基本的には七千二百五十億プラス事項要求という規模でございます。
足立委員(足立康史)
122
○
足立委員
私、先ほど結婚に関する話をちょっと取り上げましたが、今御紹介があったいわゆる幼保一元化あるいは放課後児童クラブ、それをどけると幾らになりますか。
中島政府参考人(中島誠)
123
○
中島
政府参考人
今
委員
御
指摘
のものをどけますと、いわゆる少子化対策の総合的推進等ということでは三億円ということでございます。
小野田政府参考人(小野田壮)
124
○
小野田
政府参考人
恐縮でございます。 三億プラス、先ほど
委員
御
指摘
いただきました地域少子化対策強化交付金がございまして、これは実は従来は補正対応させていただいておりまして、本予算という
意味
ではまだ計上されておりません。ぜ
ひと
も我々は恒久化をなし遂げたいと思っておりますので、その分がプラスされておりますので、本年度に比べるとかなりの増というふうに我々認識しております。
足立委員(足立康史)
125
○
足立委員
正確に今理解をすることができました。今御紹介いただいたように、通常予算では三億、私が御紹介申し上げた三十億とか二十五億というのは補正だ、こういうことですね。 だから、
委員
の
皆さん
にも
政府
の
皆さん
にも私は御
指摘
を申し上げたいのは、少子化対策、少子化対策と言っているけれ
ども
、三億ですよ。そして、一丁目一番地の二番手のこの項目が、これは新聞にも出て、こういうことをやりますと出ているんだけれ
ども
、それは一千二百万だと。私は、やはりこれが今の自公
政権
の現実だと
思い
ます。 ぜひ、我々が、当初申し上げたように、政党の枠組みもいろいろ動きますが、何としても野党第一党をとって、自公
政権
に対して、予算の配分というものを現役世代の支援にシフトさせていくような政治を本当にやっていきたいと思っているんです。その象徴が、きょう御紹介申し上げた、ベビーシッター等に係る特定支出控除は、申し上げたように数人しか使っていない制度、今はふえても二千人しか使っていない制度。そして、予算についても一千数百万とか三億とか、そういうことを言っている場合ではないということをお訴え申し上げて、私からの
質問
を終わります。 ありがとうございました。
渡辺委員長(渡辺博道)
126
○
渡辺委員長
次に、
高橋千鶴子
君。
高橋(千)委員(高橋千鶴子)
127
○高橋(千)
委員
日本
共産党の
高橋千鶴子
です。 確定拠出年金法が先週採決され、
参議院
に送られるのがあすの本
会議
で確定をすることになりますけれ
ども
、今後の
年金制度
の見直しに関係すると
思い
ますので、その
質問
で残した部分から始めたい、このように思っております。
大臣
にまず伺いたいと思うんですが、確定拠出年金法案は、老後に向けた
個人
の
自助努力
を行う環境を
整備
することを目的としている、このように答えているわけですよね。 法案の土台となった
企業
年金部会における
議論
の整理によると、「おわりに」のところで、「
我が国
においても、老後所得保障の柱は公的年金ではあるが、私的年金の役割が必然的に高まる中で、公的年金の中長期的な給付調整が不可避であることを踏まえれば、むしろ積極的にそのあり方について普及・拡大を図る
観点
からの
議論
を深めていく必要がある。」とまとめているわけです。 つまり、私的年金はふやしましょう、そして、公的年金は、柱のはずであるけれ
ども
、今後デフレ下でもマクロ経済スライドで削減をしていくことや、支給開始年齢の先延ばしなど、給付は今後も減っていくことが前提で、
国民
には
自助努力
で補完せよ、そういう趣旨なのかなと思っておりますが、いかがですか。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
128
○
塩崎国務大臣
今回御採決を賜った確定拠出年金法案は、
企業
年金の普及拡大を図ると
とも
に、老後に向けた
個人
の継続的な
自助努力
を支援するということを目的にしたものでございまして、法案化に当たって
議論
が行われた
社会保障
審
議会
企業
年金部会では、ライフコースや働き方の多様化などに対応いたしました
個人
の
自助努力
の仕組みが必要であって、公的年金の中長期的な給付調整が行われる中で、公的年金を老後生活の柱としつつ、これを補完する
企業
年金制度
等の重要性が高まる、公的年金と私的年金を組み合わせて老後の所得確保を図るという先進国共通の傾向などの視点を踏まえて
議論
が行われたというふうに承知をしているわけであります。 このように、今回の法案は、
