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白須賀委員 御声援、ありがとうございます。自民党の
白須賀貴樹でございます。
まず初めに、このような
質問の機会を頂戴いたしまして、心から感謝を申し上げます。
最初に、私の昔話から始めたいと思うんですが、私は、実は二十のときに父親を亡くしまして、その後、
歯科大学の
学生だったので、
自分で学費を稼いだりしなくてはいけないので、さまざまな
仕事をしました。その中の
一つが、ホームヘルパー二級の
育成講座、
養成講座を
立ち上げました。千葉県
野田市の愛宕というところで学校を開かせてもらって、たくさんの方に受講してもらったりしたんです。
そのときに、私の
講座を受講してもらったヘルパーの
受講者の
方々、二割ぐらいは
男性の方でした。それも五十代ぐらいの、少し中年の
男性の
方々が多くて、その
方々と話をしますと、やはり御両親の
介護の面倒を全部妻に任せているので、少しでも
自分がその力になりたいとか、
あと、
自分が母親に大分迷惑をかけてきたから少しだけでも親孝行したい、そのような
思いで受講された
方々がほとんどでございました。
そして、その
方々からよく相談があるのが、
自分は
仕事が忙しいから、少しだけでも親孝行したいんだけれども何ができるだろうと。そういうときに私は、まだ弱冠、
歯科大学の
学生でございましたが、生意気ながら
アドバイスをさせてもらって、たったの三分で親孝行ができる、お
うちに帰って、
お父さん、
お母さんが使われている
入れ歯を洗ってくれと。ただ洗うと、下の陶器の
洗面台に落とすとプラスチックなので割れちゃうので、水を張ってもらって、そこで洗ってもらって、その後ポリデントとかそういった
消毒剤に入れてくれと。
入れ歯には細かい傷や穴があるので、そこに
細菌がすみ込んでしまう。そして、お口の中の
細菌は、例えばちょっとかりかりっとやった先につく一ミリグラムぐらいで約十億の
細菌がすんでいます。その
細菌を寝ている間に間違ってのみ込んでしまう。胃に落ちてしまえば胃酸で敵を殺せますけれども、肺に落ちてしまうと、その
細菌が広がってしまって、いわゆる誤
嚥性肺炎が起きてしまう。これがやはり七十歳以上の死因の第三位の中にいつも毎年入っているので、
入れ歯を洗浄してあげることも、結果的に
お父さん、
お母さんの
肺炎予防になって、
健康増進になって、三分で終わるから、これは毎日続けてあげてください、そんな
アドバイスをした
思いがあります。
やはり、
社会保障の
分野、
介護の
分野と、バファリンの半分は優しさでできておりますから、そういった
社会保障というのは優しさの積み重ねで起きているものだということを私はまず前提としてお話をさせてもらったところでございます。
大臣が笑ってくれないところはちょっと寂しかったんですけれども。
では、今回の
社会福祉法人の
改革の話の方に入らせていただきます。
また私のちょっと古い話で申しわけないんですが、私自身、
社会福祉法人を
立ち上げました。それも、例えば業者さんとかに
書類を任せて
設立だけやったのではなくて、実は、一から全部、
電話帳ぐらいの厚さのある
申請書類を全部
自分で書いて
社会福祉法人を一から
設立させてもらいました。
社会福祉法人の
設立というのは、
皆さんは余り聞いたことがないと思うんですが、まず
最初に
設立するときには、何かをやりたい、例えば私の場合だったら
保育園をつくりたい、そのときに、同じ
思いの人間を地元の中で、手を挙げてもらって集めなきゃいけません。いわゆる
理事メンバーという形、
最初の
立ち上げの
メンバーを集めなければいけません。
私の場合は、
流山青年会議所という
JCの
仲間に声をかけまして、その
JCの
仲間から、どういう
保育園をつくりたいんだ、いろいろな
意見を合わせながら、例えば、
野田や
流山のところでは
太鼓が有名なので
太鼓を
子供たちに教えたいとか、また、
子供のちっちゃなころから英会話を教えてもらいたいとか、さまざまな
意見を取り込んで、そして
準備委員会というものを
立ち上げて、そして、その
