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大岡委員 それでは、最後に、戦後八十年に向けた
方向性について
お尋ねをしたいと
思います。
今回七十年でございますが、今回の
法律で十年分の
国債発行を担保するわけですね。これは
発行と
償還を担保するわけでございますから、特に問題がなければ、次の議論というのは十年後ということになります。
では、十年後どうなっているかということを申し上げますと、この十年で環境というものは大きく
変化をいたします。
まず、今回
給付を受ける方の
最低年齢は七十歳ですね。同居していることが
条件でございますから、七十歳ということになりますが、十年後には八十歳ということになります。これで、
人口問題研究所の推計によりますと、まず、
給付を受ける方の
対象者は半分に減るということがほぼ確実視されています。
さらに、
戦争の
記憶を風化させないということから考えますと、
終戦時に十歳だった、十歳であれば物心ついていますから、十歳だった人は、今回八十歳、十年後には九十歳です。これは全
人口の二・七%、しかも、恐らく、健康で物がしゃべれるという方はごくわずかになっているということが予想されています。
対象者が半分になって、しかも、当時物心ついていた方はほぼ健康ではなくなって、また、ひょっとしたら言葉がしっかり話せるかどうかわからないということになってしまいますと、
戦没者を弔い慰める、
戦争の
記憶を風化させないということが、この
国債を
発行して毎年
償還をするということで果たして達成できるのかということになってくるわけです。
これは、私も先日御
遺族の
皆様ともお話をしましたところ、お金がどうのこうのというよりも、やはり
戦争の
記憶あるいは
戦没者の
思いが風化してしまうことの方が怖い、さらには、十年後には、自分も含めて、仮にこれをいただいたとしても自分では恐らく使えない、意識があるかどうかもわからないと。だから、そうではなくて、
遺族としての
活動の方にもっと力を割いていただきたいという声が多数寄せられました。
だとすれば、この本来の
目的を、やはりもう一度、
戦争の
記憶あるいは
戦没者の
経験を風化させないということに定めていただきまして、先ほど政務官がおっしゃったような事業もやっておられるわけですから、そうしたツールを各県各地区の
遺族会の
皆様ともしっかりと連携をしてフル活用をして、そして、例えば公民館での
社会教育、それから小中学校出前授業等、この各県各地区の
遺族会と連携してそういった事業を進めるなど、この
制度のあり方そのものを見直すべき時期が来るのではないかというふうに考えています。
もう一度申し上げますと、この十年で環境は一気に変わります。多くの方が、この十年で、
戦争を
経験された、
戦争時に生きていた方が次々に寿命を迎えられるからなんですね。
だとすれば、今まだ元気なうちに、まだ話ができるうちに、皆さんの方でしっかりと聞き取りをして、議論をして、そして、八十年、九十年となればどんどんどんどん風化をしていくわけで、せめて百年は風化をしない、できるだけ長くこの
記憶を風化させないための
活動に政策そのものをこの十年かけてしっかりと議論を進めるべきではないかと考えますが、
大臣あるいは副
大臣の、この事業本来のあり方や、あるいは皆さんの望ましいと思う議論の
方向性につきまして、考えを
お尋ねしたいと
思います。