企業
年金制度
等を取り巻くいろいろな状況変化がございますが、それらを勘案して立案したものでございまして、御
指摘
のような公的年金の個別の政策を念頭に置いたものではないというふうに
思い
ます。
高橋(千)委員(高橋千鶴子)
129
○高橋(千)
委員
中長期的な給付調整ということをおっしゃっているわけですよね。だから、
企業
年金は、そもそも公的年金を補完するものである。ですから、よりよい老後といいましょうか、所得保障をもう少し豊かにしたいとか、さまざまなことはあり得るんだと思うんですよ。だけれ
ども
、柱は公的年金だと言っているときに、給付調整が不可避であるということを前提に置いているのは問題だと言っているわけです。 これは、
大臣
が、
予算委員会
の私に対する
答弁
の中でも、公的年金だけで賄えるとは思っていない、それは前提としていないという
答弁
をされました。その上で、足りない、しかも、これからだんだん調整していくんだからということがまず念頭にあって、やはり補完をしなくちゃいけないなという
議論
が始まっているんじゃないかということを
指摘
させていただいたんです。 私が反対討論でも述べたとおり、
国民
年金法は第一条に憲法二十五条第二項の理念を明記しているわけですね、国の責任を明記している。そういう立場からいっても、公的年金を諦めるというんですか、そういうことはやはりあってはならないということを言いたいと
思い
ます。 それで、きょう
議論
したいのは、これ以上公的年金を縮減することが何をもたらすだろうかということ、もう一つは、結果として、成長戦略である私的年金、保険の
活性化
や資産投入による株価対策、こうしたことにほかならないのではないかということです。 まず参考人に聞いていきますけれ
ども
、現在、公的年金あるいは恩給が収入の全てという高齢者世帯はどのくらいでしょうか。
姉崎政府参考人(姉崎猛)
130
○
姉崎
政府参考人
お答えをいたします。 私
ども
の方で
国民
生活基礎
調査
という
調査
を実施しておりますけれ
ども
、この
調査
の中で各種世帯の所得の状況について
調査
をしております。 お尋ねの、公的年金、恩給が収入の全てという高齢者世帯の割合につきましては、
平成
二十六年で五四・二%というふうになっておりまして、直近三年間を見てもおおむねこれと同様の水準になっているということでございます。
高橋(千)委員(高橋千鶴子)
131
○高橋(千)
委員
今、二十六年度の数字をいただいて五四・二%、若干割合が下がっているかなというふうに
思い
ますけれ
ども
、収入の八割以上、ですから、ほとんど年金に頼っているという方が大体七割くらい、そしてほとんど年金だけだという人が六割近いというのがこれまでも
議論
してきた中身ではないかなと思っているんですね。ですから、そもそも、確定拠出年金をやったときは、
自助努力
でふやしましょうという話なんですけれ
ども
、その
自助努力
の余力のない
人たち
がいるということではないかと思うんです。
国民
年金の受給者は三千百九十六万人、平均月額は約五万円にすぎません。厚生年金保険、老齢年金の受給平均月額も
平成
二十五年度が十四万八千四百九円で、五年間で見ると八千円減額している、こういう状況だと思うんです。そうすると、当然、そのもととなる標準報酬月額、つまり現役世代のお給料が少し下がってきていると
思い
ますが、いかがですか。
香取政府参考人(香取照幸)
132
○
香取
政府参考人
お答え申し上げます。 年金額のベースになりますのは、御案内のように、標準報酬月額ということになります。いわゆる毎勤統計の数字とは若干違いますが、年金のベースになる数字ということで申し上げますと標準報酬月額になります。 標準報酬月額は、
平成
二十年度の後、リーマン・ショック等で一旦落ち込みましたが、その後微増の傾向にございまして、一番底が
平成
二十一年度末で三十万四千百七十三円、その後少しずつ回復しまして、二十五年度末で三十万六千二百八十二円となって、二十六年度末は、速報値でございますが、三十万八千三百八十二円、そういう傾向になってございます。
高橋(千)委員(高橋千鶴子)
133
○高橋(千)
委員
これも
資料
をつければよかったんですが、この五年間の間に二度減が立っておりますね。今この瞬間は、やはりアベノミクス効果もあって若干上がったということだったと思うんですが、年金の
資料
の評価としては横ばいということではないかなと思っております。 それで、昨年の十月の十五日の本
委員会
での
質問