理事の中から
寄附行為をする
代表の人、つまり
代表理事が私になりまして、そのときには、
寄附行為をするときにはその
代表理事が
法人に
寄附をするんですけれども、結果的に数千万円の
お金を
寄附することになります。
そのときに、その
寄附がしっかりと行われるように、実は、その
理事の中から
保証人をつけなければいけません。そして、
理事メンバーは六人以上、そしてまた監事が二人という条件があるんですけれども、これはいろいろな
ローカルルールでずれるかもしれませんが、その六人の中には、三親等以内の親族はたった一人しか入れられません、
自分以外に一人しか入れられません。
私の場合は、
うちの
家内を入れました。
家内は同じ
大学の
歯科医師で、
保育園をやりたいということで、
保育士の
資格も取りに行って、
施設長の
資格も取って、そして、
保育園をやりながら歯医者をやっていましたので、本人がもう園長の
資格があったので
理事に入れさせましたけれども、彼女は私の
保証人になることができない。
つまり、残りの四人の赤の他人の方に
保証人になってもらわなくちゃいけない。しかも
連帯保証ですから非常に大きな足かせなんですけれども、それでも私のことを信頼してもらって、そういう方がついてもらって、そしてその中で、僕
たちがみんなで
議論したその
保育園とかその
法人の理念とか信念をしっかりと書き込んで、それを県へ持っていって、市と県とをすり合わせて、その県の職員が、私のその情熱を
第三者委員会のところでしっかりと
説明をしてもらって認可をいただくという形が、
社会福祉法人の考え方なんです。
ですから、
社会福祉法人の成り立ちというのは、その
地域地域の本当に信頼をしていただける方がやはり
理事長にならなくちゃいけない。私がそれに足りていたかどうかはよくわかりませんが、そういう形で信用してもらって、そしてまた
自分たちの
思いもしっかりと書いて、一から人を集めて、そして
寄附行為をして、初めて
社会福祉法人は成り立ちます。
ですから、本当に、ある
新聞等とかでは
社会福祉法人に対して余りいい書き方をしてくれていない、余り言うとまた問題が起きちゃいますけれども、余りいい捉え方をしてくれていない
新聞等もあるときもあります。でも、違うんですね。
最初の
立ち上げは
思いがやはり強くないと、これはつくり上げることができないことが
一つ。
そしてまた、例えば
株式会社とかが
保育園の方に参入していて、
社会福祉法人だけが優遇されているとかいろいろなことが言われておりますが、例えば
社会福祉法人が万が一解散するときには、その持っている
資産は全部国庫に寄贈されます。でも、例えば
株式会社が解散するときには、これは株主の方に分配されます。これは決して、もう
寄附した時点で返ってこない、行ってこいの金だ、出したままの金だという状態で
社会福祉法人というのはつくり上げるんです。
ですから、どうか、この場にいる
方々の
共通認識で、まずは、そういった
皆さんの善の
思いで
社会福祉法人というのは成り立っているということを
認識として持っていただきたいと
思います。
そしてまた、
社会福祉法人というのはさまざまな種類があります。
特養から始まって、
保育園もそうですし、そしてまた
障害者の
方々の団体を
支援したり、
生活困窮者の
方々を
支援したり、本当に広い範囲の、そして、一くくりで
社会福祉法人と言われておりますから、大きなところから小さなところまで、さまざまなものが混在しております。ですから、そのことも
重々皆様方にも御理解をしてもらいたい。
そして、まず
最初、
資料の方を見ていただきたいんですけれども、「
特別養護老人ホームの
内部留保について」という、この
資料でございます。これを見ていただきますと、ざっと言いますと、
発生源内部留保が一
施設当たり三億一千三百七十三万、そういうふうに出ております。恐らく、この
資料とこの
数字が
新聞等を含めてひとり歩きしております。つまり、
社会福祉法人一つに対して三億円以上の
内部留保、
余剰金がある、そのような誤った知識がひとり歩きしている
状況でございます。
