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柿沢委員 全くそのとおりなんですよ。
それで、この
年金機構に
国民の
年金保険料の巨額のお金を預け、また、大事な
個人情報を預けて本当にいいのかということについて、これからちょっとお伺いをしたいというふうに思います。
事実経過を記したペーパーを出せ、出せと言って、きのうになってようやく出してきました。これを見ると、結局のところ、最初は隠そうとして、内々に処理しようとして時間をかけているうちに
ウイルス感染が拡大して、
データの大量
流出まで起こして、そこでようやく観念して、二十日間もたってからトップの
厚生労働大臣に
報告をし、そして、そこから厚労省は、五日間も
情報をとめ置いて、その間知らんぷりして厚労
委員会の
審議を開いて、ようやく六月一日に公表した、こういうことじゃありませんか。要するに、隠し切れなくなってから公表したということではありませんか。その一連の経過の
責任は私にあるというふうに
塩崎厚労大臣も既に認められております。
その上で、昨夜、どたばたと
調査検証委員会の設置が公表されました。要するに、
年金機構も厚労省も、
第三者の目を入れなければ
国民の不信に応えられるような的確な
調査、
検証はできないということをみずから認めたようなものではありませんか。これは、
日本年金機構の
組織を根っこから私は
検証していかなきゃいけないと思いますよ。
水島理事長、さんざんたたかれていますけれ
ども、私は、あえて言えば、改革に取り組んできた
民間バンカー出身の
理事長をつるし上げにして、やめさせれば済むという問題ではないと思っています。
そもそも、社保庁の解体は、消えた
年金、
職員による
データ不正閲覧、つまり芸能人や有名人の
年金記録を見ちゃったという話ですね、こういったことで社保庁の
組織体質が厳しく問われる中で行われたものです。これによる
職員の懲戒
処分を八百六十七人も出して、非公務員型の
年金機構への移行が決まって、例を見ない五百人以上もの分限免職、整理退職により、雇用継続されない
職員を出しました。これは前例のない荒療治だったと思います。これにより、うみを出し切って、
国民の大事な
保険料を預かる機関として
年金機構は再生するはずだったんですよ。ところが、変わっていないではありませんか。
それで、
内部を見ると、この
年金機構というのは、身分制のような、極めていびつな
組織になってしまっていると思うんですよ。
一万八百八十人の正規
職員のうち、旧社保庁から雇用継続している人が八千八十二人います。その平均給与額は五百八十八万円。一方、
年金機構になってから採用された正規
職員は三千七十九人。平均給与額は四百四十万円。百四十万円開きがありますね。
正規
職員を上回る一万四千七百八十七人の非正規
職員がいます。准
職員とか特定
業務契約
職員等と言われています。この
皆さんは、正規の
職員の平均給与額が五百六十万円に対して、非正規
職員は二百九十万円という水準ですね。正規と非正規が年収二倍、極めて大きな待遇の格差があって、正規の中でも、旧社保庁からの移行組と新規採用組の間で百五十万もの大きな年収の格差が開いているんですよ。
一方、正規と非正規の仕事の
状況はどうかといえば、就職関係の
情報インターネットサイトで見つけましたけれ
ども、
内部に勤めていた人の評価としてこんなことが書かれていますよ。人員配置がめちゃくちゃだ、例えば、経験の浅い、あるいは在籍年数が長い正規
職員に、何年も時給が変わらない九百円そこそこのアルバイトが正規
職員に手とり足とり仕事を教えている、こういうことがよく見られるんだということが書いてあります。
荒療治を経て、なおかつお取り潰しになるような不祥事を起こした旧社保庁組が、結局、最も恵まれた、待遇のいい
立場に君臨しているというのが
年金機構の
組織の構造になっているのではありませんか。
そして、同一労働同一賃金どころか、正規
職員は安定した身分に安住して、面倒で困難な仕事は
立場の弱い非正規に押しつけている、こう言われています。加えて、
内部で
業務をやらずに外注丸投げが常態化して、
年金のプロとして
組織が持っていたスキルをも低下させているとも言われています。
総務省に設置されていた
外部監視機関の
年金業務監視
委員会の
委員長を務めた郷原信郎弁護士が、旧社保庁時代よりも
組織の体質は悪くなっているんじゃないかと言っています。
この
日本年金機構の
組織体質に関して、私は、先ほど申し上げたように、改革に取り組んできた
民間バンカー出身者の
理事長、問題意識を持っておられると思います。今、どう思われますか。