で、年金を一番最初にもらうとき、新規裁定といいますが、所得代替率は五割を超えているけれ
ども
、年々これが下がっていくだろう、長生きすればするほど年金は減っていくという
指摘
を私やりました。そのときの
香取
年金局長の
答弁
は、それはも
とも
と想定された基本的な制度の仕組みそのものという
答弁
をされたわけですね。私、正直、平然と
答弁
されたので衝撃だったわけです。ほとんどの人はそういう理解をしていなかっただろうと。 つまり、
平成
十六年、二〇〇四年の改正というのは百年安心と言われたわけで、保険料
とも
らう年金のバランスを百年かけてとっていくんだという話の中で、その中で所得の半分は保障しますよと言っていたんだけれ
ども
、保障するのはもらう瞬間だけだった、どんどんどんどん減っていくんだということをそのときに改めて
指摘
をさせていただいたわけです。 しかも、昨年の財政検証でも、経済が上向き、かつ厚生年金にパート労働者がどんどん入ってくる、それから高齢者の就業
人口
がどんどんふえてくる、そういう
改革
が前提であれば大体想定どおりということで、逆に言うと、そうならなければもう計算が成り立たないということを示していたというふうに
思い
ます。 それで、
資料
の一枚目を見ていただきたいんですけれ
ども
、これは男女別の、あるいは年齢別公的年金の収入割合を見ています。これを見てみると、総体的に公的年金の収入自体が少ないということがわかると思うんですが、その上で、上が男性で下が
女性
ですけれ
ども
、男女の差が大きいです。男性は二百万以下が五五%、
女性
は百万円以下が六割強に張りついている。ですから、男女の賃金格差が生涯の年金格差になっているということはこれまでも
指摘
したことだと思うんですね。
政府
は、専ら、現役世代と高齢世代の格差を何とかしなければと、要するに、年金をもらい過ぎだから現役世代の負担が大きいという構図ばかりを強調します。だけれ
ども
、現役世代の中の格差、そもそも非正規労働者が今や四割と言われる現在、年金給付額のもととなる標準報酬月額、給料を上げていかなければやはりこの現実を変えられない、そう
思い
ますが、それがまず大きな
課題
だと
思い
ますが、
大臣
の認識を伺いたい。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
134
○
塩崎国務大臣
おっしゃるとおり、給料が上がっていくということが年金にとってもプラスであるということは間違いのないことでありまして、それがゆえに、経済の
活性化
を絶えず図っていくということは年金にとってもプラスだというふうな理解だというふうに
思い
ます。
高橋(千)委員(高橋千鶴子)
135
○高橋(千)
委員
まずそのことを確認していきたいと
思い
ます。尾ひれがつかなかったのでよかったなと思っておりますけれ
ども
。 こうした中で、今年度最初の年金支給日が六月十五日でした。漏れた年金情報問題でちょっと
関心
がそっちにぐっと行ってしまったんですけれ
ども
、この日は、初のマクロ経済スライドが適用されたという日であります。 そこで、
資料
の二枚目を見ていただきたいんですが、ことし二月十五日付の産経新聞です。この冒頭を読みますけれ
ども
、「日銀は、賃金や物価の上昇分より年金額の伸びを低くする「マクロ経済スライド」が
平成
二十七年度から初めて導入されることなどを踏まえ、公的年金の支給額の抑制が景気や物価に与える影響を新たに分析する方針だ。」と言っている。真ん中のところに、この間、特例水準の解消などで実質目減りをしてきたという中で、「年金生活者の消費が鈍っている可能性がある」という
指摘
をしていて、一番下の段の真ん中のところに、「年金生活者の消費意欲の低下も影響している」、つまり景気の伸びにですね、そういう記事がありました。 それで、私、実は日銀に、
調査
をするというので、何かやっているんですかと聞きました。そうしたら、いやいや、出せるものはありませんと言われたんです。それで参考となる
資料
としていただいたのが、三枚目の三井住友信託銀行の
調査
月報というものであります。これが今紹介した記事と基本的に同じ
考え
方だなと思っているんですね。
総務省
の家計
調査
をもとに出したグラフが下にありますけれ
ども
、二〇一四年度の消費支出で見ると、勤労者世帯は〇・一%の減に対して、高齢者世帯が〇・九%も落ち込んでいる。やはり、賃金を受け取っておらず、年金で生活している高齢者の影響が見落とされていたと
指摘
をしている。つまり、消費がなかなか回復しませんね、その影響は年金生活者の消費動向がありますねということを