これに対しては、まずこの統計を見ていただきたいんですけれども、この二の
内部留保額の調査結果の括弧のところ、これは
特養千六百六十二
施設に対しての
数字なんです。
皆さん、
社会福祉法人は二万弱あるんですよ。その二万弱ある
うちのたったの千六百六十二
施設の、しかも
特養だけをロックオンしてこの
数字をたたき出しています。これは、はっきり言って、全くもってナンセンスな
数字だと思っております。
そしてまた、この
内部留保の査定の仕方が、
土地建物も含めてトータルでの
内部留保という形になっておりますから、例えば、これは例え話で、十億円を持っている
法人があって、
内部留保を使いなさいよと言われました、では、
施設もだんだん手狭になったから隣の
土地を買って
建物を建てて、そして
内部留保を使いましたと
思いきや、
土地建物も評価に入りますから、
内部留保は一円も変わっていないわけですよ。これが本当に
内部留保という言い方になりますか。
ですから、この
数字の出し方からして、全くもってこの三億というものは、私は
議論に値しないと思っております。
そのためにも、私は、今回の
改革というのはどうしても必要なんです。なぜかといったら、この
内部留保というか今持っている
法人の
資産、それが
建物であったり
土地であったり、これは絶対に
運営するに当たって必要なもの。そしてまた、その
建物がないとそういった
法人の
運営ができませんから、
修繕費とか建てかえの
お金。そしてまた、
特養とかそういったものは三カ月先に
報酬が振り込まれるところがありますから、最低でも三カ月分の
運転資金。でも、例えば七月とか十二月はボーナスがありますから、そこで二カ月分ぐらい支払いますので、できれば五カ月から半年分ぐらいの
運転資金は
法人に持たせなきゃいけない。そしてまた、ある
意味、例えば
地震等があったときに対応できるようなある程度の
お金。さまざまなものを
必要経費としてみなした後、初めて本当に
余剰の分の
お金が出てくるはずなんです。
ですから、今回の
改革で、しっかりと
財務諸表をつくらせて、そしてそれも、
日本全体の
統一された
ルール、スタンダードな
基準をつくることによって初めて
日本全体の
社会福祉法人の、本当に、本当に余っていると言われている分の
お金の積算が出るはずなんです。
これが出るまでは、申しわけないですけれども、
財務省さんと
厚労省さんが、
財務省は
社福に、おまえ、
お金が余っているだろう、
厚労省の方は、いえいえ、そんなに余っていないんです、実際は。この不毛な
議論に終止符がつけられるんです。
ですから、どうしても今回の
改革で、
財務諸表の全国的なスタンダードな
基準をつくらせて、そしてそれに照らし合わせて本当の
意味での最終的な金額とか
数字を出させる、これがまず第一、
一つ目にどうしても今回の
改革で必要なことだと思っております。
二つ目が、いわゆる
法人というものは、私もそうですけれども、
社会福祉法人をやっている身として、公的な
お金が入りますから、それに対してやはり
国民の
方々が今回不信を持たれたんですから、当たり前ですけれども、それに対する
説明、
透明性を
向上させなきゃいけない。そのためには、やはり
法人の
ガバナンスの
強化というものが必要なんです。
ですから、今回の
社会福祉法人の
改革の目玉は、まさに、財政に対して、つまり
財務に対して諸表をしっかりつくって、それをちゃんと
公表ができる環境にする、そしてまた
法人の
ガバナンスを
強化する、この
二つがどうしても必要になってきます。
ただ、そこで
皆さん、考えなきゃいけないことは、ちっちゃな
法人に対する対応です。
大手に対しては、私のところもそうですけれども、
公認会計士と契約しておりますから、その方に全部任せております。でも、小さなところはそういうことができるでしょうか。
ですから、今回、こういう
ガバナンスの
強化や、
透明性を上げたり、
財務諸表をつくったりすることは非常に大切なんですが、小
規模の
法人に対するそういった手当てはどういうことを考えているか、まず
最初に
質問させていただきます。お願いします。