指摘
しているわけですよね。 これは、
考え
れば当たり前というか、
高齢化
が進んでいるわけですから、地域の経済の担い手、買い物をする人の割合が、高齢者がふえてきているわけですよね。一割から二割というふうな
指摘
もあるわけです。だから、私
自身
、こういう問題を
指摘
したことはあったんですが、民間銀行のレポートでもこうした
指摘
が出たことというのは重要ではないかなと思っているんです。 そこで、この認識が
一緒
でいいですかということを
大臣
に伺いたい。つまり、高齢者の消費動向がやはり景気指標に影響を与えますよねということ、それから、昨年度は、年金は実質減ということで、増税もありましたし、それはやはり影響はありましたよねということは共通の認識でよろしいでしょうか。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
136
○
塩崎国務大臣
私も日銀出身なものですから、実際に聞いてみました。 基本的には、マクロ経済政策をやっているのが中央銀行でありますから、年金の問題だけに特化して何かやるということはあり得ないだろうと
思い
ます。しかし、
高齢化
が進む中でどういう影響が特に
個人
消費を
中心
に出てくるのかということは、恐らくそれは絶えず
研究
をしているし、最近、やはりこのところ
高齢化
はどんどん進んできていますし、これからも進むという
意味
においては、確かにそういうことは中央銀行は
考え
ていくだろうというふうに
思い
ました。 景気動向はさまざまな要因によって規定をされるわけであって、御
指摘
のような点が景気にどのように影響をしたかという点については、そう簡単に決めつけるわけにもなかなかいかぬなというふうに思うわけで、逆に、特例水準を解消してマクロ経済スライド調整を実施するなどの措置が講じられなかったら、将来世代の給付を削って現在の高齢世代の給付に充てていることにほかならないわけで、将来への不安から、今度、逆に、
社会
全体の消費が冷え込むというような可能性すら
考え
得るというふうに思うんですね。 むしろ、
年金制度
というのは、現役世代からリタイアされた世代への所得移転を行うということであるわけでございますので、労働力
人口
が減少する中で、
女性
や高齢者の労働参加を促進するなどによって、分配の原資となる経済全体の持続的な成長を図ることが重要でありますし、若い世代の
方々
のお給料が上がる、つまりこれは経済が成長するということでありますから、ますますもってアベノミクスは重要だということで、それを機能させていかなければいけないということにおいて、さまざま、新たなことを含めて、これからさらに経済を強くするために頑張らなきゃいかぬなということを改めて思うところでございます。
高橋(千)委員(高橋千鶴子)
137
○高橋(千)
委員
せっかく一致できるところから
議論
を進めていったら、いきなりアベノミクスは重要だという
議論
になっちゃったので、非常に残念に思っていますが、そこは分解してやはり一つずつ
議論
していきたいと思うんですね。 それで、四枚目に、日銀が、本当にシンプルなんですけれ
ども
、
資料
をつくってくださったんです、私がしつこいものだから。 今おっしゃったように、特例水準の解消で、一三年度の下期からマイナス一%、一四年度マイナス一%、一五年度マイナス〇・五%、マクロ経済スライド、年金改定率ということで、今年度は〇・九%でプラスが立っていますが、昨年度と一三年度がマイナスだということで、この下の表が、今得られる
資料
ではこれですということで出してきたのが
内閣
府の消費動向
調査
ということで、一三年度のまさに特例水準の解消でがっと下がったときからぐっと下がっているということがちょっとリアルに出てきましたねということです。 これはカラーじゃないのでちょっと見にくいんですが、それまでは年金所得の方
たち
はある程度は購買力があったんだけれ
ども
、やはり実質、年金が下がってしまったことで購買力が、他の所得、給与所得のある人、事業所得のある人と比べても残念ながら下がっているねということは見てとれるということで、日銀の
皆さん
と認識を一致させたところなんですね。 そういうところからまず
議論
をして、若い人の所得を上げることが大事だよねということと、高齢者の所得がやはり景気にも影響を与えますね、そこは一致できると思うんです。そうですよね。いいですよね、そこは。 その上で、では、本当に間に合うかどうかという
議論
をしていきたいなと思うんです。 ここを違うと反論されますか。いいですよね、ここ。
大臣
、進めてよろしいですか。違うと反論されますか。日銀に聞いたと
大臣
おっしゃっているんですから、よろしいですよね。 ということで、進めたいと
思い
ます。 そこで、年金給付とGPIFの関係であります。年金積立金の運用の問題であります。
国民
年金、厚生年金保険も、いわゆる確定給付型であって、運用次第で、つまり運用でうん
とも
うけたとか、あるいはうんと穴があいたとか、そういうことで将来の給付額が減ったりふえたり、つまり連動したりということはないという理解でよろしいですか。
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
138
○
塩崎国務大臣
公的年金は、将来の保険料水準を固定した上で、積立金の活用を含めて、おおむね百年程度の財政均衡期間を通じて年金財政の均衡が保たれるように年金額の水準を将来に向けて調整していく仕組みというのがマクロ経済スライドということで、百年先まで見通したものということで今回仕組んだわけでありますが、この仕組みにおいて、一般論としては、
人口
構造とかそれから就業構造などの長期間の動向と同様に、長期間の年金積立金の運用実績、これが将来の年金額の水準に影響を与えることはあり得るわけであります。 なお、年金額は、物価または賃金の変動に応じて改定される仕組みとなっておりまして、単年度の運用実績を理由として年金額が改定されるものではないということであります。 年金積立金は将来の年金給付のための貴重な原資でありますから、その運用は、年金財政上必要な運用利回りを確保するという、私
ども
何度もここで御説明しておるようなことでございまして、
法律
で、専ら被
保険者
の利益のために、長期的な
観点
から安全かつ効率的に行うこととされているわけでありますから、今後もしっかりと適切な運用に努めてまいりたいというふうに
思い
ます。
高橋(千)委員(高橋千鶴子)
139
○高橋(千)
委員
五年ごとの財政検証をやっているわけですから、例えば就業構造に大きく変化があったとか、そういうさまざまな条件をきちんと見てやる制度になっているわけですよね。だから、それが、今
大臣
がおっしゃったように、単年度の運用でどうにかなることはないのだということをまず確認しました。 それで、実はそのことをことし二月二十七日の
予算委員会
で
総理
に伺いました。というのは、
総理
がアベノミクスで二十五兆円もふえたんだということをおっしゃったので、もっとふえたんだという
答弁
でありましたけれ
ども
、年金資産がふえたというふうにおっしゃるので、そうすると年金受給者に還元されますかという
質問
をしました。答えはノーであって、実際には約百四十兆円の資産運用残の中に溶け込んでしまっているわけですよね。 だから、アベノミクスで年金もふえるかのように誤解を与えてはならないということがまず言えると思うんですが、問題は、私が言いたいのは、積立金は将来約束した年金が払えるようにつじつまが合っていればいい、損していいという
意味
ではないですよ、つまり、とんとんであればいいという
意味
だと
思い
ますが、間違いありませんか。
香取政府参考人(香取照幸)
140
○
香取
政府参考人
つじつまが合うという
日本
語が適切かどうかというのはちょっと申し上げかねますが、今
大臣
から御
答弁
申し上げたように、
年金制度
は、現在であれば、百年間の収入と支出の均衡を図り、その間の経済変動や
人口
変動等々を予測し織り込んで、全体として均衡がとれるというふうになっておりますので、その
意味
では、長期的な収入と支出の均衡がとれているという状態にあるということが重要だということになります。 その場合に、積立金は、今のその収入、支出の関係でいえば、いわば収入、入りに相当するものになります。前にこの場でも御
答弁
申し上げましたが、
年金制度
は、そもそも、先ほど
先生
の御
質問
にもありましたように、保険料は賃金で決まります。賃金はその時々の経済の状況で決まります。賃金の水準で年金が決まりますので、給付が決まりますので、いわばどういう経済動向になるかによって年金の水準が決まってくるということになります。 ということになりますと、積立金の運用に関しては、基本的には、その時々の経済の状況を適切に反映する、つまり、成長しているときにはきちんとその成長の果実を年金がとるということがやはり必要だということになります。そういう
観点
で、年金の運用については、一定の財政検証のもとで必要な運用利回りを設定し、その利回りが安全、確実に確保できるという形で運用するということになります。 その
意味
でいいますと、長期的に均衡がとれているということがもちろん必要ですが、そのときに、年金の積立金の運用というのは、将来の年金給付を確保していくという
観点
では非常に重要な要素ということになりますので、積立金の原資及び運用益は文字どおり将来の給付の原資ということになりますので、いわばそういう
観点
で必要な運用利回りを確保するということを安全、確実に長期的に行っていくというのが運用の要諦ということになろうかと
思い
ます。
高橋(千)委員(高橋千鶴子)
141
○高橋(千)
委員
おっしゃったことはそのとおりなんですけれ
ども
、この間の
議論
で、今予定利率が云々とおっしゃったと思うんですが、私が言っているつじつまというのは、どういう表現をすればうまくはまるかなというのでちょっと困ったんですけれ
ども
、要するに、今、積立金を極端にふやさなければならないとか、とても厳しい状況にあるとか、そういうことではなくて、長い目で整っていればいいという
意味
で
指摘
をしたわけであります。 一九九九年十一月二十四日の厚生
委員会
の矢野年金局長
答弁
、これは自主運用に積立金を変えたときの
答弁
ですが、例えば、予定利率の四%を達成できなければ年金財政がおかしくなるということではないと言っている。それはどういうことかというと、物価が落ちついていれば、運用利回りが四%を達成できなくても、収支見通しは基本的には関係ない、実質的な運用利回りと賃金と物価上昇の相対的な関係が維持できれば年金財政に影響がない、それが自主運用の一つの目標になるだろうとおっしゃっている。 だから、今、経済に合わせてということで、よく言われるのが、国債だけだと経済が成長したときは云々という話をされたわけですけれ
ども
、そういうこ
とも
あって、今のように経済が落ちついていれば、極端にふやさなければならないということではないし、四%とらなくてもいいという
議論
をしてきたという、これは基本は同じだと
思い
ますが、どうですか。
香取政府参考人(香取照幸)
142
○
香取
政府参考人
同じことになるんですが、この間、GPIFの運用利回りが過去十年たしか二・数%で、例えば、世の中のほかのいろいろなファンドが四とか五とかで回っているときに、あるいは外国のファンドが五で回っているときに二は低いではないかという
議論
がありましたが、御案内のように、この間、
日本
はデフレだったので、賃金、物価はマイナスだったということがあります。 申し上げたように、
年金制度
の給付は物価、賃金で決まりますので、その
意味
では、それに対してどれだけスプレッドがとれているかというのが問題ということになりますので、絶対的な運用水準は、ある
意味
では重要ではないということになります。 他方で、例えば物価が二%で動いている、あるいは賃金が二%で成長しているときに、〇・数%の国債のみで運用するということになりますと、それは結局、いわゆる運用負けをすることになって、実質的な積立金が目減りをするということになります。となれば、ある程度成長軌道にある状況の中では、それを前提に年金の運用水準を
考え
るということになります。 現在の財政検証では、賃金の名目成長率プラス一・七%、いわばその時々の経済水準に対してそれだけのスプレッドをとるという形でお示しをしておりますので、非常に成長が低い段階であれば、それを前提にスプレッドを
考え
るということになりますので、その
意味
では、例えば四なら四という絶対的な水準で運用を評価するということではないという
意味
では、確かに御
指摘
のとおりかと
思い
ます。
高橋(千)委員(高橋千鶴子)
143
○高橋(千)
委員
そういうことなんですよ。これまではデフレの水準だったから無理にしなくてもいいわけでしょう。だけれ
ども
、これからは、必ず上がると
皆さん
思っているわけじゃないですか。必ず上がるから、うんと上げなきゃいけない。だけれ
ども
、それが今回のポートフォリオの国内株と外国株を五割にまでする理由になるのかということとは、やはり私は違うだろうということを言いたいわけなんです。 ちょっと細かい話をしていたら、もう時間の紙が回っておりまして、またしても問いを残してしまったわけなんですけれ
ども
。 ですから、長い目で見ればとんとんになればよいということを盛んに
大臣
はおっしゃるわけじゃないですか。つまり、リスクをとって大丈夫なのか、何兆円も赤字が出たらどうするのかと言うと、それは長い目で見ればいいんだとおっしゃる。だけれ
ども
、ふやさなきゃというときには、いやいや、経済は成長するからふやさなきゃいけないと言っていることは、ある
意味
、ちょっと相反していると思うんです。 やはり、長い目で見ればいいということであれば、何も今、急速に株の方向に、あるいは、株だけではありません、きょう
質問
したかったんですけれ
ども
、短期運用の枠で五%、インフラ投資やプライベートエクイティーや不動産その他運用
委員会
の議を経たものということで、より投機的な方向に振れようとしている。そういうことに対しても、やはり問題があるのではないかと
指摘
をしたいと思っています。 運用
委員会
の
議論
の中には反対
意見
もありました。「現行のポートフォリオと比べて、今回の変更案は明らかに大幅な変更である。 私は結果として導き出されたこの数字について、
国民
が理解し、納得することはないだろうと思っており、その
意味
において、
年金制度
に対する信頼を揺るがしかねないということで、反対をさせていただきたい。」こういう
意見
もあったわけですね。 だけれ
ども
、この
議論
だって公開されていないわけですよ。議事要旨しかないということでは到底
国民
が理解できるはずはないだろうということを
指摘
して、また時間になってしまいましたので、次の機会にしたいと
思い
ます。 ありがとうございました。 ————◇—————
渡辺委員長(渡辺博道)
144
○
渡辺委員長
次に、
内閣提出
、
参議院送付
、
勤労青少年福祉法等
の一部を改正する
法律案
を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。
塩崎
厚生労働大臣
。
—————————————
勤労青少年福祉法等
の一部を改正する
法律案
〔本号末尾に掲載〕
—————————————
塩崎国務大臣(塩崎恭久)
145
○
塩崎国務大臣
ただいま議題となりました
勤労青少年福祉法等
の一部を改正する
法律案
につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。 少子化に伴い若年労働力
人口
が減少する中で、次代を担うべき青少年が安定した雇用の中で経験を積みながら職業能力を向上させ、働きがいを持って仕事に取り組んでいくことができる
社会
を築くことが、
我が国
の経済
社会
の発展を図る
観点
からも重要な
課題
となっています。 このような状況を踏まえ、青少年の雇用の促進等を図り、その能力を有効に発揮できる環境を
整備
するため、青少年の適職の選択並びに職業能力の開発及び向上に関する措置等を総合的に講ずることとし、この
法律案
を提出いたしました。 以下、この
法律案
の内容につきまして、その概要を御説明いたします。 第一に、勤労青少年福祉法の題名を青少年の雇用の促進等に関する
法律
に改め、その内容を抜本的に改正することとし、青少年の適職の選択を促進するため、一定の労働関係法令違反の求人者からの求人の申し込みを公共職業安定所において受理しないことができるようにすると
とも
に、新規学校卒業者の募集を行う
企業
が青少年の適職の選択に資する情報を提供する仕組みを設けることとし、あわせて、青少年の職場への定着の促進に関する
取り組み
等の実施状況が優良であることなどの基準に適合する中小
企業
についての認定制度を創設することとしています。また、国は、職業生活を円滑に営む上での困難を有する、いわゆるニート等の青少年に対して、自立を支援するための施設の
整備
等の必要な措置を講ずるよう努めなければならないこととしています。 第二に、青少年を初めとした働く
方々
の職業能力の開発及び向上を促進するため、職業生活設計の策定等を支援するキャリアコンサルタントの登録制度を創設すると
とも
に、国は職務経歴等を明らかにするジョブカードの普及に努めることとするほか、技能検定の実技試験の実施方法を見直すこととしています。 最後に、この
法律案
の施行期日は、一部の規定を除き、
平成
二十七年十月一日としております。 以上が、この
法律案
の提案理由及びその内容の概要でございます。 御
審議
の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
渡辺委員長(渡辺博道)
146
○
渡辺委員長
以上で趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る四日金曜日午前八時四十五分
理事
会、午前九時
委員会
を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時五分散会